HubSpotでカスタマーサクセスを実現する方法と活用機能

著者: B2Bデジタルプロダクト実践ガイド編集部公開日: 2025/12/26

HubSpotでカスタマーサクセスをやりたいけれど、どの機能をどう使えばいいか分からない...

HubSpotを導入している、または導入を検討しているBtoB企業で、「カスタマーサクセス業務にHubSpotを活用したいが、どの機能をどう使えばいいのか分からない」と悩んでいる方は多いのではないでしょうか。

HubSpotはマーケティングや営業向けのイメージが強いですが、カスタマーサクセス向けの機能も充実しています。2024年4月にはService Hubのリニューアルやカスタマーサクセスワークスペースのベータ版が提供され、顧客成功支援のための機能が強化されています。

この記事では、HubSpotのカスタマーサクセス活用方法を「顧客管理」「ヘルスモニタリング」「コミュニケーション」「分析・改善」の4軸で解説します。

この記事のポイント:

  • HubSpotはマーケティング・営業・カスタマーサクセスのデータを1画面で一元管理でき、部門間連携がスムーズ
  • 2024年4月にService Hubリニューアル、カスタマーサクセスワークスペースベータ版が提供開始
  • 顧客ヘルススコアで解約リスクを特定し、優先順位を付けた対応が可能
  • 無料プランでも多様な機能を使用可能だが、高度な機能は有料プランが必要
  • 他ツール(Gainsight、Salesforce等)との比較も踏まえ、自社に合ったツール選定が重要

HubSpotでカスタマーサクセスに取り組む意義

まず、なぜHubSpotでカスタマーサクセスに取り組むべきかを整理します。

(1) なぜカスタマーサクセスが重要なのか

BtoBビジネス、特にSaaS企業において、カスタマーサクセスは事業成長に不可欠な活動です:

カスタマーサクセスの重要性:

  • 解約防止: 既存顧客を維持するコストは、新規顧客獲得コストより低い
  • LTV向上: 顧客満足度を高め、継続利用・追加契約(アップセル・クロスセル)を促進
  • 口コミ・紹介: 成功体験を持つ顧客が新規顧客を紹介してくれる

カスタマーサクセスは単なるサポートではなく、顧客の成功を能動的に支援し、自社の事業成長につなげる活動です。

(2) HubSpotをカスタマーサクセスに活用するメリット

HubSpotをカスタマーサクセスに活用するメリットは以下の通りです:

一元管理:

  • マーケティング・営業・カスタマーサクセスのデータを1画面で管理
  • 部門間の情報共有がスムーズになり、顧客対応の質が向上

CRMとの連携:

  • 顧客の過去のマーケティング活動(Webサイト訪問、メール開封等)や営業活動(商談履歴等)を把握した上で対応できる

機能の充実:

  • Service Hub、カスタマーサクセスワークスペース、顧客ヘルススコアなど、カスタマーサクセス専用の機能が整備されている

カスタマーサクセスとは?基本概念とHubSpotの位置づけ

カスタマーサクセスの基本を押さえた上で、HubSpotの位置づけを理解しましょう。

(1) カスタマーサクセスとカスタマーサポートの違い

混同されがちな2つの概念を整理します:

カスタマーサポート:

  • 顧客からの問い合わせに対応する「受動的」な活動
  • 問題が発生してから対処する
  • 対応時間・解決率などがKPI

カスタマーサクセス:

  • 顧客が成功体験を得られるよう「能動的」に支援する活動
  • 問題が発生する前に予防的にアプローチ
  • 解約率・NPS・LTVなどがKPI

カスタマーサポートは「問題を解決する」、カスタマーサクセスは「成功を支援する」という違いがあります。

(2) HubSpotのカスタマーサクセス戦略

HubSpotはCRM(顧客関係管理)を中心に、マーケティング・営業・カスタマーサクセスを統合的に管理できるプラットフォームです:

HubSpotの強み:

  • 全顧客情報を1画面で確認・管理できる
  • マーケティングから営業、カスタマーサクセスまで一貫したデータ活用が可能
  • 部門間の連携がスムーズ

2024年4月には、Service Hubのリニューアルとともに、カスタマーサクセス向けの新機能が多数追加されました。

(3) Service HubとCRMの連携

Service Hubは、HubSpotの顧客サポート・カスタマーサクセス向けプロダクトです:

Service Hubの主な機能:

  • ヘルプデスク機能
  • チケット管理システム
  • ナレッジベース(FAQ・マニュアル)
  • 顧客フィードバック収集
  • AI機能(2024年アップデートで強化)

Service HubはHubSpot CRMと連携しているため、顧客の過去の活動履歴を踏まえた対応が可能です。

HubSpotのカスタマーサクセス主要機能

HubSpotのカスタマーサクセス向け機能を4つに分けて解説します。

(1) カスタマーサクセスワークスペース:一元管理

カスタマーサクセスワークスペースは、HubSpot初のCSM(カスタマーサクセスマネージャー)向け一元管理機能です(2024年ベータ版提供開始)。

主な機能:

  • アカウントアクティビティの確認
  • パイプライン管理
  • カスタマイズ可能なセグメント作成
  • 日常業務に必要な情報への簡単アクセス

活用のポイント: 担当顧客の状況を一画面で把握し、優先順位を付けて対応できます。アカウントアクティビティとパイプラインを一元管理することで、重要な情報へ簡単にアクセスし日常業務を効率化できます。

※カスタマーサクセスワークスペースの全機能を利用するには、customer success workspaceの権限とService Hubシートの割り当てが必要です。

(2) 顧客ヘルススコア:リスク特定とアラート

顧客ヘルススコアは、顧客の健全性を示す指標で、解約リスクや拡大機会の特定に活用できます。

顧客ヘルススコアでできること:

  • 解約リスクの高い顧客を早期に特定
  • 自動アラートで担当者に通知
  • 対応の優先順位付け

スコア設定のポイント:

  • 製品・サービスの利用頻度
  • サポート問い合わせ状況
  • 契約更新時期
  • NPS・満足度調査の回答

顧客ヘルススコアを活用することで、問題が発生する前に予防的なアプローチが可能になります。

(3) Service Hub:チケット管理・ナレッジベース

Service Hubは顧客サポート業務を効率化する機能を提供します。

チケット管理システム:

  • 顧客からの問い合わせをチケット化して管理
  • 対応状況の可視化、担当者への割り当て
  • 対応履歴の蓄積と分析

ナレッジベース:

  • よくある質問(FAQ)や製品マニュアルを体系的に管理
  • 顧客のセルフサービスを促進
  • 問い合わせ数の削減効果

チケット管理とナレッジベースを組み合わせることで、サポート業務を体系化し、効率化できます。

(4) AI機能とレポート・分析

2024年4月のアップデートで、AI機能が強化されました。

AI機能:

  • AIアシスタントによる対応サポート
  • 自動応答の提案
  • 問い合わせ内容の分類・優先順位付け

レポート・分析:

  • 顧客満足度のトラッキング
  • サポート対応時間・解決率の分析
  • 解約リスク・拡大機会のレポート

データに基づいた改善活動が可能になります。

HubSpotを活用したカスタマーサクセス実践方法

具体的な実践方法を4つの観点で解説します。

(1) 顧客セグメンテーションとアカウント管理

顧客を適切にセグメント化し、優先順位を付けて対応します:

セグメンテーションの基準例:

  • 契約金額(ハイタッチ・テックタッチの区分)
  • 契約更新時期
  • 業種・企業規模
  • 顧客ヘルススコア

アカウント管理のポイント:

  • 担当顧客を明確にする
  • 顧客ごとの目標・KPIを設定する
  • 定期的なレビューを実施する

(2) プロアクティブなコミュニケーション設計

問題が発生する前に、能動的にコミュニケーションを取ります:

コミュニケーション施策例:

  • オンボーディングメールの自動配信
  • 定期的なチェックインミーティング
  • 製品アップデート・活用TIPSの共有
  • 契約更新前のフォローアップ

HubSpotのワークフロー機能を活用すると、メール配信やタスク作成を自動化できます。

(3) カスタマーヘルスモニタリングとリスク対策

顧客ヘルススコアを活用し、リスクを早期発見します:

モニタリングのポイント:

  • ログイン頻度、機能利用状況の追跡
  • サポート問い合わせの増加を検知
  • NPS・満足度調査の低下を検知

リスク対策:

  • スコア低下時に担当者へ自動アラート
  • ハイリスク顧客への優先対応
  • 解約防止のためのアクションプラン策定

(4) アップセル・クロスセルの実現

カスタマーサクセスは解約防止だけでなく、拡大機会の創出も重要です:

拡大機会の特定:

  • 製品利用状況から追加ニーズを把握
  • 顧客フィードバックから課題を特定
  • 契約更新時のプランアップグレード提案

HubSpotのCRM・パイプライン機能を活用し、拡大商談を管理できます。

他ツールとの比較と選定のポイント

HubSpot以外のカスタマーサクセスツールとの比較を踏まえ、選定のポイントを解説します。

(1) Gainsight・Salesforce・Intercomとの比較

主要なカスタマーサクセスツールとの比較は以下の通りです:

HubSpot:

  • マーケティング・営業・カスタマーサクセスを統合管理
  • 中小企業〜中堅企業に適している
  • 無料プランあり、導入しやすい

Gainsight:

  • カスタマーサクセス専業ツール
  • 大企業向け、高度な分析機能
  • 導入・運用コストが高め

Salesforce Service Cloud:

  • Salesforce CRMとの連携が強み
  • 大企業向け、カスタマイズ性が高い
  • 学習コストが高め

Intercom:

  • チャットサポートが強み
  • スタートアップ〜中小企業向け
  • カスタマーサクセス専用機能は限定的

(2) 企業規模・業種別の選定指針

自社に合ったツール選定のポイントをまとめます:

これからカスタマーサクセスを始める企業:

  • HubSpotまたはGainsightを導入し、必要に応じて他ツールを追加するのが推奨
  • 無料プランで始められるHubSpotは特に導入しやすい

すでにSalesforceを利用している企業:

  • Salesforce Service CloudやGainsight for Salesforceを検討

予算が限られている企業:

  • HubSpotの無料プランから始め、ニーズに応じて有料プランを検討

(3) 無料プランと有料プランの違い

HubSpotの無料プランと有料プランの違いを確認しておきましょう:

無料プラン:

  • 基本的なCRM機能
  • チケット管理(制限あり)
  • メール連携

有料プラン(Service Hub):

  • カスタマーサクセスワークスペース
  • 顧客ヘルススコア
  • ナレッジベース
  • AI機能
  • 高度なレポート・分析

無料プランでも様々な機能を使用できるため、まずは無料プランで試してからニーズに応じて有料プランを検討することをおすすめします。

まとめ:HubSpotでカスタマーサクセスを成功させる秘訣

HubSpotのカスタマーサクセス活用について解説しました。ポイントをまとめます:

HubSpotの強み:

  • マーケティング・営業・カスタマーサクセスのデータを1画面で一元管理
  • 2024年アップデートでカスタマーサクセス機能が大幅強化
  • 無料プランから始められる導入のしやすさ

成功のポイント:

  • 顧客ヘルススコアを設定し、解約リスクを早期発見する
  • カスタマーサクセスワークスペースで日常業務を効率化する
  • プロアクティブなコミュニケーションで顧客の成功を支援する
  • データに基づいた改善活動を継続する

次のアクション:

  • 自社のカスタマーサクセス業務の現状を整理する
  • HubSpotの無料プランで機能を試す
  • 必要に応じてService Hubの有料プランを検討する
  • 公式ドキュメントやサポートを活用して学習コストを下げる

カスタマーサクセスツールは企業規模・業種・組織体制により最適な選択が異なります。この記事を参考に、自社に合ったツール活用を検討してください。

※この記事は2024年時点の情報に基づいています。HubSpotの機能・料金は更新される可能性があるため、最新情報は公式サイトでご確認ください。

よくある質問:

Q: HubSpotのカスタマーサクセス機能とは? A: カスタマーサクセスワークスペース、顧客ヘルススコア、Service Hub(チケット管理・ナレッジベース)、AI機能などを組み合わせた統合的な顧客成功支援機能です。2024年4月のアップデートで大幅に強化されました。

Q: カスタマーサクセスとカスタマーサポートの違いは? A: カスタマーサポートは顧客からの問い合わせに対応する「受動的」な活動です。カスタマーサクセスは顧客が成功体験を得られるよう「能動的」に支援する活動で、問題が発生する前に予防的にアプローチします。

Q: 他のカスタマーサクセスツールとの違いは? A: HubSpotはマーケティング・営業・カスタマーサクセスのデータを1画面で一元管理でき、部門間連携がスムーズです。全顧客情報の統合管理が強みで、中小企業〜中堅企業に適しています。

Q: 無料で使える範囲は? A: 無料プランでも基本的なCRM機能やチケット管理は使用可能です。ただし、カスタマーサクセスワークスペースの全機能やナレッジベース、高度なレポート機能を使うにはService Hubの有料プランが必要です。

よくある質問

Q1HubSpotのカスタマーサクセス機能とは?

A1カスタマーサクセスワークスペース、顧客ヘルススコア、Service Hub(チケット管理・ナレッジベース)、AI機能などを組み合わせた統合的な顧客成功支援機能です。2024年4月のアップデートで大幅に強化されました。

Q2カスタマーサクセスとカスタマーサポートの違いは?

A2カスタマーサポートは顧客からの問い合わせに対応する「受動的」な活動です。カスタマーサクセスは顧客が成功体験を得られるよう「能動的」に支援する活動で、問題が発生する前に予防的にアプローチします。

Q3他のカスタマーサクセスツールとの違いは?

A3HubSpotはマーケティング・営業・カスタマーサクセスのデータを1画面で一元管理でき、部門間連携がスムーズです。全顧客情報の統合管理が強みで、中小企業〜中堅企業に適しています。

Q4無料で使える範囲は?

A4無料プランでも基本的なCRM機能やチケット管理は使用可能です。ただし、カスタマーサクセスワークスペースの全機能やナレッジベース、高度なレポート機能を使うにはService Hubの有料プランが必要です。

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B2Bデジタルプロダクト実践ガイド編集部

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