クロスセルとは?アップセルとの違い・成功施策・事例を解説

著者: B2Bデジタルプロダクト実践ガイド編集部公開日: 2025/12/17

既存顧客からの売上拡大、何から始めればいいか分からない...

新規顧客獲得のコストが年々上昇する中、既存顧客からの売上拡大が多くの企業で重要課題となっています。しかし、「どのタイミングで提案すればいいか分からない」「無理に追加購入を勧めると嫌がられそう」といった懸念から、施策に踏み切れないケースも少なくありません。

この記事では、クロスセルの基本概念から、アップセルとの使い分け、顧客データ分析に基づく実践手法、成功事例まで、B2B企業の営業・マーケティング・CS担当者が押さえておくべき情報を解説します。

この記事のポイント:

  • クロスセルは関連商品を追加購入してもらう手法で、新規顧客獲得より低コストで売上拡大できる
  • アップセルは上位プランへの誘導、クロスセルは関連商品の提案と使い分ける
  • 購入決定後(カート投入時・決済直前・購入直後)が提案の最適なタイミング
  • 顧客データ分析に基づくレコメンド機能や送料無料戦略が効果的
  • 日本では1日あたり2,325人の人口が減少しており、クロスセルの重要性が高まっている

1. なぜ今クロスセルが重要なのか

クロスセルは、商品の購入を検討している顧客に対し、別の商品もセットもしくは単体で購入してもらうためのセールス手法です。近年、以下のような理由でクロスセルの重要性が高まっています。

注目される背景:

  • 厚生労働省のデータ(参考: シャノン社調査)によると、日本では1日あたり2,325人の人口が減少しており、新規顧客獲得が難しくなっている
  • 新規顧客獲得コストは既存顧客への販売コストの5倍とも言われ、既存顧客からの売上拡大が効率的
  • LTV(顧客生涯価値)の最大化が企業の成長戦略として重視されている
  • AIを活用したレコメンド機能により、クロスセルの精度が向上している

(参考: Emotion Tech「アップセル・クロスセルとは?顧客単価を向上させる方法と事例」)

2. クロスセルの基礎知識

(1) クロスセルの定義

クロスセルは、購入を検討している顧客に対して、関連商品を追加で購入してもらう手法です。

クロスセルの例:

  • カメラ購入顧客に対して三脚やレンズフィルターを提案
  • ソフトウェア購入顧客に対して関連する拡張機能やトレーニングプログラムを提案
  • ECサイトで「この商品を購入したお客様はこちらも購入しています」というメッセージでまとめ買いを促す

クロスセルのメリット:

  • 新規顧客獲得より低コストで売上を向上させることができる
  • 顧客のニーズに合った商品を提案することで、顧客満足度が向上する
  • 顧客単価が上昇し、LTVが最大化される

(参考: Emotion Tech「アップセル・クロスセルとは?顧客単価を向上させる方法と事例」、BOTCHAN Base「クロスセルとは?手法や実践ステップ、施策事例や便利ツールを紹介」)

(2) アップセルとの違い・使い分け

クロスセルとアップセルは、顧客単価を向上させる手法として似ていますが、以下のような違いがあります。

クロスセル:

  • 関連商品を追加購入してもらう手法
  • 購入の意思が決定した後に提案する(カート投入時・決済直前・購入直後)
  • 例: ハンバーガー購入時に「ご一緒にポテトはいかがですか?」

アップセル:

  • 上位価格帯の商品やプランを提案する手法
  • 購入検討段階で提案する
  • 例: 無料プラン利用者に対してプレミアムプランへのアップグレードを提案

使い分けのポイント:

  • 顧客が購入を検討中の段階 → アップセル
  • 顧客が購入を決定した後 → クロスセル

(参考: Emotion Tech「アップセル・クロスセルとは?顧客単価を向上させる方法と事例」)

3. クロスセルの実践手法

(1) 顧客データ分析とターゲティング

クロスセルを成功させるには、顧客データの分析が不可欠です。

分析すべき顧客データ:

  • 購買履歴(購入した商品・購入頻度・購入金額)
  • サイト閲覧履歴(閲覧した商品・ページ滞在時間)
  • 顧客属性(業種・企業規模・役職)

ターゲティング方法:

  • 既存の顧客データを整理し、どのような顧客がどの商品に対して購入見込みが高いかを分析する
  • 購入履歴から関連性の高い商品を特定し、レコメンドリストを作成する
  • CRM(顧客関係管理)システムを活用し、顧客情報を一元管理する

(参考: LISKUL「クロスセルとは?アップセルとの違いや実践ステップを事例を交えて解説」)

(2) レコメンド機能・提案タイミングの設計

適切なタイミングで関連商品を提案することが、クロスセルの成功率を高めます。

提案タイミング:

  • カート投入時: 「この商品を購入したお客様はこちらも購入しています」
  • 決済直前: 「あと〇〇円で送料無料になります」
  • 購入直後: サンキューメールで関連商品を紹介

レコメンド機能の活用:

  • 顧客の購買履歴や閲覧履歴をもとに、AIが自動的に関連商品を提案
  • ECサイトで「よく一緒に購入されている商品」を表示

(参考: BOTCHAN Base「クロスセルとは?手法や実践ステップ、施策事例や便利ツールを紹介」)

(3) 送料無料・セット割引などの施策

購買意欲を高めるために、送料無料やセット割引などのインセンティブも効果的です。

施策の例:

  • 「あと〇〇円で送料無料」という表示で追加購入を促す
  • セット購入で10%割引などの特典を提示
  • 関連商品をまとめたバンドル商品を用意

(参考: BOTCHAN Base「クロスセルとは?手法や実践ステップ、施策事例や便利ツールを紹介」)

4. クロスセルの成功事例

(1) EC業界の事例(関連商品レコメンド)

EC業界では、レコメンド機能を活用したクロスセルが広く実施されています。

Amazonの事例:

  • 「よく一緒に購入されている商品」を紹介
  • Amazon Primeなどの関連サービスも推奨
  • レコメンド機能により、顧客単価が向上

カメラ販売の事例:

  • カメラ購入顧客に対して三脚やレンズフィルターを提案
  • 顧客単価が30%向上した

(参考: 営業ラボ「クロスセルとは何か?メリットや具体的な施策、成功事例を紹介」)

(2) 飲食・小売業界の事例

飲食・小売業界でも、クロスセルは効果的に活用されています。

マクドナルドの事例:

  • 「ご一緒にポテトはいかがですか?」という提案
  • サイドメニューの追加購入で顧客単価が向上
  • クロスセルの代表例として広く知られる

(参考: 営業ラボ「クロスセルとは何か?メリットや具体的な施策、成功事例を紹介」)

5. 導入時の注意点と失敗を防ぐポイント

(1) 過度な提案による顧客離れを防ぐ

クロスセルは効果的な手法ですが、過度な提案は顧客に不快感を与える可能性があります。

注意点:

  • 顧客が求めていない商品を無理に提案しない
  • 提案する商品は関連性の高いものに絞る
  • 顧客データに基づき、ニーズに合った商品を提案する

(参考: BOXIL Magazine「クロスセルとは?顧客満足度を高めLTV最大化する営業手法と注意点」)

(2) 適切なタイミング設計

タイミングを誤ると、クロスセルは逆効果になる可能性があります。

適切なタイミング:

  • 購入の意思が決定した後(カート投入時・決済直前・購入直後)
  • 購入検討段階での提案は避ける(アップセルと使い分ける)

避けるべきタイミング:

  • 顧客がまだ商品を検討中の段階で、複数の関連商品を提案すると混乱を招く
  • 購入完了前に過度なレコメンドを表示すると、購入意欲を削ぐ可能性がある

(参考: Emotion Tech「アップセル・クロスセルとは?顧客単価を向上させる方法と事例」)

6. まとめ:効果的なクロスセル設計

クロスセルは、顧客データ分析に基づいて、適切なタイミングで関連商品を提案することが成功の鍵です。新規顧客獲得より低コストで売上を拡大でき、顧客満足度とLTVの向上にもつながります。

次のアクション:

  • 既存の顧客データを整理し、購買履歴・閲覧履歴を分析する
  • CRMやレコメンドツールを導入し、自動化を検討する
  • 小規模なテストから始め、効果測定を行う
  • 過度な提案を避け、顧客ニーズに合った商品を提案する

※クロスセルの効果は業種・商材により異なります。成功事例は2024-2025年時点の情報です。最新の手法やツールは各社公式サイトをご確認ください。

顧客データに基づく効果的なクロスセル設計で、既存顧客からの売上拡大とLTV最大化を実現しましょう。

よくある質問

Q1クロスセルとアップセルはどう使い分ける?

A1クロスセルは関連商品を追加購入させる手法で、購入決定後が最適です。アップセルは上位プランを提案する手法で、購入検討段階が最適です。

Q2クロスセルを提案する最適なタイミングは?

A2購入の意思が決定した後(カート投入時・決済直前・購入直後)が効果的です。検討段階での提案は逆効果になる可能性があります。

Q3クロスセルで顧客単価はどれくらい上がる?

A3業種・商材により異なります。適切に実施すれば10〜30%の顧客単価向上が期待できます。ただし過度な提案は顧客離れを招くため注意が必要です。

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B2Bデジタルプロダクト実践ガイド編集部

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