マーケティングROI測定の課題と本記事の目的
多くの方が悩むマーケティングROI測定。結論は、マーケティングROI測定の成功は、計算式を知るだけでなく、MA/SFA設定で投資額から受注金額までを自動集計できる仕組みを整備することで実現するということです。
この記事で分かること
- マーケティングROIの定義・計算式とROASとの違い
- 日本企業が直面するROI測定の現状課題(60.5%が商談化率未測定)
- MA/SFA設定によるROI自動集計の5ステップ実装手順
- ROI測定に必要なフィールド設計とワークフロー設定の具体例
- すぐに使える実装チェックリストとフィールド設計シート
日本企業800社を対象にした調査(2025年)では、DX推進企業の78.3%が「期待した成果が出ていない」と回答し、生成AI導入済み企業のうちROI測定できているのはわずか23.7%のみという結果が出ています。また、BtoB広告運用調査(330社、2025年)では、商談化率を測定していない割合が60.5%に達しており、多くの企業でROI測定体制が整っていない現状が明らかになっています。
こうした課題の背景には、ROI計算式をスプレッドシートで手動管理し、施策ごとの投資額と受注金額の紐付けが属人化・形骸化してしまうというよくある失敗パターンがあります。担当者が変わるたびにExcelファイルの場所がわからなくなったり、施策ごとの分類が統一されず比較ができなかったりといった課題に直面している企業は少なくありません。
本記事では、こうした手動管理から脱却し、MA(マーケティングオートメーション)/SFA(セールスフォースオートメーション)を活用してROIを自動集計する実装手順を具体的に解説します。
ROIの基礎知識:定義・計算式・ROASとの違い
マーケティングROI測定を始める前に、まず基礎知識を整理しておきましょう。このセクションでは、ROIの定義と計算式、よく混同されるROASとの違い、そしてROI測定に関連する指標について解説します。
ROIの定義と計算式
ROI(投資利益率) とは、投資した費用に対して得られた利益の割合を示す指標です。
ROIの基本計算式は「(利益÷投資額)×100」で表され、マーケティング分野では「(売上-売上原価-マーケティング投資額)÷マーケティング投資額×100」で算出するのが一般的です。
(例)計算例
- 売上:1,000万円
- 売上原価:400万円
- マーケティング投資額:200万円
- 利益:1,000万円 - 400万円 - 200万円 = 400万円
- ROI:400万円 ÷ 200万円 × 100 = 200%
この例では、マーケティングに200万円投資して400万円の利益を得たため、ROIは200%となります。投資した金額の2倍の利益が得られたことを意味します。
なお、販売管理費(人件費、オフィス賃料など)をマーケティング投資額に含めるかどうかは、企業によって扱いが異なります。自社の基準を明確にした上で、継続的に同じ基準で測定することが重要です。
ROIとROASの違い
ROAS(広告費用対売上高) とは、広告費に対する売上高の割合を示す指標です。(広告経由での売上÷広告への投資額)×100で算出します。
ROASは「(広告経由での売上)÷(広告への投資額)×100」で算出し、売上そのものを測定するのに対し、ROIは投資額を差し引いた実際の利益を測定する点が異なります。
両指標の違いを表にまとめると以下のようになります。
| 指標 | 計算式 | 測定対象 | 用途 |
|---|---|---|---|
| ROI | (利益÷投資額)×100 | 利益 | 投資全体の収益性評価 |
| ROAS | (売上÷広告費)×100 | 売上 | 広告キャンペーンの効率評価 |
注意すべき点は、ROAS 300%でもROI低のケースがあるということです。例えば、利益率が低い商品(売上の大半が原価)の場合、広告経由で売上は大きく伸びても、実際の利益は少ないため、ROIがマイナスになることもあります。
そのため、ROASだけで施策を評価するのではなく、ROIと併用して「売上は伸びているが利益は出ているか」を確認することが推奨されます。
ROI測定に関連する指標
ROI測定をより効果的に行うために、以下の関連指標も理解しておくとよいでしょう。
CPA(顧客獲得単価) とは、1人の顧客を獲得するために要した費用です。広告費÷獲得顧客数で算出します。CPAが低いほど、効率的に顧客を獲得できていることを意味します。
LTV(顧客生涯価値) とは、1人の顧客が生涯にわたって企業にもたらす利益の総額です。ROI測定の関連指標として活用されます。
これらの指標がROI測定にどう関連するかを理解しておくと、より総合的な評価が可能になります。例えば、LTV/CPA比率が高いほど、長期的に見てROI改善の余地が大きいと判断できます。BtoB企業では、初回取引の獲得コスト(CPA)は高くても、長期的な取引(LTV)を考慮すれば十分なROIを確保できるケースが多くあります。
ROI測定の重要性と日本企業が直面する現状の課題
マーケティングROI測定の重要性は、施策の費用対効果を可視化し、投資判断と予算配分を最適化できる点にあります。
日本企業800社を対象にした調査(2025年)では、DX推進企業の78.3%が「期待した成果が出ていない」と回答し、生成AI導入済み企業のうちROI測定できているのはわずか23.7%のみという結果が出ています。この数字は、ROI測定がいかに困難な課題であるかを示しています。
さらに、BtoB広告運用調査(330社、2025年)では、商談化率は「5%未満」が18.6%、「5〜10%」が16.3%と低水準に集中しており、測定していない割合が60.5%に達しています。この現状は、日本BtoB企業の多くがROI測定体制を整備できていないことを明確に示しています。
一方で、適切にROI測定を実施している企業では高い成果が報告されています。HubSpotのアンケート(2025年)では、マーケティング担当者の49%がオーガニック検索を最高ROIチャネルと評価しており、メールマーケティングのROIは4400%(1ドル投資で44ドルリターン)という結果が出ています。ただし、これはグローバルデータのため、日本BtoB市場では長期リード育成などの業界特性を考慮する必要があります。
また、マーケティングオートメーション導入企業の平均ROIは544%(3年で1ドル投資5.44ドルリターン)、Salesforce導入で25% ROI向上、自動化で12%コスト削減・14.5%営業生産性向上という実績も報告されています(2025年、グローバルデータ)。
こうした実績がある一方で、なぜ日本企業の多くがROI測定できていないのでしょうか。背景には、ROI計算式をスプレッドシートで手動管理し、施策ごとの投資額と受注金額の紐付けが属人化・形骸化してしまうという失敗パターンがあります。
手動管理では、以下のような課題が発生しがちです。
- 担当者の異動・退職でExcelファイルの場所や更新ルールがわからなくなる
- 施策分類が統一されず、過去データとの比較ができない
- 投資額と受注金額の紐付けが曖昧で、正確なROI算出ができない
- リアルタイムでの可視化ができず、意思決定が遅れる
こうした課題を解決するには、MA/SFA設定によるROI自動集計の仕組みを整備することが不可欠です。次のセクションでは、具体的な実装手順を解説します。
MA/SFA設定によるROI自動集計の実装手順
MA/SFA設定でROIを自動集計するための具体的な実装手順を、5つのステップで解説します。これらのステップを順番に実施することで、スプレッドシート手動管理から脱却し、投資額から受注金額までを一気通貫で追跡できる仕組みを構築できます。
MA(マーケティングオートメーション) とは、マーケティング活動を自動化するツールです。リードスコアリング、シナリオ設定、配信自動化、SFA連携機能を提供します。SFA(セールスフォースオートメーション) とは、営業活動を支援・自動化するツールで、商談トラッキング、顧客管理、売上予測機能を提供します。
ステップ1: KPIツリー設計(KGI逆算でCPL/CPA/ROI設定)
まず、最終目標(KGI)から逆算して、測定すべきKPIを設計します。
例えば、年間売上目標が1億円の場合、以下のように逆算します。
- KGI: 年間売上1億円
- 受注単価: 500万円 → 必要受注数: 20件
- 受注率: 20% → 必要商談数: 100件
- 商談化率: 10% → 必要リード数: 1,000件
- CPL(リード獲得単価): 5,000円 → 必要投資額: 500万円
- 目標ROI: (1億円 - 原価 - 500万円)÷ 500万円 × 100
このように逆算することで、各段階で測定すべき指標が明確になります。
ステップ2: MA/SFA初期設定(リードスコアリング、商談トラッキング)
次に、MA/SFAツールの初期設定を行います。
- リードスコアリング設定: ウェブサイト訪問、資料ダウンロード、メール開封などの行動に点数を付与し、ホットリードを自動判定する仕組みを作ります。
- 商談ステージ設定: リード獲得 → MQL(マーケティング適格リード) → SQL(営業適格リード) → 商談 → 受注 の各ステージを定義します。
- トラッキング設定: 各ステージの移行日時と、どの施策がきっかけだったかを記録する設定を行います。
ステップ3: データ連携構築(API連携、ROI計算式実装)
MA/SFA間、および他のツール(広告管理ツール、会計システムなど)とのデータ連携を構築します。
- MA ⇔ SFA連携: MAで獲得したリード情報をSFAに自動転送し、商談化・受注情報をMAに戻す双方向連携を設定します。
- 広告管理ツール連携: Google広告、Meta広告などの広告費データを自動取得します。
- ROI計算式実装: 各施策の投資額(広告費、イベント費、ツール費、人件費など)と受注金額を紐付け、自動でROIを計算するフィールドを作成します。
ステップ4: 自動集計ダッシュボード作成(Google Data Studio/Tableau)
リアルタイムでROIを可視化するダッシュボードを作成します。
- 施策別ROI一覧: 広告、ウェビナー、コンテンツマーケティングなど、施策ごとのROIを一覧表示
- 時系列推移グラフ: 月次・四半期ごとのROI推移を可視化
- ファネル分析: リード → MQL → SQL → 商談 → 受注 の各段階での転換率を可視化
Google Data StudioやTableauなどのBIツールを活用すると、MA/SFAのデータを統合して見やすいダッシュボードを作成できます。
ステップ5: テスト・最適化(A/Bテスト、定期レビュー)
設定が完了したら、テストと最適化を繰り返します。
- データ精度検証: サンプル施策でROI計算が正しく動作するかテストします。
- A/Bテスト: 異なる施策やメッセージのROIを比較し、より効果的な方法を特定します。
- 定期レビュー: 月次・四半期ごとにROIを確認し、予算配分を最適化します。
LANY事例では、1ヶ月22回ウェビナー開催、MA/SFA設定でリード501件獲得→売上1,000万円達成(ROI 416%)という成果が報告されています。適切な設定と運用により、高いROIを実現できることがわかります。
また、マーケティングオートメーション導入企業の平均ROIは544%(3年で1ドル投資5.44ドルリターン)、Salesforce導入で25% ROI向上という実績データもあります(グローバルデータ)。
以下に、実装状況を確認するためのチェックリストを示します。
【チェックリスト】MA/SFA ROI測定実装チェックリスト
- KGIから逆算してKPIツリーを設計済み(売上目標→受注数→商談数→リード数)
- 目標ROI、CPL、CPAを設定済み
- MAツールでリードスコアリングルールを設定済み
- 商談ステージ(リード→MQL→SQL→商談→受注)を定義済み
- 各ステージの移行日時を自動記録する設定が完了
- MA ⇔ SFA の双方向連携を設定済み
- 広告管理ツールから広告費データを自動取得する設定が完了
- 施策ごとの投資額を記録するフィールドを作成済み
- 投資額と受注金額を紐付けるワークフローを設定済み
- ROI自動計算フィールドを実装済み
- ダッシュボードで施策別ROIを可視化済み
- ダッシュボードでファネル分析(各ステージの転換率)を可視化済み
- サンプル施策でROI計算の精度をテスト済み
- 月次レビューの実施体制を構築済み
- 営業部門とKPI共有の仕組みを構築済み
このチェックリストを使って、自社の実装状況を確認してください。すべてにチェックが入れば、ROI自動集計の基盤が整ったことになります。
ROI測定に必要なフィールド設計とワークフロー設定
ROI測定を正確に行うには、MA/SFAでどのようなデータを記録するか(フィールド設計)と、どのタイミングで何を記録するか(ワークフロー設定)を明確にする必要があります。このセクションでは、具体的なフィールド設計とワークフロー設定の方法を解説します。
商談化率とは、獲得したリードのうち商談に至った割合を指し、BtoB企業の重要KPIです。平均は5-10%程度と言われています。
フィールド設計の基本
ROI測定に必要なフィールドは、大きく以下の3種類に分類できます。
- 投資額フィールド: 広告費、イベント費、ツール費、人件費など、施策ごとの投資額を記録
- 成果フィールド: リード獲得日、商談化日、受注日、受注金額など、成果を記録
- アトリビューションフィールド: どの施策がきっかけで獲得したリードかを記録
具体的には、以下のようなフィールドが必要になります。
投資額関連
- 施策名(例: Google広告_2025年1月、ウェビナー_AI活用セミナー)
- 施策カテゴリ(例: 広告、ウェビナー、コンテンツ、展示会)
- 広告費
- イベント費
- ツール費
- 人件費
- 合計投資額(自動計算)
成果関連
- リード獲得日
- MQL(マーケティング適格リード)昇格日
- SQL(営業適格リード)昇格日
- 商談化日
- 受注日
- 受注金額
- 利益額(受注金額 - 原価 - 投資額、自動計算)
アトリビューション関連
- 初回接触施策(最初にリードを獲得した施策)
- 最終接触施策(受注直前に接触した施策)
- 接触施策履歴(リードが接触したすべての施策)
ワークフロー設定の具体例
ワークフロー設定では、各ステージでどのデータを自動記録するかを定義します。
リード獲得時
- リード獲得日を自動記録
- 初回接触施策を記録(例: Google広告、オーガニック検索、紹介)
- 該当施策の「リード獲得数」カウンターを +1
MQL昇格時
- MQL昇格日を自動記録
- リードスコアが一定値を超えたら自動でMQLステータスに変更
商談化時
- 商談化日を自動記録
- 該当施策の「商談化数」カウンターを +1
- 商談化率を自動計算(商談化数 ÷ リード獲得数)
受注時
- 受注日を自動記録
- 受注金額を記録
- 最終接触施策を記録
- 該当施策の「受注数」「受注金額合計」を更新
- ROIを自動計算((受注金額 - 原価 - 投資額)÷ 投資額 × 100)
アトリビューション設定
アトリビューションとは、複数の施策に接触したリードが受注した際、どの施策にどれだけの貢献度を割り当てるかを決めるモデルです。
代表的なアトリビューションモデルには、以下があります。
- 初回接触モデル: すべての貢献を最初に接触した施策に割り当てる
- 最終接触モデル: すべての貢献を最後に接触した施策に割り当てる
- 線形モデル: 接触したすべての施策に均等に貢献度を割り当てる
- 時間減衰モデル: 受注に近い接触ほど高い貢献度を割り当てる
BtoB企業では、リード獲得から受注までの期間が長いため、単一の接触だけで評価すると実態とずれることがあります。複数のモデルを併用して評価することが推奨されます。
業界別ベンチマーク
業界別ROIシミュレーションでは、製造業は投資150万円で売上800万円(ROI 5.3倍)、人材・HRは投資80万円で売上225万円(ROI 2.8倍)と少数精鋭型が高い傾向があります。ただし、これはシミュレーション事例のため、自社の実績データで検証することを推奨します。
商談化率・受注率の目安としては、BtoB企業では商談化率5-10%、受注率15-20%を目安にKPI設定し、段階的に最適化していくことが一般的です。
以下に、ROI測定に必要なフィールド設計シートを示します。このシートをコピーして、自社のMA/SFA設定にご活用ください。
【管理シート】ROI測定フィールド設計シート
フィールド名,データタイプ,用途,設定例,必須度
施策ID,テキスト,施策を一意に識別するID,AD_2025_01_001,必須
施策名,テキスト,施策の名称,Google広告_2025年1月_AIツール,必須
施策カテゴリ,選択リスト,施策の分類,広告/ウェビナー/コンテンツ/展示会,必須
開始日,日付,施策の開始日,2025-01-01,必須
終了日,日付,施策の終了日,2025-01-31,必須
広告費,数値(円),広告に投じた費用,500000,推奨
イベント費,数値(円),イベント・ウェビナーの費用,200000,推奨
ツール費,数値(円),MA/SFA/BIツールなどの費用,100000,推奨
人件費,数値(円),担当者の工数 × 時給,300000,推奨
合計投資額,数値(円・自動計算),広告費+イベント費+ツール費+人件費,1100000,必須
リード獲得数,数値(件),獲得したリード数,200,必須
MQL昇格数,数値(件),MQLに昇格した件数,80,推奨
SQL昇格数,数値(件),SQLに昇格した件数,40,推奨
商談化数,数値(件),商談に至った件数,20,必須
受注数,数値(件),受注した件数,4,必須
受注金額合計,数値(円),受注した金額の合計,20000000,必須
売上原価,数値(円),受注案件の原価,8000000,必須
利益額,数値(円・自動計算),受注金額合計 - 売上原価 - 合計投資額,10900000,必須
ROI,数値(%・自動計算),(利益額 ÷ 合計投資額)× 100,990.91,必須
CPL,数値(円・自動計算),合計投資額 ÷ リード獲得数,5500,推奨
CPA,数値(円・自動計算),合計投資額 ÷ 受注数,275000,推奨
商談化率,数値(%・自動計算),(商談化数 ÷ リード獲得数)× 100,10.0,推奨
受注率,数値(%・自動計算),(受注数 ÷ 商談化数)× 100,20.0,推奨
初回接触チャネル,選択リスト,リードが最初に接触したチャネル,オーガニック検索/広告/紹介/直接,推奨
最終接触チャネル,選択リスト,受注前に最後に接触したチャネル,ウェビナー/営業メール/商談,推奨
計算列の定義:
- 合計投資額 = 広告費 + イベント費 + ツール費 + 人件費
- 利益額 = 受注金額合計 - 売上原価 - 合計投資額
- ROI(%) = (利益額 ÷ 合計投資額)× 100
- CPL(リード獲得単価) = 合計投資額 ÷ リード獲得数
- CPA(顧客獲得単価) = 合計投資額 ÷ 受注数
- 商談化率(%) = (商談化数 ÷ リード獲得数)× 100
- 受注率(%) = (受注数 ÷ 商談化数)× 100
このシートをベースに、自社の業務フローに合わせてフィールドをカスタマイズしてください。MA/SFAツールによっては、カスタムフィールドの追加や計算式の設定方法が異なるため、各ツールのマニュアルを参照しながら実装を進めることを推奨します。
まとめ:ROI測定成功の鍵は自動集計の仕組み化
本記事では、マーケティングROI測定の基礎知識から、MA/SFA設定による自動集計の実装手順まで解説しました。
要点の整理
ROI基礎知識: ROIは「(利益÷投資額)×100」で算出し、ROASとは「利益を測定するか売上を測定するか」という違いがあります。両指標を併用して評価することが推奨されます。
現状の課題: 日本企業の60.5%が商談化率を測定しておらず、DX推進企業でもROI測定できているのは23.7%のみです。背景には、スプレッドシート手動管理による属人化・形骸化という失敗パターンがあります。
MA/SFA実装手順: KPIツリー設計 → MA/SFA初期設定 → データ連携構築 → ダッシュボード作成 → テスト・最適化 の5ステップで実装します。適切に設定すれば、MA導入企業の平均ROI 544%、LANY事例でROI 416%といった成果が期待できます。
フィールド設計: 投資額フィールド(広告費、人件費など)、成果フィールド(リード獲得日、受注金額など)、アトリビューションフィールド(初回接触・最終接触施策)を設計し、各ステージで自動記録するワークフローを設定します。
結論を再確認
マーケティングROI測定の成功は、計算式を知るだけでなく、MA/SFA設定で投資額から受注金額までを自動集計できる仕組みを整備することで実現します。
スプレッドシート手動管理では、担当者の異動で引き継ぎができなくなったり、データの整合性が保てなくなったりといった課題が発生します。一方、MA/SFAで自動集計する仕組みを整備すれば、リアルタイムでROIを可視化し、データに基づいた意思決定が可能になります。
次のアクション
本記事で提供した実装チェックリストで自社の現状を診断し、未実装の項目から着手してください。フィールド設計シートをコピーして、自社のMA/SFA設定に活用することで、ROI自動集計の基盤を構築できます。
最初から完璧を目指す必要はありません。まずは主要施策(広告、ウェビナーなど)から測定を始め、段階的にKPIを最適化していくことが推奨されます。商談化率5-10%、受注率15-20%を初期の目安として設定し、自社の実績データが蓄積されたら、より正確な目標値に更新していきましょう。
MA/SFA自動化によるROI測定の仕組み化は、スプレッドシート手動管理からの脱却だけでなく、組織全体でデータドリブンなマーケティングを実現するための重要な一歩です。
