営業管理の方法とは?効果的な手法と実践ステップ

著者: B2Bデジタルプロダクト実践ガイド編集部公開日: 2025/12/25

営業チームの成果がバラバラで、何をどう管理すればいいか分からない...

BtoB企業の営業マネージャーの多くが、営業管理の方法に悩んでいます。「営業担当者の活動が見えない」「売上の予測が立たない」「優秀な営業員がいても、チーム全体の成果が上がらない」「何を管理すべきか分からない」といった課題は尽きません。

この記事では、営業管理の基本、管理すべき項目、効果的な手法、ツール活用、よくある課題と対策まで、実践的に解説します。

この記事のポイント:

  • 営業管理は、営業活動をデータ化し、数値をもとに課題発見・営業手法の最適化を行う手法
  • 管理すべき基本項目は、顧客・案件・活動・目標・売上・KPIの6つ
  • 効果的な手法として、目標管理・行動管理・案件管理・モチベーション管理の4つの柱を実施
  • Excelは低コストで始めやすいが、事業規模が大きくなればSFA導入を検討(段階的移行を推奨)
  • 2024年調査では、Excel・営業管理システム併用が多いが、マンパワー依存の傾向が見られる

1. 営業管理とは何か

営業管理の定義と重要性を解説します。

(1) 営業管理の定義

営業管理とは、営業活動のプロセスをデータ化し、数値をもとに課題発見・営業手法の最適化を行う手法です。

営業管理の範囲:

  • 顧客情報の管理(企業名・担当者・連絡先等)
  • 営業案件の進捗管理(提案・見積・受注等のステータス)
  • 営業担当者の活動管理(訪問・架電・提案等の記録)
  • 目標と実績の管理(売上目標・達成率等)
  • KPI(重要業績評価指標)の設定と測定

(出典: 営業管理とは?6つの必須項目とSFA/Excelでの効率的な方法

(2) なぜ営業管理が重要なのか

営業管理を適切に行うことで、以下のような効果が期待できます:

営業管理の効果:

  • 売上の予測精度向上: 営業案件の進捗状況を可視化し、売上予測が立てやすくなる
  • 営業プロセスの最適化: どのステップでボトルネックが発生しているかを特定し、改善できる
  • 属人化の解消: 営業情報をチーム全体で共有し、担当者が変わっても継続できる
  • 営業担当者の育成: 成功パターンを分析し、ノウハウを共有できる
  • 経営判断の材料: データに基づいた意思決定が可能になる

(3) 営業管理の目的(売上向上・属人化解消)

営業管理の主な目的は、以下の2つです:

目的1: 売上向上

  • 営業案件の進捗を可視化し、受注確度を高める
  • 営業担当者の活動を分析し、効果的なアプローチを標準化
  • 商談化率・成約率を測定し、ボトルネックを特定

目的2: 属人化解消

  • 営業情報(顧客情報・商談履歴等)をチーム全体で共有
  • 担当者が変わっても、スムーズに引き継ぎができる
  • 優秀な営業員のノウハウをチーム全体に展開

属人化とは、特定の担当者だけが情報・ノウハウを持ち、他者に共有されていない状態を指します。属人化が進むと、担当者の退職・異動時に顧客情報が失われるリスクがあります。

2. 営業管理で管理すべき基本項目

営業管理で管理すべき基本項目を5つ紹介します。

(1) 顧客管理(企業名・担当者・連絡先)

顧客管理は、顧客情報を一元管理し、最適なアプローチを実現する営業管理の基本です。

管理すべき情報:

  • 企業名・業種・規模(従業員数・売上等)
  • 担当者名・役職・連絡先(電話・メール)
  • 過去の商談履歴(提案内容・受注実績等)
  • 顧客の課題・ニーズ
  • 次回アクション予定

これらを一元管理することで、営業担当者が変わってもスムーズに対応でき、顧客との関係性が継続されます。

(2) 案件管理(進捗状況・受注見込み)

案件管理は、営業案件の進捗状況を可視化し、受注確度を高める管理項目です。

管理すべき情報:

  • 案件名・顧客名
  • 営業ステージ(初回接触・提案・見積・受注等)
  • 受注見込み額・受注予定日
  • 受注確度(A・B・Cランク等)
  • ネクストアクション(次にやるべきこと)

案件管理を行うことで、「今月の売上予測」「受注確度の高い案件はどれか」が一目で分かるようになります。

(3) 活動管理(訪問・架電・提案)

活動管理は、営業担当者の日々の活動を記録・管理する項目です。

管理すべき情報:

  • 訪問・架電・メール送信の回数
  • 提案・見積の提出日
  • 商談の内容・結果
  • 顧客からのフィードバック

活動管理を行うことで、「どのような活動が成果に繋がっているか」を分析できます。ただし、訪問回数等の効率指標を管理しても、売上向上に直接寄与しないケースがあるため、成果に繋がる活動(提案数・見積提出数等)を重視することが重要です。

(出典: 営業管理の現状と課題

(4) 目標管理・売上管理

目標管理・売上管理は、営業担当者・チーム全体の目標と実績を管理する項目です。

管理すべき情報:

  • 売上目標(月次・四半期・年次)
  • 売上実績
  • 達成率(実績 ÷ 目標)
  • 受注数・受注額
  • 新規顧客獲得数

目標と実績を可視化することで、「どのメンバーが目標未達か」「どの商材が売れていないか」を早期に発見し、対策を打てます。

(5) KPI管理(成約率・商談化率等)

KPI(Key Performance Indicator: 重要業績評価指標)管理は、営業プロセスの各ステップを数値化し、ボトルネックを特定する管理項目です。

主要なKPI:

  • 商談化率: リードのうち、商談化した割合(例: 100件のリードから10件商談化なら10%)
  • 成約率: 商談のうち、受注した割合(例: 10件の商談から3件受注なら30%)
  • リードタイム: リード獲得から受注までの期間
  • 平均受注額: 1件あたりの受注金額
  • 顧客単価: 1顧客あたりの売上

KPIを測定することで、「商談化率が低い」「成約率が低い」などのボトルネックを特定し、改善アクションを実施できます。

(出典: 営業管理とは?成果を最大化する4つの柱とSFA導入・定着ガイド

3. 効果的な営業管理の手法(4つの柱)

営業管理を効果的に行うための4つの柱を紹介します。

(1) 目標管理(KGI・KPI設定)

目標管理では、KGI(Key Goal Indicator: 重要目標達成指標)とKPIを設定します。

KGIとKPIの違い:

  • KGI: 最終的な目標(例: 年間売上10億円)
  • KPI: KGIを達成するための中間指標(例: 商談化率20%、成約率30%)

KPIを設定することで、「KGI達成のために、どのような活動をどれだけ行う必要があるか」が明確になります。

(2) 行動管理(プロセス可視化)

行動管理では、営業プロセスを可視化し、営業担当者の活動を標準化します。

営業プロセスの例:

  1. リード獲得(マーケティング・展示会等)
  2. 初回接触(電話・メール)
  3. ヒアリング・ニーズ把握
  4. 提案・見積提出
  5. 商談・交渉
  6. 受注・契約
  7. アフターフォロー

各ステップでの活動を記録し、「どのステップでつまずいているか」を分析します。

(3) 案件管理(パイプライン管理)

案件管理では、営業パイプライン(営業案件の進捗状況を一覧化したもの)を管理します。

パイプライン管理の例:

ステージ 案件数 受注見込み額
初回接触 50件 5,000万円
提案 20件 3,000万円
見積 10件 2,000万円
受注 5件 1,000万円

パイプラインを可視化することで、「今月の売上予測」「どのステージに案件が滞留しているか」が一目で分かります。

(4) モチベーション管理(1on1・評価)

モチベーション管理では、営業担当者のモチベーションを維持・向上させる施策を実施します。

モチベーション管理の施策:

  • 1on1ミーティング: 定期的に個別面談を行い、課題・目標を共有
  • 公平な評価制度: 成果だけでなく、プロセスも評価(訪問回数・提案回数等)
  • 成功事例の共有: 優秀な営業員のノウハウをチーム全体に展開
  • キャリアパスの明示: 営業→マネージャー→経営層へのキャリアパスを示す

営業は結果が重視される職種ですが、プロセスを評価することで、成果が出ていないメンバーも改善のモチベーションを維持できます。

(出典: 営業管理とは?成果を最大化する4つの柱とSFA導入・定着ガイド

4. 営業管理ツールの活用(Excel vs SFA)

営業管理ツールとして、Excelと SFA(Sales Force Automation: 営業支援システム)を比較します。

(1) Excelのメリット・デメリット(低コスト・共有困難)

Excelのメリット:

  • 低コスト: すでにOffice環境があれば追加費用不要
  • 導入障壁が低い: 慣れ親しんだツールで、学習コストが低い
  • 柔軟性が高い: 自社の管理項目に合わせて自由にカスタマイズ可能

Excelのデメリット:

  • リアルタイム共有が困難: 複数人が同時編集すると、バージョン管理が煩雑
  • データ消失リスク: ファイル破損・誤削除のリスクがある
  • 高度なデータ分析に限界: 大量データの分析・レポート作成が手作業になる
  • 属人化しやすい: 担当者がExcelファイルを独自に管理し、共有されない

(出典: SFAとエクセルで営業管理に最適なのは?

(2) SFAのメリット・デメリット(リアルタイム共有・高度分析)

SFAのメリット:

  • リアルタイム共有: クラウド型SFAなら、営業部全体で最新情報を共有できる
  • 高度なデータ分析: ダッシュボード・レポート機能で、KPIを自動集計
  • 属人化解消: 顧客情報・営業活動がすべて記録され、引継ぎがスムーズ
  • 営業プロセス標準化: ワークフロー機能で、営業プロセスを標準化できる

SFAのデメリット:

  • 導入コスト: 初期費用・月額費用が必要(無料SFAツールも存在)
  • 学習コスト: 新しいツールの操作を習得する必要がある
  • 現場の抵抗: 現場が使わず、二重管理(ExcelとSFA両方に入力)になるリスク

(出典: SFAとExcelのメリット・デメリットとは?

(3) 主要ツール比較(Salesforce、HubSpot、Zoho CRM等)

主要なSFA/CRMツールを比較します(2024-2025年時点の情報)。

主要ツール:

  • Salesforce: 世界シェアNo.1のCRM/SFA、高度なカスタマイズ性、月額数千円〜(ユーザー数・機能により変動)
  • HubSpot CRM: 5名まで無料、中小企業に適している、直感的なUI/UX
  • Microsoft Dynamics 365: Microsoftの統合型CRM/SFA、Office 365との連携に強い
  • Zoho CRM: 月額1,680円〜、コストパフォーマンスが高い

その他、無料SFAツールも存在します。料金・機能は変更される可能性があるため、公式サイトで最新情報をご確認ください。

(出典: 【2025年最新】営業ツールおすすめ11選!選定のポイントと導入効果も解説

(4) 導入判断基準(事業規模・営業スタイル)

ExcelとSFAの導入判断基準は、以下の通りです:

Excelが適している企業:

  • 営業担当者が5名以下の小規模企業
  • 営業案件数が月10件未満
  • 営業プロセスがシンプル(訪問→提案→受注のみ等)

SFAが適している企業:

  • 営業担当者が10名以上の中堅〜大企業
  • 営業案件数が月50件以上
  • 営業プロセスが複雑(複数部門が関与、長期商談等)
  • データに基づいた意思決定を重視

段階的に移行するのが推奨されます。まずExcelで管理を始め、事業規模が大きくなったらSFAに移行しましょう。

5. 営業管理のよくある課題と対策

営業管理でよくある課題と、その対策を5つ紹介します。

(1) 営業情報の属人化

課題: 営業担当者が顧客情報・商談内容を自分だけで管理し、チーム全体で共有されていない。担当者が退職・異動すると、顧客情報が失われる。

対策:

  • CRM/SFAツールで顧客情報・営業活動をすべて記録する
  • 週次または月次で営業会議を実施し、情報共有を徹底
  • 営業情報の入力を業務フローに組み込み、習慣化する

(2) SFA導入しても定着しない(二重管理)

課題: SFAを導入しても現場が使わず、ExcelとSFAの二重管理になる。結局Excelでの管理が続き、SFAが形骸化する。

対策:

  • SFA導入時は現場の負担を考慮し、段階的に機能を追加する(一度に全機能導入は失敗しやすい)
  • 営業担当者にSFAのメリット(案件の進捗管理・売上予測の精度向上等)を明示する
  • 経営層・マネージャーが率先してSFAを使い、現場に浸透させる

(3) 「名選手が名監督になれない」問題

課題: 優秀な営業担当者が営業マネージャーになっても、成果が出ない。プレイヤースキル(自分で売る力)とマネジメントスキル(チームで成果を出す力)は別物だが、混同されやすい。

対策:

  • 営業マネージャーには、マネジメント研修・コーチング研修を実施する
  • 営業担当者時代の成功パターンを、チーム全体に展開する仕組みを作る
  • マネージャーの役割を明確化し、「売る」ではなく「チームで成果を出す」ことを評価する

(出典: 営業マネージャーによくある失敗を防ぐには?間違えがちな8つのミス

(4) 外勤特性による活動可視化の困難

課題: 営業担当者は外勤が多く、「どこで何をしているか」が見えにくい。結果(売上)のみで評価しがちで、プロセス評価が難しい。

対策:

  • SFAツールのモバイルアプリを活用し、外出先からも営業活動を記録する
  • 1on1ミーティングで、営業担当者の活動内容・課題を定期的にヒアリング
  • 成果だけでなく、プロセス(訪問回数・提案回数等)も評価する

(出典: 営業管理の現状と課題

(5) 2024年調査:マンパワー依存の傾向

課題: 2024年の調査によると、営業管理はExcel・営業管理システム併用が多いが、マンパワー依存の傾向が見られる。システム化が進んでいない企業が多い。

対策:

  • 営業DX(Digital Transformation)を推進し、SFA/CRM導入を検討
  • 営業プロセスを標準化し、システム化しやすい体制を整備
  • 段階的にツールを導入し、現場の負担を抑えながら定着を図る

(出典: 各社が抱える「経営課題・営業課題と営業管理方法」調査結果レポート2023

6. まとめ:営業管理で成果を最大化するために

営業管理の基本と実践ステップをまとめます。

営業管理の成功ポイント:

  • 管理すべき基本項目を明確化: 顧客・案件・活動・目標・売上・KPIの6つを管理
  • 4つの柱で効果的に実施: 目標管理・行動管理・案件管理・モチベーション管理
  • ツールを段階的に導入: Excelで始め、事業規模に応じてSFAに移行
  • 属人化を解消: 営業情報をチーム全体で共有し、引継ぎをスムーズに
  • 現場を巻き込む: SFA導入時は段階的に機能を追加し、現場の負担を考慮

次のアクション:

  • 自社の営業管理の現状を確認し、管理できていない項目を洗い出す
  • 管理すべき基本項目(顧客・案件・活動・目標・KPI)をリストアップする
  • Excelで営業管理を始め、事業規模に応じてSFA導入を検討する
  • 週次または月次で営業会議を実施し、情報共有を徹底する

営業管理は、企業規模・業種・営業スタイル(訪問型/インサイド型)により最適な方法が異なります。自社に合った営業管理の方法をカスタマイズし、営業チーム全体の成果を最大化しましょう。

よくある質問

Q1営業管理とは何?

A1営業活動のプロセスをデータ化し、数値をもとに課題発見・営業手法の最適化を行う手法です。顧客・案件・活動・目標・売上・KPIなどを管理し、営業チーム全体の成果を最大化することが目的です。

Q2営業管理では何を管理すべき?

A2顧客管理・案件管理・活動管理・目標管理・売上管理・KPI管理の6つが基本項目です。自社の営業スタイル(訪問型/インサイド型)や業種に合わせてカスタマイズすることが重要です。

Q3ExcelとSFAツール、どちらを選ぶべき?

A3Excelは低コストで導入障壁が低いですが、リアルタイム共有・データ分析に限界があります。営業担当者が10名以上、案件数が月50件以上ならSFA導入を検討しましょう。段階的に移行するのが推奨されます。

Q4営業管理でよくある失敗は?

A4訪問回数等の効率指標を管理しても売上向上に寄与しない、SFA導入しても現場が使わず二重管理になる、優秀な営業員が管理職になっても成功するとは限らない(プレイヤースキル≠マネジメントスキル)などが挙げられます。

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B2Bデジタルプロダクト実践ガイド編集部

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