スタートアップ成長戦略の重要性と日本の現状
実は、スタートアップの成長戦略は、成長ステージの理解だけでなく、シリーズA〜B段階でのマーケティング・営業体制整備とMA/SFA導入を通じて、属人化を解消しデータ駆動型組織へ移行することで実現します。
日本のスタートアップエコシステムは、近年急速に拡大しているものの、海外と比較すると依然として厳しい状況にあります。2025年上半期の資金調達は速報値で3,810億円(前年比26.2%減)と減少傾向にあり、成長型スタートアップは612社(2025年1月時点)と米国の82,917社と比較して100分の1以下に留まっています。また、日本のユニコーン企業は2025年時点でわずか8社(2021年から2社増)と、政府が目標とする100社には遠く及びません。
さらに、日本の開業率は3.9%(2023年度、中小企業白書)と、英国の12.4%の半分以下という低水準にあります。この背景には、資金調達環境の厳しさに加え、スタートアップが成長ステージを進む過程で直面する組織課題への対応の難しさがあります。
多くの創業者が、「資金調達に成功すれば自然とスケールできる」という誤解を抱いていますが、実際にはシリーズA〜B段階でマーケティング・営業体制を整備し、属人化を解消してデータ駆動型組織へ移行しなければ、持続的な成長は実現しません。本記事では、スタートアップの成長ステージの全体像を理解した上で、シリーズA〜B段階での組織整備の具体的な方法を解説します。
この記事で分かること
- スタートアップの成長ステージ(シード期・アーリーステージ・レイターステージ)の全体像と各ステージの特徴
- 成長ステージ別の課題と対策、重点施策の一覧
- シリーズA〜B段階でのマーケティング・営業体制整備とMA/SFA導入の重要性
- データ駆動型組織への具体的な移行ステップとチェックリスト
- 日本のスタートアップが海外と比較してどのような状況にあるか
スタートアップの成長ステージ全体像
スタートアップの成長は、シード期、アーリーステージ、レイターステージの3つのステージに大別されます。各ステージでは、事業の成熟度、組織規模、資金調達方法、直面する課題が大きく異なるため、ステージに応じた戦略が必要です。
シード期は、起業前〜事業開始1-2年のプロトタイプ開発中心のステージです。この時期は、プロダクトのコンセプトを検証し、初期顧客からフィードバックを得ながらPMF(Product Market Fit) を目指します。PMF(Product Market Fit) とは、プロダクトが市場のニーズに適合し、顧客が継続的に利用・購入する状態のことです。資金調達は主にエンジェル投資家や政府の補助金・助成金を活用します。
アーリーステージは、事業開始2-5年の初期収益化ステージです。PMF達成後のスケール開始期であり、シリーズA〜B資金調達を経て組織を拡大していく段階です。スタートアップのGDP創出効果は直接効果12.19兆円、間接波及を含めると22.33兆円(日本GDPの約4%)と試算されており、経済への影響力が高まる時期でもあります。この段階では、マーケティング・営業体制の整備が成長の鍵を握ります。
レイターステージは、事業開始5年以上のIPO/M&A準備・大規模拡大ステージです。海外展開の加速やEXIT(上場・売却)に向けた準備を進める時期であり、経営体制の強化やガバナンス構築が重要になります。
政府は2028年3月までにスタートアップ投資総額を10兆円(現行の10倍)にする目標を掲げており、今後のスタートアップエコシステムの拡大が期待されています。また、大学発スタートアップは2021年の3,305社から2024年に5,074社へ増加(増加率約53%、うち57%が東京都以外)しており、地方でのスタートアップ創出が活発化しています。
シード期(起業前〜事業開始1-2年)
シード期は、プロダクトのプロトタイプを開発し、PMF検証を行う最も初期のステージです。この時期の主な活動は以下の通りです。
- プロトタイプ開発: 限られたリソースで最小限の機能を持つプロダクトを開発し、顧客に提供
- PMF検証: 初期顧客からフィードバックを収集し、プロダクトと市場ニーズの適合を確認
- 初期資金調達: エンジェル投資家、政府補助金(経済産業省のGSAPプログラムやGENIAC(AIアクセラレータ)など)を活用
- チーム構築: 創業メンバーの役割分担と初期採用
シード期で特に重要なのが、ディープテック分野でのイノベーションです。ディープテックとは、AI・半導体・バイオ・マテリアル等の先端技術を活用したスタートアップを指し、大学発が多いのが特徴です。政府のGSAPプログラムやGENIACアクセラレータは、こうしたディープテック領域のスタートアップに対し、海外展開やデータ基盤整備の支援を提供しています。
アーリーステージ(事業開始2-5年)
アーリーステージは、PMF達成後のスケール開始期であり、シリーズA〜B資金調達を経て組織を急速に拡大する段階です。この時期の主な活動は以下の通りです。
- スケール戦略の策定: PMF達成後、どの市場セグメントに注力し、どのチャネルでスケールするかを決定
- シリーズA〜B資金調達: ベンチャーキャピタルから数億円〜数十億円規模の資金を調達
- 組織拡大: 営業・マーケティング・エンジニアリング・カスタマーサクセスの各部門を強化
- マーケティング・営業体制の整備: MA/SFA導入によるデータ駆動型営業への移行
スタートアップのGDP創出効果は直接効果12.19兆円、間接波及を含めると22.33兆円(日本GDPの約4%)と試算されており(金融庁、2023年)、アーリーステージのスタートアップが経済に与える影響は大きいと言えます。ただし、この数値は試算値であり、仮定に依存することに注意が必要です。
レイターステージ(事業開始5年以上)
レイターステージは、IPO/M&A準備を進め、大規模拡大を実現するステージです。この時期の主な活動は以下の通りです。
- 海外展開の加速: 国内市場だけでなく、海外市場への進出を本格化
- EXIT準備: IPO(株式公開)またはM&A(企業買収)に向けたガバナンス体制の構築
- 経営体制の強化: CFO・CTO・COOなどの経営陣を強化し、組織のスケーラビリティを確保
- ボーン・グローバル戦略: 創業時から海外市場を志向し、グローバル展開を前提とする戦略
ボーン・グローバルとは、創業時から海外市場を志向し、グローバル展開を前提とするスタートアップの戦略です。近年、創業時から米国・台湾・東南アジア展開を志向する事例が増加しており、JETROのX-HUB Tokyoなど政府支援プログラムを活用して現地商談獲得を目指す動きが活発化しています。
成長ステージ別の特徴と課題
各成長ステージでは、直面する課題が異なります。以下の比較表では、各ステージの主な活動、資金調達方法、組織課題、重点施策を整理しました。
【比較表】成長ステージ別の重点施策一覧
| ステージ | 主な活動 | 資金調達方法 | 組織課題 | 重点施策 |
|---|---|---|---|---|
| シード期 | プロトタイプ開発、PMF検証 | エンジェル投資家、政府補助金・助成金 | PMF未達成、初期資金不足 | GSAP・GENIACアクセラレータ活用、大学発技術の商業化 |
| アーリーステージ | スケール戦略策定、組織拡大 | シリーズA〜B(VC) | 組織拡大に伴う属人化、資金調達難 | MA/SFA導入、プロセス標準化、データ駆動型営業への移行 |
| レイターステージ | 海外展開、EXIT準備 | シリーズC以降、IPO/M&A | 海外展開の難しさ、ガバナンス構築 | ボーン・グローバル戦略、X-HUB Tokyo活用、経営体制強化 |
日本の開業率は3.9%(2023年度、中小企業白書)と英国の12.4%の半分以下であり、スタートアップの創出自体が課題となっています。また、日本のAI市場規模は2033年に352億ドル(約5.3兆円、2025-2033年CAGR 20.4%)との予測があり、AI・ディープテック分野への投資が集中する傾向にあります。一方で、非AI分野のSaaS・BtoB領域では資金調達が停滞する傾向もあり、バランスの取れた成長戦略が求められます。
シード期の課題と対策
シード期で最も重要なのは、PMF達成です。PMFを達成できないと、どれだけ資金を投入してもスケールすることはできません。この時期の主な課題と対策は以下の通りです。
課題1: PMF検証の難しさ 初期顧客からのフィードバックをどう解釈し、プロダクトに反映するかが難しい。顧客の声を鵜呑みにしすぎると本質的なニーズを見失い、無視しすぎるとPMFから遠ざかる。
対策1: 顧客インタビューとデータ分析の両立 定性的なフィードバック(顧客インタビュー)と定量的なデータ(利用状況、リテンション率)を組み合わせて判断。特にリテンション率が高い顧客セグメントを特定し、そこにフォーカスする。
課題2: 初期資金調達の難しさ エンジェル投資家やVCからの資金調達は競争が激しく、特にアイデア段階では資金を得るのが困難。
対策2: 政府支援プログラムの活用 経済産業省のGSAPプログラムやGENIAC(AIアクセラレータ)など、政府支援プログラムを積極的に活用。これらのプログラムは、資金だけでなく、海外展開支援やデータ基盤整備支援も提供している。
アーリーステージの課題と対策
アーリーステージでは、組織拡大に伴う属人化が最大の課題となります。シリーズA〜B資金調達後、営業・マーケティング人員を急速に増やすと、営業プロセスが標準化されず、属人的なやり方が乱立します。
課題1: 組織拡大に伴う属人化 営業担当者ごとに商談のやり方が異なり、成果がばらつく。トップセールスのノウハウが組織に蓄積されず、退職すると売上が大きく落ち込む。
対策1: MA/SFA導入によるプロセス標準化 MA(Marketing Automation)・SFA(Sales Force Automation)ツールを導入し、営業プロセスを可視化・標準化。リード獲得からMQL(Marketing Qualified Lead)判定、SQL(Sales Qualified Lead)化、商談化までのプロセスを明確にし、誰が担当しても同じ品質で対応できる体制を構築。
課題2: 資金調達環境の厳しさ 2025年上半期の資金調達は速報値で3,810億円(前年比26.2%減)と減少傾向にあり、特にAI以外の分野では資金調達が難しくなっている。
対策2: データ駆動型営業による収益化の加速 MA/SFA導入によりデータ駆動型営業に移行し、効率的に収益を上げることで、VCへの説得力を高める。ARR(Annual Recurring Revenue)やMRR(Monthly Recurring Revenue)の成長率を示すことで、投資家の信頼を獲得。
レイターステージの課題と対策
レイターステージでは、海外展開とEXIT準備が主な課題となります。
課題1: 海外展開の難しさ 国内で成功したビジネスモデルが海外で通用するとは限らず、現地市場のニーズやコンペティターを理解する必要がある。
対策1: ボーン・グローバル戦略とJETRO支援活用 JETROのX-HUB Tokyoなど政府支援プログラムを活用し、現地商談獲得を目指す。創業時から米国・台湾・東南アジア展開を志向するボーン・グローバル戦略を採用することで、早期からグローバル市場でのポジショニングを確立。
課題2: EXIT準備(IPO/M&A) IPOには厳しい審査基準があり、ガバナンス体制・内部統制・財務報告の整備が必要。M&Aでは買収企業との交渉や統合プロセスが複雑。
対策2: 経営体制の強化とガバナンス構築 CFO・CTO・COOなどの経営陣を強化し、内部統制・コンプライアンス体制を整備。監査法人や証券会社と連携してIPO準備を進める。
また、ユニコーン企業(企業評価額が10億ドル(約1,500億円)を超える未上場のスタートアップ企業)になることだけが成功ではなく、PMF達成や安定収益化も重要な成功指標であることを理解する必要があります。
シリーズA〜B段階でのマーケティング・営業体制整備の重要性
シリーズA〜B段階は、スタートアップの成長において最も重要な分岐点です。この時期に適切なマーケティング・営業体制を整備できるかどうかで、その後のスケール成否が決まると言っても過言ではありません。
しかし、多くのスタートアップが**「成長ステージを理解し資金調達に成功すれば自然とスケールできると考え、マーケティング・営業プロセスの標準化やMA/SFA導入を後回しにしてしまい、結果的に属人化が進みスケールアップできない」**という失敗パターンに陥っています。この誤解は非常に危険です。
資金調達に成功すると、多くのスタートアップは人員を急速に増やします。営業チームを3名から15名に拡大し、マーケティング担当者を採用し、カスタマーサクセスチームを立ち上げます。しかし、営業プロセスが標準化されていないまま人員だけ増やすと、以下のような問題が発生します。
- 営業担当者ごとに商談のやり方が異なり、成果がばらつく
- トップセールスのノウハウが属人化し、組織に蓄積されない
- マーケティングが獲得したリードが営業に適切に引き渡されず、機会損失が発生
- 誰がどの案件を担当しているか不明瞭で、顧客対応が重複または漏れる
- データが散在し、経営判断に必要な情報が得られない
この状態では、人員を増やしても売上は比例して増えず、組織が混乱するだけです。シリーズA〜B段階で最も重要なのは、属人化を解消し、プロセスを標準化し、データ駆動型営業への移行を実現することです。そのためには、MA/SFA導入が不可欠です。
マーケティング体制の整備
マーケティング体制整備では、リード獲得から育成、MQL(Marketing Qualified Lead)判定までのプロセスを構築します。
リード獲得チャネルの整備
- コンテンツマーケティング(ブログ、ホワイトペーパー、ウェビナー)
- 広告運用(Google広告、SNS広告)
- イベント・展示会
- パートナー連携
MAツール導入によるリード育成 MA(Marketing Automation)ツールを導入し、リードスコアリングを自動化。Webサイト訪問回数、資料ダウンロード、メール開封率などの行動データを基にスコアを付与し、一定スコアに達したリードをMQLとして営業に引き渡す仕組みを構築。
コンテンツマーケティング体制の構築 ターゲット顧客のペルソナを定義し、カスタマージャーニーに沿ったコンテンツを計画的に作成。コンテンツ制作チームまたは外部パートナーと連携し、継続的にコンテンツを発信。
営業体制の整備とSFA導入
営業体制整備では、インサイドセールスとフィールドセールスの役割分担を明確にし、SFA(Sales Force Automation)ツールで商談管理を可視化します。
インサイドセールス・フィールドセールスの役割分担
- インサイドセールス: MQLに対してヒアリングを行い、ニーズを確認してSQLに転換。初回商談設定までを担当
- フィールドセールス: SQLに対して提案・見積提示・契約締結を担当。高額案件や複雑な案件はフィールドセールスが対応
SFA導入による商談管理・進捗可視化 SFAツールを導入し、商談ステージ(初回商談→提案→見積→契約)を可視化。各商談がどのステージにあるか、どの担当者が持っているか、受注確度はどれくらいかをダッシュボードで一元管理。
営業プロセスの標準化 営業プロセスをドキュメント化し、マニュアルを整備。初回商談で何をヒアリングすべきか、提案資料のフォーマット、見積提示のタイミングなどを標準化することで、属人化を解消。
データ駆動型組織への移行ステップ
シリーズA〜B段階でデータ駆動型組織へ移行するためには、データ基盤の整備、プロセス標準化、人材育成の3つのステップが必要です。データ駆動型組織への移行が「2025年の崖」克服の鍵として注目されており、政府の統合イノベーション戦略2025でもデータ基盤人材育成が強調されています。
以下のチェックリストを活用し、自社の現状を確認した上で、段階的に組織整備を進めてください。
【チェックリスト】シリーズA〜B段階の組織整備チェックリスト
- データ基盤整備: MA(Marketing Automation)ツールの選定・導入を完了した
- データ基盤整備: SFA(Sales Force Automation)ツールの選定・導入を完了した
- データ基盤整備: MA・SFAツールのデータ連携設定を完了し、顧客データが一元管理できている
- データ基盤整備: KPIダッシュボードを構築し、リアルタイムでデータを可視化できている
- プロセス標準化: リード獲得チャネル(コンテンツマーケティング、広告、イベント等)を整理した
- プロセス標準化: リードスコアリング基準(MQL判定基準)を定義した
- プロセス標準化: MQLからSQLへの引き渡し基準とプロセスを明確化した
- プロセス標準化: 営業プロセス(初回商談→提案→見積→契約)を文書化した
- プロセス標準化: インサイドセールスとフィールドセールスの役割分担を明確化した
- KPI設定: MQL数、SQL数、MQL→SQL転換率を定義し、週次で計測している
- KPI設定: 商談化率、受注率、平均受注単価、受注までの期間を定義し、計測している
- KPI設定: CAC(顧客獲得コスト)、LTV(顧客生涯価値)、LTV/CAC比率を計測している
- 人材育成: 営業メンバー向けにMA/SFAツールの使い方研修を実施した
- 人材育成: 営業プロセスマニュアルを整備し、新メンバーのオンボーディング資料として活用している
- 人材育成: データ分析スキルを持つメンバーまたは外部パートナーを確保した
- 定期レビュー: 週次で営業・マーケティングKPIをレビューする会議体を設置した
- 定期レビュー: 月次でプロセス改善施策を討議する会議体を設置した
- 外部連携: 必要に応じて外部の専門家(マーケティングコンサルタント、MA/SFA導入支援)に相談できる体制を整えた
データ基盤の整備
データ駆動型組織への第一歩は、データ基盤の整備です。MA/SFAツールを導入し、顧客データ、商談データ、マーケティングデータを統合して一元管理します。
MA/SFAツールの選定・導入 自社の事業規模・予算・必要機能に応じてツールを選定。初期段階では、HubSpot、Salesforceなどの主要ツールが候補になることが多いが、特定ツールに偏らず、自社のニーズに最適なものを選ぶことが重要。
データ統合 MA・SFAツールのデータを連携し、顧客の全タッチポイント(Webサイト訪問、資料ダウンロード、メール開封、商談履歴)を一元管理。これにより、営業担当者は顧客の行動履歴を確認した上で商談に臨むことができる。
ダッシュボード構築 KPIダッシュボードを構築し、リアルタイムでデータを可視化。経営陣・営業責任者・マーケティング責任者が同じデータを見ながら意思決定できる環境を整える。
プロセス標準化と属人化解消
データ基盤が整備できたら、次はプロセスの標準化です。営業プロセスを文書化し、誰が担当しても同じ品質で対応できる仕組みを構築します。
営業プロセスの文書化・マニュアル整備 営業プロセス(初回商談→提案→見積→契約)の各ステージで何をすべきかを文書化。初回商談でのヒアリング項目、提案資料のフォーマット、見積提示のタイミングなどを標準化。
リード引き渡し基準の明確化 マーケティングがMQLと判定したリードを営業に引き渡す際の基準を明確化。スコアリング基準だけでなく、業種・企業規模・予算感などの定性情報も含めて判断基準を設定。
定型業務の自動化 メール送信、リマインダー設定、レポート作成などの定型業務をMA/SFAツールで自動化。営業担当者が商談に集中できる時間を増やし、スケーラビリティを向上。
まとめ - スタートアップ成長戦略実現のために
スタートアップの成長戦略は、成長ステージの理解だけでなく、シリーズA〜B段階でのマーケティング・営業体制整備とMA/SFA導入を通じて、属人化を解消しデータ駆動型組織へ移行することで実現します。
本記事では、スタートアップの成長ステージ(シード期・アーリーステージ・レイターステージ)の全体像を整理し、各ステージで直面する課題と対策を解説しました。特にシリーズA〜B段階では、資金調達成功だけでは不十分であり、マーケティング・営業プロセスの標準化とMA/SFA導入が成長の鍵を握ります。
日本のスタートアップエコシステムは、成長型スタートアップ612社(2025年1月時点)、ユニコーン企業8社(2025年時点)と、海外と比較して厳しい状況にあります。しかし、政府が2028年3月までに投資総額を10兆円にする目標を掲げており、大学発スタートアップが2021年比53%増で急成長するなど、エコシステム拡大の兆しも見られます。
次のアクション
- 現状診断: 本文中のチェックリストを使って、自社の組織整備状況を確認する
- 優先順位の決定: チェックリストで未達成の項目を洗い出し、優先順位をつけてアクションプランを策定
- 段階的な実装: データ基盤整備→プロセス標準化→人材育成の順で段階的に進める
- 外部専門家への相談: 自社でリソースが不足している場合、MA/SFA導入支援やマーケティング・営業体制整備の専門家に相談し、実装フェーズまで伴走してもらう
スタートアップの成長は一朝一夕には実現しません。しかし、成長ステージを理解し、適切なタイミングで組織整備を進めることで、持続的な成長が可能になります。本記事が、シリーズA〜B段階のスタートアップの皆様にとって、成長戦略実現の一助となれば幸いです。
