営業会議でKPIを成果につなげる|運用設計とデータ連携の実践ガイド

著者: B2Bデジタルプロダクト実践ガイド編集部公開日: 2026/1/99分で読めます

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営業会議でKPIを設定しても成果が出ない企業に共通する課題

KPIは設定しているが会議が報告で終わり、数字が改善しないという課題を解決したいなら、営業会議でKPIを成果につなげるには、設定だけでなく「運用設計」と「データ連携の仕組み」が不可欠であり、専門家の支援で組織に定着させることが近道です。

多くの企業でMA/SFAを導入済みでありながら、KPIを設定しただけで営業会議が改善すると期待し、結果として報告会に終始してしまうケースが少なくありません。BtoB中小企業を対象とした調査(2025年)によると、39.0%の企業が新規開拓業務の評価指標(KPI)を明確に設定しておらず、紹介に頼る企業では59.0%がKPIなしという状況です。

KPI(Key Performance Indicator) とは、KGI達成のために追うべきプロセス指標です。新規リード数、MQL数、商談化率、受注率などが該当します。

この記事で分かること

  • KPI・KGI・KFSの定義と営業会議での位置づけ
  • 営業会議で追うべきKPI指標と設計方法
  • KPIが形骸化する典型パターンと対策
  • KPI運用を定着させる仕組みづくりとMA/SFA連携のポイント

KPI・KGI・KFSの定義と営業会議での位置づけ

営業会議でKPIを活用するには、まずKGI・KFS・KPIの3つの指標の関係性を理解することが重要です。これらは階層構造になっており、それぞれの役割を明確にすることで、会議で何を追うべきかが明確になります。

KGI(Key Goal Indicator) とは、事業・施策の最終ゴールの達成度合いを示す指標です。BtoBでは年間受注金額やMRR(月次経常収益)が典型的なKGIとなります。

KFS(Key Factor for Success) とは、KGIを達成するうえでの重要成功要因です。インサイドセールス体制の構築、営業とマーケティングのSLA(サービスレベルアグリーメント)定義などが該当します。

KGI・KFS・KPIの関係性

3つの指標は「KGI達成のためのKFSを特定し、KFSをモニタリングするためにKPIを設定する」という流れで設計します。

具体的には、KGI(例:年間受注金額1億円)を達成するために必要なKFS(例:インサイドセールス体制構築による商談創出強化)を特定し、そのKFSが機能しているかを測定するKPI(例:商談化率、有効商談数)を設定します。

営業会議では日々のKPI進捗を追いながら、KGI達成に向けたKFSの状況も定期的に確認することが重要です。KPIの数値だけを見ていても、根本的な成功要因(KFS)が欠けていれば成果にはつながりません。

営業会議で追うべきKPI指標と設計方法

営業会議で追うべきKPIは、商談化率・受注率を中心とした営業プロセス指標が基本です。BtoBマーケティング担当者を対象とした調査(2024年、n=190)では、重視するKPIとして新規リード獲得数(32.1%)が最多、次いで受注率(11.1%)、Webサイト訪問件数・CVR(各7.9%)が挙げられています。

MQL(Marketing Qualified Lead) とは、マーケティング活動で獲得し、営業へ引き渡す基準を満たした見込み顧客を指します。

KPIの目標値設定においては、業界平均との比較よりも自社の過去実績(直近3〜12ヶ月の中央値)を基準にし、トレンドの変化を重視することが有効です。商談化率は、獲得したリードのうち商談に進んだ割合で、BtoB全体で20〜30%程度がベンチマークとされています。

BtoB企業330社を対象とした調査(2025年)では、広告経由リードの商談化率のボリュームゾーンは「11〜20%」が31.3%で最多となっており、KPI目標値として「15%前後」が妥当とされています。

営業プロセス別KPI指標の例

営業プロセスは「リード獲得→商談化→受注」の流れで構成され、各フェーズで追うべきKPIが異なります。

リード獲得フェーズでは、新規リード数、MQL数、リード獲得単価(CPA)などを追います。

商談化フェーズでは、商談化率、有効商談数、商談単価などが主要指標です。商談化率については、インバウンドリードは35〜40%、アウトバウンドは10〜15%、展示会・セミナー経由は25〜30%が目安とされています。ただし、商材単価や検討期間、ターゲット層により大きく変動するため、絶対値での比較には注意が必要です。

受注フェーズでは、受注率、受注金額、案件進捗率などを確認します。

営業会議では、これらの指標のうち異常値があれば上流(リードの質やチャネル別実績)にさかのぼって議論する設計が有効です。

KPIが形骸化するパターンと対策

KPIを設定すれば営業会議が改善すると考え、運用フローやシステム連携を後回しにした結果、KPIが形骸化して報告会に戻ってしまう——これは多くの企業が陥る典型的な失敗パターンです。この考え方は誤りであり、KPI設定だけでは成果は出ません。

前述の調査でも、BtoB中小企業の39.0%がKPIを明確に設定していない現状があります。しかし、KPIを設定している企業でも、運用設計が不十分なために形骸化しているケースは少なくありません。

【比較表】KPI形骸化パターンと対策

形骸化パターン 問題点 対策
設定だけで終わる 目標値を決めただけで、誰が・いつ・どう確認するかが不明確 運用ルール(確認者・頻度・報告フォーマット)を明文化する
報告会化する 数値を報告するだけで、改善アクションの議論がない 会議アジェンダに「改善アクション決定」の時間を確保する
責任者不在 KPI達成の責任者が曖昧で、誰も本気で追わない 各KPIにオーナーを設定し、達成責任を明確にする
データ連携なし 手入力でデータ収集し、更新が遅れる・精度が低い MA/SFAと連携し、リアルタイムでデータを自動収集する
振り返りがない PDCAを回さず、同じ課題が繰り返される 月次・四半期での振り返りサイクルを設計する

KPI運用を定着させる仕組みづくり

KPIを営業会議で機能させるには、設定後の「運用設計」と「データ連携の仕組み」が不可欠です。BtoBマーケティング担当者調査(2024年)によると、リードの受注率向上に必要な取り組みとして、発信するコンテンツの見直し(50.5%)、営業への詳細な顧客情報の提供(34.7%)、受注率の高いチャネルへの投資強化(34.2%)が上位に挙げられています。

これらの取り組みを実行するには、まずKPIの定義を明確にし、データを正確に収集・可視化できる体制を整える必要があります。

【チェックリスト】営業会議KPI運用定着チェックリスト

  • KPIの定義(計算式・対象範囲)が文書化されている
  • KPIの目標値が自社の過去実績に基づいて設定されている
  • 各KPIにオーナー(責任者)が設定されている
  • データ収集の方法・頻度が決まっている
  • MA/SFAからKPIデータを自動取得する仕組みがある
  • ダッシュボードでKPIをリアルタイムに可視化できる
  • 営業会議のアジェンダにKPI確認の時間が確保されている
  • 会議で改善アクションを決定・記録する運用がある
  • KPI未達時のエスカレーションルールが決まっている
  • 月次・四半期での振り返りサイクルが設計されている
  • KPI達成状況が評価・インセンティブと連動している
  • 営業・マーケ間でKPIの定義・目標が共有されている
  • 新メンバーへのKPI運用オンボーディングがある
  • KPIの見直し・改善サイクルが決まっている

MA/SFAとKPIの連携による会議効率化

MA/SFAを活用することで、KPIデータの手入力を削減し、営業会議の生産性を向上させることができます。

具体的には、MA(マーケティングオートメーション)でリード獲得からMQL判定までのプロセスを自動化し、SFA(営業支援システム)で商談進捗から受注までを管理します。両者を連携させることで、リード獲得から受注までの一貫したKPIトラッキングが可能になります。

ダッシュボードを活用すれば、会議前にデータを集計する手間が省け、会議中はKPIの確認から改善アクションの議論に時間を充てられます。データの鮮度が高まることで、課題の早期発見と迅速な対応も可能になります。

まとめ|KPIを成果につなげる営業会議の実現に向けて

本記事では、営業会議でKPIを成果につなげるためのポイントを解説しました。

  • KGI・KFS・KPIの階層関係を理解し、追うべき指標を明確にする
  • 営業プロセス別にKPIを設計し、自社の過去実績を基準に目標を設定する
  • KPIの形骸化パターンを把握し、運用ルールを明文化する
  • チェックリストを活用して運用体制を整備する
  • MA/SFAと連携してデータ収集を自動化し、会議の生産性を高める

KPIを設定するだけでは営業会議は変わりません。営業会議でKPIを成果につなげるには、設定だけでなく「運用設計」と「データ連携の仕組み」が不可欠であり、専門家の支援で組織に定着させることが近道です。まずはチェックリストで自社の現状を確認し、不足している項目から着手してみてください。

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よくある質問

Q1営業会議で追うべき主なKPIは何ですか?

A1商談化率・受注率・案件進捗率などの営業プロセス指標が中心です。BtoBマーケ担当者調査(2024年)では、新規リード獲得数(32.1%)、受注率(11.1%)が重視されています。

Q2KPIの目標値はどう設定すればよいですか?

A2自社の過去実績(3〜12ヶ月の中央値)を基準にし、業界平均との比較ではなく「トレンド変化」を重視します。商談化率はBtoB全体で20〜30%が目安ですが、商材や検討期間により変動します。

Q3KPIを設定しても営業会議が報告会で終わってしまいます。どうすればよいですか?

A3KPI設定だけでなく、運用ルール(誰が・いつ・何を確認するか)を決め、MA/SFAとデータ連携してリアルタイムで数値を把握できる仕組みを構築することが重要です。会議アジェンダに改善アクション決定の時間を確保しましょう。

Q4受注率を上げるために営業会議で確認すべきことは?

A4発信コンテンツの見直し(50.5%)、営業への詳細な顧客情報提供(34.7%)、受注率の高いチャネルへの投資強化(34.2%)が上位に挙げられています。これらの項目を会議で定期的に確認し、改善アクションを決定します。

Q5中小企業でもKPI管理は必要ですか?

A5BtoB中小企業の39%がKPIを設定していないという調査結果があり、KPIを設定・運用するだけで差別化になりえます。規模に関わらず、成果改善にはKPI管理が有効です。

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B2Bデジタルプロダクト実践ガイド編集部

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