KPIを設定しただけで終わっていないか|レビューの形骸化という課題
意外かもしれませんが、KPIレビューを形骸化させずに成果につなげるには、MA/SFA連携によるデータの可視化と、マーケ・営業間の共通指標に基づく定期レビュー体制を整備することが重要であり、専門家の支援が有効です。
KPIを設定しているが、定期的なレビューが形骸化している。データが分散しておりKPIの達成状況を正確に把握できない。部門間でKPIの解釈にズレがあり、効果的な改善ができていない。そんな課題を抱えている企業は少なくありません。
2025年のBtoB企業経営者調査では、48.6%が「リードの質は理想通りに獲得できていない」と回答しており、2024年比で7.6ポイント増加しています(サンプルサイズn=52と小規模な調査ですが、BtoB経営者限定の調査です)。また、BtoBサービスサイト運用調査では約4割が自社サイト運用を「うまくいっていない」と回答しています。
KPIを設定して満足し、定期レビューを「振り返り会」程度に留めてしまう。データがExcelや各ツールに分散しており、正確なKPI達成状況を把握できないまま場当たり的な改善を繰り返すパターンは、成果につながりません。
この記事で分かること
- KPIレビューの目的と基本的な考え方
- レビュー頻度の目安(週次・月次・四半期)
- KPI未達時の原因分析と改善アプローチ
- KPIレビュー会議の進め方と成功のポイント
- MA/SFA連携によるKPIレビューの仕組み化
KPIレビューの目的と基本的な考え方
KPIレビューとは、設定したKPIの達成状況を定期的に検証し、施策や予算配分を最適化するプロセスです。単なる「振り返り会」ではなく、PDCAサイクルの核となる活動です。
KPIレビューが重要な理由は、市場環境や顧客行動は常に変化するためです。初期に設定したKPIが現状に適さなくなっていることもあり、定期的な見直しと改善が不可欠です。
KGI(Key Goal Indicator) は、最終的に達成すべきゴールを測る指標です。売上目標や受注数などがこれに当たります。KPIはKGI達成のための中間指標であり、両者の関係を明確にしておくことが重要です。
MQL(Marketing Qualified Lead) は、マーケティング活動で獲得し、一定条件を満たした見込み顧客のことです。SQL(Sales Qualified Lead) は、営業が商談化可能と判断したリードです。MQL→SQL→商談→受注のファネルを設計し、各段階のKPIを設定することが一般的です。
レビュー頻度の目安:週次・月次・四半期の使い分け
KPIレビューの頻度は、目的に応じて使い分けることが重要です。
- 週次レビュー: 進捗確認が主な目的。数値のトラッキングと異常値の早期発見に重点を置く
- 月次レビュー: 振り返りと分析が主な目的。未達原因の深掘りと改善策の検討を行う
- 四半期レビュー: KPI自体の見直しが主な目的。市場環境の変化や戦略変更に合わせてKPIを再設定する
報告時間を短くし、分析と意思決定に時間を割くのが成功企業の共通点です。
KPI未達時の原因分析と改善アプローチ
KPI未達時の原因を正しく分析することが、改善の第一歩です。2025年の調査では、KPI未達の原因として「施策がターゲットに刺さっていない」が38.5%で最多、「コンテンツの質が低い」28.8%(2024年比+11.7pt)、「リードのフォローアップが不十分」28.8%となっています(サンプルサイズn=52と小規模な調査です)。
課題解決のために実施していることは「ターゲットの見直し」36.6%、「データ分析の強化」24.7%、「コンテンツ/セミナーなどの内容見直し」22.6%と続いています(サンプルサイズn=93)。
【チェックリスト】KPI未達時の原因分析チェックリスト
- ターゲット定義は適切か(ペルソナ・業種・企業規模)
- 施策がターゲットの課題に合致しているか
- コンテンツの質と量は十分か
- リードへのフォローアップは適時に行われているか
- MQL定義とSQL定義は営業と合意されているか
- データの計測・集計方法に問題はないか
- 外部環境(競合・市場)の変化はないか
- リソース(人員・予算)は計画通りか
- ツール(MA/SFA)の設定に問題はないか
- 部門間の連携(マーケ・営業・IS)は機能しているか
よくある原因:ターゲット・コンテンツ・フォロー不足
KPI未達の主な原因は、以下の3つに分類されます。
- ターゲットの問題: 施策がターゲットに刺さっていない(38.5%)。ペルソナ設定の甘さや、ターゲット企業のニーズ把握不足が原因
- コンテンツの問題: コンテンツの質が低い(28.8%)。ターゲットの課題解決に直結しない内容や、差別化が不十分なコンテンツ
- フォローの問題: リードのフォローアップが不十分(28.8%)。MQL獲得後の営業連携や、ナーチャリングプロセスの未整備
KPIレビュー会議の進め方と成功のポイント
KPIレビュー会議を効果的に運営することで、データに基づいた意思決定が可能になります。商談化率とは、獲得したリードのうち、商談に至った割合です。BtoB広告経由では11〜20%がボリュームゾーンと言われています(2025年BtoBマーケター330名調査)。
最も重視される広告運用KPIの第1位は「CVR(コンバージョン率)」で28.7%です(2025年調査)。リード数だけでなく、商談化率・受注率までのファネル全体を見ることが重要です。
【テンプレート】KPIレビュー会議アジェンダテンプレート
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レビュー会議で陥りやすい失敗パターン
KPIレビュー会議でよくある失敗パターンを避けることが重要です。
- 振り返りだけで終わる: 原因分析や改善策の検討まで踏み込まず、数値報告だけで会議が終わってしまう
- データが分散している: ExcelやGoogleスプレッドシート、各種ツールに分散したデータを手動集計するため、正確な把握ができない
- 部門間でKPI解釈がズレている: マーケと営業でMQLの定義が異なる、商談化率の計算方法が違うなど、共通言語がない
これらの失敗パターンに陥らないためには、MA/SFA連携によるデータの一元化と、部門間での共通指標の設定が不可欠です。
MA/SFA連携によるKPIレビューの仕組み化
KPIレビューを属人的な活動から仕組み化された継続的改善サイクルに変えるには、MA/SFA連携が鍵となります。
MA/SFA連携のメリット:
- データの一元化により、正確なKPI達成状況を把握できる
- リアルタイムダッシュボードで、手動集計の工数を削減
- マーケ・営業間のデータ連携により、MQL→SQL→商談のファネルを可視化
マーケ・営業間のKPI連携のポイント
MQL→SQL→商談→受注のファネルを共通指標として設定することが重要です。
- MQL定義の統一: どの条件を満たしたリードをMQLとするか、マーケと営業で合意
- SQL定義の明確化: 営業が商談化可能と判断する基準を明確化
- 商談化率の計算方法統一: 分母・分子の定義を揃え、比較可能にする
- 定期レビューの制度化: 週次・月次でマーケ・営業合同のレビューを実施
自社での体制構築が難しい場合は、MA/SFA設定から運用体制整備まで一貫して支援できる専門家の活用が有効です。
まとめ|KPIレビューを成果につなげる仕組みづくり
KPIレビューを形骸化させずに成果につなげるには、MA/SFA連携によるデータの可視化と、マーケ・営業間の共通指標に基づく定期レビュー体制を整備することが重要です。
本記事のポイント
- KPIレビューは週次(進捗確認)・月次(分析)・四半期(KPI見直し)で使い分ける
- KPI未達の主な原因はターゲット・コンテンツ・フォロー不足の3つ
- レビュー会議では報告より分析・意思決定に時間を割く
- MA/SFA連携によりデータを一元化し、手動集計を削減する
- マーケ・営業間で共通指標(MQL/SQL定義、商談化率計算)を設定する
チェックリストとテンプレートを活用し、自社のKPIレビュー体制を見直してみてください。
