HubSpotでカスタマーサクセスをやりたいけれど、どの機能をどう使えばいいか分からない...
HubSpotを導入している、または導入を検討しているBtoB企業で、「カスタマーサクセス業務にHubSpotを活用したいが、どの機能をどう使えばいいのか分からない」と悩んでいる方は多いのではないでしょうか。
HubSpotはマーケティングや営業向けのイメージが強いですが、カスタマーサクセス向けの機能も充実しています。2024年4月にはService Hubのリニューアルやカスタマーサクセスワークスペースのベータ版が提供され、顧客成功支援のための機能が強化されています。
この記事では、HubSpotのカスタマーサクセス活用方法を「顧客管理」「ヘルスモニタリング」「コミュニケーション」「分析・改善」の4軸で解説します。
この記事のポイント:
- HubSpotはマーケティング・営業・カスタマーサクセスのデータを1画面で一元管理でき、部門間連携がスムーズ
- 2024年4月にService Hubリニューアル、カスタマーサクセスワークスペースベータ版が提供開始
- 顧客ヘルススコアで解約リスクを特定し、優先順位を付けた対応が可能
- 無料プランでも多様な機能を使用可能だが、高度な機能は有料プランが必要
- 他ツール(Gainsight、Salesforce等)との比較も踏まえ、自社に合ったツール選定が重要
HubSpotでカスタマーサクセスに取り組む意義
まず、なぜHubSpotでカスタマーサクセスに取り組むべきかを整理します。
(1) なぜカスタマーサクセスが重要なのか
BtoBビジネス、特にSaaS企業において、カスタマーサクセスは事業成長に不可欠な活動です:
カスタマーサクセスの重要性:
- 解約防止: 既存顧客を維持するコストは、新規顧客獲得コストより低い
- LTV向上: 顧客満足度を高め、継続利用・追加契約(アップセル・クロスセル)を促進
- 口コミ・紹介: 成功体験を持つ顧客が新規顧客を紹介してくれる
カスタマーサクセスは単なるサポートではなく、顧客の成功を能動的に支援し、自社の事業成長につなげる活動です。
(2) HubSpotをカスタマーサクセスに活用するメリット
HubSpotをカスタマーサクセスに活用するメリットは以下の通りです:
一元管理:
- マーケティング・営業・カスタマーサクセスのデータを1画面で管理
- 部門間の情報共有がスムーズになり、顧客対応の質が向上
CRMとの連携:
- 顧客の過去のマーケティング活動(Webサイト訪問、メール開封等)や営業活動(商談履歴等)を把握した上で対応できる
機能の充実:
- Service Hub、カスタマーサクセスワークスペース、顧客ヘルススコアなど、カスタマーサクセス専用の機能が整備されている
カスタマーサクセスとは?基本概念とHubSpotの位置づけ
カスタマーサクセスの基本を押さえた上で、HubSpotの位置づけを理解しましょう。
(1) カスタマーサクセスとカスタマーサポートの違い
混同されがちな2つの概念を整理します:
カスタマーサポート:
- 顧客からの問い合わせに対応する「受動的」な活動
- 問題が発生してから対処する
- 対応時間・解決率などがKPI
カスタマーサクセス:
- 顧客が成功体験を得られるよう「能動的」に支援する活動
- 問題が発生する前に予防的にアプローチ
- 解約率・NPS・LTVなどがKPI
カスタマーサポートは「問題を解決する」、カスタマーサクセスは「成功を支援する」という違いがあります。
(2) HubSpotのカスタマーサクセス戦略
HubSpotはCRM(顧客関係管理)を中心に、マーケティング・営業・カスタマーサクセスを統合的に管理できるプラットフォームです:
HubSpotの強み:
- 全顧客情報を1画面で確認・管理できる
- マーケティングから営業、カスタマーサクセスまで一貫したデータ活用が可能
- 部門間の連携がスムーズ
2024年4月には、Service Hubのリニューアルとともに、カスタマーサクセス向けの新機能が多数追加されました。
(3) Service HubとCRMの連携
Service Hubは、HubSpotの顧客サポート・カスタマーサクセス向けプロダクトです:
Service Hubの主な機能:
- ヘルプデスク機能
- チケット管理システム
- ナレッジベース(FAQ・マニュアル)
- 顧客フィードバック収集
- AI機能(2024年アップデートで強化)
Service HubはHubSpot CRMと連携しているため、顧客の過去の活動履歴を踏まえた対応が可能です。
HubSpotのカスタマーサクセス主要機能
HubSpotのカスタマーサクセス向け機能を4つに分けて解説します。
(1) カスタマーサクセスワークスペース:一元管理
カスタマーサクセスワークスペースは、HubSpot初のCSM(カスタマーサクセスマネージャー)向け一元管理機能です(2024年ベータ版提供開始)。
主な機能:
- アカウントアクティビティの確認
- パイプライン管理
- カスタマイズ可能なセグメント作成
- 日常業務に必要な情報への簡単アクセス
活用のポイント: 担当顧客の状況を一画面で把握し、優先順位を付けて対応できます。アカウントアクティビティとパイプラインを一元管理することで、重要な情報へ簡単にアクセスし日常業務を効率化できます。
※カスタマーサクセスワークスペースの全機能を利用するには、customer success workspaceの権限とService Hubシートの割り当てが必要です。
(2) 顧客ヘルススコア:リスク特定とアラート
顧客ヘルススコアは、顧客の健全性を示す指標で、解約リスクや拡大機会の特定に活用できます。
顧客ヘルススコアでできること:
- 解約リスクの高い顧客を早期に特定
- 自動アラートで担当者に通知
- 対応の優先順位付け
スコア設定のポイント:
- 製品・サービスの利用頻度
- サポート問い合わせ状況
- 契約更新時期
- NPS・満足度調査の回答
顧客ヘルススコアを活用することで、問題が発生する前に予防的なアプローチが可能になります。
(3) Service Hub:チケット管理・ナレッジベース
Service Hubは顧客サポート業務を効率化する機能を提供します。
チケット管理システム:
- 顧客からの問い合わせをチケット化して管理
- 対応状況の可視化、担当者への割り当て
- 対応履歴の蓄積と分析
ナレッジベース:
- よくある質問(FAQ)や製品マニュアルを体系的に管理
- 顧客のセルフサービスを促進
- 問い合わせ数の削減効果
チケット管理とナレッジベースを組み合わせることで、サポート業務を体系化し、効率化できます。
(4) AI機能とレポート・分析
2024年4月のアップデートで、AI機能が強化されました。
AI機能:
- AIアシスタントによる対応サポート
- 自動応答の提案
- 問い合わせ内容の分類・優先順位付け
レポート・分析:
- 顧客満足度のトラッキング
- サポート対応時間・解決率の分析
- 解約リスク・拡大機会のレポート
データに基づいた改善活動が可能になります。
HubSpotを活用したカスタマーサクセス実践方法
具体的な実践方法を4つの観点で解説します。
(1) 顧客セグメンテーションとアカウント管理
顧客を適切にセグメント化し、優先順位を付けて対応します:
セグメンテーションの基準例:
- 契約金額(ハイタッチ・テックタッチの区分)
- 契約更新時期
- 業種・企業規模
- 顧客ヘルススコア
アカウント管理のポイント:
- 担当顧客を明確にする
- 顧客ごとの目標・KPIを設定する
- 定期的なレビューを実施する
(2) プロアクティブなコミュニケーション設計
問題が発生する前に、能動的にコミュニケーションを取ります:
コミュニケーション施策例:
- オンボーディングメールの自動配信
- 定期的なチェックインミーティング
- 製品アップデート・活用TIPSの共有
- 契約更新前のフォローアップ
HubSpotのワークフロー機能を活用すると、メール配信やタスク作成を自動化できます。
(3) カスタマーヘルスモニタリングとリスク対策
顧客ヘルススコアを活用し、リスクを早期発見します:
モニタリングのポイント:
- ログイン頻度、機能利用状況の追跡
- サポート問い合わせの増加を検知
- NPS・満足度調査の低下を検知
リスク対策:
- スコア低下時に担当者へ自動アラート
- ハイリスク顧客への優先対応
- 解約防止のためのアクションプラン策定
(4) アップセル・クロスセルの実現
カスタマーサクセスは解約防止だけでなく、拡大機会の創出も重要です:
拡大機会の特定:
- 製品利用状況から追加ニーズを把握
- 顧客フィードバックから課題を特定
- 契約更新時のプランアップグレード提案
HubSpotのCRM・パイプライン機能を活用し、拡大商談を管理できます。
他ツールとの比較と選定のポイント
HubSpot以外のカスタマーサクセスツールとの比較を踏まえ、選定のポイントを解説します。
(1) Gainsight・Salesforce・Intercomとの比較
主要なカスタマーサクセスツールとの比較は以下の通りです:
HubSpot:
- マーケティング・営業・カスタマーサクセスを統合管理
- 中小企業〜中堅企業に適している
- 無料プランあり、導入しやすい
Gainsight:
- カスタマーサクセス専業ツール
- 大企業向け、高度な分析機能
- 導入・運用コストが高め
Salesforce Service Cloud:
- Salesforce CRMとの連携が強み
- 大企業向け、カスタマイズ性が高い
- 学習コストが高め
Intercom:
- チャットサポートが強み
- スタートアップ〜中小企業向け
- カスタマーサクセス専用機能は限定的
(2) 企業規模・業種別の選定指針
自社に合ったツール選定のポイントをまとめます:
これからカスタマーサクセスを始める企業:
- HubSpotまたはGainsightを導入し、必要に応じて他ツールを追加するのが推奨
- 無料プランで始められるHubSpotは特に導入しやすい
すでにSalesforceを利用している企業:
- Salesforce Service CloudやGainsight for Salesforceを検討
予算が限られている企業:
- HubSpotの無料プランから始め、ニーズに応じて有料プランを検討
(3) 無料プランと有料プランの違い
HubSpotの無料プランと有料プランの違いを確認しておきましょう:
無料プラン:
- 基本的なCRM機能
- チケット管理(制限あり)
- メール連携
有料プラン(Service Hub):
- カスタマーサクセスワークスペース
- 顧客ヘルススコア
- ナレッジベース
- AI機能
- 高度なレポート・分析
無料プランでも様々な機能を使用できるため、まずは無料プランで試してからニーズに応じて有料プランを検討することをおすすめします。
まとめ:HubSpotでカスタマーサクセスを成功させる秘訣
HubSpotのカスタマーサクセス活用について解説しました。ポイントをまとめます:
HubSpotの強み:
- マーケティング・営業・カスタマーサクセスのデータを1画面で一元管理
- 2024年アップデートでカスタマーサクセス機能が大幅強化
- 無料プランから始められる導入のしやすさ
成功のポイント:
- 顧客ヘルススコアを設定し、解約リスクを早期発見する
- カスタマーサクセスワークスペースで日常業務を効率化する
- プロアクティブなコミュニケーションで顧客の成功を支援する
- データに基づいた改善活動を継続する
次のアクション:
- 自社のカスタマーサクセス業務の現状を整理する
- HubSpotの無料プランで機能を試す
- 必要に応じてService Hubの有料プランを検討する
- 公式ドキュメントやサポートを活用して学習コストを下げる
カスタマーサクセスツールは企業規模・業種・組織体制により最適な選択が異なります。この記事を参考に、自社に合ったツール活用を検討してください。
※この記事は2024年時点の情報に基づいています。HubSpotの機能・料金は更新される可能性があるため、最新情報は公式サイトでご確認ください。
よくある質問:
Q: HubSpotのカスタマーサクセス機能とは? A: カスタマーサクセスワークスペース、顧客ヘルススコア、Service Hub(チケット管理・ナレッジベース)、AI機能などを組み合わせた統合的な顧客成功支援機能です。2024年4月のアップデートで大幅に強化されました。
Q: カスタマーサクセスとカスタマーサポートの違いは? A: カスタマーサポートは顧客からの問い合わせに対応する「受動的」な活動です。カスタマーサクセスは顧客が成功体験を得られるよう「能動的」に支援する活動で、問題が発生する前に予防的にアプローチします。
Q: 他のカスタマーサクセスツールとの違いは? A: HubSpotはマーケティング・営業・カスタマーサクセスのデータを1画面で一元管理でき、部門間連携がスムーズです。全顧客情報の統合管理が強みで、中小企業〜中堅企業に適しています。
Q: 無料で使える範囲は? A: 無料プランでも基本的なCRM機能やチケット管理は使用可能です。ただし、カスタマーサクセスワークスペースの全機能やナレッジベース、高度なレポート機能を使うにはService Hubの有料プランが必要です。
