中小企業でもSalesforceは使える?導入メリット・コスト・代替ツールを解説

著者: B2Bデジタルプロダクト実践ガイド編集部公開日: 2025/12/10

中小企業でSalesforceは本当に必要?検討前に知るべきこと

「Salesforceは大企業向けで、うちには高すぎる」と思っていませんか?実は中小企業向けのプランも用意されており、月額3,000円/ユーザーから導入可能です。しかし、コストだけで判断するのは危険です。

この記事では、中小企業がSalesforceを導入する際の現実的な検討ポイント、コスト、メリット、そして向いている企業・向いていない企業の特徴を解説します。代替ツールも公平にご紹介しますので、自社に最適なCRM選定の参考にしてください。

この記事のポイント:

  • Salesforceは中小企業向けプラン(Starter Suite:月額3,000円/ユーザー、Pro Suite:月額12,000円/ユーザー)を提供
  • クラウド型のためIT部門不要、無料学習サービスTrailheadで自社学習が可能
  • AI導入した中小企業の88%が収益増加を報告(Salesforce調査)
  • 2023年に平均9%値上げ実施、SaaS値上げリスクの考慮が必要
  • シンプルな最小セットから始め、定着に3-6ヶ月を見込むのが推奨

(1) 中小企業のCRM導入率と課題

中小企業のCRM導入率は年々上昇していますが、依然として「コストが高い」「運用が難しい」という懸念から導入をためらう企業も多いのが現状です。営業活動の可視化や顧客情報の一元管理の必要性を感じつつも、最適なツール選定に悩んでいる担当者は少なくありません。

(2) Salesforceは大企業向けという誤解

「Salesforceは大企業向け」という認識は広く浸透していますが、実際には中小企業向けのプラン(Starter Suite)が用意されています。月額3,000円/ユーザーから導入でき、Sales・Service・Marketing機能を統合したオールインワンCRMとして活用可能です(中堅・中小企業向けソフトウェア:オールインワンCRM)。

(3) AI活用による中小企業の収益増加:88%が効果報告

Salesforceの調査によると、全世界の中堅・中小企業の75%がAIを試験導入または正式導入しており、AI導入した日本企業の88%が収益増加を報告しています(Salesforce「中堅・中小企業向けトレンドレポート」(第6版))。AIを活用した営業・マーケティングの効率化が、中小企業の成長に寄与していることが伺えます。

Salesforceの中小企業向けプラン:Starter Suite・Pro Suite

(1) Starter Suite:月額3,000円/ユーザーから導入可能

Starter Suiteは、Salesforceの中小企業向け入門プランです。月額3,000円/ユーザーで、Sales Cloud・Service Cloud・Marketing Cloudの主要機能を統合しています。

主な機能:

  • リード・商談管理(Sales Cloud)
  • 問い合わせ・チケット管理(Service Cloud)
  • メールマーケティング(月2,000通まで含む)
  • モバイルアプリ対応

30日間の無料トライアルも用意されているため、実際に操作して自社の業務に合うか確認できます(Starter Suite (スタータースイート))。

(2) Pro Suite:月額12,000円/ユーザーでより高度な機能

Pro Suiteは、Starter Suiteの上位プランで月額12,000円/ユーザーです。2024年6月に発表された中小企業向け新製品で、柔軟性と拡張性に優れた直感的UIで迅速導入が可能です。

Starter Suiteとの主な違い:

  • より高度なカスタマイズ機能
  • 詳細なレポート・分析機能
  • より多くのメール配信枠
  • API連携の拡張

中堅・中小企業向けSalesforce製品の価格設定

(3) 主要機能:Sales・Service・Marketing統合

Salesforceの中小企業向けプランは、営業(Sales)・カスタマーサービス(Service)・マーケティング(Marketing)の各機能を統合したオールインワンCRMです。従来は個別に導入していた複数のツールを一つに集約できるため、データの分散や二重入力といった非効率を解消できます。

中小企業がSalesforceを導入するメリット

(1) クラウド型でIT部門不要、社内メンテナンス不要

Salesforceはクラウド型のため、社内にサーバーを構築する必要がなく、IT部門がない中小企業でも導入・運用が可能です。システムのメンテナンスやアップデートはSalesforceが自動的に実施するため、担当者の負担が軽減されます(中小企業の営業改革にSalesforceは必須!メリットと事例を解説)。

(2) 無料学習サービスTrailheadで400以上のコース受講可能

TrailheadはSalesforce公式の無料学習プラットフォームで、400以上のコースを提供しています。営業担当者や管理者が自社で学習できるため、外部研修のコストを抑えられます。基礎から応用まで体系的に学べる点が、中小企業にとって大きなメリットです。

(3) スモールスタートから段階的に拡張可能

中小企業がSalesforceを導入する際は、「最初はコストを抑えたシンプルなシステムから始め、組織拡大に合わせて上位プランへ移行する」スモールスタートが推奨されています。Starter Suiteで導入効果を確認してから、Pro Suiteや他の上位プランへ移行することで、費用対効果を最大化できます。

導入時のコストと注意点

(1) 初期費用と月額費用の見積もり

Salesforceの中小企業向けプランは初期費用が不要で、月額費用のみで導入できます。

例:営業10名の企業がStarter Suiteを導入

  • 月額費用:3,000円/ユーザー × 10名 = 30,000円/月
  • 年間費用:30,000円 × 12ヶ月 = 360,000円/年

例:営業10名の企業がPro Suiteを導入

  • 月額費用:12,000円/ユーザー × 10名 = 120,000円/月
  • 年間費用:120,000円 × 12ヶ月 = 1,440,000円/年

(2) 追加機能・カスタマイズの費用

標準機能に含まれない機能を利用したい場合、追加費用が発生する可能性があります。例えば、高度なレポート機能、外部システムとのAPI連携、カスタムアプリケーション開発などです。導入前に必要な機能を洗い出し、追加費用が発生するかを確認することが重要です。

(3) 2023年に平均9%値上げ、SaaS値上げリスクの考慮

業界情報によるとSalesforceは2023年に平均9%程度の値上げを実施しました。SaaSの値上げは中堅中小企業の経営に恒久的なインパクトを与えるため、長期的なコスト計画を立てる際には、将来的な値上げリスクも考慮する必要があります。

(4) 導入効果が出るまでの期間と定着のポイント

中小企業では定着に3-6ヶ月が目安とされています。「入力が速い」「項目が少ない」「管理コストが低い」最小セットに絞ると浸透が早まります。多機能なプランを選ぶと定着に時間がかかり、現場の営業担当者の負担が増える可能性があるため、シンプルな構成から始めることが成功の鍵です。

Salesforceが向いている企業・向いていない企業

(1) 向いている企業:将来的な拡張を見据え、グローバル標準を求める企業

以下のような企業にSalesforceは向いています:

  • 将来的に組織拡大や海外展開を見据えている企業
  • グローバル標準のCRMで営業・マーケティングを統合したい企業
  • AI機能(Agentforce)やデータ統合(Data 360)を活用したい企業
  • 導入事例が豊富で、同業種の成功事例を参考にしたい企業

Salesforceは世界中で導入されているため、ノウハウやコミュニティが充実しており、情報収集がしやすいというメリットもあります。

(2) 向いていない企業:最小限の機能で低コスト運用したい企業

以下のような企業にはSalesforce以外の選択肢も検討価値があります:

  • 最小限の顧客管理機能だけでよく、低コストで運用したい企業
  • ITリテラシーが低く、複雑なシステムの習得が難しい企業
  • 短期的な成果を優先し、3-6ヶ月の定着期間を待てない企業

このような企業には、シンプルで低コストなCRMツールが適している場合があります。

(3) 代替ツールの比較:Zoho CRM、HubSpot、kintone等

中小企業向けCRMとして、Salesforce以外にも以下のツールが選択肢になります:

Zoho CRM:

  • 低コストでシンプルな機能
  • 小規模企業に適している

HubSpot CRM:

  • 基本機能は無料で利用可能
  • マーケティング機能が充実

kintone:

  • ノーコードでカスタマイズ可能
  • 日本企業に馴染みやすいUI

中小企業向けCRM14選。費用やできること、おすすめを紹介【2025年】CRMツール比較10選!中小企業が知っておきたい選び方

それぞれのツールにメリット・デメリットがあるため、自社の拡張計画・予算・必要な機能を明確にして選定することが重要です。

まとめ:自社に最適なCRM選定のポイント

中小企業でもSalesforceは導入可能であり、Starter Suiteなら月額3,000円/ユーザーからスモールスタートできます。ただし、導入効果が出るまで3-6ヶ月の定着期間が必要であり、SaaS値上げリスクや追加費用の可能性も考慮する必要があります。

次のアクション:

  • 自社の拡張計画と予算を明確にする
  • Starter Suiteの30日間無料トライアルで実際に試す
  • 代替ツール(Zoho CRM、HubSpot、kintone等)も並行検討する
  • 同業種の導入事例を参考にする(Salesforce公式サイトに195件の事例掲載)
  • 最小セット(入力が速い・項目が少ない・管理コストが低い)から始める

自社のビジネスモデルと成長計画に合わせて、最適なCRMを選定し、営業活動の効率化と顧客満足度の向上を目指しましょう。

※この記事は2025年12月時点の情報です。料金プランや機能は変更される可能性があるため、最新情報は各公式サイトをご確認ください。

よくある質問

Q1中小企業でもSalesforceは費用対効果が見合うのか?

A1Starter Suiteなら月額3,000円/ユーザーから導入可能で、営業10名なら月3万円程度です。スモールスタートで効果を確認しながら拡張できるため、費用対効果を最大化できます。Salesforceの調査によると、AI導入した中小企業の88%が収益増加を報告しており、適切に活用すれば十分に費用対効果が見込めます。

Q2IT部門がない企業でも導入・運用できるのか?

A2できます。Salesforceはクラウド型のため、社内にサーバーを構築する必要がなく、社内メンテナンスやアップデートも不要です。無料学習サービスTrailheadで400以上のコースを受講でき、自社で学習が可能です。必要に応じて導入支援パートナーも活用できるため、IT部門がなくても導入・運用できます。

Q3Salesforce Starter Suiteと上位プランの違いは何か?

A3Starter Suiteは月額3,000円/ユーザーで基本機能(Sales・Service・Marketing)を統合したプランです。Pro Suiteは月額12,000円/ユーザーで、より高度なカスタマイズ機能、詳細なレポート・分析機能、API連携の拡張などが利用できます。まずはStarter Suiteで始め、必要に応じて上位プラン移行が推奨されています。

Q4Salesforce以外の中小企業向けCRMとの比較ポイントは何か?

A4機能の豊富さではSalesforceが優位ですが、シンプルさや低コストを優先する場合はZoho CRM、HubSpot、kintone等も選択肢になります。Salesforceは将来的な拡張を見据え、グローバル標準を求める企業に向いています。一方、最小限の機能で低コスト運用したい企業には、他のツールが適している場合もあります。自社の拡張計画と予算で判断しましょう。

Q5導入から効果が出るまでどのくらいかかるのか?

A5中小企業では定着に3-6ヶ月が目安です。「入力が速い」「項目が少ない」「管理コストが低い」最小セットに絞ると浸透が早まります。多機能なプランを選ぶと定着に時間がかかり、現場の営業担当者の負担が増える可能性があるため、シンプルな構成から始めることが成功の鍵です。

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B2Bデジタルプロダクト実践ガイド編集部

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