Salesforceでできること・できないことを機能別に徹底解説【2024年版】

著者: B2Bデジタルプロダクト実践ガイド編集部公開日: 2025/12/13

セールスフォースって何ができるの?導入を検討する前に知っておくべきこと

「営業活動を効率化したいけど、セールスフォースって実際何ができるの?」「高額な投資に見合う効果が得られるのか?」――こうした疑問を持つ営業部門マネージャーやシステム担当者は少なくありません。

セールスフォース(Salesforce)は世界シェアNo.1のクラウド型CRM/SFAプラットフォームとして知られていますが、「できること」だけでなく「できないこと・苦手なこと」を正確に把握した上で導入判断をすることが重要です。

この記事では、Sales Cloud・Service Cloud・Marketing Cloudなど主要製品ごとに機能を整理し、自社に必要な機能がSalesforceでカバーできるかを判断できる情報を提供します。

この記事のポイント:

  • Sales Cloudは営業活動の可視化・効率化に強く、顧客情報の一元管理やAI機能Einsteinによる売上予測が可能
  • Service Cloudはマルチチャネル対応の問い合わせ管理、Marketing Cloudはリードスコアリングとキャンペーン自動化に対応
  • 導入コストと学習コストが高く、中小企業には負担になる可能性がある
  • データ蓄積まで成果が出にくく、初期段階では入力作業の負担がかかる
  • 2025年の最新機能AgentforceでAIエージェントによるガイダンス提供やワークフロー実行が可能になった

1. Salesforceとは?導入を検討する前に知っておくべき基礎知識

Salesforceは、顧客情報を一元管理し、営業・マーケティング・カスタマーサポートの各部門で活用できるクラウド型CRM/SFAプラットフォームです。企業の戦略に合わせて必要な機能を組み合わせて使うことができる点が特徴です。

(1) Salesforceの基本コンセプト:クラウド型CRM/SFAプラットフォーム

Salesforceは、CRM(Customer Relationship Management / 顧客関係管理)とSFA(Sales Force Automation / 営業支援システム)の機能を統合したプラットフォームです。顧客の流入経路や販売履歴など、幅広い情報を入力・管理でき、営業活動の可視化と効率化を実現します。

クラウド型のため、インターネット環境があればどこからでもアクセス可能で、外回り先からでもスマホやタブレットで必要な情報を引き出せます。

(2) 主要製品ラインナップ:Sales Cloud・Service Cloud・Marketing Cloud

Salesforceには複数の製品ラインがあり、企業のニーズに応じて選択・組み合わせが可能です。

主要製品:

  • Sales Cloud: 営業活動の支援に特化。顧客情報管理、商談管理、営業プロセスの自動化などが可能
  • Service Cloud: カスタマーサポートに特化。問い合わせ管理、ナレッジベース、マルチチャネル対応などが可能
  • Marketing Cloud: マーケティング活動の自動化に特化。リードスコアリング、キャンペーン管理、メール配信などが可能

これらの製品は単独でも利用できますが、連携することでマーケティングから営業、カスタマーサポートまでの顧客体験全体を最適化できます。

(3) 2025年最新機能:Agentforce(AIエージェント)の追加

2025年のSummer '25リリースで、Agentforce(AIエージェント)が追加されました。Agentforceは従業員向けユースケースに対応し、ガイダンス提供、ワークフロー実行、知識の表示を行います。また、Slackプランには複数のAIエージェントを直接Slackに展開できる機能も追加されています。

これにより、営業担当者やカスタマーサポート担当者が日常業務でAIのサポートを受けながら、より効率的に作業を進められるようになりました。

※この記事は2025年1月時点の情報です。最新の機能や料金については、Salesforce公式サイトでご確認ください。

2. Sales Cloudでできること:営業活動の可視化と効率化

Sales Cloudは、営業活動に必要な機能をすべて備えた製品です。顧客情報の管理・共有、営業活動の分析・可視化、営業プロセスの自動化などが可能です。

(1) 顧客情報の一元管理:商談・メール・アプローチ履歴の記録

営業担当者全員が顧客とのやり取り、商談、メール、アプローチの過程をすべて記録・保存できます。これにより、「担当者が不在で顧客対応ができない」「過去のやり取りが分からない」といった問題を解消できます。

具体的な機能:

  • 顧客情報の登録・編集(会社名、担当者名、連絡先、業種、規模など)
  • 商談履歴の記録(商談日時、内容、進捗状況、受注見込み金額など)
  • メールやアプローチの履歴管理
  • 過去のやり取りを瞬時に参照できる検索機能

(2) 営業活動の分析・可視化:成果を上げている営業担当者のノウハウ共有

Sales Cloudでは、成果を上げている営業担当者のノウハウを共有してマニュアル化できます。営業活動のデータを蓄積・分析することで、どのアプローチが効果的だったかを可視化し、組織全体の営業力を底上げできます。

活用例:

  • 成約率の高い営業担当者の行動パターンを分析し、チーム全体で共有
  • 商談の進捗状況をリアルタイムで可視化し、マネージャーが適切にサポート
  • 過去の成功事例を参照し、新人営業担当者の育成に活用

(3) 営業プロセスの自動化:見込み客の検知・売上予測(AI機能Einstein)

AI機能「Einstein」が顧客データの分析や予測を自動で行い、見込み客の検知や売上予測が可能になります。これにより、営業担当者は手作業での分析時間を削減し、顧客対応に集中できます。

Einsteinの主な機能:

  • リードスコアリング:見込み客の関心度や購買可能性を数値化
  • 売上予測:過去のデータをもとに将来の売上を予測
  • 次のアクション提案:営業担当者に最適な次のアクションを提案

(4) モバイル対応:外回り先からスマホ・タブレットで情報アクセス

外回り先からでもスマホやタブレットで必要な情報を引き出せるため、営業活動の効率化が実現します。顧客訪問中に過去の商談履歴を確認したり、その場で商談内容を入力したりすることが可能です。

活用例:

  • 顧客訪問前に過去のやり取りをスマホで確認
  • 訪問後すぐに商談内容を入力し、情報を社内で共有
  • 移動中にダッシュボードで営業進捗を確認

3. Service Cloudでできること:カスタマーサポートの強化

Service Cloudは、カスタマーサポート業務を効率化し、顧客満足度を向上させる機能を備えています。

(1) 問い合わせ管理:マルチチャネル対応(電話・メール・チャット・SNS)

Service Cloudでは、電話、メール、チャット、SNSなど複数のチャネルからの問い合わせを一元管理できます。どのチャネルから問い合わせがあっても、過去の履歴を参照しながら対応できるため、顧客に一貫した対応を提供できます。

(2) ナレッジベース:よくある質問と回答の蓄積・共有

よくある質問と回答を蓄積し、ナレッジベースとして共有できます。これにより、サポート担当者は過去の対応事例を参照しながら迅速に回答でき、顧客の待ち時間を短縮できます。

(3) 顧客履歴の統合管理:過去のやり取りを瞬時に参照

顧客に関するあらゆる情報(購入履歴、問い合わせ履歴、営業担当者とのやり取りなど)を統合的に管理できます。これにより、サポート担当者は顧客の状況を瞬時に把握し、適切な対応が可能になります。

4. Marketing Cloudでできること:マーケティング活動の自動化

Marketing Cloudは、マーケティング活動を自動化し、リード獲得から営業への引き継ぎまでをスムーズに行う機能を備えています。

(1) リードスコアリング:見込み客の関心度や購買可能性を数値化

リードスコアリングにより、見込み客の関心度や購買可能性を数値化できます。これにより、営業担当者は優先的にアプローチすべき見込み客を特定し、効率的に営業活動を進められます。

(2) キャンペーン管理:メール配信・広告配信の自動化

メール配信や広告配信を自動化し、顧客の行動に応じて最適なタイミングでアプローチできます。例えば、「Webサイトで特定のページを閲覧した見込み客に自動でフォローメールを送信する」といった設定が可能です。

(3) Sales Cloudとの連携:マーケティングから営業へのスムーズな引き継ぎ

Marketing CloudとSales Cloudを連携することで、マーケティング部門が獲得したリードを営業部門にスムーズに引き継げます。リードの関心度や行動履歴も共有されるため、営業担当者は効果的なアプローチが可能になります。

5. Salesforceでできないこと・苦手なこと

Salesforceは高機能なプラットフォームですが、「できないこと・苦手なこと」も存在します。導入判断の際には、これらの点も考慮することが重要です。

(1) 導入コストの負担:中小企業には高額になる可能性

中小企業にとっては導入コストが負担になる可能性があります。ライセンス費用、初期設定費用、カスタマイズ費用などが必要で、契約プランによっては月額数十万円以上かかることもあります。

コスト面の注意点:

  • ライセンス費用は利用ユーザー数に応じて増加
  • カスタマイズや外部システム連携には追加コストがかかる
  • AppExchangeの拡張機能も有料の場合が多い

※具体的な料金は契約プランや利用規模により異なります。詳細はSalesforce営業担当者にご相談ください。

(2) 学習コスト:多機能ゆえに使いこなすまでに時間がかかる

多機能なシステムであるため、使いこなすまでに時間がかかる場合があり、専門的な知識が必要になることもあります。一般的に、使いこなせるようになるまで数ヶ月〜半年程度かかると言われています。

対策:

  • 導入時の研修プログラムを整備する
  • スモールスタートで少人数から始め、徐々に拡大する
  • Salesforceの認定トレーニングやオンライン学習を活用する

(3) データ蓄積まで成果が出にくい:初期段階では通常業務に入力作業が追加される負担

データがある程度蓄積されるまで成果が出せず、最初のうちは通常業務に入力作業がプラスになるため負担がかかります。営業担当者にとっては「入力が面倒」と感じられることもあり、定着までに時間がかかる場合があります。

対策:

  • 入力項目を最小限に絞り、徐々に拡張する
  • 入力の意義と成果を説明し、営業担当者の理解を得る
  • 自動入力機能やモバイルアプリを活用し、入力の負担を軽減する

(4) 組織変革への抵抗:情報共有に抵抗感を持つ担当者・部署の存在

情報の管理を囲い込むことで社内での優位性を保っていた担当者や部署からは、大きな抵抗を受けてしまう可能性があります。組織文化として情報共有を推進する仕組みづくりが必要です。

対策:

  • 経営層が率先して情報共有の重要性を発信する
  • 情報共有による成果を可視化し、評価に反映する
  • 段階的に導入し、成功事例を積み重ねる

6. まとめ:自社に必要な機能がSalesforceでカバーできるか判断しよう

Salesforceは、営業活動の可視化・効率化、カスタマーサポートの強化、マーケティング活動の自動化など、幅広い機能を備えたプラットフォームです。一方で、導入コスト・学習コストが高く、データ蓄積まで成果が出にくいという課題もあります。

導入を検討する際のチェックポイント:

  • 自社の営業プロセスやカスタマーサポート業務に必要な機能がSalesforceでカバーできるか
  • 導入コストと期待される効果(ROI)が見合うか
  • 組織として情報共有の文化を醸成できるか
  • 導入後の研修・サポート体制を整備できるか

次のアクション:

  • 無料トライアルで実際の操作性を試す
  • 同業種・同規模企業の導入事例を参考にする
  • Salesforce営業担当者に相談し、自社に最適なプランを検討する
  • 導入する場合はスモールスタートで始め、徐々に拡大する

Salesforceは多機能なプラットフォームですが、「万能ツール」ではありません。自社のニーズと照らし合わせ、「できること・できないこと」を正確に把握した上で、導入判断をすることが重要です。

よくある質問

Q1中小企業でもSalesforceを導入できますか?コストはどれくらいかかりますか?

A1中小企業向けのプランもありますが、ライセンス費用・初期設定費用・カスタマイズ費用などを含めると、月額数十万円以上かかる場合があります。利用ユーザー数や必要な機能により変動するため、詳細はSalesforce営業担当者に相談し、無料トライアルで試すのが推奨されます。

Q2導入後、使いこなせるようになるまでどれくらいの時間がかかりますか?

A2多機能なシステムのため、一般的に数ヶ月〜半年程度かかると言われています。専門的な知識が必要な場合もあるため、導入時の研修プログラム整備、スモールスタートでの開始、Salesforceの認定トレーニングやオンライン学習の活用が重要です。

Q3既存のシステム(SlackやTableauなど)との連携は可能ですか?

A3可能です。SlackやTableauなど多くのツールと連携でき、業務効率をさらに向上できます。また、AppExchangeで拡張機能も利用可能ですが、追加コストがかかる場合があります。連携範囲や費用については営業担当者にご確認ください。

Q4Salesforceと他のCRMツール(Dynamics 365、HubSpotなど)との違いは何ですか?

A4Salesforceは世界シェアNo.1で、カスタマイズ性と拡張性に優れますが、導入コストと学習コストが高い傾向があります。Dynamics 365やHubSpotなど他のCRMツールは、中小企業向けに低コストで使いやすいものもあります。自社のニーズ・予算・必要な機能を整理し、複数のツールを比較検討することが重要です。

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B2Bデジタルプロダクト実践ガイド編集部

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