オンライン商談を実施しても成果が出ない企業の共通課題
最も重要なのは、オンライン商談で成果を上げるには、ツール選定やトークスキルだけでなく、SFA/CRMと連携した商談データの可視化・活用が不可欠であるということです。
多くの企業がオンライン商談ツールを導入していますが、「商談数は増えたのに商談化率が上がらない」「商談データが活用できていない」という課題を抱えています。SFA/CRM導入率は32.1%(2023年4月時点)で、2020年の16.1%から約2倍に増加しています。しかし、ツールを導入しても活用できていない企業が少なくありません。
この記事で分かること
- オンライン商談の基本とメリット・デメリット
- オンライン商談ツールの選び方とSFA/CRM連携のポイント
- オンライン商談を成功させる具体的なコツと準備チェックリスト
- 商談後のフォローアップとデータ活用の方法
オンライン商談とは|対面商談との違いとメリット・デメリット
オンライン商談とは、インターネットを利用して離れた場所にいる顧客とリアルタイムで商談を行う営業手法です。画面共有・録画・文字起こし等の機能を持つ専用ツールを使用します。
2024年の日本国内BtoB-EC市場規模は514.4兆円に達し、前年比10.6%の成長を記録しています。EC化率も43.1%に上昇しており、オンライン商談の需要は拡大傾向にあります。
オンライン商談のメリット
- 移動時間・交通費の削減
- 短時間アポイント(10〜15分)が取りやすい
- 録画・文字起こし機能によるナレッジ蓄積
- 地理的制約の解消(遠方の顧客へもアプローチ可能)
オンライン商談のデメリット
- 非言語コミュニケーション(表情・雰囲気)の把握が難しい
- 通信トラブル・技術的問題のリスク
- 対面に比べて信頼構築に時間がかかる場合がある
オンライン商談が有効なケースと対面商談が適切なケース
オンライン商談と対面商談は、状況に応じて使い分けることが重要です。
オンライン商談が有効なケース
- 初回接点・情報提供目的の商談
- 地理的に離れている顧客
- 短時間のヒアリング・課題確認
- 定期的なフォローアップミーティング
対面商談が適切なケース
- 高額商材の最終提案・契約締結
- 複雑な契約内容の説明
- 経営層への重要提案
- 関係構築が特に重要な場面
オンライン商談ツールの種類と選び方
オンライン商談ツールは、汎用的なWeb会議ツールと商談特化型ツールに大別されます。商談特化型ツールは、画面共有・録画・文字起こし・資料共有など、営業活動に必要な機能を備えています。
セールステックとは、営業活動を効率化・高度化するためのテクノロジー・ツールの総称です。SFA、CRM、オンライン商談ツール等を含みます。
オンライン商談ツール「B-Room」はリリース1年で700社導入を達成しています。また、「bellFace」はリリースから半年で500社以上の導入実績があります(いずれもベンダー提供情報のため、成功バイアスがある可能性があります)。
【比較表】オンライン商談ツール比較表
| 比較項目 | 商談特化型ツール | 汎用Web会議ツール |
|---|---|---|
| 画面共有 | ○(最適化済み) | ○ |
| 録画機能 | ○(自動・クラウド保存) | △(手動設定が必要な場合あり) |
| 文字起こし | ○(AI自動生成) | △(別途ツール必要な場合あり) |
| SFA/CRM連携 | ○(API連携対応が多い) | △(連携機能は限定的) |
| 資料共有・同期 | ○(リアルタイム同期) | △(画面共有のみ) |
| 顧客側のインストール | 不要(ブラウザ完結)が多い | 必要な場合あり |
| 料金体系 | 月額課金(ID単位) | 無料〜月額課金 |
※ツールにより機能・料金は異なります。導入検討時は各ツールの最新情報をご確認ください。
SFA/CRM連携を前提としたツール選定のポイント
SFA(Sales Force Automation) とは、営業活動の情報を可視化・管理し、営業プロセスを効率化する支援システムです。CRM(Customer Relationship Management) とは、顧客情報を一元管理し、顧客との関係性を維持・強化するためのシステムです。
オンライン商談ツールを選定する際は、SFA/CRM連携機能を重視することを推奨します。
確認すべきポイント
- API連携の対応状況(自社利用中のSFA/CRMと連携可能か)
- 商談録画・文字起こしデータの連携方法
- 商談履歴の自動記録機能の有無
- データエクスポート形式(CSV、JSON等)
オンライン商談を成功させるコツと準備チェックリスト
オンライン商談を成功させるには、対面商談とは異なるアプローチが必要です。
よくある誤解として、「対面商談と同じやり方でオンライン商談を進めればよい」「オンライン商談ツールを導入すれば商談がうまくいく」という考え方がありますが、これは誤りです。ツール導入だけで成果は出ず、オンライン特有のコミュニケーション技術とプロセス設計が不可欠です。
オンライン商談特有のコミュニケーション技術
- 画面共有を活用し、視覚的に伝える
- 相槌・リアクションを意識的に大きくする
- 沈黙を恐れず、相手の発言を待つ
- 時間管理を徹底する(開始・終了時刻の厳守)
【チェックリスト】オンライン商談準備チェックリスト
- 通信環境の確認(有線LAN推奨、バックアップ回線の準備)
- ツールの動作確認(カメラ・マイク・画面共有のテスト)
- 商談資料の準備(画面共有用に最適化)
- アジェンダの事前共有(開始前にメール送付)
- 顧客情報・過去商談履歴の確認
- 背景・照明の確認(顔が明るく映るか)
- 静かな環境の確保(雑音対策)
- 商談URLの送付(開始15分前までに再送)
- 録画・文字起こし設定の確認(顧客同意の取得)
- 次回アクションの案を準備
- SFA/CRMへの事前入力(商談前情報の記録)
- 名刺代わりの自己紹介資料を準備
商談中の進め方と信頼構築のポイント
商談中は、対面以上に意識的なコミュニケーションが必要です。
商談の基本フロー
- アイスブレイク(自己紹介、天気・近況など軽い話題)
- アジェンダの確認(本日のゴールを共有)
- ヒアリング(課題・ニーズの深掘り)
- 提案(画面共有を活用)
- 質疑応答
- 次回アクションの確認
画面越しの信頼構築
- カメラ目線を意識する(画面ではなくカメラを見る)
- 相槌・うなずきを大きくする
- 質問には即座に反応する(無反応は不信感につながる)
商談後のフォローアップとデータ活用
商談後のフォローアップとデータ活用が、商談化率向上の鍵を握ります。
フォローアップのタイミングと内容
- 商談終了後24時間以内にお礼メール・議事録を送付
- 次回アクションと期日を明記
- 追加資料があれば添付
SFA導入企業の事例として、Mipox株式会社では商談数が135件から531件、成約数が43件から132件、売上が30億円から45億円に成長した事例があります(2016年のデータであり、導入事例は成功バイアスがある点に注意が必要です)。
商談データの活用方法
- 商談録画・文字起こしをSFA/CRMに蓄積
- トーク内容の分析(成約した商談と失注した商談の比較)
- ナレッジ共有(成功事例の横展開)
- 売上予測精度の向上
まとめ|オンライン商談はデータ活用で成果が決まる
本記事では、オンライン商談の基本から成功のコツ、SFA/CRM連携によるデータ活用まで解説しました。
本記事の要点
- オンライン商談は移動時間削減・録画活用などメリットがあるが、対面と同じやり方では成果が出ない
- ツール選定ではSFA/CRM連携機能を重視し、商談データの蓄積・活用を前提に設計する
- 事前準備・オンライン特有のコミュニケーション技術・商談後のフォローアップが成功の鍵
- SFA/CRMへのデータ蓄積とトーク分析により、商談化率・受注率の向上につなげられる
次のステップとして、本記事のチェックリストを活用してオンライン商談の準備を見直してみてください。
改めて強調すると、オンライン商談で成果を上げるには、ツール選定やトークスキルだけでなく、SFA/CRMと連携した商談データの可視化・活用が不可欠です。
