営業責任者のKPI設定方法|MA/SFAで可視化するまでの実装ガイド

著者: B2Bデジタルプロダクト実践ガイド編集部公開日: 2026/1/1512分で読めます

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営業責任者にとってKPI設定が不可欠な理由

営業責任者のKPIは、設定して終わりではなく、MA/SFAツールでリアルタイム可視化・自動集計できる状態まで実装して初めて機能します。多くの企業では「KPIを設定した」と言いながらも、実際には手作業での集計に追われ、データを活用した営業改善に至っていないケースが少なくありません。

KPI(Key Performance Indicator) とは、重要業績評価指標のことで、ビジネス目標達成のために追跡すべき定量的な測定指標を指します。

BtoB中小企業全体では39.0%がKPI未設定であり、さらに「紹介」に依存する企業では59.0%がKPIを設定していないという調査結果があります(2025年調査)。この数字が示すように、企業規模や営業スタイルに関わらず、KPIを適切に設定・運用できていない企業は依然として多いのが実情です。

この記事で分かること

  • KPI・KGI・KFSの違いと、営業責任者が押さえるべき関係性
  • 営業プロセス別の代表的なKPI指標とその測定方法
  • KPI設定の具体的な手順とSMARTの法則の活用方法
  • MA/SFAツールでのKPI実装・可視化の設計ポイント
  • すぐに使えるKPI設計チェックリストとMA/SFA実装テンプレート

KPI・KGI・KFSの違いと関係性

営業KPIを効果的に設定するには、KPI・KGI・KFSの違いと階層関係を理解することが不可欠です。これらの指標は独立して存在するのではなく、相互に関連し合いながら、組織の目標達成を支える構造を持っています。

KGI(Key Goal Indicator) とは、重要目標達成指標のことで、売上高や利益率など最終的なビジネスゴールを示す指標です。営業部門であれば「年間売上○億円」「新規顧客獲得○社」などがKGIに該当します。

KPIはこのKGIを達成するための中間指標であり、「商談数」「成約率」「平均受注単価」などがこれにあたります。さらにKFS(Key Factor for Success:重要成功要因)は、KPIを達成するために必要な活動や要素を指し、「架電数」「訪問件数」などが該当します。

KGIとKPIの設定順序

KPI設定で重要なのは、KGI(最終目標)を先に決め、そこから逆算してKPIを設計する流れです。KGIが不明確なままKPIを設定すると、「何のための指標か」が曖昧になり、KPI管理が形骸化する原因となります。

営業部門での設定フローは以下のように考えます。まずKGIとして「四半期売上目標」を定め、次にそれを達成するために必要な「商談数」「成約率」「平均受注単価」をKPIとして設定します。さらに各KPIを達成するための活動指標(架電数、提案書作成数など)をKFSとして明確化します。

この階層構造を意識することで、現場の営業担当者は「なぜこの活動が必要か」を理解でき、指標の追跡に意味が生まれます。

営業プロセス別の代表的なKPI指標

営業KPIは、プロセスの段階ごとに適切な指標を設定することが重要です。BtoB営業・マーケティングの主要KPI指標として、リード単価、セールスコンバージョン率(リード対成約率)、ROMI(マーケティング投資収益率)が重視されています(2025年調査)。

以下の表は、営業プロセス段階別の代表的なKPI指標をまとめたものです。

プロセス段階 代表的なKPI指標 測定頻度の目安
リード獲得 リード単価、リード獲得数 月次
リード育成 リードスコア、メール開封率 週次〜月次
商談化 商談化率、商談数 週次
成約 セールスコンバージョン率、成約数 月次
顧客維持 継続率、アップセル率 四半期

リード獲得段階のKPI

リード獲得段階では、リード単価(1件のリード獲得に要したコスト)が重要な指標となります。BtoB購買プロセスでは、営業面談前に85%の企業が候補ベンダーを独自選定済みという調査結果があり(2025年調査)、営業活動が始まる前のマーケティング段階でのリード獲得が成果を大きく左右します。

この現状を踏まえると、営業責任者は営業KPIだけでなく、マーケティング部門と連携してリード獲得段階のKPIも把握・管理することが求められます。Webサイト訪問数、資料ダウンロード数、問い合わせ数などをマーケティングKPIとして設定し、営業KPIと連動させることで、パイプライン全体の可視化が可能になります。

商談・成約段階のKPI

商談・成約段階では、セールスコンバージョン率(リードが成約に至る割合)が中核的な指標です。この指標は月次または週次で計算し、改善サイクルを回すことが推奨されています。

具体的な目標数値は業界や商材により大きく異なるため、まずは自社の現状値を把握し、そこからの改善を目標として設定することが現実的です。「業界平均は○%」といった外部データを参考にすることも有効ですが、自社の営業プロセスや商材特性を踏まえた設定が重要です。

【チェックリスト】営業責任者向けKPI設計チェックリスト

  • KGI(最終目標:売上、利益など)が明確に定義されている
  • KGIから逆算したKPI指標が設定されている
  • 各KPIに測定方法と測定頻度が定められている
  • リード獲得段階のKPI(リード単価、獲得数)が設定されている
  • 商談化段階のKPI(商談化率、商談数)が設定されている
  • 成約段階のKPI(セールスコンバージョン率、受注金額)が設定されている
  • マーケティングKPIとの連携が設計されている
  • 各KPIの責任者(誰が追跡・報告するか)が明確である
  • KPIの目標値が現実的かつ達成可能な水準である
  • KPIデータの取得元(ツール、システム)が特定されている
  • MA/SFAツールでの自動集計が設計されている
  • ダッシュボードでの可視化方法が決まっている
  • KPIレビューの頻度とミーティング体制が整っている
  • KPI未達時のアクションプランが準備されている
  • 営業担当者への周知と合意形成が完了している

KPI設定の具体的な手順とSMARTの法則

KPI設定は、SMARTの法則に基づいて行うことで、実効性のある指標を設計できます。SMARTとは、Specific(具体的)、Measurable(測定可能)、Achievable(達成可能)、Relevant(関連性がある)、Time-bound(期限がある)の頭文字を取ったフレームワークです。

営業KPIにSMARTを当てはめると、以下のように考えます。

  • Specific: 「営業成果を上げる」ではなく「月間商談数を増やす」など具体的に
  • Measurable: MA/SFAツールで自動集計できる指標を選ぶ
  • Achievable: 現状値から無理のない範囲で目標を設定する
  • Relevant: KGI達成に直結する指標を選ぶ
  • Time-bound: 週次・月次・四半期など測定期間を明確にする

ここで注意すべき失敗パターンがあります。 多くの企業は「架電数100件/週」などKPIを設定するものの、ツールでの自動集計・ダッシュボード化まで設計しないため、結局Excelでの手入力に逆戻りし、KPI管理が形骸化してしまいます。KPI設定の段階で「このデータはどのツールからどのように取得するか」まで設計することが、運用を成功させる鍵です。

KPI設定でよくある失敗例と対策

営業KPI設定・運用でよくある失敗パターンと、その対策を整理します。

失敗例1:指標が多すぎる 多くの指標を追跡しようとすると、どれも中途半端になりがちです。重要な指標に絞り、優先順位を明確にすることが対策となります。

失敗例2:測定できない指標を設定 「顧客満足度」など定性的な指標をKPIにすると、測定が困難です。定量化可能な代替指標(リピート率、紹介件数など)を検討してください。

失敗例3:ツールと連携していない 手入力に依存すると、データ入力の負担が増え、入力漏れや遅延が発生します。MA/SFAツールで自動集計できる設計が重要です。

失敗例4:紹介営業はKPI不要という誤解 BtoB中小企業で「紹介」に依存する企業では59.0%がKPIを設定していないという調査結果がありますが(2025年調査)、紹介営業でも紹介元別の成約率や紹介から成約までの期間など、定量化可能な指標は存在します。

MA/SFAツールでのKPI実装と可視化設計

KPIを設定しただけでは、営業改善にはつながりません。MA/SFAツールで自動集計・ダッシュボード化することで、リアルタイムでの状況把握と迅速なアクションが可能になります。ここでは、KPIをツールでどのように実装するかの設計ポイントを解説します。

BtoB営業・マーケティングの主要KPI指標であるリード単価、セールスコンバージョン率、ROMI(マーケティング投資収益率:マーケティング支出に対する収益生成量を測定する指標) は、いずれもMA/SFAツールで自動計算・可視化が可能です。

【比較表】MA/SFA実装設計テンプレート

KPI指標 データ取得元 計算方法 可視化形式 更新頻度
リード獲得数 MAツール(フォーム送信) 自動カウント 数値カード 日次
リード単価 MA+広告管理ツール 広告費÷リード数 数値カード 月次
商談化率 SFAツール(ステージ変更) 商談数÷リード数 折れ線グラフ 週次
セールスコンバージョン率 SFAツール(成約フラグ) 成約数÷商談数 折れ線グラフ 月次
平均受注単価 SFAツール(受注金額) 受注金額合計÷成約数 棒グラフ 月次
ROMI MA+SFA連携 売上÷マーケティング費用 数値カード 四半期

特定のツール(Salesforce、HubSpotなど)の優劣比較は本記事の範囲外ですが、どのツールを使う場合でも「データの取得元」「計算ロジック」「可視化形式」を事前に設計しておくことで、導入後のスムーズな運用が可能になります。

ダッシュボード設計のポイント

「見て終わり」にならないダッシュボード設計のポイントは、アクションにつながる指標の見せ方です。

優先順位を明確に: 最も重要なKPI(KGI達成に直結するもの)を画面上部に配置し、一目で状況を把握できるようにします。

比較軸を設ける: 前週比、前月比、目標比などの比較軸を設け、「良いのか悪いのか」を即座に判断できるようにします。

ドリルダウン可能に: 数値をクリックすると詳細(担当者別、案件別など)を確認できる構造にすることで、問題の原因特定がスムーズになります。

アラート設定: KPIが閾値を下回った場合に自動通知する仕組みを設けることで、問題の早期発見・対応が可能になります。

まとめ:KPI設定から可視化までの一気通貫設計

本記事では、営業責任者がKPIを設定し、MA/SFAツールで可視化するまでの一連の流れを解説しました。

記事の要点

  • KPI・KGI・KFSの階層関係を理解し、KGIから逆算してKPIを設計する
  • 営業プロセス段階別(リード獲得・商談化・成約)に適切なKPI指標を設定する
  • SMARTの法則に基づき、測定可能でツールで自動集計できる指標を選ぶ
  • MA/SFAツールでの実装設計(データ取得元・計算方法・可視化形式)を事前に行う
  • ダッシュボードはアクションにつながる設計を意識する

BtoB中小企業全体では39.0%がKPI未設定という調査結果があり(2025年調査)、また85%の企業が営業面談前に候補ベンダーを選定済みという購買プロセスの変化を踏まえると(2025年調査)、営業KPIだけでなくマーケティングKPIとの統合的な管理が不可欠です。

繰り返しになりますが、営業責任者のKPIは、設定して終わりではなく、MA/SFAツールでリアルタイム可視化・自動集計できる状態まで実装して初めて機能します。本記事で紹介したチェックリストとテンプレートを活用し、自社に合ったKPI設計と運用体制の構築を進めてください。

「記事は出してるのに商談につながらない」を解決する。
御社を理解して書くから、刺さる。この記事はMediaSprintで作成しました。

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よくある質問

Q1営業KPIとマーケティングKPIはどう連携させるべきですか?

A1BtoB購買プロセスでは、営業面談前に85%の企業が候補ベンダーを選定済みという調査結果があります(2025年調査)。このため、営業KPI(商談数、成約率など)だけでなく、リード獲得段階のマーケティングKPI(リード単価、リード獲得数、資料ダウンロード数など)との連携が不可欠です。MA/SFAツールでデータを統合し、リード獲得から成約までのパイプライン全体を一気通貫で可視化することで、どの段階に課題があるかを特定しやすくなります。

Q2中小企業でもKPI設定は必要ですか?

A2必要です。BtoB中小企業の39.0%がKPI未設定であり、特に紹介に依存する企業では59.0%がKPIを設定していないという調査結果があります(2025年調査)。しかし、企業規模に関わらず、KPI設定により営業活動の可視化・改善が可能になります。紹介営業でも、紹介元別の成約率や紹介から成約までの期間など、定量化できる指標は存在します。まずは基本的なKPI(商談数、成約率、平均受注単価など)から設定を始めることをお勧めします。

Q3営業KPIの代表的な指標には何がありますか?

A3BtoB営業・マーケティングの主要KPI指標として、リード単価(1件のリード獲得にかかるコスト)、セールスコンバージョン率(リードが成約に至る割合)、ROMI(マーケティング投資収益率)が重視されています(2025年調査)。営業プロセスの段階別では、リード獲得段階ではリード獲得数やリード単価、商談化段階では商談化率や商談数、成約段階ではセールスコンバージョン率や平均受注単価などが代表的な指標です。セールスコンバージョン率は月次または週次で計算し、改善サイクルを回すことが推奨されています。

Q4KPI設定で失敗しないためのポイントは?

A4よくある失敗は、KPIを設定してもツールでの自動集計・ダッシュボード化まで設計しないため、Excel手入力に逆戻りしてKPI管理が形骸化することです。SMARTの法則(Specific・Measurable・Achievable・Relevant・Time-bound)に基づき、測定可能でMA/SFAツールで自動集計できる指標を選ぶことが重要です。また、指標を多く設定しすぎない、KGI(最終目標)から逆算して設計する、データ取得元を事前に明確にする、といった点も成功のポイントです。

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B2Bデジタルプロダクト実践ガイド編集部

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