Salesforce使い方ガイド|導入企業が活用を定着させ成果を出す方法

著者: B2Bデジタルプロダクト実践ガイド編集部公開日: 2026/1/1810分で読めます

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Salesforceを導入したのに活用できていない企業が直面する課題

Salesforceを営業組織で定着させ、データを活用して営業成果につなげるために必要なのは、基本操作を覚えるだけでなく、運用ルールの策定と入力・活用の仕組み化によって組織全体での定着を図ることです。

Salesforceは2020年時点でグローバルCRM市場シェア19.5%を獲得し、日本・アジア太平洋地域で1位のCRMプラットフォームです(IDC調査)。多くの企業が導入していますが、「導入したものの活用できていない」という課題を抱えている企業も少なくありません。

2024年のSalesforce年次調査(5,500人対象)によると、日本の営業担当者が営業活動に費やす時間は32%にとどまっています。残りの時間は事務作業やデータ入力に費やされており、SFA(営業支援システム)が本来の目的である「営業活動の効率化」に貢献できていない実態が浮き彫りになっています。

この記事で分かること

  • Salesforceの基本用語と仕組み
  • 基本的な使い方ステップ(リード管理→商談管理→レポート活用)
  • Salesforce活用が進まない原因と対策
  • 運用を定着させて成果を出すための実践ポイント

Salesforceの基本用語と仕組みを理解する

Salesforceを効果的に活用するためには、まず基本用語を正しく理解することが重要です。Salesforce独自の用語を把握することで、操作の意図や設計思想が理解しやすくなります。

オブジェクトとは、Salesforceでデータを分類・管理する「入れ物」です。Excelのシートに相当するもので、リード・取引先・商談などがあります。

レコードとは、オブジェクト内の具体的な1件のデータです。Excelの1行に相当し、各レコードには一意のIDが付与されます。

リードとは、見込み顧客情報を保存するオブジェクトです。Web-to-Lead機能を使えば、Webフォームから自動登録することも可能です。

取引先とは、企業・組織情報(会社名、所在地、業種等)を管理するオブジェクトです。複数の商談や責任者(取引先責任者)が紐づきます。

商談とは、売上見込み情報(契約金額、ステージ、予想受注日)を追跡するオブジェクトです。リードから変換して作成します。

ダッシュボードとは、レポートを視覚的に表示する画面です。KPIをリアルタイムで追跡し、意思決定に活用できます。

【比較表】Salesforce主要用語一覧表

用語 説明 Excelで例えると
オブジェクト データを分類・管理する「入れ物」 シート(ワークシート)
レコード オブジェクト内の1件のデータ 1行のデータ
リード 見込み顧客情報を保存 見込み客リストのシート
取引先 企業・組織情報を管理 顧客マスタのシート
商談 売上見込み情報を追跡 案件管理のシート
ダッシュボード レポートを視覚的に表示 ピボットグラフ

オブジェクト・レコード・リード・商談の関係性

Salesforceでは、データは「オブジェクト」という単位で管理され、各オブジェクトには複数の「レコード」が格納されます。

営業プロセスにおける典型的なデータの流れは以下のとおりです。まず、Webフォームや名刺交換などで獲得した見込み顧客情報を「リード」として登録します。商談化の見込みがあるリードは「取引先」と「取引先責任者」に変換し、同時に「商談」レコードを作成します。この変換プロセスにより、リードの情報を引き継ぎながら、より詳細な顧客情報と案件情報を管理できるようになります。

Salesforceの基本的な使い方ステップ

Salesforceの基本的な使い方は、「リード管理→商談管理→レポート分析」という流れで進めます。この流れに沿って操作を覚えることで、営業活動全体を可視化できるようになります。

リードの登録と管理

リードの登録方法は、手動入力と自動登録の2種類があります。手動入力では、「リード」タブから「新規」ボタンをクリックし、会社名・氏名・連絡先などの必要情報を入力します。

自動登録には「Web-to-Lead」機能が便利です。Webサイトに問い合わせフォームを設置し、フォームから送信された情報を自動的にリードとして登録できます。これにより、データ入力の手間を削減し、リード獲得から営業活動までの時間を短縮できます。

登録したリードは、リードステータス(新規・連絡中・商談化など)で管理します。定期的にステータスを更新することで、フォローアップが必要なリードを把握しやすくなります。

商談の作成とステージ管理

商談化の見込みがあるリードは、「取引開始」機能で商談に変換します。この操作により、リードの情報を引き継いだ「取引先」「取引先責任者」「商談」の3つのレコードが作成されます。

商談は「ステージ」で進捗を管理します。一般的なステージ設定は、見込み→提案→交渉→成約(または失注)という流れです。各ステージに確度(成約確率)を設定しておくことで、売上予測の精度が向上します。

ステージを適切に更新することが、パイプライン管理の基本です。商談の状況が変わったタイミングで忘れずにステージを更新する習慣をつけましょう。

レポート・ダッシュボードの活用

Salesforceに蓄積されたデータは、レポートとダッシュボードで可視化できます。レポートでは、商談金額や成約数などのデータを条件指定で抽出・集計できます。

ダッシュボードは、複数のレポートを1画面にまとめて表示する機能です。営業チームのKPI(商談数、成約率、売上予測など)をリアルタイムで追跡できるため、マネジメント層の意思決定に役立ちます。

よく使われるダッシュボードの例として、「今月の商談パイプライン」「営業担当者別の成約率」「リードの獲得チャネル別分析」などがあります。

Salesforce活用が進まない原因と対策

Salesforceを導入しても活用が進まない最大の原因は、運用ルールの策定不足とデータ入力の定着化ができていないことです。導入すれば自動的に営業効率が上がるわけではなく、仕組み化が不可欠です。

**よくある失敗パターンとして、Salesforceを導入して基本操作を覚えただけで満足し、運用ルールや入力の仕組み化を後回しにするケースがあります。**この場合、データが蓄積されず、レポートを見ても意思決定に活かせない状態が続いてしまいます。

2024年のSalesforce年次調査によると、日本の営業部門でAIを導入している企業は42%にとどまっています。AI活用の最大の障壁として「データの不備」が挙げられており、SFAにデータが正確に蓄積されていなければ、AIによる分析・予測の精度も上がらないことを示しています。

データ入力が定着しない問題への対処法

データ入力が定着しない問題に対処するためには、以下のポイントを押さえることが重要です。

入力項目の最小化: 必須入力項目を絞り込み、営業担当者の負担を軽減します。カスタム項目を増やしすぎるとレコード管理が複雑化するため、標準オブジェクトを優先的に活用すべきです。

入力タイミングのルール化: 「商談後24時間以内に更新」など、具体的なタイミングをルール化します。

マネジメント層の活用: 入力されたデータを週次会議で活用することで、「入力する意味がある」と営業担当者に実感させます。

モバイル活用: Salesforceモバイルアプリを活用し、外出先でも入力できる環境を整えます。

Salesforce活用で成果を出すための実践ポイント

Salesforce活用で成果を出すためには、運用ルールを策定し、組織全体で定着させる取り組みが必要です。以下のチェックリストを活用して、自社の運用状況を確認してみてください。

【チェックリスト】Salesforce運用定着チェックリスト

  • 利用目的・ゴールを明文化している
  • 必須入力項目を最小限に絞っている
  • 商談ステージの定義を標準化している
  • リードのステータス管理ルールを定めている
  • 入力タイミングのルールを定めている
  • 入力漏れを確認する仕組みがある
  • マネージャーがダッシュボードを定期的に確認している
  • 週次会議でSalesforceデータを活用している
  • 入力データの活用メリットを営業担当者に説明している
  • 新入社員向けのトレーニングを実施している
  • 運用ルールを文書化して共有している
  • 定期的に運用ルールを見直している

成功事例に学ぶSalesforce活用のポイント

実際にSalesforce活用で成果を出している企業の事例を紹介します。

株式会社発研セイコーの事例では、Salesforce導入1年後に売上131%向上を達成しました(2019年、基準2018年)。導入初期は社内の抵抗もあり苦戦したものの、継続的な活用を推進した結果、成果につながったと報告されています。

日立ソリューションズの事例では、Salesforce再構築後にシステム運用コストの大幅削減を達成しました(2022年時点、同社事例)。既存システムの見直しと最適化により、運用効率が向上しています。

なお、これらは単社の事例であり、同様の成果がすべての企業で得られるとは限りません。効果は企業の運用体制や業種により異なります。

IBMの「State of Salesforce 2025」調査によると、Salesforce活用のリーダー企業では効率60%向上・顧客インサイト57%向上・パイプライン2倍といった成果が報告されています。ただし、これらはリーダー企業のベストプラクティスであり、到達には相応の投資と運用改善が必要です。

まとめ:Salesforceを組織に定着させて成果につなげるために

本記事では、Salesforceの基本用語から使い方、活用が進まない原因と対策、成果を出すための実践ポイントまでを解説しました。

重要なポイントを整理します。

  • Salesforceの基本用語(オブジェクト、レコード、リード、商談など)を理解することが活用の第一歩
  • 基本的な使い方は「リード管理→商談管理→レポート分析」の流れで進める
  • 導入しただけでは成果は出ない。運用ルール策定とデータ入力の仕組み化が不可欠
  • 成功企業では売上向上やコスト削減の成果が報告されているが、運用体制の整備が前提

Salesforceの使い方をマスターするには、基本操作を覚えるだけでなく、運用ルールの策定と入力・活用の仕組み化によって組織全体での定着を図ることが成果創出の鍵です。

本記事のチェックリストを活用して自社の運用状況を確認し、改善点を特定してみてください。また、Salesforceが提供する無料学習サイト「Trailhead」を活用すれば、知識ゼロからでもステップバイステップでスキルを習得できます。

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よくある質問

Q1Salesforceの使い方を独学で学ぶ方法はありますか?

A1Salesforceが提供する無料学習サイト「Trailhead」を活用すれば、知識ゼロからでも独学でスキル習得が可能です。ステップバイステップで学べるモジュールが用意されており、基本操作から応用まで体系的に学習できます。

Q2Salesforceを導入しても活用が進まない原因は何ですか?

A2最大の原因は、運用ルールの策定不足とデータ入力の定着化ができていないことです。2024年のSalesforce年次調査によると、日本の営業担当者が営業活動に費やす時間は32%にとどまっており、導入すれば自動的に効率が上がるわけではなく、仕組み化が不可欠です。

Q3Salesforce活用で得られる効果はどのくらいですか?

A3成功事例では売上向上やコスト削減の実績があります。たとえば、株式会社発研セイコーでは導入1年後に売上131%向上を達成しています(2019年、単社事例)。ただし効果は企業の運用体制や業種により異なるため、事例の数値をそのまま期待するのは適切ではありません。

Q4Salesforceのオブジェクトとレコードの違いは何ですか?

A4オブジェクトはデータを分類する「入れ物」で、Excelのシートに相当します。レコードはオブジェクト内の1件のデータで、Excelの1行に相当します。たとえば「商談」オブジェクトの中に、A社案件・B社案件といった複数のレコードが格納されます。

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B2Bデジタルプロダクト実践ガイド編集部

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