MAで成果が出ないと感じたときに見直すべきポイント
MA活用を立て直し、営業部門と連携して商談につながるリードを創出できる体制を構築するために必要なのは、MAで成果が出ない根本原因は、ツールの機能や設定ではなく、SFAとのデータ連携整備とマーケ・営業の連携体制が構築されていないことにあり、この土台を整備することで成果につながる運用に転換できます。
MA(マーケティングオートメーション) とは、マーケティング活動を自動化・効率化するツールです。リード獲得・育成・スコアリングを一元管理することで、営業に質の高いリードを引き渡すことを目的としています。
しかし、MAを導入しても「メルマガ配信ツールとしてしか使えていない」「営業からリードの質が低いと言われる」という課題を抱える企業は少なくありません。BtoBマーケティングに関する調査(2025年)によると、課題1位は「人手不足、体制が整っていない」で34.3%、2位が「予算が少ない」で26.1%となっています。ツールの問題ではなく、体制やリソースの問題が根底にあることがわかります。
この記事で分かること
- MAで成果が出ない代表的な原因と自社診断のポイント
- 機能設定の調整だけでは成果が出ない理由
- リソース不足・体制未整備を解決する優先順位
- SFA連携とデータ整備の具体的な進め方
- 成果改善のためのチェックリスト
MAで成果が出ない代表的な原因
MAで成果が出ない原因は、主にリソース不足、ノウハウ不足、そしてSFA連携・体制構築の不備の3つに集約されます。2025年の調査(有効回答数257)によると、54.1%の企業が「チームリソース不足」を最重要課題と回答しています。
また、エンタープライズ企業を対象とした別の調査(n=46、大企業特化)では、リード獲得課題として「ノウハウ不足」が50.0%で最多、「社内リソース不足」が41.3%と報告されています。
MQL(Marketing Qualified Lead) とは、マーケティング施策で一定の基準を満たした見込み顧客を指します。営業にハンドオフする前段階のリードであり、この定義がマーケと営業で合意されていないと、リードの質に関する認識のずれが生じます。
【比較表】MA成果が出ない原因と改善アクション対応表
| 原因カテゴリ | 具体的な症状 | 改善アクション |
|---|---|---|
| リソース不足 | 運用担当者が兼務で手が回らない | 専任担当のアサイン、外注検討 |
| ノウハウ不足 | シナリオ設計の知見がない | 外部支援の活用、社内教育 |
| データ連携不備 | SFAとMAが連携されていない | API連携設定、データ項目の整理 |
| MQL定義の不一致 | 営業が「リードの質が低い」と言う | マーケ・営業でMQL基準を合意 |
| 活用場面の未設計 | メルマガ配信ツール化している | リードスコアリングの運用開始 |
| 効果測定の欠如 | ROIが見えず経営から投資対効果を問われる | 商談化率・受注率の計測開始 |
よくある失敗:機能設定の調整だけで成果が出ると考える
「MAの機能や設定を見直せば成果が出る」という考え方は誤りです。 シナリオやスコアリングの調整に時間を費やしても、SFAとのデータ連携やマーケ・営業の連携体制という土台が整備されていなければ、いつまでも成果につながりません。
スコアリングとは、見込み顧客の行動・属性に点数をつけ、購買意欲の高さを数値化する手法です。リードナーチャリングは、見込み顧客を育成し、購買意欲を高めるマーケティング活動を指します。
これらの機能は有効ですが、前提となるデータが整備されていなければ機能しません。例えば、以下のような状態では、いくらスコアリングを精緻化しても意味がありません。
- MAとSFAでリードの重複が発生している
- 商談結果がMAに反映されていない
- マーケと営業でMQLの定義が異なる
まずは土台となるデータ連携と体制構築を優先すべきです。
リソース不足・体制未整備を解決する優先順位
リソース不足・体制未整備の課題は、多くのBtoB企業が抱えています。調査によると、コンテンツ制作における課題として「人員・時間(リソース)不足」を挙げた企業は36.6%に上ります。また、目標達成に十分な予算がある企業は18.8%のみという厳しい現実があります。
限られたリソースの中で成果を出すには、優先順位を明確にすることが重要です。以下の順序で取り組むことを推奨します。
- 顧客データ基盤の整備: 重複排除、データクレンジング
- SFAとの連携設定: API連携、データ項目のマッピング
- MQL定義の合意: マーケ・営業間で基準を明文化
- スコアリング運用の開始: まずはシンプルなルールから
- 効果測定の仕組み構築: 商談化率・受注率の計測
すべてを一度に行おうとするのではなく、優先度の高いものから段階的に進めることが、限られたリソースで成果を出すポイントです。
SFA連携とデータ整備がMA成果改善の土台
MA成果改善の核心は、SFA連携とデータ整備にあります。この土台が整っていなければ、どれだけ機能を活用しても成果は出ません。
SFA(Sales Force Automation) とは、営業活動を支援・自動化するシステムです。商談管理、顧客情報管理、売上予測などを行い、営業の効率化と可視化を実現します。
MA/SFA連携の成功事例として、ある企業ではMQL10倍以上、有効商談率1.35倍向上という成果が報告されています(ベル・データ株式会社の事例)。ただし、これは個別企業の成果であり、業界平均を代表するものではありません。効果は企業規模や運用体制により異なります。
SFA連携を成功させるためのポイントは以下のとおりです。
- データ項目の整理: MAとSFAで共通の項目定義を設ける
- 双方向の同期: MAからSFA、SFAからMAの両方向でデータを連携
- 商談結果の反映: 受注・失注結果をMAに戻し、スコアリング精度を向上
- 定期的なデータクレンジング: 重複・古いデータの定期削除
MA成果改善のためのデータ連携・体制整備チェックリスト
以下のチェックリストを活用して、自社の状況を点検してください。チェックが付かない項目は、改善の優先候補です。
【チェックリスト】MA成果改善のためのデータ連携・体制整備チェックリスト
- MAとSFAがAPI連携されている
- リードデータの重複排除を定期的に実施している
- MAとSFAで共通のリードステータス定義がある
- 商談結果(受注・失注)がMAに反映されている
- MQLの定義がマーケ・営業間で合意されている
- MQL基準が文書化され、関係者に共有されている
- リードスコアリングのルールが設定されている
- スコアリング基準を定期的に見直す仕組みがある
- MA運用の専任担当者(または主担当)がアサインされている
- マーケ・営業の定例ミーティングでリード状況を共有している
- 商談化率・受注率を計測・可視化している
- MA投資のROIを経営層に報告できる状態にある
- リードナーチャリングのシナリオが設計されている
- メール配信以外のMA機能(フォーム、LP等)を活用している
- 外部支援の活用を検討・実施している
まとめ:MA成果改善はデータ連携と体制構築から始める
本記事では、MAで成果が出ない原因と、改善のための具体的なステップを解説しました。
記事の要点
- MA成果不振の背景には、リソース不足・ノウハウ不足・体制未整備がある
- 機能設定の調整だけでは成果は出ない。土台となるSFA連携と体制構築が先決
- 優先順位は「顧客データ基盤→SFA連携→MQL定義合意→スコアリング運用→効果測定」の順
- MA/SFA連携で大きな成果向上が期待できるが、効果は運用体制次第
MAで成果が出ない根本原因は、ツールの機能や設定ではなく、SFAとのデータ連携整備とマーケ・営業の連携体制が構築されていないことにあり、この土台を整備することで成果につながる運用に転換できます。まずは本記事のチェックリストで自社の状況を点検し、データ連携と体制構築から取り組んでみてください。
