Salesforceで実現する顧客管理:機能活用と運用のベストプラクティス

著者: B2Bデジタルプロダクト実践ガイド編集部公開日: 2025/12/5

顧客管理システムを導入したいけれど、どれを選べばいいのか...

BtoB企業の営業・マーケティング担当者にとって、顧客情報の一元管理は業務効率化の要です。しかし「どのCRMシステムを選べばいいのか」「Salesforceは本当に自社に合うのか」といった疑問は尽きません。

Salesforceは、CRM市場で7年連続世界トップシェアを誇り、世界15万社以上が採用しているクラウド型CRM/SFAです。2025年、Einstein Copilot(会話型AIアシスタント)がSalesforce CRMに直接組み込まれ、より効率的な顧客管理が可能になっています。

この記事では、Salesforceの顧客管理機能の全体像、実践的な活用方法、料金プラン、導入事例を詳しく解説します。

この記事のポイント:

  • Salesforceは世界15万社以上が採用する、CRM市場で7年連続世界トップシェアのシステム
  • Sales Cloudが営業支援・顧客管理の中核機能を提供(リード・取引先・商談管理)
  • 料金プランは月額3,000円〜39,600円まで、初期費用無料で導入可能
  • 三越伊勢丹では会員数約3倍、レコメンデーション売上3.2倍の成果
  • 2025年、Einstein Copilot・GPTによるAI機能が大幅に強化

なぜSalesforceが顧客管理の第一選択肢なのか

BtoB企業が顧客管理システムを選ぶ際、Salesforceが第一選択肢として挙げられる理由は3つあります。

1. 世界トップシェアの信頼性と実績

SalesforceはCRM市場で7年連続世界トップシェアを獲得しており、世界で15万社以上、日本国内でも多数の企業が導入しています。三越伊勢丹では会員数約3倍、レコメンデーション売上3.2倍、UDトラックスでは新規顧客獲得率の向上といった成果が報告されています。

2. クラウドサービスによる迅速な導入

Salesforceはクラウドサービスのため、契約後すぐに利用でき、新たにシステムを構築する必要がありません。初期費用無料で、モバイル端末でも利用可能なため、時間や場所を選ばず顧客情報やドキュメントを確認できます。

3. 豊富な機能とカスタマイズ性

リード管理、取引先管理、商談管理といった基本機能に加え、レポート・ダッシュボード、Einstein AIによる予測分析、AppExchangeでの拡張アプリなど、企業の成長に合わせて機能を拡張できます。

ただし、高機能であるがゆえに使いこなすには学習コストがかかる場合がある点には注意が必要です。

Salesforceの顧客管理機能の全体像

(1) Sales Cloud:営業支援・顧客管理の中核

Sales CloudはSalesforceの営業支援・顧客管理向け主力製品です。主な機能は以下の通りです:

基本機能

  • リード管理(見込み客の獲得・育成)
  • 取引先管理(企業情報の一元管理)
  • 取引先責任者管理(担当者情報の管理)
  • 商談管理(営業プロセスの可視化)
  • レポート・ダッシュボード(データ可視化)

上位機能

  • Einstein AI(予測分析・リードスコアリング)
  • カスタム項目・オブジェクト(業務に応じたカスタマイズ)
  • ワークフロー自動化(承認プロセス・通知など)
  • モバイル対応(iOS・Androidアプリ)

これらの機能により、営業・マーケティング・カスタマーサービスの各部門間で情報共有が円滑になります。

(2) リード・取引先・商談管理の基本構造

Salesforceの顧客管理は、以下の3つのオブジェクト(データの単位)で構成されています:

リード(Lead)

  • 見込み客の情報を管理
  • Webフォームからの問い合わせ、展示会で獲得した名刺情報など
  • リードスコアリングで見込み度を数値化

取引先(Account)

  • 企業情報を一元管理
  • 企業名、所在地、業種、売上規模、従業員数など
  • 既存顧客・見込み客の両方を管理

取引先責任者(Contact)

  • 企業内の担当者情報を管理
  • 氏名、役職、メールアドレス、電話番号など
  • 取引先と紐付けて管理

商談(Opportunity)

  • 案件情報を管理
  • 商談名、金額、フェーズ(提案中・見積提出・クロージングなど)、確度
  • 営業プロセス全体を可視化

これらのオブジェクトを組み合わせることで、見込み客の獲得から受注までのプロセスを一元管理できます。

(3) Einstein AIによる予測分析とパーソナライゼーション

2025年、Salesforceは週に1兆回以上の予測を実行しており、AI機能の高度化が急速に進展しています。主なAI機能は以下の通りです:

Einstein Copilot(会話型AIアシスタント)

  • Salesforce CRMに直接組み込まれたAIアシスタント
  • 自然言語での質問に回答(「今月の売上予測は?」「リードの優先順位は?」など)
  • 顧客情報の検索、商談の進捗確認、レポート作成を自動化

Einstein GPT(AI生成機能)

  • セールス、サービス、マーケティング向けのAI生成機能
  • メール・コンテンツ自動生成
  • パーソナライズされた顧客体験の提供

Einstein Trust Layer(セキュリティ強化)

  • データセキュリティと倫理的AIの強化(2025年)
  • より安全な運用が可能

業界特化型AIテンプレート

  • ヘルスケア、金融、小売など業種に応じた最適なAI活用が可能

これらのAI機能により、営業担当者の業務負荷を軽減し、より戦略的な営業活動に集中できます。

※AI機能の詳細は公式サイトで最新情報を確認してください。(この記事は2025年11月時点の情報です)

主要機能の実践的な活用方法

(1) リード管理:見込み客の獲得から育成まで

リード管理では、見込み客の情報を一元管理し、営業活動につなげます。

リードの獲得

  • Webフォームからの問い合わせ自動登録
  • 展示会・セミナーで獲得した名刺のインポート
  • マーケティングオートメーション(Pardot・Marketing Cloud)との連携

リードスコアリング

  • 見込み客の関心度や購買意欲を行動データ(Webサイト訪問、資料ダウンロードなど)から数値化
  • 優先順位を付けて営業効率を最大化

リードの育成

  • メールキャンペーンで定期的に情報提供
  • リードの行動履歴を可視化し、最適なタイミングでアプローチ

商談化

  • リードが商談化の段階に達したら、取引先・取引先責任者・商談に変換
  • 営業担当者に自動アサイン

(2) 取引先・取引先責任者管理:顧客情報の一元化

取引先管理では、企業情報を一元化し、各部門で共有します。

取引先の基本情報

  • 企業名、所在地、業種、売上規模、従業員数
  • カスタム項目で自社の業務に必要な情報を追加(例:契約更新日、サポート契約レベルなど)

取引先責任者の管理

  • 企業内の担当者(意思決定者・実務担当者)を紐付けて管理
  • 役職、部署、連絡先、最終接触日など

活動履歴の記録

  • 商談、メール、電話、訪問などの活動履歴を時系列で記録
  • チーム全体で情報共有し、顧客対応の質を向上

(3) 商談管理:営業プロセスの可視化と進捗追跡

商談管理では、案件の内容や進捗状況、確度など案件に関わる情報を可視化します。

商談の基本情報

  • 商談名、金額、確度(%)、フェーズ(見込み客・提案中・見積提出・クロージングなど)
  • クローズ予定日、競合情報

営業プロセスの可視化

  • セールスパイプライン(各フェーズの商談数・金額を可視化)
  • 商談の進捗状況をリアルタイムで確認
  • ボトルネック(停滞している商談)の早期発見

承認プロセスの自動化

  • 見積の承認プロセスをワークフローで自動化
  • 承認者への通知、承認履歴の記録

(4) レポート・ダッシュボード:データ活用による意思決定

レポート・ダッシュボードでは、蓄積されたデータを可視化し、意思決定を支援します。

標準レポート

  • リードの獲得数・商談化率
  • 商談の勝率・平均受注金額
  • 売上予測(月次・四半期・年次)

カスタムレポート

  • 自社の業務に応じたレポートを作成
  • フィルタ・グループ化・集計機能で詳細分析

ダッシュボード

  • 複数のレポートを1画面に集約
  • リアルタイムでデータを更新
  • 経営陣・営業マネージャー向けのKPIダッシュボード

これらの機能により、データに基づく意思決定と、PDCAサイクルの確立が可能になります。

料金プランと導入コストの考え方

(1) 4つのプラン比較(Starter・Professional・Enterprise・Unlimited)

Salesforceの料金プランは、企業規模や必要な機能に応じて4つから選択できます(すべて初期費用無料):

Starter(月額3,000円/ユーザー)

  • 小規模チーム向け(最大10ユーザーまで)
  • 基本的なリード・取引先・商談管理
  • レポート・ダッシュボード(標準機能のみ)
  • モバイルアプリ対応

Professional(月額9,600円/ユーザー)

  • 中堅企業向け
  • ワークフロー自動化
  • カスタムレポート・ダッシュボード
  • AppExchange連携
  • メール統合

Enterprise(月額19,800円/ユーザー)

  • 大企業向け
  • カスタム項目・オブジェクトの作成
  • 高度なワークフロー・承認プロセス
  • API連携
  • サンドボックス環境(テスト環境)

Unlimited(月額39,600円/ユーザー)

  • フルカスタマイズ対応
  • 無制限のサポート
  • 開発者向けサンドボックス
  • Einstein AI機能(一部プランでは追加料金)

※料金プランは変更の可能性があるため、公式サイトで最新情報を確認してください。(この記事は2025年11月時点の情報です)

(2) 企業規模・業種別の推奨プラン

小規模企業(従業員10人未満、営業チーム3〜5人)

  • 推奨プラン:Starter
  • 予算:月額9,000円〜15,000円(3〜5ユーザー)
  • ポイント:基本機能で十分、まずは顧客情報の一元化を優先

中堅企業(従業員10〜500人、営業チーム10〜30人)

  • 推奨プラン:Professional
  • 予算:月額96,000円〜288,000円(10〜30ユーザー)
  • ポイント:ワークフロー自動化、カスタムレポートで営業プロセスを効率化

大企業(従業員500人以上、営業チーム50人以上)

  • 推奨プラン:Enterprise または Unlimited
  • 予算:月額990,000円以上(50ユーザー以上)
  • ポイント:カスタム項目・API連携で既存システムと統合、高度な営業プロセスを実現

業種別のポイント

  • 製造業:在庫管理・受注管理システムとのAPI連携が重要
  • IT・SaaS:リードスコアリング・マーケティングオートメーション連携が重要
  • 金融・保険:コンプライアンス対応、高度なセキュリティ機能が必要

(3) 初期費用無料と月額課金モデル

Salesforceはすべてのエディションで初期費用無料、月額課金モデルを採用しています。

初期費用無料のメリット

  • 導入時の初期投資を抑えられる
  • 小規模から開始し、事業成長に合わせてプランをアップグレード可能

月額課金モデルの注意点

  • ユーザー数が増えると月額費用も増加
  • 年間契約で割引が適用される場合がある
  • 利用しない機能があっても料金は同一(プラン選定が重要)

その他の費用

  • カスタマイズ・導入支援費用(パートナー企業に依頼する場合)
  • トレーニング費用(公式トレーニング、オンライン学習)
  • AppExchangeアプリの追加費用(有料アプリを利用する場合)

これらの総コストを考慮して、ROI(投資対効果)を評価することが重要です。

導入事例と運用のベストプラクティス

(1) 導入成功事例(三越伊勢丹、UDトラックス等)

Salesforce導入の成功事例をいくつかご紹介します(公式サイトに190以上の導入事例が公開されています):

三越伊勢丹:会員数約3倍、レコメンデーション売上3.2倍

  • 業種:小売
  • 課題:顧客データの分散、パーソナライゼーションの不足
  • 導入効果:会員数約3倍、レコメンデーション売上3.2倍
  • ポイント:顧客情報を一元管理し、購買履歴に基づくパーソナライズされた提案を実現

UDトラックス:新規顧客獲得率の向上

  • 業種:製造業(商用車)
  • 課題:営業プロセスの可視化不足、データ活用の遅れ
  • 導入効果:新規顧客獲得率の向上
  • ポイント:Sales Cloudで営業プロセスを可視化し、データに基づく営業戦略を確立

これらの事例に共通するのは、導入前に自社の業務フローを整理し、Salesforceでどのプロセスを効率化するか明確にしていたという点です。

(2) 導入前の準備:業務フロー整理とゴール設定

Salesforce導入を成功させるには、導入前の準備が重要です:

業務フロー整理

  • 現在の営業プロセスを可視化(リード獲得→商談化→受注→サポート)
  • ボトルネックや非効率な業務を特定
  • Salesforceでどのプロセスを効率化するか優先順位を付ける

ゴール設定

  • 「何のためにSalesforceを導入するのか」を明確化
  • KPIを設定(例:リード獲得数を月50件から100件に、商談化率を20%から30%に)
  • 導入後3ヶ月・6ヶ月・1年の目標を設定

体制構築

  • Salesforce管理者を配置(設定・カスタマイズ・ユーザーサポート)
  • トレーニング計画を立てる(公式トレーニング、社内勉強会)
  • PDCAサイクルを確立(データに基づく改善活動)

カスタマイズの計画

  • 標準機能で対応できる範囲を見極める
  • カスタム項目・オブジェクトは必要最小限にとどめる(過度なカスタマイズは保守・運用の複雑化につながる)

(3) 2025年の最新トレンド(Einstein Copilot・GPT)

2025年、Salesforceは以下のトレンドに注力しています:

生成AI・会話型AIの進化

  • Einstein Copilot:Salesforce CRMに直接組み込まれた会話型AIアシスタント
  • Einstein GPT:メール・コンテンツ自動生成でパーソナライズされた顧客体験を提供
  • より効率的な顧客管理と営業活動が可能に

統合AIクラウドエコシステム

  • MA・CRM・SFA・CMS・カスタマーサービスを一つのプラットフォームで管理
  • データサイロの解消と一元管理

業界特化型AIテンプレート

  • ヘルスケア、金融、小売など業種に応じた最適なAI活用
  • 導入ハードルの低下

データセキュリティと倫理的AI

  • Einstein Trust Layerによりデータセキュリティと倫理的AIが強化
  • より安全な運用が可能

これらのトレンドを踏まえつつ、自社の現状の課題解決に必要な機能を優先することが重要です。

まとめ:Salesforceを導入すべき企業とタイミング

Salesforceは、CRM市場で7年連続世界トップシェアを誇る、信頼性と実績のある顧客管理システムです。導入前に自社の業務フローを整理し、明確なゴールを設定することで、営業効率化と売上向上を実現できます。

Salesforceを導入すべき企業

小規模企業(従業員10人未満)

  • 推奨プラン:Starter(月額3,000円/ユーザー)
  • タイミング:顧客数が50社以上、営業チームが3人以上になったタイミング
  • ポイント:顧客情報の一元化でExcel管理の限界を解消

中堅企業(従業員10〜500人)

  • 推奨プラン:Professional(月額9,600円/ユーザー)
  • タイミング:営業プロセスの可視化、データ活用による意思決定が必要になったタイミング
  • ポイント:ワークフロー自動化で営業効率を最大化

大企業(従業員500人以上)

  • 推奨プラン:Enterprise または Unlimited(月額19,800円〜39,600円/ユーザー)
  • タイミング:既存システムとの統合、高度な営業プロセスの実現が必要になったタイミング
  • ポイント:カスタム項目・API連携で自社の業務に完全フィット

次のアクション

  • 自社の業務フローを整理し、効率化したいプロセスを明確にする
  • 公式サイトで最新の料金・機能を確認する
  • 無料トライアル(一部プランで提供)で実際に操作性を試す
  • 導入実績のある企業の事例を参考にする(自社と類似した条件の事例を優先)
  • 導入目的とKPIを明確にする

Salesforceで、顧客情報の一元管理と営業効率化を実現し、売上最大化を目指しましょう。

よくある質問

Q1Salesforceの料金プランはどれを選べばよいですか?

A1Starter(月額3,000円/ユーザー)は小規模チーム向け(最大10ユーザー)、Professional(9,600円)は中堅企業向け、Enterprise(19,800円)は大企業向け、Unlimited(39,600円)はフルカスタマイズ対応です。企業規模や必要機能で選択しましょう。小規模企業はStarterで顧客情報の一元化、中堅企業はProfessionalでワークフロー自動化、大企業はEnterpriseでカスタム項目・API連携が推奨されます。

Q2初期費用はかかりますか?

A2すべてのエディションで初期費用無料です。クラウドサービスのため契約後すぐに利用可能で、新たにシステムを構築する必要がありません。月額課金モデルのため、小規模から開始し、事業成長に合わせてプランをアップグレードできます。ただし、カスタマイズ・導入支援をパートナー企業に依頼する場合は別途費用がかかることがあります。

Q3導入後にどのような成果が期待できますか?

A3三越伊勢丹では会員数約3倍、レコメンデーション売上3.2倍、UDトラックスでは新規顧客獲得率の向上といった成果が報告されています。ただし、企業規模・業種・運用体制により結果は大きく異なるため、自社と類似した条件の導入事例を参考にすることが推奨されます。導入前に業務フローを整理し、明確なゴールを設定することが成功の鍵です。

Q4Salesforceと他のCRMツールの違いは何ですか?

A4SalesforceはCRM市場で7年連続世界トップシェアを獲得しており、世界15万社以上が採用しています。主な違いは、機能の豊富さ(リード・取引先・商談管理、レポート・ダッシュボード、Einstein AIなど)、カスタマイズ性の高さ(カスタム項目・オブジェクト、API連携)、AppExchangeでの拡張アプリの豊富さです。ただし、高機能であるため学習コストがかかる点に注意が必要です。

Q5Salesforce Einstein AIはどのように活用できますか?

A52025年、Einstein Copilot(会話型AIアシスタント)がSalesforce CRMに直接組み込まれ、自然言語での質問に回答(「今月の売上予測は?」など)、顧客情報の検索、商談の進捗確認、レポート作成を自動化できます。Einstein GPTによりメール・コンテンツ自動生成、パーソナライズされた顧客体験の提供も可能です。AI機能の詳細は公式サイトで最新情報を確認してください。

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B2Bデジタルプロダクト実践ガイド編集部

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