営業効率を高めたいけど、インサイドセールスって本当に効果があるの?
BtoB企業の営業活動では、「訪問営業に時間がかかる」「商談数が増えない」「遠方の顧客にアプローチできない」といった課題を抱えることが多いです。
インサイドセールスは、電話・メール・Web会議などを活用した非対面の営業活動で、これらの課題を解決する手法として注目されています。しかし、「本当に効果があるのか」「自社に合うのか」と導入判断に迷う企業も少なくありません。
この記事では、インサイドセールスのメリット・デメリット、導入すべき企業の条件、具体的な導入ステップまで実践的に解説します。
この記事のポイント:
- インサイドセールスは移動時間削減・営業範囲拡大・コスト削減の3つの主要メリットがある
- 対面より信頼構築が難しく、複雑な商材・高額商材には不向きというデメリットもある
- 月間リード数50件以上、商談単価100万円以下の商材なら導入効果が期待できる
- 立ち上げは少人数(マネージャー1名+担当者2-3名)から始め、PDCAを回すのが成功の鍵
- 成功事例では商談数14件/日達成、受注率2倍といった効果が報告されている
インサイドセールスとは?フィールドセールスとの違い
(1) インサイドセールスの定義と役割
インサイドセールスとは: 電話・メール・Web会議などを活用した非対面の営業活動です。内勤営業とも呼ばれ、オフィスから顧客とコミュニケーションを取ります。
主な役割:
- 見込み顧客(リード)への初回接触
- リードナーチャリング(見込み顧客の育成)
- 商談設定(フィールドセールスへの引き継ぎ)
- 既存顧客のフォローアップ
(2) フィールドセールスとの比較(対面vs非対面)
以下はインサイドセールスとフィールドセールスの違いです。
| 項目 | インサイドセールス | フィールドセールス |
|---|---|---|
| 営業方法 | 非対面(電話・メール・Web会議) | 対面(訪問営業) |
| 勤務場所 | 内勤 | 外勤 |
| 主な役割 | リード育成、商談設定 | 商談クロージング |
| 適する商材 | SaaS、低〜中価格帯商材 | 高額商材、複雑な提案 |
| 1日の商談数 | 10〜20件程度 | 2〜5件程度 |
(参考: Salesforce「インサイドセールスとは?基礎知識や役割、成功事例など詳しく解説」)
(3) SDRとBDRの違い
インサイドセールスは役割によって2つに分類されます。
SDR(Sales Development Representative):
- 問い合わせ対応型の反響営業(インバウンド)
- Webサイトからの問い合わせや資料請求に対応
- 「温かいリード」を商談化
BDR(Business Development Representative):
- 新規開拓型の営業(アウトバウンド)
- 電話・メールで新規顧客にアプローチ
- 「冷たいリード」を掘り起こし
インサイドセールスのメリット7つ
(1) 営業効率の向上(移動時間削減、商談数増加)
移動時間がゼロになる:
- フィールドセールスは1日2〜5件の訪問が限界
- インサイドセールスは1日10〜20件の商談が可能
実際の成功事例:
- ある企業では商談数が14件/日に達成(参考: パーソルBD「インサイドセールス導入の成功事例10選」)
(2) 営業範囲の拡大(地理的制約の解消)
全国・海外の顧客にアプローチ可能:
- 地理的な制約がなくなり、遠方の顧客にも効率的にアプローチできる
- 地方に拠点がない企業でも全国展開が可能
(3) コスト削減(交通費・宿泊費の削減)
営業コストの大幅削減:
- 交通費・宿泊費が不要
- 1件あたりの営業コストが大幅に削減
試算例:
- フィールドセールス: 1件あたり交通費3,000円×5件/日 = 15,000円/日
- インサイドセールス: 0円/日
- 月間削減額: 15,000円×20日 = 30万円/月(1人あたり)
(参考: SATORI「インサイドセールスとは?特徴やメリット、やるべきことをわかりやすく解説」)
(4) 分業による専門性の向上
営業プロセスの分業化:
- インサイドセールス: リード育成・商談設定
- フィールドセールス: 商談クロージング
メリット:
- 各担当者が専門性を高め、成約率が向上
- 「THE MODEL」型の営業組織が構築可能
(5) 営業活動の可視化とデータ蓄積
CRM/SFAツールで一元管理:
- 架電数、メール開封率、商談化数などをデータで管理
- 成功事例やトークスクリプトを蓄積・共有
効果:
- どのアプローチが効果的か数値で判断できる
- チーム全体の営業の質が向上
(参考: List Finder「インサイドセールスの7つのメリットとは?」)
(6) 人材育成の効率化
教育コストの削減:
- 成功事例・トークスクリプトを共有し、新人の立ち上がりが早い
- 先輩社員の商談を録音・録画して学習教材に活用
(7) リードナーチャリングの強化
継続的なフォローアップ:
- すぐに商談化しないリードも継続フォロー
- タイミングを見計らって商談化
効果:
- 取りこぼしが減り、商談化率が向上
インサイドセールスのデメリットと課題
(1) 対面より信頼構築が難しい
非対面のデメリット:
- 顔が見えないため、信頼関係を築きにくい
- 商品・サービスの魅力が伝わりづらいケースがある
対策:
- Web会議でカメラをONにして顔を見せる
- 事前に資料・動画を送って理解を促進
(2) 複雑な商材・高額商材には不向き
不向きなケース:
- 数千万円以上の高額商材
- 複雑な提案が必要な商材(システム導入、コンサルティングなど)
理由:
- 対面で詳しく説明しないと理解されにくい
- 意思決定者が複数いる場合、対面の方が効果的
(参考: Adobe「インサイドセールスとは?メリットやデメリット、成功事例をわかりやすく解説」)
(3) 部門間連携の難しさ
失敗の主因:
- マーケティング部門とインサイドセールス部門の連携不足
- インサイドセールスとフィールドセールスの引き継ぎ基準が曖昧
対策:
- リード引き渡し基準を明確化(スコアリング基準など)
- 定期的な部門間ミーティングで情報共有
(参考: ネオキャリア「インサイドセールスで抱えがちな8つの課題とは?」)
(4) ツール導入・運用コストの発生
必要なツール:
- SFA/CRM: 月額数万円〜数十万円
- MA: 月額数万円〜数十万円
- Web会議ツール: 月額数千円〜数万円
導入コスト試算:
- 人件費(マネージャー1名+担当者2-3名): 月100万円前後
- ツール費用: 月10〜30万円
- 合計: 月110〜130万円程度
導入すべき企業・適さない企業の判断基準
(1) 導入に適する企業の条件(商材・リード数・体制)
以下の条件に当てはまる企業は、インサイドセールス導入による効果が期待できます。
商材:
- SaaS・低〜中価格帯商材(数十万〜数百万円)
- オンラインで説明できる商材
リード数:
- 月間リード数が50件以上
- それ以下の場合は経営者自身のフィールドセールスで十分
体制:
- マーケティング部門とフィールドセールス部門が存在
- CRM/SFAツールを導入済み、または導入予定
(2) 導入を見送るべきケース
以下のケースでは導入を見送るのが適切です:
- 月間リード数が50件未満
- 商材が高額(数千万円以上)で対面での詳細説明が必須
- 営業プロセスが短く、初回訪問で即決するケース
(3) ROI試算の考え方
導入効果の試算例:
導入前:
- フィールドセールス3名 × 3件/日 × 20日 = 月間180件商談
- 成約率10% = 月間18件成約
導入後:
- インサイドセールス2名 × 15件/日 × 20日 = 月間600件商談
- 商談化率20% = 月間120件をフィールドセールスに引き継ぎ
- フィールドセールス3名 × 40件/月 × 成約率15% = 月間18件成約
効果:
- 商談数が180件 → 120件(質の高い商談のみ)
- 成約率が10% → 15%(質の高い商談に集中)
- 月間成約数は同等だが、営業コストが30万円/月削減
導入の具体的ステップと成功事例
(1) 立ち上げの6ステップ(体制・KPI・ツール)
インサイドセールスの立ち上げは、以下の6ステップで進めます。
Step 1: チーム結成
- 最小構成: マネージャー1名+担当者2-3名
- 少人数から始め、PDCAを回す
Step 2: 商材の絞り込み
- 最初は1〜2商材に絞る
- 成功パターンを確立してから拡大
Step 3: リード引き渡し基準の明確化
- スコアリング基準を設定(例: 50点以上で引き渡し)
- マーケティング・フィールドセールスと合意
Step 4: KPI設定
- 架電数、メール開封率、商談化数、商談化率
Step 5: ツール導入
- SFA/CRM、MA、Web会議ツールを導入
Step 6: 運用開始とPDCA
- 立ち上げ当初は質より量を重視
- 成功事例・トークスクリプトを蓄積
(参考: Magic Moment「インサイドセールスの立ち上げに必要な6ステップ」、セールスロボティクス「インサイドセールスを立ち上げるための5つの手順」)
(2) 成功事例:商談数14件/日達成、受注率2倍
事例1: 商談数14件/日達成
- ある企業では、インサイドセールス導入後に商談数が14件/日に達成
事例2: 有効商談率2.5倍
- 別の企業では、有効商談率が2.5倍に向上
事例3: 受注率2倍・リードタイム半減
- さらに別の企業では、受注率が2倍、リードタイムが半減
(参考: パーソルBD「インサイドセールス導入の成功事例10選」、LISKUL「インサイドセールスとは?実践方法と受注数3倍の事例も紹介!」)
(3) 失敗を避けるポイント
部門間コミュニケーション:
- マーケティング・インサイドセールス・フィールドセールスの連携を事前に確立
- リード引き渡し基準を明確化
ツール導入だけでは成果は出ない:
- 組織・運用体制の構築が不可欠
- 立ち上げ当初は質より量を重視し、どんどん実践してPDCAを回す
まとめ:インサイドセールス導入判断のポイント
インサイドセールスは、営業効率の向上・営業範囲の拡大・コスト削減という3つの主要メリットがあります。一方で、対面より信頼構築が難しく、複雑な商材・高額商材には不向きというデメリットもあります。
導入すべき企業:
- 月間リード数が50件以上
- 商談単価が100万円以下の商材
- マーケティング部門・フィールドセールス部門が存在
導入を見送るべき企業:
- 月間リード数が50件未満
- 商材が高額(数千万円以上)
- 営業プロセスが短く、初回訪問で即決するケース
次のアクション:
- 自社のリード数・商材単価を確認
- 導入コスト(月110〜130万円程度)とROIを試算
- 少人数(マネージャー1名+担当者2-3名)から始める
- マーケティング・フィールドセールスとの連携体制を事前に確立
自社の商材・リード数・体制を見極め、インサイドセールス導入による営業効率の向上を実現しましょう。
※この記事は2025年12月時点の情報です。ツール料金・仕様は変更の可能性があるため、最新情報は各社公式サイトでご確認ください。成功事例の効果は企業規模・業種・商材により異なります。
