Marketo設定で成果が出ない企業に共通する課題
実はMarketo設定を成功させるには、初期設定の完了だけでなく、SFA連携とリード管理運用を見据えた設計が不可欠です。
Marketoを導入したものの、「初期設定の全体像が分からない」「設定したが運用がうまく回っていない」という声は少なくありません。設定を完了しただけで満足してしまい、SFA(営業支援システム)との連携やリード引き渡しルールを後回しにすると、せっかくのMAツールが活用されないまま「リードを貯めるだけのシステム」になってしまうケースがあります。
この記事で分かること
- Marketo初期設定の全体像と主要機能の理解
- メールドメイン認証(SPF/DKIM/DMARC)の設定方法
- ランディングページ・フォーム・メールの基本設定
- SFA連携を見据えた設定設計と初期設定チェックリスト
Marketo初期設定の全体像と主要機能
Marketo初期設定は、管理者設定、メール認証、LP/フォーム、SFA連携の主要領域を段階的に進めることが重要です。
まず、Marketoで頻繁に使用する主要機能を理解しましょう。
スマートキャンペーンとは、トリガー(条件)とフロー(実行アクション)を組み合わせた自動化ワークフローです。「○○したリードに△△を実行する」という処理を自動化できます。
スマートリストとは、特定の条件に基づくリードセグメンテーション機能です。行動や属性に基づいてリードを動的に抽出できます。
プログラムとは、Marketoでのキャンペーン管理の基本単位です。メール、イベント、エンゲージメントなどの種類があり、施策ごとにプログラムを作成して管理します。
初期設定の段階的ロードマップ
初期設定は以下の順序で進めることが推奨されます。
- 管理者設定(ユーザー権限、アカウント設定)
- メールドメイン認証(SPF/DKIM/DMARC)
- ランディングページテンプレート設定
- フォーム設計と作成
- メールテンプレート設定
- スコアリングルール設計
- SFA連携設定
- レポート・効果測定設定
各設定は相互に関連するため、前の段階を完了してから次に進むことで、手戻りを防げます。
メールドメイン認証(SPF/DKIM/DMARC)の設定
メールドメイン認証は、Marketoからのメール配信を成功させるための必須設定です。認証設定なしでメールを配信すると、迷惑メールフォルダに振り分けられるリスクが高まります。
SPF(Sender Policy Framework) とは、送信元メールサーバーが正当なものか確認するためのDNS認証プロトコルです。
DKIM(DomainKeys Identified Mail) とは、メールにデジタル署名を付けて送信元ドメインの正当性と改ざん防止を証明するプロトコルです。
DMARCとは、SPFとDKIMの結果に基づき、認証失敗時のメール処理方針を定義するプロトコルです。
【比較表】ドメイン認証設定項目一覧
| 認証方式 | 設定場所 | 設定内容 | 確認方法 |
|---|---|---|---|
| SPF | DNSサーバー | TXTレコードにMarketo送信サーバーを追加 | SPFチェックツールで確認 |
| DKIM | DNSサーバー | Marketoが発行する公開鍵をTXTレコードに設定 | DKIMチェックツールで確認 |
| DMARC | DNSサーバー | ポリシー(none/quarantine/reject)を設定 | DMARCレポートで確認 |
| 送信者ドメイン | Marketo管理画面 | Branded Domainの設定 | テストメール送信で確認 |
| バウンスドメイン | Marketo管理画面 | バウンス処理用ドメインの設定 | バウンスレポートで確認 |
各認証方式の役割と設定の流れ
SPFは「誰が送ったか」、DKIMは「内容が改ざんされていないか」、DMARCは「認証失敗時にどう処理するか」をそれぞれ担当します。
具体的な設定手順は、Adobe公式ドキュメントを参照してください。DNSの設定変更は反映までに時間がかかることがあるため、余裕を持ったスケジュールで進めましょう。
ランディングページ・フォーム・メールの基本設定
ランディングページ、フォーム、メールは、リード獲得とナーチャリングの基盤となる要素です。これらのテンプレートを整備することで、施策展開がスムーズになります。
Marketoではプログラムを単位としてキャンペーンを管理します。メールプログラム、イベントプログラム、エンゲージメントプログラムなどの種類があり、目的に応じて使い分けます。
フォーム設計のベストプラクティス
フォームは入力項目を必要最小限にすることが重要です。項目が多すぎると離脱率が上がり、リード獲得の機会損失につながります。
プログレッシブプロファイリングという手法を使えば、初回訪問時は基本情報のみを取得し、再訪問時に追加情報を段階的に取得できます。これにより、リードの負担を軽減しながら情報を蓄積できます。
SFA連携を見据えた設定設計と初期設定チェックリスト
Marketo設定で成果を出すには、初期設定の完了だけで満足せず、SFA連携とリード引き渡しルールまで設計することが重要です。
よくある失敗パターンとして、Marketoの初期設定を完了しただけで満足し、SFAとのデータ連携やリード引き渡しルールを後回しにするケースがあります。 この状態では、運用開始後にリードが活用されない・成果が見えない事態に陥ります。
MA×CRM連携によるリード再活性化で受注単価が向上した事例も報告されています(ただし、これは個別企業の事例であり、業界平均を示すものではありません)。
【チェックリスト】Marketo初期設定完了チェックリスト
- 管理者ユーザーの作成と権限設定が完了した
- 一般ユーザーの招待と権限設定が完了した
- ワークスペースとパーティションの設計が完了した
- SPFレコードの設定が完了した
- DKIMの設定が完了した
- DMARCポリシーの設定が完了した
- Branded Domainの設定が完了した
- ランディングページテンプレートを作成した
- 基本フォームを作成した
- メールテンプレートを作成した
- スコアリングルールを設計した
- リードライフサイクルステージを定義した
- SFA(CRM)との連携設定が完了した
- フィールドマッピングが完了した
- リード引き渡し条件を営業と合意した
- テストリードでの動作確認が完了した
リード引き渡しルールの設計
スマートキャンペーンとスマートリストを活用して、マーケティングから営業へのリード引き渡しルールを設計します。
スコアリング設定の参考例として、行動ごとにスコアを加点する方法があります(例:LP閲覧で加点、ホワイトペーパーDLで加点、メール未開封で減点など)。一定スコア以上のリードを営業対応対象とするルールを設計しましょう。
ただし、日本市場と海外市場ではリード獲得モデルが異なる点に留意が必要です。日本では母数が限られる傾向があるため、スコアリング基準は自社の状況に合わせて調整してください。
Marketo設定成功のポイントと運用開始に向けて
Marketo設定を成功させるには、初期設定の完了だけでなく、運用開始後の効果検証と改善サイクルも重要です。
本記事のポイントを整理すると、以下の通りです。
- 初期設定は管理者設定→メール認証→LP/フォーム→SFA連携の順序で進める
- メールドメイン認証(SPF/DKIM/DMARC)は配信成功の必須要件
- SFA連携とリード引き渡しルールは初期設定段階で設計する
- 運用開始後は定期的なレビューで効果検証し、改善を続ける
読者が今日から取り組める具体的なアクションとして、まずは本記事のチェックリストで自社の設定状況を確認し、未完了の項目を洗い出すことをおすすめします。
Marketo設定を成功させるには、初期設定の完了だけでなく、SFA連携とリード管理運用を見据えた設計が不可欠です。設定完了はゴールではなくスタートラインです。運用を見据えた設計で、Marketoを成果につなげましょう。
