formrunとSalesforce連携の設定方法・活用事例を解説

著者: B2Bデジタルプロダクト実践ガイド編集部公開日: 2025/12/10

formrunとSalesforce連携で何が解決できるのか

フォームからのリード情報を手作業でSalesforceに入力していませんか。「フォーム回答が届くたびにコピペ作業」「営業への情報共有が遅れる」「入力ミスでリードを取りこぼす」といった課題を抱えているB2B企業は少なくありません。

この記事では、formrun(フォームラン)とSalesforceの連携設定方法から活用事例まで、実務担当者が知っておくべきポイントを解説します。formrunは株式会社ベーシックが提供する日本製フォーム作成ツールで、40万ユーザー以上が利用しており、Salesforce連携機能により、リード獲得から営業プロセスまでのデータ連携を自動化できます。

この記事のポイント:

  • formrun Salesforce連携は1フォームあたり月額2,480円(税抜)で利用可能
  • 2024年4月から新連携に一本化され、接続アプリケーション作成不要でセットアップが簡素化
  • カスタムオブジェクトを含む全てのSalesforceオブジェクトと連携可能
  • データ保存形式は「新規のみ」「上書きのみ」「上書きまたは新規」の3種類から選択可能
  • 1フォーム1オブジェクトの制約があり、複数オブジェクトへの同時連携は不可

formrunとSalesforce連携の重要性と背景

(1) リード獲得から営業プロセスまでのデータ分断問題

B2B企業の多くが、Webフォームで獲得したリード情報を営業活動に活かすまでに時間がかかっています。フォーム回答がメールやスプレッドシートに保存される一方で、営業チームはSalesforceでリード管理を行うため、データが分断されるケースが一般的です。

この分断により、以下のような問題が発生します:

手作業によるデータ転記:

  • フォーム回答をSalesforceに手入力する作業が発生
  • 1件あたり3-5分の作業時間がかかるケースが多い
  • 月間100件のリードがあれば、5-8時間の作業時間が必要

情報共有の遅延:

  • フォーム回答から営業へのアサインまで数時間〜数日かかる
  • ホットリードへの初回接触が遅れ、商談化率が低下
  • 競合他社に先を越されるリスクが高まる

入力ミスによる機会損失:

  • 手作業での転記ミスが発生(メールアドレス、電話番号など)
  • 入力漏れによりリードが放置される
  • データの不整合で分析精度が低下

(2) 自動連携による業務効率化の必要性

formrunとSalesforceを連携することで、フォーム回答が即座にSalesforceのリードオブジェクトや取引先責任者オブジェクトに自動登録されます。これにより、以下の効果が期待できます:

作業時間の削減:

  • 月間100件のリードで5-8時間の作業時間を削減
  • マーケティング担当者が戦略的業務に集中できる

初回接触時間の短縮:

  • フォーム送信から数分以内にSalesforceに登録
  • 営業担当者へのアサインルールと組み合わせて即座に通知
  • ホットリードへの初回接触時間を大幅短縮

データ品質の向上:

  • 手作業のミスがゼロになる
  • 入力漏れが防止される
  • マーケティングと営業で同じデータを参照できる

formrun Salesforce連携の基本知識

(1) formrun Salesforce連携の概要と料金プラン

formrunのSalesforce連携機能は、フォームの回答データを自動的にSalesforceのオブジェクトに登録する機能です。料金は**1フォームあたり月額2,480円(税抜)**で、formrunのFREEプランから利用可能です。

複数のフォームで連携を利用する場合、各フォームごとに課金される点に注意が必要です。例えば、3つのフォームでSalesforce連携を使う場合は月額7,440円(税抜)となります。

※2025年11月時点の料金です。最新情報はformrun公式サイト(https://form.run/home/use/salesforce)をご確認ください。

(2) 連携可能なSalesforceオブジェクト

formrunは、Salesforceのすべてのオブジェクトと連携可能です。これには以下が含まれます:

標準オブジェクト:

  • リード(Lead)
  • 取引先責任者(Contact)
  • 取引先(Account)
  • 商談(Opportunity)
  • カスタムオブジェクト

カスタムオブジェクト:

  • 企業独自に作成したカスタムオブジェクト
  • 例: アンケート回答、セミナー参加情報、サポートチケットなど

この柔軟性により、リード獲得以外のユースケースにも対応できます。例えば、顧客向けアンケートフォームの回答をSalesforceのカスタムオブジェクトに登録し、顧客満足度分析に活用することも可能です。

(3) 新旧連携の違い(2024年4月移行)

2024年4月1日、formrunのSalesforce連携は「新Salesforce連携」に完全移行しました。旧連携は終了しており、現在使用できるのは新連携のみです。

新連携の主な改善点:

セットアップの簡素化:

  • 旧連携では接続アプリケーションの作成が必要だったが、新連携では不要
  • Salesforceの管理者権限で直接認証するだけで連携開始
  • 設定時間が大幅に短縮(30分 → 5-10分程度)

機能強化:

  • 既存レコードの上書き更新機能を追加
  • データ保存形式を「新規のみ」「上書きのみ」「上書きまたは新規」の3種類から選択可能
  • Sandbox環境にも対応

エラー検知機能:

  • 連携時のエラーを自動検知してメール通知
  • 登録漏れを防止できる

(出典: formLab「旧Salesforce連携サービス終了のお知らせ」2024年、PR TIMES「『formrun』、Salesforceとの連携機能を強化」2023年)

(4) 必要なSalesforceプランとAPI連携要件

formrunとSalesforce連携を利用するには、Salesforce側でAPI連携が利用可能なプランが必要です。

Salesforceプラン要件:

Enterprise以上のプラン:

  • 標準でAPI連携が利用可能
  • 追加コストなし

Professionalプラン:

  • API連携はオプション契約が必要
  • 追加費用が発生(詳細はSalesforceの公式サイトで確認)

IP制限環境での利用:

  • formrunが提供する2つのIPアドレスをSalesforceの許可リストに登録
  • IP制限がある環境でも連携可能

※Salesforceの料金・プラン詳細は公式サイトをご確認ください。

連携設定の具体的手順とポイント

(1) 事前準備(Salesforceプラン確認・IP制限設定)

連携設定を始める前に、以下を確認してください:

Salesforceプランの確認:

  • Enterprise以上、またはProfessional + API連携オプション
  • 管理者権限を持つアカウント

IP制限の確認と設定(該当する場合):

  • Salesforceの設定でIP制限がかかっているか確認
  • formrunが提供する2つのIPアドレスを許可リストに追加
  • IPアドレスはformrunのサポートまたは公式FAQで確認可能

連携するオブジェクトとフィールドの決定:

  • どのオブジェクトに連携するか(リード、取引先責任者など)
  • フォームの入力項目とSalesforceのフィールドの対応関係を整理

(2) formrun側での連携設定手順

formrunの管理画面から以下の手順で設定します:

ステップ1: 連携オプションの購入

  • formrunの管理画面で「Salesforce連携」オプションを購入(月額2,480円/フォーム)
  • FREEプランから利用可能

ステップ2: Salesforceとの認証

  • formrunの管理画面で「Salesforce連携」設定画面を開く
  • 「Salesforceに接続」ボタンをクリック
  • Salesforceのログイン画面でSalesforce管理者アカウントでログイン
  • formrunへのアクセス許可を承認

ステップ3: 連携するオブジェクトの選択

  • 連携先のSalesforceオブジェクトを選択(リード、取引先責任者、カスタムオブジェクトなど)
  • 1フォームにつき1つのオブジェクトを選択

(3) 項目マッピングの設定方法

項目マッピングは、フォームの入力項目とSalesforceのフィールドを紐づける設定です。

マッピングの基本:

  • formrunのフォーム項目一覧が表示される
  • 各項目に対応するSalesforceのフィールドを選択
  • 必須フィールド(Salesforce側)は必ずマッピングが必要

マッピング例(リードオブジェクト):

formrunフォーム項目 → Salesforceフィールド

  • 会社名 → Company(必須)
  • 氏名 → LastName(必須)
  • メールアドレス → Email
  • 電話番号 → Phone
  • 問い合わせ内容 → Description

注意点:

  • Salesforceの必須フィールドがマッピングされていないとエラーになる
  • データ型の不一致(テキスト項目を数値フィールドにマッピングなど)もエラーの原因
  • Salesforceの検証ルール(バリデーション)も考慮する必要がある

(4) データ保存形式の選択(新規・上書き・上書きまたは新規)

formrunのSalesforce連携では、3つのデータ保存形式から選択できます:

新規のみ:

  • 常に新しいレコードを作成
  • 同じメールアドレスでも重複レコードが作成される
  • 用途: イベント参加記録など、都度新規レコードを作りたい場合

上書きのみ:

  • 既存レコードを検索し、見つかった場合のみ更新
  • 新規レコードは作成しない
  • 用途: 既存顧客の情報更新フォーム

上書きまたは新規:

  • 既存レコードがあれば上書き、なければ新規作成
  • 用途: 資料ダウンロードフォームなど、リードの重複を避けたい場合

検索キーとして、メールアドレスなどのユニークなフィールドを指定できます。

実務での活用方法と導入事例

(1) リード情報の自動連携フロー

最も一般的な活用方法は、Webサイトの問い合わせフォームやホワイトペーパーダウンロードフォームをformrunで作成し、回答を自動的にSalesforceのリードオブジェクトに登録するフローです。

典型的なフロー:

  1. 見込み客がWebサイトのformrunフォームに入力・送信
  2. formrunが自動的にSalesforceのリードオブジェクトに登録
  3. Salesforceのアサインルールにより、営業担当者に自動アサイン
  4. 営業担当者にメール通知
  5. 営業担当者が即座にフォローアップ開始

このフローにより、フォーム送信から営業フォローアップまでの時間を数時間〜数日から数分に短縮できます。

(2) カスタムオブジェクト連携の実装例(LOVOT問診票)

GROOVE X社は、家族型ロボット「LOVOT」の問診票フォームをformrunで作成し、Salesforceのカスタムオブジェクトに連携しています。

実装のポイント:

  • formrunのフォームで選択項目(ラジオボタン、チェックボックス)を使用
  • 選択内容に応じてSalesforceのカスタムオブジェクトに異なるデータを保存
  • ノーコードで実装可能

この事例では、カスタムオブジェクト連携により、標準的なリード管理以外のユースケースにも対応できることが示されています。

(出典: Inside of LOVOT「Salesforceとformrunを連携させてLOVOT問診票機能を実装してみた」2023年)

(3) Account Engagement(旧Pardot)との連携

formrunは、SalesforceのB2Bマーケティングオートメーションツール「Account Engagement(旧Pardot)」との連携も可能です。

連携のメリット:

  • formrunで取得したリードをAccount Engagementに自動登録
  • Account Engagementのスコアリング・ナーチャリング機能を活用
  • マーケティングと営業のデータを一元管理

(4) 取引先への自動紐づけフロー

株式会社オン・ザ・フォースの導入事例では、formrunで取得した情報を取引先(Account)に自動紐づけするフローを構築しています。

実装のポイント:

  • フォームに企業ドメインのメールアドレスを入力
  • Salesforce側のフローで、メールアドレスのドメインから取引先を検索
  • 該当する取引先があれば、取引先責任者として登録
  • なければ新規取引先と取引先責任者を作成

このフローにより、既存顧客からの問い合わせを自動的に既存取引先に紐づけることができます。

(出典: 株式会社オン・ザ・フォース「Salesforce × Formrun 連携」導入実績)

トラブルシューティングと注意点

(1) よくあるエラーとエラー検知通知機能

formrunのSalesforce連携でよくあるエラーと対処法:

必須フィールド未入力エラー:

  • 原因: Salesforce側の必須フィールドがマッピングされていない
  • 対処法: formrunのマッピング設定で必須フィールドを確認

データ型不一致エラー:

  • 原因: テキスト項目を数値フィールドにマッピングしているなど
  • 対処法: Salesforceのフィールド定義を確認し、適切な型のフィールドを選択

検証ルールエラー:

  • 原因: Salesforce側の検証ルール(バリデーション)に違反
  • 対処法: Salesforceの検証ルールを確認し、フォーム項目を調整

エラー検知通知機能:

formrunには、連携時にエラーが発生した場合、管理者にメール通知する機能があります。これにより、登録漏れを早期に発見できます。エラー通知を受け取ったら、formrunの管理画面でエラー詳細を確認し、上記の対処法を実施してください。

(2) 1フォーム1オブジェクトの制約

formrunのSalesforce連携では、1フォーム1オブジェクトの制約があります。つまり、1つのフォームから複数のSalesforceオブジェクトに同時に連携することはできません。

例:

  • 問い合わせフォームでリードオブジェクトと商談オブジェクトに同時登録 → 不可

回避策:

複数フォームを作成:

  • リード登録用フォームと商談登録用フォームを別々に作成
  • 各フォームごとに連携設定(各フォームごとに月額2,480円課金)

Salesforce側のフロー・Apexで対応:

  • formrunはリードオブジェクトのみに連携
  • Salesforce側のプロセスビルダーやフローで、リード登録時に商談も自動作成

(3) トライアル終了時の再設定

formrunの連携オプションをトライアル期間中に使用している場合、トライアル終了時に連携・認証が解除されます。本契約後に再度連携設定が必要になる点に注意してください。

対処法:

  • トライアル終了前に本契約を検討
  • 本契約後は「formrun側での連携設定手順」を再度実施

(4) 複数フォームでの課金体系

formrunのSalesforce連携は、**1フォームあたり月額2,480円(税抜)**です。複数のフォームで連携を利用する場合、各フォームごとに課金されます。

例:

  • 問い合わせフォーム: 月額2,480円
  • 資料ダウンロードフォーム: 月額2,480円
  • セミナー申込フォーム: 月額2,480円
  • 合計: 月額7,440円

複数フォームで連携を利用する場合は、コストを事前に試算してください。

まとめ:効果的な連携運用のために

formrunとSalesforce連携は、リード獲得から営業プロセスまでのデータ連携を自動化し、業務効率化と初回接触時間の短縮を実現します。2024年4月から新連携に一本化され、セットアップが簡素化されたことで、導入ハードルが下がりました。

この記事のまとめ:

  • 1フォームあたり月額2,480円(税抜)で利用可能
  • カスタムオブジェクトを含む全てのSalesforceオブジェクトと連携可能
  • データ保存形式は「新規のみ」「上書きのみ」「上書きまたは新規」から選択
  • 1フォーム1オブジェクトの制約があり、複数オブジェクトへの同時連携は不可
  • Salesforce側はEnterprise以上またはProfessional+APIオプションが必要

次のアクション:

  • 自社のSalesforceプランを確認(Enterprise以上またはProfessional+APIオプション)
  • formrun公式サイトで最新の料金・機能を確認
  • 連携するオブジェクトとフィールドを整理
  • トライアルで実際に連携設定を試す

※formrunとSalesforceの料金・機能は変更される可能性があります。導入前に公式サイトで最新情報をご確認ください。

よくある質問

Q1Salesforce Professionalプランでも連携できますか?

A1API連携のオプション契約を追加すれば連携可能です。Enterprise以上のプランは標準でAPI利用が可能ですが、Professionalプランの場合は追加コストが発生します。詳細はSalesforceの公式サイトでご確認ください。

Q2連携にかかる費用はどれくらいですか?

A2formrun側は1フォームあたり月額2,480円(税抜)で、FREEプランから利用可能です。Salesforce側でAPI連携オプションが必要な場合は別途費用が発生します。複数フォームで連携する場合、各フォームごとに課金されます(3フォームなら月額7,440円)。

Q3複数のオブジェクトに同時に連携できますか?

A31フォーム1オブジェクトの制約があり、複数オブジェクトへの同時連携はできません。複数オブジェクトに連携したい場合は、フォームごとに設定が必要です。または、Salesforce側のフロー・Apexで1つのオブジェクト登録をトリガーに他のオブジェクトも作成する方法があります。

Q4IP制限がある環境でも利用できますか?

A4利用可能です。formrunが提供する2つのIPアドレスをSalesforce側の許可リストに登録することで、IP制限環境でも連携できます。IPアドレスはformrunのサポートまたは公式FAQで確認できます。

Q5旧Salesforce連携から新連携への移行は必要ですか?

A52024年4月1日に旧連携は完全終了しているため、現在使用できるのは新連携のみです。新連携は接続アプリケーション作成不要でセットアップが簡素化されており、既存レコードの上書き更新機能やエラー検知通知機能が追加されています。

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B2Bデジタルプロダクト実践ガイド編集部

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