Salesforce CRMとは?営業・マーケティング・カスタマーサービスを統合する顧客管理の基本

著者: B2Bデジタルプロダクト実践ガイド編集部公開日: 2025/12/7

「Salesforce CRMってよく聞くけど、実際どうなの?」という疑問に答えます

CRMツールの導入を検討する際、必ずと言っていいほど候補に挙がるのがSalesforceです。「世界で最も使われているCRM」「大企業向け」「高機能だけど高い」など、さまざまな情報が飛び交う中、自社に本当に合うのか判断に迷う担当者は多いのではないでしょうか。

この記事では、Salesforce CRMの基本機能から料金体系、他CRMとの違いまで、B2B企業の実務担当者が導入判断に必要な情報を整理してお伝えします。

この記事のポイント:

  • Salesforceは世界CRM市場シェア20.7%で11年連続No.1(IDC調査2024年)
  • Sales Cloud・Service Cloud・Marketing Cloudなど製品体系が豊富で拡張性が高い
  • 初期費用は数十万〜数百万円、月額は1ユーザーあたり数千円〜数万円が目安
  • 中小企業にはHubSpotやZoho、kintoneなど他の選択肢も検討すべき
  • 導入期間は標準で2〜3ヶ月、カスタマイズ込みで6ヶ月以上

1. Salesforce CRMが注目される背景

顧客情報を一元管理し、営業・マーケティング・カスタマーサービスを効率化するCRM(Customer Relationship Management)は、B2B企業にとって欠かせないツールとなっています。

その中でもSalesforceは、2024年のIDC調査で世界CRM市場シェア20.7%を獲得し、11年連続でNo.1の座を維持しています。2024年度の売上は348.6億ドル(前年比11%増)と成長を続けており、世界150,000社以上が導入しています。

日本国内でも富士通、NEC、トヨタ自動織機など大手企業を中心に導入が進んでおり、製造業、小売業、政府機関など幅広い業界で活用されています。

2. CRMの基礎知識とSalesforceの位置づけ

(1) CRM・SFA・MAの違いと役割

CRM導入を検討する際、よく混同されるのがCRM・SFA・MAの違いです。それぞれの役割を整理します。

MA(マーケティングオートメーション): 見込み客の獲得・育成を担当。Webサイト訪問者の行動追跡、メール配信の自動化、リードスコアリングなどを行います。

SFA(営業支援システム): 営業活動を効率化。商談管理、案件進捗の可視化、売上予測などを行います。

CRM(顧客関係管理): 顧客との関係を深化・維持。顧客情報の一元管理、コミュニケーション履歴の記録、カスタマーサポートなどを担います。

Salesforceは、これらすべての機能を製品群として提供しており、Sales Cloud(SFA/CRM)、Marketing Cloud(MA)、Service Cloud(カスタマーサービス)といった製品体系で統合的に顧客管理が可能です。

(2) Salesforceが11年連続シェアNo.1の理由

Salesforceが長年市場をリードし続ける背景には、以下の特徴があります。

クラウドネイティブの先駆者: 1999年にクラウド型CRMの先駆けとして創業し、オンプレミス型が主流だった市場を変革しました。

豊富なエコシステム: AppExchangeというアプリケーションマーケットプレイスを通じて、数千のサードパーティアプリと連携可能です。

継続的なイノベーション: 2024年にはEinstein GPT(生成AI機能)を拡充し、営業・サービス・マーケティング業務を自律的に実行するAIエージェントを導入しています。

3. Salesforce CRMの主要機能と製品体系

(1) Sales Cloud(営業支援)の機能

Salesforceの中核製品であるSales Cloudは、以下の機能を提供します。

顧客情報管理: 取引先企業、担当者、商談履歴を一元管理。スマートフォンやタブレットからリアルタイムでアクセス可能です。

商談管理: 案件の進捗状況を可視化し、パイプライン全体を把握。成約確度に基づく売上予測も自動で算出されます。

レポート・ダッシュボード: 営業活動のKPIをリアルタイムで可視化。カスタマイズ可能なダッシュボードで、マネージャーの意思決定を支援します。

(2) Service Cloud(カスタマーサービス)の機能

Service Cloudは、カスタマーサポート業務を効率化する製品です。

ケース管理: 問い合わせをチケット化し、対応状況を追跡。複数チャネル(電話、メール、チャット、SNS)からの問い合わせを一元管理します。

ナレッジベース: よくある質問と回答を整備し、セルフサービスを促進。サポート担当者の対応品質向上にも活用できます。

(3) Einstein GPT(生成AI)の活用

2024年に拡充されたEinstein GPTは、以下のような業務を支援します。

  • 商談メールの自動作成
  • 顧客対応履歴の自動要約
  • 次のアクション提案
  • 営業予測の精度向上

生成AI機能は追加オプションとして提供されており、利用には別途費用がかかる場合があります。詳細は公式サイトで確認してください。

4. 料金プランと導入コストの考え方

(1) 初期費用とランニングコストの内訳

Salesforce導入時に考慮すべきコストは以下の通りです。

初期費用:

  • ライセンス費用(契約形態による)
  • 導入支援・コンサルティング費用
  • 既存システムとのデータ移行費用
  • カスタマイズ開発費用

ランニングコスト:

  • 月額ライセンス費用(1ユーザーあたり)
  • 保守・サポート費用
  • 追加オプション費用(AI機能など)

初期費用は規模やカスタマイズ範囲により数十万〜数百万円、月額費用は1ユーザーあたり数千円〜数万円が一般的な目安です。ただし、プランや為替レートにより変動するため、必ず公式サイトで最新情報を確認してください。

(2) 企業規模別の費用目安

中小企業(従業員50名未満): Salesforceは機能が豊富な分、中小企業には過剰投資になる可能性があります。HubSpot(無料プランあり)やZoho(低価格帯)も検討候補に入れるのが現実的です。

中堅企業(従業員50〜500名): Salesforceの標準プランで十分な場合が多いです。導入支援を受けながら段階的に機能を拡張するアプローチが一般的です。

大企業(従業員500名以上): Salesforceの拡張性とカスタマイズ性が活きる領域です。全社横断でのデータ統合、複雑な承認フロー、高度な分析機能などを活用できます。

5. 他CRMとの比較と選定ポイント

(1) HubSpot・Zoho・kintoneとの機能比較

主要CRMの特徴を比較します。

Salesforce:

  • 強み:エンタープライズ向け高機能、拡張性、エコシステム
  • 弱み:コストが高め、学習コストがかかる
  • 適した企業:中堅〜大企業、グローバル展開企業

HubSpot:

  • 強み:無料プランあり、UI/UXが直感的、MA連携が強い
  • 弱み:高度なカスタマイズに制限、大規模運用時のコスト
  • 適した企業:スタートアップ〜中小企業、インバウンドマーケティング重視

Zoho CRM:

  • 強み:低価格、多機能、グループウェア連携
  • 弱み:日本語サポートの品質、エンタープライズ機能
  • 適した企業:コスト重視の中小企業

kintone:

  • 強み:国産、ノーコードでカスタマイズ、日本語サポート充実
  • 弱み:CRM専用ではない、グローバル展開に弱い
  • 適した企業:日本国内中心、柔軟なカスタマイズを求める企業

(2) 自社に合ったCRMを選ぶ基準

CRM選定時のチェックポイントは以下の通りです。

1. 導入目的の明確化: 現場スタッフと議論し、解決したい課題を具体化します。「営業情報の共有」「顧客対応履歴の一元化」など、目的によって最適なツールは異なります。

2. 必要機能の洗い出し: 多機能すぎるCRMを導入すると、現場が使いこなせず定着しないリスクがあります。必要最低限の機能から始め、段階的に拡張するアプローチが推奨されます。

3. 既存システムとの連携: MA、会計システム、基幹システムとの連携可能性を事前に調査します。SalesforceはAPI連携機能が豊富ですが、連携開発には追加コストがかかる場合があります。

4. 現場ユーザーの視点: UI/UXや操作性を実際に試用して確認します。無料トライアルを活用し、現場担当者の意見を聞くことが定着率向上につながります。

5. 総コストの把握: 初期費用だけでなく、ランニングコスト(月額料金、保守費用、カスタマイズ費用)も含めた3〜5年の総コストを見積もります。

6. まとめ:導入判断のチェックリスト

Salesforce CRMは、世界シェアNo.1の実績と豊富な機能・拡張性を持つエンタープライズ向けCRMです。一方で、コストや学習コストの面から、すべての企業に最適というわけではありません。

導入を検討すべき企業:

  • 従業員数が多く、部門横断でのデータ統合が必要
  • グローバル展開しており、多言語・多通貨対応が必要
  • 高度なカスタマイズや他システム連携を予定している
  • 長期的な拡張性を重視している

他の選択肢を検討すべき企業:

  • 従業員50名未満でコストを抑えたい
  • シンプルな顧客管理から始めたい
  • 日本国内市場のみで運用予定

次のアクション:

  • 自社の課題と導入目的を整理する
  • Salesforce公式サイトで最新の料金プランを確認する
  • 無料トライアルで操作性を試す
  • 同業種・同規模企業の導入事例を調査する
  • HubSpot、Zoho、kintoneなど他CRMとも比較検討する

※この記事は2025年時点の情報です。料金・機能は変更される可能性があるため、導入検討時は各社公式サイトで最新情報をご確認ください。

よくある質問:

Q: Salesforce CRMと他CRMの主な違いは? A: Salesforceは世界シェア20.7%でNo.1、エンタープライズ向けの高機能・拡張性が強みです。一方、HubSpotは中小企業向けの無料プランがあり、kintoneは国産で日本語サポートが充実しています。自社の規模・予算・目的に応じて選定することが重要です。

Q: 中小企業でもSalesforce CRMは導入できる? A: 技術的には可能ですが、月額コストが高めのため、従業員50名以下の企業ではHubSpot無料版やZohoが現実的な選択肢となる場合があります。まずは無料トライアルで自社に合うかを確認することをおすすめします。

Q: Salesforce導入にかかる期間と費用は? A: 標準的な導入で2〜3ヶ月、カスタマイズや他システム連携を含めると6ヶ月以上かかることもあります。初期費用は数十万〜数百万円、月額は1ユーザーあたり数千円〜数万円が目安ですが、プランや契約形態により異なります。

Q: CRMとSFAとMAの違いは? A: MAは見込み客の獲得・育成、SFAは営業活動の効率化、CRMは顧客との関係深化・維持を担います。Salesforceはこれらすべてを製品群として提供しており、Sales Cloud、Marketing Cloud、Service Cloudなどで統合的に管理できます。

よくある質問

Q1Salesforce CRMと他CRMの主な違いは?

A1Salesforceは世界シェア20.7%でNo.1、エンタープライズ向けの高機能・拡張性が強みです。HubSpotは中小企業向け無料プランあり、kintoneは国産で日本語サポートが充実。自社の規模・予算・目的に応じた選定が重要です。

Q2中小企業でもSalesforce CRMは導入できる?

A2技術的には可能ですが、月額コストが高めです。従業員50名以下の企業ではHubSpot無料版やZohoが現実的な選択肢となる場合があります。無料トライアルで自社に合うか確認することをおすすめします。

Q3Salesforce導入にかかる期間と費用は?

A3標準導入で2〜3ヶ月、カスタマイズ込みで6ヶ月以上。初期費用は数十万〜数百万円、月額は1ユーザーあたり数千円〜数万円が目安です。プランや契約形態により異なるため、公式サイトで確認してください。

Q4CRMとSFAとMAの違いは?

A4MAは見込み客の獲得・育成、SFAは営業活動の効率化、CRMは顧客との関係深化・維持を担います。Salesforceはこれらすべてを製品群として提供しており、統合的に顧客管理が可能です。

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B2Bデジタルプロダクト実践ガイド編集部

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