IT営業成果最大化|プロセス設計とMA/SFA実装ガイド

著者: B2Bデジタルプロダクト実践ガイド編集部公開日: 2026/1/714分で読めます

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IT営業の成果は営業スキルだけでは決まらない|プロセス設計の重要性

多くの方が悩むIT営業の成果最大化。結論は、IT営業の成果は、営業担当者のスキルだけでなく、リード獲得からクロージングまでの営業プロセスとMA/SFA実装を整備することで組織的に最大化されるのです。

IT業界は日本全体の約6%を占める成長産業で、営業系人材比率も35.2%と高く(2023年時点、全業種平均12.8%を上回る)、IT営業の重要性はますます高まる見込みでています。しかし、多くの企業では、営業担当者のスキルや経験だけに依存し、営業プロセスの設計やMA/SFA実装を後回しにしてしまい、結果的に営業活動が属人化し、リードナーチャリングが不十分で商談化率が低いまま終わってしまうという失敗パターンに陥っています。

この記事で分かること

  • IT営業の定義と主な種類(SIer営業、SaaS営業)
  • IT営業に必要なスキルと成果を出すための要素
  • 営業プロセスの設計方法(リード獲得→ナーチャリング→クロージング)
  • MA/SFA実装による営業効率化の具体的手順
  • IT営業プロセス設計チェックリストとMA/SFA連携フロー図(即座に実行可能)

本記事では、IT営業の成果を組織的に最大化する営業プロセス設計とMA/SFA実装の方法を解説し、読者が自社の営業活動を仕組み化できる実践型ガイドを提供します。

IT営業とは|定義と主な種類・分類

IT営業とは、IT製品やサービス(ソフトウェア、システム、クラウドサービス等)を企業や官公庁に提案・販売する営業職です。IT営業には、SIer営業やSaaS営業などの種類があり、それぞれ営業スタイルや求められるスキルが異なります。

IT営業は、顧客の業務課題をヒアリングし、IT製品やサービスで解決策を提案する役割を担います。単に製品を販売するのではなく、顧客のビジネス成果に貢献することが求められるため、技術知識だけでなく、課題解決力やコンサルティングスキルも重要です。

SIer営業の特徴

SIer営業とは、システムインテグレーター(SI)企業で、顧客の業務課題をヒアリングしシステム開発・導入を提案する営業職です。

SIer営業では、顧客の業務プロセスを深く理解し、最適なシステム構成を提案することが求められます。プロジェクトの規模が大きく、複数の関係者(顧客、開発チーム、パートナー企業等)を調整しながら進める長期的なプロジェクト管理能力が必要です。また、システム開発には数ヶ月から数年の期間がかかるため、顧客との信頼関係を構築し、継続的にフォローアップする姿勢が重要です。

SaaS営業の特徴

SaaS営業とは、Software as a Service(SaaS)製品を法人顧客に提案・販売する営業職で、サブスクリプションモデルが主流です。

SaaS営業では、月額または年額のサブスクリプション契約で継続的な収益を確保するため、新規獲得だけでなく既存顧客の満足度向上と解約防止(チャーン対策)が重要になります。製品のトライアルやデモを通じて顧客に価値を実感してもらい、導入後も活用状況をモニタリングしながらアップセル・クロスセルを提案するなど、顧客ライフサイクル全体での関係構築が求められます。

IT営業に必要なスキルと成果を出すための要素

IT営業に必要なスキルは、技術知識、課題ヒアリング力、提案力が主要なものです。しかし、B2B営業の平均成約率は約20%(2024年第4四半期時点、商談→成約段階で17〜20%)であり、営業スキルだけでは限界があることが分かります。

IT営業で成果を出すには、以下のスキルが求められます。

技術知識: 自社製品の機能や技術的な仕様を理解し、顧客の質問に答えられることが前提です。ただし、深い技術知識よりも、顧客の業務課題と自社製品を結びつける能力が重要です。

課題ヒアリング力: 顧客の表面的なニーズだけでなく、潜在的な課題を引き出すヒアリング力が不可欠です。「何に困っているか」だけでなく「なぜその課題が発生しているか」「解決できればどんな効果があるか」を深掘りすることで、提案の精度が高まります。

提案力: 顧客の課題に対して、自社製品でどのように解決できるかを論理的かつ具体的に提案する力が求められます。提案資料や見積りの作成スキルも含まれます。

しかし、これらのスキルを持つ営業担当者がいても、営業プロセスが属人化していると、成約率は平均20%程度に留まります。さらに、IT導入プロジェクトの失敗率は約70%(期待成果未達、2025年版)という調査結果もあり、営業段階での要件定義の不十分さや、営業・マーケティング・開発の連携不足が主な原因とされています。

つまり、IT営業の成果を最大化するには、営業担当者のスキル向上だけでなく、営業プロセスの設計とMA/SFA実装による仕組み化が不可欠なのです。

営業プロセスの設計方法|リード獲得→ナーチャリング→クロージング

営業プロセスを設計するには、リード獲得、リードナーチャリング、クロージングの3ステップに分解し、各ステップでの具体的なアクションとKPIを明確にすることが重要です。

営業プロセスの設計により、営業活動の属人化を防ぎ、組織全体で成果を最大化できます。各ステップでのプロセス設計のポイントを以下で解説します。

リード獲得のプロセス設計

リード獲得のプロセス設計では、どのチャネルを使ってどのようにリードを獲得するかを明確にします。

主なリード獲得チャネルとしては、以下があります。

  • 広告(Web広告、SNS広告): ターゲット企業に短期間でリーチできますが、コストがかかります。広告クリック率やコンバージョン率をKPIに設定し、効果測定を行います。
  • オウンドメディア(ブログ、ホワイトペーパー): SEO対策を施したコンテンツで中長期的にリードを獲得できます。記事のPV数やダウンロード数をKPIに設定します。
  • セミナー・ウェビナー: 見込み顧客と直接対話できる機会で、質の高いリードを獲得できます。参加者数や商談化率をKPIに設定します。

各チャネルの特性を理解し、自社の製品・サービスに適したチャネルミックスを設計することが重要です。

リードナーチャリング(MQL→SQL転換)

MQL(マーケティング適格リード) とは、マーケティング活動により獲得したリードのうち、一定の購買意欲や条件を満たし営業に引き渡す価値があると判断されたリードです。SQL(営業適格リード) とは、MQLの中から営業部門が評価し、具体的な商談に進める価値があると判断したリードです。

MQLからSQLへの転換率は40〜60%が目安とされています(2024年時点)。この転換率を高めるために、リードスコアリングやナーチャリングシナリオの設計が重要です。

リードスコアリング: リードの行動(Webサイト訪問、資料ダウンロード、メール開封等)や属性(企業規模、役職等)に基づいてスコアを付与し、購買意欲の高いリードを優先的に営業に引き渡す仕組みです。

ナーチャリングシナリオ: リードの購買ステージに応じて、適切なコンテンツを自動配信する仕組みです。例えば、初期段階のリードには業界動向や課題解決のヒント、検討段階のリードには製品比較や導入事例、最終段階のリードには価格情報やトライアル案内を配信します。

営業への引き渡し基準も明確にし、「スコアが一定以上」「特定のアクション(問い合わせフォーム送信等)を実行」などの条件を設定します。

クロージングのプロセス設計

クロージングのプロセス設計では、商談から成約までの流れを標準化し、営業担当者がどのタイミングで何を行うかを明確にします。

商談管理の標準化: 提案資料の作成、デモの実施、見積り提示のタイミングを標準化します。商談ステージ(初回訪問、提案、見積り提示、クロージング等)ごとにやるべきことをチェックリスト化し、営業担当者が迷わず進められるようにします。

受注後のフォローアップ: 受注後も、導入支援や活用状況のモニタリングを行い、顧客満足度を高めます。SaaS営業では、解約防止(チャーン対策)が重要なため、定期的なフォローアップを営業プロセスに組み込みます。

以下は、IT営業プロセス設計のチェックリストです。

【チェックリスト】IT営業プロセス設計チェックリスト

  • リード獲得チャネルの選定と優先順位付け
  • 各チャネルのKPI設定(広告: クリック率・CV率、オウンドメディア: PV数・DL数、セミナー: 参加者数・商談化率)
  • リードスコアリングルールの策定(行動スコア・属性スコア)
  • MQLの定義と基準の明確化
  • ナーチャリングシナリオの設計(購買ステージ別コンテンツ配信)
  • SQLへの引き渡し基準の設定
  • 営業部門との連携体制構築(引き渡しタイミング・フォーマット)
  • 商談ステージの定義(初回訪問、ヒアリング、提案、見積り提示、クロージング)
  • 各ステージでのアクションチェックリスト作成
  • 提案資料テンプレートの作成
  • デモ実施手順の標準化
  • 見積り作成プロセスの標準化
  • クロージング時のトークスクリプト整備
  • 受注後フォローアップ計画の策定
  • 顧客満足度調査の実施タイミング設定
  • 解約防止(チャーン対策)施策の設計
  • アップセル・クロスセル提案のタイミング設定
  • 営業プロセス全体のKPI設定(リード獲得数、MQL→SQL転換率、商談化率、成約率)
  • 営業プロセスの定期的な見直しとPDCAサイクル構築
  • 営業担当者向けトレーニング資料の作成

MA/SFA実装による営業効率化の具体的手順

MA/SFA実装による営業効率化は、リード獲得からスコアリング、営業引き渡し、商談管理までを自動化・可視化することで実現されます。営業目標達成率は43%(2024年第4四半期)ですが、セルフサービスツール活用チームは47%高い達成率を記録しており、MA/SFAツールの活用が成果向上に寄与することが分かります。

MA(マーケティングオートメーション)は、リード獲得、リードスコアリング、ナーチャリングを自動化するツールです。SFA(セールスフォースオートメーション)は、商談管理、顧客情報管理、営業活動の可視化を支援するツールです。これらを連携させることで、マーケティングから営業への引き渡しがスムーズになり、営業活動全体の効率が向上します。

MA/SFA連携の具体的手順

MA/SFA連携を実装するには、以下の手順で進めます。

ステップ1: リード獲得とデータ収集: WebフォームやLP(ランディングページ)からリード情報を自動でMAツールに取り込みます。名前、企業名、メールアドレス、役職などの基本情報に加え、どのページを訪問したか、どの資料をダウンロードしたかなどの行動データも収集します。

ステップ2: リードスコアリング: MAツールで、リードの行動や属性に基づいてスコアを自動付与します。例えば、「価格ページ訪問: +10点」「資料ダウンロード: +20点」「役職が部長以上: +15点」などのルールを設定します。

ステップ3: MQL判定と営業引き渡し: スコアが一定以上(例: 50点以上)に達したリードを自動でMQLと判定し、SFAツールに引き渡します。営業担当者には通知が送られ、すぐにフォローアップできる体制を整えます。

ステップ4: 商談管理と進捗可視化: SFAツールで、商談ステージ、予想受注額、受注予定日などを管理します。営業担当者の活動状況や商談の進捗をリアルタイムで可視化し、マネージャーが適切なサポートを提供できるようにします。

ステップ5: データ連携の設定: MAとSFA間のデータ連携を設定します。多くのツールはAPI連携が可能で、リード情報や商談情報を双方向で同期できます。データの整合性を保つため、定期的な確認と調整が必要です。

ステップ6: 営業とマーケティングの連携体制構築: MAとSFAの運用ルールを明確にし、営業部門とマーケティング部門が定期的にミーティングを行い、リードの質や引き渡し基準を見直します。

以下は、MA/SFA連携のフロー図です。

【フロー図】MA/SFA連携フロー(リード獲得→商談化)

flowchart TD
    A[リード獲得: Webフォーム・LP] --> B[MAツールにデータ自動取り込み]
    B --> C[行動・属性データ収集]
    C --> D[リードスコアリング: 自動スコア付与]
    D --> E{スコア判定}
    E -->|50点以上| F[MQL判定]
    E -->|50点未満| G[ナーチャリング継続]
    F --> H[SFAツールに自動引き渡し]
    H --> I[営業担当者に通知]
    I --> J[営業フォローアップ]
    J --> K[商談管理: SFAでステージ・金額・予定日管理]
    K --> L[商談進捗可視化]
    L --> M{成約判定}
    M -->|成約| N[受注後フォローアップ]
    M -->|失注| O[失注理由分析・ナーチャリング再開]
    G --> C
    O --> G

営業効率化の効果と導入時の注意点

MA/SFA実装による営業効率化の効果は、営業目標達成率の向上として現れます。セルフサービスツール活用チームは営業目標達成率が47%高いというデータ(2024年第4四半期)があり、適切に実装することで成果につながることが期待できます。

しかし、導入時には以下の点に注意が必要です。

運用体制構築が成功の鍵: 高機能なツールを導入しても、運用体制が整っていなければ成果は出ません。誰がどのデータを入力するか、誰が定期的にデータを確認するか、誰が改善策を提案するかなど、役割分担を明確にします。

データ蓄積とPDCAサイクル: MAとSFAの効果を最大化するには、一定期間データを蓄積し、そのデータを基に改善策を実行するPDCAサイクルが不可欠です。導入後すぐに成果が出るとは限らないため、中長期的な視点で取り組むことが重要です。

段階的な導入: 全ての機能を一度に導入すると、現場が混乱する可能性があります。まずはリード獲得とスコアリングから始め、徐々にナーチャリングシナリオや商談管理機能を追加していく段階的なアプローチが推奨されます。

まとめ|IT営業の成果は営業プロセスとMA/SFA実装で最大化される

IT営業の成果は、営業担当者のスキルだけでなく、リード獲得からクロージングまでの営業プロセスとMA/SFA実装を整備することで組織的に最大化されます。

本記事では、以下の要点を解説しました。

  • IT営業の定義と主な種類(SIer営業、SaaS営業)
  • IT営業に必要なスキルと、営業スキルだけでは成約率20%程度に留まる現実
  • 営業プロセスの設計方法(リード獲得→ナーチャリング→クロージング)と、MQL→SQL転換率40〜60%を目標としたプロセス設計の重要性
  • MA/SFA実装による営業効率化の具体的手順と、セルフサービスツール活用チームの営業目標達成率が47%高いという効果
  • IT営業プロセス設計チェックリストとMA/SFA連携フロー図

営業担当者のスキルや経験だけで成果が決まると考え、営業プロセスの設計やMA/SFA実装を後回しにすると、営業活動が属人化し、リードナーチャリングが不十分で商談化率が低いまま終わってしまいます。これを避けるためには、営業プロセスを設計し、MA/SFA実装で営業活動を仕組み化することが不可欠です。

次のアクションとして、自社の営業プロセスを見直し、IT営業プロセス設計チェックリストを活用して現状を診断してください。そして、MA/SFA実装を検討し、段階的に導入を進めることで、営業活動の効率化と成果の最大化を実現してください。

「記事は出してるのに商談につながらない」を解決する。
御社を理解して書くから、刺さる。この記事はMediaSprintで作成しました。

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よくある質問

Q1IT営業に必要なスキルは何ですか?

A1IT営業に必要なスキルは、技術知識、課題ヒアリング力、提案力が主要なものです。ただし、営業スキルだけでは成約率は平均20%程度(2024年第4四半期時点、商談→成約段階で17〜20%)に留まります。IT営業の成果を最大化するには、営業プロセス設計とMA/SFA実装による仕組み化が不可欠です。

Q2B2B営業の平均成約率はどれくらいですか?

A2B2B営業の平均成約率は約20%です(2024年第4四半期時点、商談→成約段階で17〜20%)。営業プロセスの設計とMA/SFA活用により、成約率の向上が期待できます。リードナーチャリングのプロセス設計やリードスコアリングの実装が、成約率向上の鍵となります。

Q3MQLからSQLへの転換率の目安は?

A3MQL(マーケティング適格リード)からSQL(営業適格リード)への転換率は40〜60%が目安とされています(2024年時点)。リードスコアリングやナーチャリングシナリオの設計により、この転換率を高めることができます。営業への引き渡し基準を明確にし、質の高いリードを営業に引き渡すことが重要です。

Q4MA/SFAツール活用で営業成果は向上しますか?

A4MA/SFAツール活用により、営業成果の向上が期待できます。セルフサービスツール活用チームは営業目標達成率が47%高いというデータがあります(2024年第4四半期)。ただし、ツールを導入するだけでなく、運用体制構築とデータ蓄積、PDCAサイクルの実行が成功の鍵となります。

Q5IT導入プロジェクトの失敗率が高い理由は?

A5IT導入プロジェクトの失敗率は約70%(期待成果未達、2025年版)とされています。主な原因は、要件定義の不十分さや営業・マーケティング・開発の連携不足です。営業段階で顧客の課題を正確にヒアリングし、明確な要件定義を行うこと、そして営業プロセスを設計して各部門の連携を強化することで、失敗率を低減できます。

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B2Bデジタルプロダクト実践ガイド編集部

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