PardotとMarketo徹底比較|機能・料金・導入企業の違いを解説

著者: B2Bデジタルプロダクト実践ガイド編集部公開日: 2025/12/12

PardotとMarketoの違いが分からず、どちらを選べば良いか迷っている...

B2B企業のマーケティング責任者やIT責任者の多くが、MAツール選定の際に「PardotとMarketoはどちらが自社に適しているのか?」という疑問を抱えています。どちらもエンタープライズ向けの高機能なMAツールですが、設計思想や強みが異なるため、自社の状況に応じて最適な選択肢が変わります。

この記事では、PardotとMarketoの機能・料金・適している企業タイプを詳しく比較し、自社に合ったMAツールを選定するためのフレームワークを提供します。

この記事のポイント:

  • PardotとMarketoは設計思想が異なる(営業連携重視 vs マーケター向け高機能)
  • Salesforceを既に使用している企業にはPardot(Account Engagement)が最適
  • Adobe製品エコシステムを活用している企業にはMarketoが最適
  • Pardotは操作が簡単で専門家がいないチームに適している
  • Marketoは高度なレポート機能とカスタマイズ性が強み
  • 実際の費用総額は月額料金だけでなく、初期費用・コンサルタント費用・サポート費用を含めて検討する必要がある

PardotとMarketoを比較する前に知っておくべきこと

MAツール選定の前に、B2B向けMAツール市場の動向と自社の要件を明確にすることが重要です。

(1) B2B向けMAツールの市場動向

B2B向けMAツール市場では、エンタープライズ向けの3大ツールとして「Pardot(Account Engagement)」「Marketo」「Eloqua」が知られています。これらのツールは、リード獲得・育成・管理を自動化し、マーケティングと営業のアライメントを実現する機能を持っています。

日本のB2B企業では、比較的少ないリード件数管理、営業部門への情報連携のスムーズさ、企業単位でのリード管理機能が重視される傾向があります。

(2) エンタープライズ向け3大MAツールの位置づけ

Pardot、Marketo、Eloquaはいずれもエンタープライズ向けですが、それぞれ異なる強みを持っています:

  • Pardot(Account Engagement): Salesforce製品のため、Salesforce CRMとの連携が最も優れている。営業連携を重視した設計
  • Marketo: マーケター向けのインターフェースで、高度な分析・レポート機能が強み。Adobe Experience Cloudとの統合が強化されている
  • Eloqua: Oracle製品との親和性が高く、大規模エンタープライズ向け

(3) 比較検討の前に明確にすべき自社の要件

MAツール選定では、以下の要件を明確にすることが推奨されます:

  • CRM連携: 既にSalesforceを使用しているか、他のCRMを使用しているか
  • 社内体制: マーケティングオペレーション専門家やMAツール専門家がいるか
  • 求める機能: 営業連携を重視するか、高度なマーケティング施策を実施するか
  • 予算: 月額料金だけでなく、初期費用・コンサルタント費用・サポート費用を含めたTCO(総所有コスト)
  • 導入事例: 自社と同規模・同業種の導入事例があるか

PardotとMarketoの基本情報と開発背景

両ツールの設計思想を理解することで、自社に適したツールを選びやすくなります。

(1) Pardot(Account Engagement)の概要と名称変更の背景

Pardot(パードット)は、Salesforce社が提供するB2B向けMAツールです。2022年4月7日に製品名が「Account Engagement」に変更され、アカウントベースドマーケティング(ABM)への注力が明確化されました。ただし、Pardotという名称も広く使われ続けています。

Pardotは営業連携を重視した設計で、Salesforce CRMとネイティブ統合されており、マーケティングと営業のデータがシームレスに連携します。トリガーの設定がシンプルで、操作難易度が低いため、マーケティングオペレーション専門家がいないチームでも使いやすいのが特徴です。

(2) Marketoの概要とAdobe買収の影響

Marketo(マルケト)は、Adobe社が提供するMAツールです。MarketoがAdobeに買収されて以降、Adobe Experience Cloud(Adobe Real-Time CDP、Adobe Target、Adobe Analytics等)との統合が強化され、エンタープライズ向けのカスタマーエクスペリエンス機能が充実しました。

Marketoはマーケター向けのインターフェースで、トリガー設定の柔軟性が高く、高度なマーケティング施策に対応可能です。Marketoのスマートキャンペーンは、リードライフサイクル管理からカスタム連携まで幅広く対応し、マーケティング部門の「頭脳」として機能すると言われています。

(3) それぞれの設計思想(営業連携重視 vs マーケター向け高機能)

Pardot(Account Engagement)の設計思想:

  • 営業連携を重視した設計
  • 操作性がシンプルで、専門家がいないチームに適している
  • Salesforceエコシステムに完全に依存しているため、Salesforce以外のCRMを使用している企業には適さない

Marketoの設計思想:

  • マーケター向けの高度な機能を提供
  • カスタマイズ性が高く、複雑なマーケティング施策に対応可能
  • 学習曲線が急で、Marketo専門家がいる企業向け

機能面での詳細比較

PardotとMarketoの主要機能を比較します。

(1) CRM連携(Salesforce vs Adobe Experience Cloud)

Pardot:

  • Salesforce CRMとネイティブ統合されており、最も優れた連携が可能
  • 顧客情報がシームレスに連携し、マーケティングと営業のアライメントが容易
  • Salesforceを既に使用している企業には最適

Marketo:

  • Adobe Experience Cloud(Adobe Real-Time CDP、Adobe Target、Adobe Analytics等)との統合が強化されている
  • Adobe製品エコシステムを活用している企業には最適
  • Salesforceとも連携可能だが、Pardotほど緊密ではない

(2) リードスコアリング機能(Score/Grade vs 統合スコア)

Pardot:

  • リード行動(Score)と属性(Grade)を分離管理
  • Scoreは見込み客の行動(ウェブサイト訪問、メール開封等)を数値化
  • Gradeは見込み客の属性(役職、企業規模等)を評価
  • 営業部門に渡すべきリードを明確に判断できる

Marketo:

  • 行動と属性を1つのスコアに統合
  • カスタマイズ可能なスコアリングモデルを作成できる
  • より柔軟なスコアリングが可能だが、設定が複雑

(3) ランディングページとリード生成機能

Pardot:

  • コーディング不要で初心者にも使いやすいツールが揃っている
  • ランディングページ作成機能が優れている
  • フォーム作成も直感的で簡単

Marketo:

  • ランディングページ作成機能も提供しているが、Pardotほど初心者向けではない
  • 高度なカスタマイズが可能

(4) レポート・分析機能

Pardot:

  • レポート機能はシンプルで基本的な分析に適している
  • Salesforceのレポート機能を活用することで高度な分析も可能

Marketo:

  • ネイティブレポート機能がはるかに高度
  • カスタマイズ可能なレポートと詳細なデータポイント追跡が可能
  • レポート・分析機能を重視する場合はMarketoが優位

(5) スマートキャンペーンとトリガー設定の柔軟性

Pardot:

  • トリガーの設定がシンプルで、設定が簡単
  • 基本的なマーケティング施策には十分な機能を提供

Marketo:

  • スマートキャンペーンは、トリガー、フィルター、フローを組み合わせてマーケティング施策を自動実行
  • リードライフサイクル管理からカスタム連携まで幅広く対応
  • トリガー設定の柔軟性が高く、高度なマーケティング施策に対応可能

(6) AI機能(Einstein AI vs Predictive Audiences)

2024-2025年において、両ツールともAI機能を強化しています。

Pardot(Einstein AI):

  • 予測分析、収益予測、B2B営業サイクルのスマートナーチャリングに特化
  • 特定のプランでのみ利用可能な場合があるため、詳細は公式サイトで確認が必要

Marketo(Predictive Audiences & Next-Best-Action):

  • 予測オーディエンス機能でAIを活用してターゲティングを最適化
  • 次善のアクション機能で最適なマーケティング施策を提案
  • 特定のプランでのみ利用可能な場合があるため、詳細は公式サイトで確認が必要

(7) Cookie保持期間とトラッキング機能

Pardot:

  • Cookie情報の保持期間は10年
  • 中長期的なフォローが必要な場合はPardotが有利

Marketo:

  • Cookie情報の保持期間は2年
  • 短期的なマーケティング施策に適している

料金体系とコスト総額の比較

MAツールの料金は月額料金だけでなく、初期費用・コンサルタント費用・サポート費用を含めたTCO(総所有コスト)で比較することが重要です。

(1) 両ツールの基本料金プラン

Pardot(Account Engagement):

  • 月額料金は比較的安価(具体的な金額は公式サイトで確認)
  • プランは複数あり、企業規模や必要機能に応じて選択可能

Marketo:

  • 月額料金はPardotより高額な傾向がある(具体的な金額は公式サイトで確認)
  • エンタープライズ向けの高機能プランが中心

※2025年11月時点の情報です。最新の料金は各公式サイトをご確認ください。

(2) 初期費用・オプション費用の目安

両ツールとも、月額料金以外に以下の費用が発生する場合があります:

  • 初期費用: 導入時の設定・カスタマイズ費用
  • オプション費用: AI機能、高度なレポート機能等の追加オプション
  • ユーザー数による追加費用: ユーザー数が増えると追加費用が発生する場合がある

(3) コンサルタント・サポート費用の考慮

MAツールの導入・運用には、外部コンサルタントやプレミアムサポートが必要になる場合があります:

Pardot:

  • プレミアムサポートや外部コンサルタント費用を考慮する必要がある
  • 日本語サポートの有無を確認(Salesforceは日本語サポートあり)

Marketo:

  • Marketo専門家がいない場合、外部コンサルタント費用が高額になる可能性がある
  • 日本語サポートの有無を確認(Adobeは日本語サポートあり)

(4) TCO(総所有コスト)での比較

実際の費用総額は以下の要素を含めて検討することが推奨されます:

  • 月額料金
  • 初期費用
  • オプション費用
  • コンサルタント費用
  • サポートパッケージ費用
  • 社内の運用工数(専門家の人件費等)

Pardotが比較的安価であっても、社内に専門家がいない場合は外部コンサルタント費用が発生し、総所有コストが高くなる可能性があります。一方、Marketoは月額料金が高額でも、高度な機能により社内の運用効率が上がれば、長期的にはコスト効果が高い場合もあります。

自社に適したMAツールの選び方

「どちらが優れているか」ではなく「どちらが自社に合っているか」の視点で選定することが重要です。

(1) Salesforceエコシステム利用の有無

Salesforceを既に使用している企業:

  • Pardot(Account Engagement)が最適
  • ネイティブ統合により、マーケティングと営業のデータがシームレスに連携
  • Salesforceの投資を最大限活用できる

Adobe製品エコシステムを活用している企業:

  • Marketoが最適
  • Adobe Real-Time CDP、Adobe Target、Adobe Analytics等との統合が強化されている

Salesforce以外のCRMを使用している企業:

  • PardotはSalesforceエコシステムに完全に依存しているため適さない
  • Marketoの方が適している

(2) 社内のマーケティング体制(専門家の有無)

マーケティングオペレーション専門家がいないチーム:

  • Pardotが適している
  • 操作が簡単で、トリガー設定がシンプル
  • オンボーディング支援やコミュニティ・ユーザー会を活用できる

Marketo専門家やマーケティングオペレーション専門家がいるチーム:

  • Marketoが適している
  • 高度なマーケティング施策を実施できる
  • カスタマイズ性が高く、複雑な要件にも対応可能

(3) 求める機能の優先順位(営業連携 vs 高度な分析)

営業連携を重視する場合:

  • Pardotが適している
  • リード情報が営業部門にスムーズに連携される
  • Score(行動)とGrade(属性)を分離管理することで、営業に渡すべきリードを明確に判断できる

高度な分析・レポート機能を重視する場合:

  • Marketoが適している
  • カスタマイズ可能なレポート機能と詳細なデータポイント追跡が可能
  • マーケティングROIの測定や効果分析に優れている

(4) 操作性とサポート体制の重視度

MAツールの選定では、操作性とサポート体制の確認が重要です:

  • 無料トライアルやデモ版で実際の使用感を確認
  • 日本語サポートの有無を確認(海外ツールは要確認)
  • オンボーディング支援の有無を確認(初期設定・運用立ち上げ支援)
  • コミュニティ・ユーザー会の有無を確認

(5) 同規模・同業種の導入事例の確認

自社と同規模・同業種の導入事例を参考にすることが推奨されます:

  • 公式サイトの導入事例を確認
  • 継続率・解約率(公表されている場合)を確認
  • 実際に導入している企業の担当者に話を聞く(可能であれば)

まとめ:PardotとMarketoどちらを選ぶべきか

PardotとMarketoは、どちらもエンタープライズ向けの優れたMAツールですが、設計思想や強みが異なります。「どちらが優れているか」ではなく「どちらが自社に合っているか」の視点で選定することが重要です。

Pardot(Account Engagement)が適している企業:

  • Salesforceを既に使用している
  • マーケティングオペレーション専門家がいない
  • 営業連携を重視する
  • 操作性の簡単さを重視する
  • 中長期的なリードフォローが必要

Marketoが適している企業:

  • Adobe製品エコシステムを活用している
  • Marketo専門家やマーケティングオペレーション専門家がいる
  • 高度なマーケティング施策を実施したい
  • 詳細なレポート・分析機能を重視する
  • Salesforce以外のCRMを使用している

次のアクション:

  • 自社のCRM(SalesforceかAdobe製品か他のCRMか)を確認する
  • 社内のマーケティング体制(専門家の有無)を確認する
  • 求める機能の優先順位(営業連携 vs 高度な分析)を整理する
  • 両ツールの公式サイトで最新の料金・機能を確認する
  • 無料トライアルやデモ版で実際の操作性を試す
  • 自社と同規模・同業種の導入事例を参考にする
  • TCO(総所有コスト)を試算する(月額料金、初期費用、コンサルタント費用、サポート費用を含む)

比較表の機能リストだけで選定すると失敗する可能性があります。実際の使用感や自社の業務フローとの適合性を確認し、自社に最適なMAツールを選定しましょう。

よくある質問

Q1PardotとMarketoはどちらがSalesforceとの連携が良いですか?

A1Pardotは同じSalesforce製品のため、ネイティブ統合により最も優れた連携が可能です。顧客情報がシームレスに連携し、マーケティングと営業のアライメントが容易になります。Salesforceを既に使用している企業にはPardotが最適です。

Q2どちらのツールが使いやすいですか?

A2Pardotの方が操作が簡単で、専門家がいないチームに適しています。トリガーの設定がシンプルで、操作難易度が低いのが特徴です。Marketoはより高度な機能を持ちますが学習曲線が急で、Marketo専門家がいる企業向けです。

Q3レポート・分析機能はどちらが優れていますか?

A3Marketoのネイティブレポート機能がはるかに高度で、カスタマイズ可能なレポートと詳細なデータポイント追跡が可能です。Pardotはレポート機能がシンプルですが、Salesforceのレポート機能を活用することで高度な分析も可能になります。

Q4どちらが予算に優しいですか?

A4Pardotが比較的安価ですが、両ツールとも初期費用、コンサルタント費用、サポートパッケージ費用を含めたTCO(総所有コスト)で比較する必要があります。社内に専門家がいない場合は外部コンサルタント費用が発生し、総所有コストが高くなる可能性があります。

Q5他のCRMを使用している場合はどうすれば良いですか?

A5PardotはSalesforceエコシステムに完全に依存しているため、Salesforce以外のCRMを使用している企業にはMarketoが適しています。ただし、Adobe製品との連携も考慮すべきです。Adobe Experience Cloudを活用している企業には特にMarketoが最適です。

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B2Bデジタルプロダクト実践ガイド編集部

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