BtoB営業の基本とコツ|手法・プロセス・成功事例を徹底解説

著者: B2Bデジタルプロダクト実践ガイド編集部公開日: 2025/12/6

BtoB営業、BtoCと何が違う?初めての法人営業で戸惑っていませんか?

BtoB営業に配属された、またはBtoC営業から転職してきた営業担当者の多くが、「BtoB営業って何が違うの?」「どう進めればいいのかわからない」と戸惑いを感じています。

BtoB営業は、企業や組織を相手にする法人営業です。BtoC営業と比べて、意思決定者が複数いる、商談期間が長い、取引金額が大きい、関係構築が重要など、大きな違いがあります。

この記事では、BtoB営業の基本、BtoC営業との違い、営業プロセス、成功のコツ、よくある課題と解決策を詳しく解説します。

この記事のポイント:

  • BtoB営業は企業・組織を相手にする法人営業で、複数の意思決定者が関与し、契約まで数ヶ月〜半年以上かかることが一般的
  • BtoC営業とは、取引相手、意思決定者、取引金額、契約期間、判断基準の5つのポイントで大きく異なる
  • 営業プロセスは6ステップ(ターゲット企業特定、アポイント獲得、商談準備、商談実施、クロージング、アフターフォロー)で効果的に進める
  • 成功のコツは、顧客課題を深掘りするソリューション型営業とSFAツール活用による営業プロセスの可視化・効率化
  • 2024年は対面営業への回帰とAI活用が融合し、リードの質重視への転換が進んでいる

1. BtoB営業とは?法人営業が重要な理由

まず、BtoB営業の定義と重要性を確認しましょう。

(1) BtoB営業の定義:企業・組織向け営業

BtoB営業とは、Business to Businessの略で、企業や組織を対象とした営業活動です。法人営業とも呼ばれます。

BtoB営業の対象:

  • 企業(中小企業、大企業)
  • 官公庁・自治体
  • 学校・教育機関
  • 医療機関
  • その他の組織

取り扱う商材:

  • システム・ソフトウェア(SaaS、業務システム等)
  • 設備・機械
  • 原材料・部品
  • コンサルティングサービス
  • 広告・マーケティングサービス
  • オフィス用品

(2) BtoB営業の市場規模と成長性

BtoB市場は、BtoC市場と比べて取引金額が大きく、市場規模も大きいと言われています。企業の業務効率化、DX推進、働き方改革などの影響で、BtoB向けのSaaS、クラウドサービス、デジタルツールの市場は成長を続けています。

2024年はコロナ後の対面営業への回帰と新しいビジネススタイルの融合が進み、生成AIのビジネス活用が本格化しています。

(3) 本記事で解説する内容

この記事では、以下の点を解説します:

  • BtoC営業との決定的な違い(5つのポイント)
  • BtoB営業プロセス(6ステップ)
  • 成功のコツ(ソリューション型営業、SFAツール活用)
  • よくある課題と解決策
  • 2024年のトレンド

2. BtoC営業との決定的な違い:5つのポイント

BtoB営業とBtoC営業の違いを5つのポイントで整理しましょう。

(1) 取引相手:法人 vs 個人

BtoB営業: 取引相手は企業や組織です。担当者、決裁者、利用者など、複数の関係者が存在します。

BtoC営業: 取引相手は一般消費者(個人)です。購入者と利用者が同一であることが一般的です。

(2) 意思決定者:複数 vs 単独

BtoB営業: 複数の意思決定者が関与します。担当者、部門長、役員、経営層など、決裁プロセスが複雑です。担当者と決裁者が異なる場合が多く、交渉相手が決裁権を持っていないケースが一般的です。

BtoC営業: 個人が単独で意思決定します。家族の意見を聞くことはあっても、最終的には購入者個人の判断です。

(3) 取引金額:大きい vs 小さい

BtoB営業: 一度の取引で大きな金額が動くことが一般的です。数十万円〜数千万円、場合によっては億単位の取引もあります。

BtoC営業: 取引金額は比較的小さいです。数百円〜数十万円が一般的です。

(4) 契約期間:長期 vs 短期

BtoB営業: 契約までの期間が長期にわたります。一般的に3ヶ月〜半年、エンタープライズ営業(大企業向け)では1年以上かかることもあります。契約成立後も、継続的な関係が続くことが多いです。

BtoC営業: 購入までの期間が短いです。即決〜数日、長くても数週間が一般的です。

(5) 判断基準:ロジカル(費用対効果)vs 感情的

BtoB営業: 費用対効果、ROI、導入効果などロジカルな判断基準が重視されます。稟議書での説明、社内承認プロセスが必要です。

BtoC営業: 感情的な判断基準(デザイン、ブランド、好み、感覚)が重視されることが多いです。

3. BtoB営業プロセス6ステップ:リード獲得から契約・フォローまで

具体的な営業プロセスを6ステップで解説します。

(1) ステップ1:ターゲット企業特定・リスト作成

まず、ターゲットとなる企業を特定し、リストを作成します。

ターゲット企業の特定:

  • 業種、企業規模、地域、課題などで絞り込み
  • 自社の商材が最も価値を提供できる企業を選定

リスト作成方法:

  • 企業データベース(帝国データバンク、東京商工リサーチ等)
  • Web検索、業界団体リスト
  • 展示会来場者リスト
  • 既存顧客からの紹介

(2) ステップ2:アポイント獲得(電話・メール・展示会)

ターゲット企業とのアポイント(商談の約束)を取り付けます。

アポイント獲得の方法:

  • 電話営業(テレアポ)
  • メール営業
  • 展示会・セミナーでの名刺交換
  • Web問い合わせフォームからの反響
  • インサイドセールスによるリード育成

ポイント: 担当者の課題や関心を引くトークスクリプトを準備し、商談の価値を明確に伝えます。

(3) ステップ3:商談準備(課題仮説・提案資料)

商談前に、顧客の課題仮説を立て、提案資料を準備します。

事前準備:

  • 顧客企業のWebサイト、ニュース、財務情報を調査
  • 業界動向、競合状況を把握
  • 課題仮説を立てる(「この企業は〇〇の課題を抱えているのではないか?」)

提案資料:

  • 会社紹介資料
  • 商材説明資料
  • 導入事例(同業種・同規模企業)
  • 費用対効果の試算

(4) ステップ4:商談実施(ヒアリング・提案・デモ)

商談では、まずヒアリングで顧客の課題を深掘りし、次に提案を行います。

ヒアリングのポイント:

  • BANT条件を確認(Budget: 予算、Authority: 決裁権、Needs: ニーズ、Timeframe: 導入時期)
  • 顧客の課題、現状の業務フロー、理想の姿を深掘り
  • 決裁プロセス、関係者を確認

提案のポイント:

  • 顧客の課題に対する解決策を提示
  • 費用対効果、導入効果を具体的に説明
  • デモ・実演で商材の価値を体感してもらう

(5) ステップ5:クロージング・契約(稟議サポート・条件交渉)

商談を契約成立に導くクロージングを行います。

稟議サポート: BtoB営業では、担当者が社内稟議を通す必要があります。稟議書作成のサポート、上司・決裁者への同席説明などを行います。

条件交渉: 価格、納期、契約条件などを交渉します。WIN-WINの関係を目指し、無理な値引きは避けます。

クロージングのタイミング: 顧客の購買シグナル(「導入したい」「いつから使える?」等)を逃さず、契約に進めます。

(6) ステップ6:アフターフォロー(導入支援・定期訪問・リピート・紹介)

契約成立後も、アフターフォローが重要です。

導入支援: 商材の導入をサポートし、スムーズな立ち上げを支援します。

定期訪問: 定期的に訪問し、利用状況、課題、追加ニーズをヒアリングします。

リピート・アップセル: 追加商材の提案、契約更新、アップグレード提案を行います。

紹介: 満足度の高い顧客から、他社紹介をいただきます。

4. 成功のコツ:ソリューション型営業とデジタルツール活用

BtoB営業で成功するコツを解説します。

(1) 顧客課題の深掘り:ヒアリング力とBANT条件確認

BtoB営業では、顧客の課題を深く理解することが成功の鍵です。

ヒアリング力:

  • 顧客の話をよく聞き、課題の本質を見抜く
  • 「なぜ?」を繰り返し、課題の背景を深掘り
  • 現状の業務フロー、理想の姿を具体的に聞き出す

BANT条件の確認:

  • Budget(予算):導入予算は確保されているか?
  • Authority(決裁権):誰が最終決定するか?
  • Needs(ニーズ):どんな課題を解決したいか?
  • Timeframe(導入時期):いつまでに導入したいか?

BANT条件が揃っている案件を優先的に進めることで、受注率が向上します。

(2) ソリューション型営業:課題解決提案

ソリューション型営業とは、顧客の課題を理解し、解決策を提案する営業手法です。

従来型営業(商品営業): 「この商品は〇〇の機能があります」と商品の特徴を説明する。

ソリューション型営業: 「御社の〇〇の課題は、弊社の△△で解決できます。導入効果は□□です」と課題解決を提案する。

ソリューション型営業のメリット:

  • 顧客の課題に寄り添うため、信頼関係が構築しやすい
  • 費用対効果を明示できるため、稟議が通りやすい
  • 競合との差別化が図れる

(3) SFA(営業支援ツール)活用:案件管理・予測・効率化

SFA(Sales Force Automation:営業支援システム)を活用することで、営業プロセスを可視化・効率化できます。

SFAでできること:

  • 案件管理:商談の進捗状況、確度、金額を一元管理
  • 活動履歴:訪問記録、電話記録、メール記録を蓄積
  • 売上予測:案件の確度と金額から、売上を予測
  • 営業レポート:商談化率、受注率などのKPIを自動集計

SFA活用のメリット:

  • 営業生産性が大幅に向上する
  • 営業プロセスのボトルネックが可視化される
  • リアルタイムで活動をモニタリングできる

(4) リードの質重視:スコアリング・ナーチャリング

2024年のトレンドとして、リードの「量」だけでなく「質」を重視する動きが強まっています。

リードスコアリング: 見込み客の関心度や成約可能性を数値化し、優先順位をつける手法です。

リードナーチャリング: MA(マーケティングオートメーション)ツールでメール配信を自動化し、見込み客を育成する手法です。

質の良いリードを増やす施策:

  • ターゲット企業を絞り込んだABM(アカウントベースドマーケティング)戦略
  • セミナー・ウェビナーで関心度の高いリードを獲得
  • Webコンテンツ(ホワイトペーパー、事例等)でリードを育成

5. よくある課題と解決策:意思決定者・長期化・リード品質

BtoB営業でよくある課題と解決策を紹介します。

(1) 課題1:決裁者が見えない → 組織図ヒアリング・稟議サポート

課題: 担当者と決裁者が異なる場合が多く、決裁者が見えない、決裁者にアプローチできないという課題があります。

解決策:

  • 初回商談で組織図をヒアリングし、決裁プロセスを把握する
  • 担当者に「社内でどのように説明すればよいか?」と聞き、稟議書作成をサポート
  • 決裁者への同席説明を提案する
  • キーマン(社内で影響力のある人物)を特定し、アプローチする

(2) 課題2:商談が長期化する → マイルストーン設定・定期フォロー

課題: 複数の関係者による合意が必要なため、契約成立まで数ヶ月から半年以上かかることがあります。

解決策:

  • 商談の各段階でマイルストーン(中間目標)を設定し、次のアクションを明確にする
  • 定期的にフォローアップし、進捗を確認する
  • 導入スケジュールを逆算し、各ステップの期限を設定する
  • 顧客の社内スケジュール(予算確定時期、期末等)を把握し、タイミングを合わせる

(3) 課題3:リード品質が低い → スコアリング導入・ABM戦略

課題: リードの量は多いが、質が低く、商談化率が低いという課題があります。

解決策:

  • リードスコアリングを導入し、確度の高いリードを優先的にフォロー
  • ターゲット企業を絞り込んだABM(アカウントベースドマーケティング)戦略を採用
  • リードナーチャリング(MA活用)で見込み客を育成してから営業にパス
  • リード獲得施策(セミナー、Web広告等)の質を見直す

(4) 2024年トレンド:対面営業回帰とAI活用の融合

2024年はコロナ後の対面営業への回帰と、新しいビジネススタイルの融合が進んでいます。

対面営業の回帰: 重要な商談や関係構築の場面では、対面での訪問が復活しています。

オンライン営業の定着: 初回商談やフォローアップはオンラインで効率的に実施し、クロージングは対面で、というハイブリッド型が主流になっています。

生成AIの活用: 2023年に生成AIがブレイクし、2024年はさらに技術が進化してビジネスでの活用が本格化しています。営業資料作成、顧客分析、提案書作成などにAIを活用する企業が増えています。

6. まとめ:BtoB営業で成果を出す3つのポイント

BtoB営業で成果を出すためのポイントを整理します。

(1) ポイント1:顧客課題を深く理解するソリューション型営業

顧客の課題を深くヒアリングし、解決策を提案するソリューション型営業が成功の鍵です。BANT条件を確認し、確度の高い案件を優先的に進めましょう。

(2) ポイント2:複数決裁者を意識した稟議サポート

BtoB営業では、複数の意思決定者が関与します。決裁プロセスを把握し、担当者の稟議書作成をサポートし、決裁者への同席説明を提案することで、受注率が向上します。

(3) ポイント3:SFAツールで営業プロセスを可視化・効率化

SFAツールで案件管理、活動履歴、売上予測を可視化することで、営業生産性が大幅に向上します。営業プロセスのボトルネックを可視化し、改善を続けましょう。

(4) 次のアクション:営業手法の見直し・ツール導入検討

BtoB営業で成果を出すために、以下のアクションを推奨します:

1. 営業プロセスの見直し: 現在の営業プロセスを6ステップに照らし合わせて見直し、ボトルネックを特定します。

2. ソリューション型営業への転換: 商品営業からソリューション型営業へ転換し、顧客課題を深掘りするヒアリング力を鍛えます。

3. SFAツール導入検討: SFAツールを導入し、営業プロセスを可視化・効率化します。無料トライアルで試してから本格導入するのが推奨されます。

4. リードの質向上施策: リードスコアリング、ABM戦略、リードナーチャリングを導入し、確度の高いリードを増やします。

5. 継続的な学習: BtoB営業の専門書、セミナー、研修を活用し、スキルアップを続けます。

BtoB営業は、顧客との長期的な関係構築が成功の鍵です。6ステップのプロセスを着実に実行し、ソリューション型営業とデジタルツール活用で成果を出していきましょう。

※営業手法やツールは進化が速いため、最新情報は各公式サイト等で確認してください。この記事は2024年12月時点の情報です。

よくある質問

Q1BtoB営業とBtoC営業の最大の違いは?

A1意思決定者の数と契約までの期間です。BtoBは複数の決裁者が関与し、契約まで数ヶ月〜半年以上かかることが一般的です。BtoCは個人が即決し、購入までが短いです。判断基準もBtoBは費用対効果などロジカル、BtoCは感情的です。

Q2BtoB営業の平均的な営業サイクルは?

A2商材や業界により異なりますが、一般的に3ヶ月〜半年です。エンタープライズ営業(大企業向け)では1年以上かかることもあります。中小企業向けは1〜3ヶ月が目安です。

Q3BtoB営業に必要なスキルは?

A3ヒアリング力、課題発見力、提案力、稟議サポート力、関係構築力が必要です。ソリューション型営業では顧客業界の理解も重要です。最近ではデジタルツール(SFA、MA)活用スキルも必須になっています。

Q4BtoB営業のKPI設定はどうすればよいか?

A4リード獲得数、商談化率、受注率、平均単価、リピート率などを設定します。営業プロセスの各ステップごとにKPIを設定し、ボトルネックを可視化します。SFAツールで自動集計するのが効率的です。

Q5BtoB営業でツールを活用するメリットは?

A5SFA(営業支援ツール)で案件管理・活動履歴・売上予測を可視化でき、営業生産性が大幅に向上します。MA(マーケティングオートメーション)でリード育成を自動化し、商談化率が向上します。

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B2Bデジタルプロダクト実践ガイド編集部

「B2Bデジタルプロダクト実践ガイド」は、デシセンス株式会社が運営する情報メディアです。B2Bデジタルプロダクト企業のマーケティング・営業・カスタマーサクセス・開発・経営に関する実践的な情報を、SaaS、AIプロダクト、ITサービス企業の実務担当者に向けて分かりやすく解説しています。