インサイドセールスのメリット・デメリット|導入判断のポイント

著者: B2Bデジタルプロダクト実践ガイド編集部公開日: 2025/12/9

営業効率を高めたいけど、インサイドセールスって本当に効果があるの?

BtoB企業の営業活動では、「訪問営業に時間がかかる」「商談数が増えない」「遠方の顧客にアプローチできない」といった課題を抱えることが多いです。

インサイドセールスは、電話・メール・Web会議などを活用した非対面の営業活動で、これらの課題を解決する手法として注目されています。しかし、「本当に効果があるのか」「自社に合うのか」と導入判断に迷う企業も少なくありません。

この記事では、インサイドセールスのメリット・デメリット、導入すべき企業の条件、具体的な導入ステップまで実践的に解説します。

この記事のポイント:

  • インサイドセールスは移動時間削減・営業範囲拡大・コスト削減の3つの主要メリットがある
  • 対面より信頼構築が難しく、複雑な商材・高額商材には不向きというデメリットもある
  • 月間リード数50件以上、商談単価100万円以下の商材なら導入効果が期待できる
  • 立ち上げは少人数(マネージャー1名+担当者2-3名)から始め、PDCAを回すのが成功の鍵
  • 成功事例では商談数14件/日達成、受注率2倍といった効果が報告されている

インサイドセールスとは?フィールドセールスとの違い

(1) インサイドセールスの定義と役割

インサイドセールスとは: 電話・メール・Web会議などを活用した非対面の営業活動です。内勤営業とも呼ばれ、オフィスから顧客とコミュニケーションを取ります。

主な役割:

  • 見込み顧客(リード)への初回接触
  • リードナーチャリング(見込み顧客の育成)
  • 商談設定(フィールドセールスへの引き継ぎ)
  • 既存顧客のフォローアップ

(2) フィールドセールスとの比較(対面vs非対面)

以下はインサイドセールスとフィールドセールスの違いです。

項目 インサイドセールス フィールドセールス
営業方法 非対面(電話・メール・Web会議) 対面(訪問営業)
勤務場所 内勤 外勤
主な役割 リード育成、商談設定 商談クロージング
適する商材 SaaS、低〜中価格帯商材 高額商材、複雑な提案
1日の商談数 10〜20件程度 2〜5件程度

(参考: Salesforce「インサイドセールスとは?基礎知識や役割、成功事例など詳しく解説」

(3) SDRとBDRの違い

インサイドセールスは役割によって2つに分類されます。

SDR(Sales Development Representative):

  • 問い合わせ対応型の反響営業(インバウンド)
  • Webサイトからの問い合わせや資料請求に対応
  • 「温かいリード」を商談化

BDR(Business Development Representative):

  • 新規開拓型の営業(アウトバウンド)
  • 電話・メールで新規顧客にアプローチ
  • 「冷たいリード」を掘り起こし

インサイドセールスのメリット7つ

(1) 営業効率の向上(移動時間削減、商談数増加)

移動時間がゼロになる:

  • フィールドセールスは1日2〜5件の訪問が限界
  • インサイドセールスは1日10〜20件の商談が可能

実際の成功事例:

(2) 営業範囲の拡大(地理的制約の解消)

全国・海外の顧客にアプローチ可能:

  • 地理的な制約がなくなり、遠方の顧客にも効率的にアプローチできる
  • 地方に拠点がない企業でも全国展開が可能

(3) コスト削減(交通費・宿泊費の削減)

営業コストの大幅削減:

  • 交通費・宿泊費が不要
  • 1件あたりの営業コストが大幅に削減

試算例:

  • フィールドセールス: 1件あたり交通費3,000円×5件/日 = 15,000円/日
  • インサイドセールス: 0円/日
  • 月間削減額: 15,000円×20日 = 30万円/月(1人あたり)

(参考: SATORI「インサイドセールスとは?特徴やメリット、やるべきことをわかりやすく解説」

(4) 分業による専門性の向上

営業プロセスの分業化:

  • インサイドセールス: リード育成・商談設定
  • フィールドセールス: 商談クロージング

メリット:

  • 各担当者が専門性を高め、成約率が向上
  • 「THE MODEL」型の営業組織が構築可能

(5) 営業活動の可視化とデータ蓄積

CRM/SFAツールで一元管理:

  • 架電数、メール開封率、商談化数などをデータで管理
  • 成功事例やトークスクリプトを蓄積・共有

効果:

  • どのアプローチが効果的か数値で判断できる
  • チーム全体の営業の質が向上

(参考: List Finder「インサイドセールスの7つのメリットとは?」

(6) 人材育成の効率化

教育コストの削減:

  • 成功事例・トークスクリプトを共有し、新人の立ち上がりが早い
  • 先輩社員の商談を録音・録画して学習教材に活用

(7) リードナーチャリングの強化

継続的なフォローアップ:

  • すぐに商談化しないリードも継続フォロー
  • タイミングを見計らって商談化

効果:

  • 取りこぼしが減り、商談化率が向上

インサイドセールスのデメリットと課題

(1) 対面より信頼構築が難しい

非対面のデメリット:

  • 顔が見えないため、信頼関係を築きにくい
  • 商品・サービスの魅力が伝わりづらいケースがある

対策:

  • Web会議でカメラをONにして顔を見せる
  • 事前に資料・動画を送って理解を促進

(2) 複雑な商材・高額商材には不向き

不向きなケース:

  • 数千万円以上の高額商材
  • 複雑な提案が必要な商材(システム導入、コンサルティングなど)

理由:

  • 対面で詳しく説明しないと理解されにくい
  • 意思決定者が複数いる場合、対面の方が効果的

(参考: Adobe「インサイドセールスとは?メリットやデメリット、成功事例をわかりやすく解説」

(3) 部門間連携の難しさ

失敗の主因:

  • マーケティング部門とインサイドセールス部門の連携不足
  • インサイドセールスとフィールドセールスの引き継ぎ基準が曖昧

対策:

  • リード引き渡し基準を明確化(スコアリング基準など)
  • 定期的な部門間ミーティングで情報共有

(参考: ネオキャリア「インサイドセールスで抱えがちな8つの課題とは?」

(4) ツール導入・運用コストの発生

必要なツール:

  • SFA/CRM: 月額数万円〜数十万円
  • MA: 月額数万円〜数十万円
  • Web会議ツール: 月額数千円〜数万円

導入コスト試算:

  • 人件費(マネージャー1名+担当者2-3名): 月100万円前後
  • ツール費用: 月10〜30万円
  • 合計: 月110〜130万円程度

導入すべき企業・適さない企業の判断基準

(1) 導入に適する企業の条件(商材・リード数・体制)

以下の条件に当てはまる企業は、インサイドセールス導入による効果が期待できます。

商材:

  • SaaS・低〜中価格帯商材(数十万〜数百万円)
  • オンラインで説明できる商材

リード数:

  • 月間リード数が50件以上
  • それ以下の場合は経営者自身のフィールドセールスで十分

体制:

  • マーケティング部門とフィールドセールス部門が存在
  • CRM/SFAツールを導入済み、または導入予定

(2) 導入を見送るべきケース

以下のケースでは導入を見送るのが適切です:

  • 月間リード数が50件未満
  • 商材が高額(数千万円以上)で対面での詳細説明が必須
  • 営業プロセスが短く、初回訪問で即決するケース

(3) ROI試算の考え方

導入効果の試算例:

導入前:

  • フィールドセールス3名 × 3件/日 × 20日 = 月間180件商談
  • 成約率10% = 月間18件成約

導入後:

  • インサイドセールス2名 × 15件/日 × 20日 = 月間600件商談
  • 商談化率20% = 月間120件をフィールドセールスに引き継ぎ
  • フィールドセールス3名 × 40件/月 × 成約率15% = 月間18件成約

効果:

  • 商談数が180件 → 120件(質の高い商談のみ)
  • 成約率が10% → 15%(質の高い商談に集中)
  • 月間成約数は同等だが、営業コストが30万円/月削減

導入の具体的ステップと成功事例

(1) 立ち上げの6ステップ(体制・KPI・ツール)

インサイドセールスの立ち上げは、以下の6ステップで進めます。

Step 1: チーム結成

  • 最小構成: マネージャー1名+担当者2-3名
  • 少人数から始め、PDCAを回す

Step 2: 商材の絞り込み

  • 最初は1〜2商材に絞る
  • 成功パターンを確立してから拡大

Step 3: リード引き渡し基準の明確化

  • スコアリング基準を設定(例: 50点以上で引き渡し)
  • マーケティング・フィールドセールスと合意

Step 4: KPI設定

  • 架電数、メール開封率、商談化数、商談化率

Step 5: ツール導入

  • SFA/CRM、MA、Web会議ツールを導入

Step 6: 運用開始とPDCA

  • 立ち上げ当初は質より量を重視
  • 成功事例・トークスクリプトを蓄積

(参考: Magic Moment「インサイドセールスの立ち上げに必要な6ステップ」セールスロボティクス「インサイドセールスを立ち上げるための5つの手順」

(2) 成功事例:商談数14件/日達成、受注率2倍

事例1: 商談数14件/日達成

  • ある企業では、インサイドセールス導入後に商談数が14件/日に達成

事例2: 有効商談率2.5倍

  • 別の企業では、有効商談率が2.5倍に向上

事例3: 受注率2倍・リードタイム半減

  • さらに別の企業では、受注率が2倍、リードタイムが半減

(参考: パーソルBD「インサイドセールス導入の成功事例10選」LISKUL「インサイドセールスとは?実践方法と受注数3倍の事例も紹介!」

(3) 失敗を避けるポイント

部門間コミュニケーション:

  • マーケティング・インサイドセールス・フィールドセールスの連携を事前に確立
  • リード引き渡し基準を明確化

ツール導入だけでは成果は出ない:

  • 組織・運用体制の構築が不可欠
  • 立ち上げ当初は質より量を重視し、どんどん実践してPDCAを回す

まとめ:インサイドセールス導入判断のポイント

インサイドセールスは、営業効率の向上・営業範囲の拡大・コスト削減という3つの主要メリットがあります。一方で、対面より信頼構築が難しく、複雑な商材・高額商材には不向きというデメリットもあります。

導入すべき企業:

  • 月間リード数が50件以上
  • 商談単価が100万円以下の商材
  • マーケティング部門・フィールドセールス部門が存在

導入を見送るべき企業:

  • 月間リード数が50件未満
  • 商材が高額(数千万円以上)
  • 営業プロセスが短く、初回訪問で即決するケース

次のアクション:

  • 自社のリード数・商材単価を確認
  • 導入コスト(月110〜130万円程度)とROIを試算
  • 少人数(マネージャー1名+担当者2-3名)から始める
  • マーケティング・フィールドセールスとの連携体制を事前に確立

自社の商材・リード数・体制を見極め、インサイドセールス導入による営業効率の向上を実現しましょう。

※この記事は2025年12月時点の情報です。ツール料金・仕様は変更の可能性があるため、最新情報は各社公式サイトでご確認ください。成功事例の効果は企業規模・業種・商材により異なります。

よくある質問

Q1インサイドセールスの導入コストはどれくらい?

A1人件費(マネージャー1名+担当者2-3名)+ツール費用(SFA/CRM月額数万円~)で、最小構成で月100万円前後が目安です。導入効果が出るまで3-6ヶ月を想定する必要があります。

Q2小規模企業でもインサイドセールスは必要?

A2月間リード数が50件以上、かつ商談単価が100万円以下の商材なら効果が期待できます。それ以下なら経営者自身のフィールドセールスで十分な場合が多いです。

Q3インサイドセールスとフィールドセールスはどちらが効果的?

A3商材によって異なります。SaaS・低単価商材はインサイドセールス、高額商材・複雑な提案はフィールドセールスが有利です。両者を分業する「THE MODEL」型が主流となっています。

Q4インサイドセールスの主要KPIは?

A4架電数、メール開封率、商談化数、商談化率が主要KPIです。これらを継続的に測定し、PDCAを回すことで成果が向上します。

Q5インサイドセールス導入で失敗しないためのポイントは?

A5部門間コミュニケーション(マーケティング・インサイドセールス・フィールドセールス)を事前に確立し、リード引き渡し基準を明確化することが重要です。ツール導入だけでは成果は出ず、組織・運用体制の構築が不可欠です。

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B2Bデジタルプロダクト実践ガイド編集部

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