Pardot活用のフェーズ別ロードマップ|高額メルマガ化から脱却する方法

著者: B2Bデジタルプロダクト実践ガイド編集部公開日: 2026/1/1810分で読めます

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Pardot活用で成果を出す企業と「高額メルマガツール化」の分かれ目

Pardot活用で成功するには、「一気に全機能」ではなく「フェーズ別に優先機能を絞る」ことが重要です。国内MA市場は2022年度に269億円規模(前年度比14.7%増)に達し、2023年度も14.9%増と成長を続けています(Mazrica調査)。多くの企業がMAツールを導入する一方で、「導入したものの活用できていない」という課題を抱えるケースも少なくありません。

Account Engagement(旧Pardot)は、2022年4月にPardotから名称変更されたSalesforceのB2B向けMAツールです。本記事では、Pardotを導入したものの思うように活用できていない企業担当者向けに、段階的に活用を進めるためのロードマップをご紹介します。

この記事で分かること

  • Pardotが「高額メルマガツール化」してしまう原因と対策
  • 自社のPardot活用フェーズを診断する方法
  • フェーズ別に取り組むべき優先施策
  • Salesforce連携で成果を出した企業事例

Pardotが「高額メルマガツール化」してしまう原因

Pardotが活用不全に陥る主な原因は、全機能を同時に使おうとして設定が複雑化し、結局メール配信しか使えない状態になってしまうことです。これは「高額メルマガツール化」と呼ばれる典型的な失敗パターンです。

スコアリングとは、見込み客の行動(メール開封、Web閲覧等)に応じて自動で優先度を数値化する機能です。またグレーディングは、見込み客の属性(業種、職種、会社規模等)に応じて適合度を評価する機能を指します。これらの機能は強力ですが、最初から完璧に設計しようとすると設定が複雑になり、運用が止まってしまうことがあります。

機能過多による設定の複雑化

Pardotには多彩な機能が搭載されていますが、すべてを一度に設定しようとすると挫折しやすい傾向があります。スコアリング、グレーディング、Engagement Studio、ダイナミックコンテンツなど、設定すべき項目が多岐にわたるため、「どこから手をつければよいか分からない」という状態に陥りがちです。

結果として、比較的設定がシンプルなメール配信機能だけを使い続け、MAツールとしての本来の価値を発揮できないまま月額費用だけがかかり続けるという状況が生まれます。

マーケと営業のデータ連携不足

もう一つの原因は、Pardotで取得したリードの行動データが営業側に活かされていないことです。マーケティング部門がスコアリングを設定しても、その情報が営業のSFA画面に表示されていなかったり、アラート通知が適切に設定されていなかったりすると、せっかくの見込み客データが宝の持ち腐れになってしまいます。

部門間のデータ連携が不十分だと、マーケティング施策の効果測定も難しくなり、「Pardotを入れて何が変わったのか分からない」という状態につながります。

自社のPardot活用フェーズを診断する

自社のPardot活用状況を把握することが、改善の第一歩です。以下のチェックリストを使って、現在の活用フェーズを診断してみてください。

【チェックリスト】Pardot活用フェーズ診断チェックリスト

フェーズ1:基礎(メール配信中心)

  • セグメント別にメール配信リストを作成している
  • メールの開封率・クリック率を定期的に確認している
  • 配信停止率を把握している
  • メールテンプレートを複数用意している
  • A/Bテストを実施したことがある

フェーズ2:成長(スコアリング活用)

  • スコアリングルールを設定している
  • グレーディング基準を定義している
  • スコアが一定以上のリードを抽出できる
  • リードの行動履歴を確認する習慣がある
  • Engagement Studioでシナリオを構築している

フェーズ3:発展(営業連携)

  • Salesforceとデータ同期を設定している
  • 営業担当者がPardotのスコア情報を確認できる
  • ホットリードの通知アラートが機能している
  • マーケと営業で定期的にデータを振り返っている
  • ページアクションでサイト訪問を検知している

フェーズ診断チェックリストの使い方

各フェーズのチェック項目で、半数以上にチェックが入っていれば、そのフェーズはおおむねクリアしていると判断できます。自社が現在どのフェーズにいるかを把握したら、次のフェーズの項目を優先的に取り組むことで、段階的に活用度を高められます。

フェーズ1が未完了の状態でフェーズ3に進もうとしても、基盤が不安定なため成果につながりにくい傾向があります。まずは現在のフェーズを確実に固めてから、次のステップに進むことをおすすめします。

フェーズ別に取り組むべき優先施策

各フェーズで優先すべき機能と施策は異なります。以下のマトリクスを参考に、自社のフェーズに応じた取り組みを進めてください。

【比較表】フェーズ別優先施策マトリクス

フェーズ 優先機能 主な施策 期待効果
フェーズ1(基礎) メール配信 セグメント整理、テンプレート作成、配信頻度の最適化 開封率・クリック率の改善
フェーズ2(成長) スコアリング・グレーディング スコアルール設定、リード優先度付け、ナーチャリングシナリオ 営業対応の効率化
フェーズ3(発展) Salesforce連携・ページアクション リアルタイムアラート、営業ダッシュボード、サイト訪問検知 商談タイミングの最適化

ある企業の事例では、スコアリング機能の活用により商談化率が2倍に向上し、営業1人あたりの対応件数は半減したと報告されています(日立ソリューションズ調べ、匿名事例)。全リードを均等にフォローするのではなく、スコアの高いリードに集中することで、効率と成果の両立が可能になるケースがあります。

初期フェーズ:メール配信の最適化

フェーズ1では、メール配信機能を確実に使いこなすことを目指します。具体的には、リードをセグメント(業種、役職、行動履歴など)で分類し、それぞれに適したコンテンツを配信する体制を整えます。

開封率やクリック率を定期的に計測し、件名やコンテンツを改善していくサイクルを回すことが基本です。この段階でデータを蓄積しておくことで、次のフェーズでのスコアリング設計に活かせます。

成長フェーズ:スコアリングとリード育成

フェーズ2では、スコアリングを活用してリードの優先度付けを行います。メール開封、リンククリック、Webページ閲覧などの行動に応じてポイントを付与し、営業がアプローチすべきリードを可視化します。

Predictive Lead Scoringは、AIを活用してクロージングに近いリードの優先順位を自動判定する機能です。手動でのスコア設計が難しい場合は、この機能を活用することで効率的にリードの優先度付けが可能になります。

スコアリングを設定する際は、最初から完璧を目指さず、シンプルなルールから始めて徐々に調整していくアプローチが有効です。スコアリング未調整のまま運用すると、契約可能性が高いリードを見逃すリスクがあるため、定期的な見直しが重要です。

発展フェーズ:営業との連携強化

フェーズ3では、ページアクションなどを活用して営業との連携を強化します。ページアクションとは、特定URLへの訪問を検知して自動でアクションを実行するPardotの機能です。

例えば、料金ページや導入事例ページを閲覧したリードがいた場合、営業担当者に自動でアラートを送信する設定が可能です。これにより、「今まさに検討している」タイミングを逃さずにアプローチできるようになります。

SalesforceのSFA画面にPardotのスコア情報やマーケティング施策履歴を表示させることで、営業担当者がリードの関心事を把握した上で商談に臨めるようになります。

Salesforce連携で成果を加速した企業事例

PardotとSalesforceを連携させて成果を上げた企業の事例を紹介します。これらはSalesforce公式サイトで公開されている事例のため、成功バイアスがある点にはご留意ください。

製造業における活用事例

製造業の株式会社淵本鋼機は、2018年にPardotを導入後、売上が約30億円(2017年5月期)から37億円(2018年)、さらに41億円(2019年)へと成長したと報告されています(Salesforce公式事例、同社決算準拠)。

この事例では、展示会で獲得したリードをPardotに取り込み、Web動向分析に基づいたメール配信を行うことで、営業アプローチのタイミングを最適化したとされています。Salesforceとのデータ連携により、マーケティングと営業の情報共有がスムーズになったことも成果につながった要因の一つと考えられます。

大手企業における組織拡大事例

コニカミノルタジャパンでは、Pardot活用によりマーケティングチームが3名から12名へと4年で4倍に拡大したと報告されています(2021年発表、Pardot活用甲子園受賞事例)。

PardotとSales Cloudを連携させ、リード管理から案件管理までを一気通貫で可視化できるようになったことで、マーケティング施策の効果測定が容易になり、経営層への説明もしやすくなったとされています。なお、チーム拡大はPardot活用だけでなく、経営判断や事業成長など複合的な要因によるものと考えられます。

Pardot活用成功のポイントと次のステップ

Pardot活用を成功させるには、段階的なアプローチが効果的です。最初から全機能を使いこなそうとするのではなく、まずは現在のフェーズを把握し、次のフェーズで必要な機能に集中して取り組むことが重要です。

Pardot(Marketing Cloud Account Engagement)は国内MAツール市場で一定のシェアを持ち、Salesforceとの親和性の高さから多くのBtoB企業で採用されています。ただし、MAツール市場は複数の調査機関が異なる数値を報告しており、シェアの順位は調査方法や時期によって変動することがあります。

今日から取り組める具体的なアクション

  • 本記事のフェーズ診断チェックリストで自社の現状を把握する
  • 現在のフェーズで未完了の項目を洗い出す
  • 次のフェーズで取り組む優先施策を1つ選び、来週から着手する
  • 営業部門とマーケティング部門でPardotの活用状況を共有する

Pardot活用は「一気に全機能」ではなく「フェーズ別に優先機能を絞る」ことで、着実に成果に繋げられます。自社のペースで段階的に活用度を高めていくことが、長期的な成功への近道です。

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よくある質問

Q1PardotとAccount Engagementの違いは何ですか?

A1PardotとAccount Engagementは同じツールです。2022年4月にSalesforceがPardotからAccount Engagementへ名称変更を行いました。機能や操作性に変更はなく、名称のみが変わっています。

Q2Pardotのスコアリング機能でどのような効果が期待できますか?

A2スコアリング機能を活用することで、見込み客の行動に基づいたリードの優先度付けが可能になります。営業担当者が高確度のリードに集中できるようになるため、商談化率の向上や営業工数の削減が期待できます。ある企業事例では、商談化率が2倍に向上し、営業1人あたりの対応件数が半減したと報告されています(匿名事例)。

Q3Pardot活用が進まない主な原因は何ですか?

A3主な原因は、全機能を同時に設定しようとして複雑化すること、スコアリングが未調整のまま運用されること、マーケティング部門と営業部門のデータ連携が不足していることです。最初から完璧を目指さず、段階的に機能を追加していくアプローチが効果的です。

Q4Pardotはどのような企業に向いていますか?

A4BtoB企業でSalesforceを導入済み、または導入予定の企業に特に適しています。Salesforceとのシームレスな連携が強みであり、マーケティングと営業のデータを一元管理したい企業に向いています。国内MA市場は2022年度に269億円規模(前年度比14.7%増)と成長を続けており、導入企業は増加傾向にあります。

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B2Bデジタルプロダクト実践ガイド編集部

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