IS組織立ち上げで失敗する企業の共通課題
IS組織立ち上げで成功するには、体制設計とKPI設定だけでなく、MA/SFA実装とカスタムツール開発まで完了させることで実現します。
この記事で分かること
- IS組織立ち上げの具体的な手順(体制設計・ツール選定・人材配置・運用開始)
- インサイドセールスとテレアポの違いとアポ率の比較データ
- MA/SFA実装とカスタムツール開発の実践ステップ
- 内製・外注・ハイブリッドの判断基準と体制比較表
- コピペで使えるIS組織立ち上げ準備チェックリスト
インサイドセールスとは、訪問営業を行わずオフィス内(電話・メール・Web)を活用して見込み客を育成・商談化する営業手法です。BtoB企業において、リード獲得後の資格確認やニーズヒアリング、商談設定を担う重要な役割を果たします。
しかし、多くの企業がIS組織立ち上げで失敗する共通の課題があります。それは、立ち上げ計画を策定し、人員をアサインすればIS組織は機能すると考え、MA/SFAの具体的な設定やカスタムツール開発を後回しにして、結果的に業務が属人化・非効率化してしまうという失敗パターンです。
経済産業省の調査によると、DX関連取り組みの成功率は約3割にとどまり、日本企業DX失敗の70%が戦略不明確であることが指摘されています。IS組織立ち上げも同様で、体制設計だけでは不十分です。MA/SFA実装とカスタムツール開発まで完了させることが成功の鍵となります。
本記事では、IS組織立ち上げの具体的な手順を解説し、コピペで使える「IS組織立ち上げ準備チェックリスト」と「IS立ち上げ体制パターン比較表」を提供します。
インサイドセールスとは何か|テレアポとの違いと役割
インサイドセールスは、BtoB企業の営業効率を大幅に向上させる手法として注目されています。BtoBテレアポの平均アポ率が0.5%~3%であるのに対し、インサイドセールスのアポ率は5%~15%と、テレアポ比で3~5倍の効率性を持つことが報告されています(業界やターゲットにより変動します)。
ただし、インサイドセールスとテレアポは異なる手法です。「テレアポ=インサイドセールス」という誤解がありますが、インサイドセールスは中温~高温リード(接点あり)を対象にメール・電話で育成する手法で、コールド中心のテレアポとは役割が異なります。
インサイドセールスの定義と役割
インサイドセールスとは、訪問営業を行わずオフィス内(電話・メール・Web)を活用して見込み客を育成・商談化する営業手法です。リードクオリフィケーション(リード獲得後の資格確認。見込み客の購買意欲や予算・決裁権を確認するプロセス)を通じて、見込み客の購買意欲や予算・決裁権を確認し、商談化の可能性を判断します。
BtoB企業におけるインサイドセールスの役割は以下の通りです:
- リード獲得後の資格確認:マーケティング活動で獲得したリードの質を評価し、商談化の優先順位を決定
- ニーズヒアリング:顧客の課題や要望を詳しく聞き出し、最適なソリューションを提案
- 商談設定:購買意欲の高いリードをフィールドセールス(訪問営業。顧客先を訪問して商談・契約を行う営業手法)に引き継ぎ、商談を設定
インサイドセールスは、マーケティングとフィールドセールスの橋渡しを担い、営業プロセス全体の効率化を実現します。
テレアポとの違い|アポ率の比較
テレアポ(アウトバウンドコール) とは、コールドコール中心で未接触の見込み客に電話し、アポ獲得を目指す営業手法です。インサイドセールスとテレアポの最大の違いは、対象とするリードの温度感とアプローチ方法にあります。
アポ率のデータで比較すると、以下の通りです:
- BtoBテレアポ平均アポ率:0.5%~3%(2025年データ)
- インサイドセールスのアポ率:5%~15%(業界/ターゲット依存、2025年データ)
- 初心者のテレアポアポ率:0.3%~0.5%、上級者で5%超
- 事前接点(セミナー/問い合わせ)企業へのテレアポ:アポ率5~10%(コールド比5倍)
インサイドセールスは、事前接点があるリード(セミナー参加者、問い合わせ企業など)を対象とするため、テレアポ比で3~5倍の効率性を持ちます。ただし、これらのアポ率は業界やターゲット、リスト品質により大きく変動するため、自社での実測が重要です。
都市部と地方でもアポ率に差があり、都市部BtoBでは1~3%、地方では3~7%という傾向が見られます(2025年データ)。
IS組織立ち上げ手順と準備チェックリスト
IS組織立ち上げの具体的な手順は、体制設計、ツール選定、人材配置、運用開始の4ステップで構成されます。経済産業省の調査によると、DX関連取り組みの成功率は約3割にとどまり、日本企業DX失敗の70%が戦略不明確であることが示されています。IS組織立ち上げにおいても、明確な戦略と実装計画が不可欠です。
成功事例として、I-neでは採用・育成仕組みを徹底することでヒット率が30%向上し、上場を達成しています(2020年)。この事例から、採用基準統一と教育体制整備の重要性がわかります。
【チェックリスト】IS組織立ち上げ準備チェックリスト(体制・ツール・運用の3軸)
以下のチェックリストを活用して、IS組織立ち上げの準備状況を確認してください。
- 体制設計:IS組織の役割と責任範囲を明確化
- 体制設計:必要なスキル要件(リードクオリフィケーション、ニーズヒアリング、商談設定、MA/CRMツール操作)を定義
- 体制設計:人員数の目安を企業規模に応じて設定
- 体制設計:マーケティング・IS・フィールドセールスの連携フローを設計
- 体制設計:KPI(アポ率、商談化率、受注率等)を設定
- ツール選定:MA/CRMツールの要件定義を完了
- ツール選定:複数ツールの比較検討を実施
- ツール選定:PoC(実証実験)で小規模検証を実施
- ツール選定:リード管理機能、営業連携機能、カスタマイズ性を評価
- ツール選定:MA/SFA実装の具体的な設定計画を策定
- 人材配置:採用基準を統一(スキル要件、経験、コミュニケーション能力等)
- 人材配置:教育体制を整備(オンボーディング、ロールプレイ、継続研修等)
- 人材配置:セールスイネーブルメント連携を確立
- 人材配置:外部アドバイザー活用を検討(失敗率低減のため)
- 運用開始:リードスコアリング設定を完了
- 運用開始:ワークフロー設計を完了
- 運用開始:営業連携設定を完了
- 運用開始:カスタムツール開発計画を策定(業務最適化ツール、レポーティングダッシュボード等)
- 運用開始:定期レビュー会議の設定(週次/月次)
- 運用開始:KPIダッシュボードの構築
体制設計|必要なスキルと人員数
IS組織に必要なスキル要件は、以下の通りです:
- リードクオリフィケーション:リード獲得後の資格確認。見込み客の購買意欲や予算・決裁権を確認するスキル
- ニーズヒアリング:顧客の課題や要望を引き出すヒアリング力
- 商談設定:購買意欲の高いリードをフィールドセールスに引き継ぎ、商談を設定するスキル
- MA/CRMツール操作:マーケティングオートメーション(MA)とCRM(顧客関係管理)ツールを活用したリード管理・育成の自動化スキル
人員数の目安は企業規模や運用範囲により異なりますが、以下のような例が考えられます:
(例)従業員100名のBtoB企業の場合
- IS担当者:2-3名
- マネージャー:1名
- 前提条件:月間リード獲得数100件、商談化率10%を想定
この例はあくまで仮定条件に基づくものであり、業種や企業規模により大きく変動します。自社の営業プロセスとリード数に応じて調整が必要です。
ツール選定|MA/CRMとPoCの進め方
MA/CRMとは、MA(マーケティングオートメーション)とCRM(顧客関係管理)ツールです。リード管理・育成を自動化し、営業効率を向上させます。ツール選定では、以下のポイントを重視してください:
- リード管理機能:リードのステータス管理、スコアリング、セグメント分けが可能か
- 営業連携機能:フィールドセールスへのリード引き継ぎがスムーズか
- カスタマイズ性:自社の業務プロセスに合わせてカスタマイズできるか
PoC(実証実験) とは、新システム・ツール導入前に小規模で検証し、実現可能性を確認する実験です。PoC先行で小規模検証を行うことで、リスクを抑えて導入できます。
PoCの進め方:
- 要件定義:ツールに求める機能を明確化
- ツール選定:複数ツールを比較検討
- 小規模検証:一部のリードでツールを試験運用
- 効果測定:アポ率、商談化率などのKPIを測定
- 本格導入判断:PoC結果をもとに本格導入を決定
2025年時点で、MA/CRMツール導入が標準化しており、IS組織立ち上げには不可欠な要素となっています。
人材配置と教育体制の整備
採用基準統一と教育体制整備は、IS組織立ち上げの成功に不可欠です。I-neの事例では、採用・育成仕組みを徹底することでヒット率が30%向上し、上場を達成しています(2020年)。
セールスイネーブルメントとは、営業組織の生産性向上を支援する活動です。ツール・教育・プロセス整備を含み、IS組織の立ち上げにおいても重要な役割を果たします。
採用基準の統一:
- スキル要件(リードクオリフィケーション、ニーズヒアリング等)を明確化
- 経験年数やコミュニケーション能力の基準を設定
- 面接プロセスを標準化し、評価のばらつきを防ぐ
教育体制の整備:
- オンボーディングプログラムを用意(入社後1ヶ月の研修)
- ロールプレイで実践的なスキルを習得
- 継続研修で最新のツールや手法を学ぶ
セールスイネーブルメント連携から開始し、失敗率低減へ外部支援活用を検討することも推奨されます。2025年時点で、外部アドバイザー活用でデータ整備・組織営業力強化する企業が増加しています。
MA/SFA実装とカスタムツール開発の実践
IS組織立ち上げにおいて、MA/SFA実装とカスタムツール開発は最も重要なステップです。「ITツール導入で自動的に効率化する」という誤解がありますが、部署バラバラにツール導入しても効率化せず停滞します。業務プロセス整備とセットで導入が必要です。
MA/SFA設定の具体的ステップは、リードスコアリング設定、ワークフロー設計、営業連携設定の3つに分かれます。さらに、既存ツールだけでなく、業務に最適化したカスタムツール開発を行うことで、IS組織が実際に機能します。
2025年時点で、自社開発検討(陣屋コネクト等の事例)が増加しており、既存ツール導入だけでなく、業務に最適化したシステム開発を行う企業が出現しています。
MA/SFA設定の具体的ステップ
MA/SFAツールの設定手順は、以下の3ステップです:
1. リードスコアリング設定
リードスコアリングは、リードの購買意欲を点数化し、優先度を判定する仕組みです。行動スコア(メール開封、資料DL等)と属性スコア(役職、業種等)を組み合わせて総合スコアを算出します。
設定例:
- メール開封:+1点
- 資料ダウンロード:+5点
- ウェビナー参加:+10点
- 決裁権あり:+10点
- 予算確保済み:+10点
総合スコアが一定値(例:50点)を超えたリードを高優先度として、IS担当者が架電します。
2. ワークフロー設計
ワークフロー設計では、リード育成フローと商談化フローを自動化します。例えば、以下のようなワークフローを設定します:
- リード獲得後、ウェルカムメールを自動送信
- スコアが50点を超えたら、IS担当者に通知
- IS担当者が架電し、商談化可能と判断したら、フィールドセールスに引き継ぎ
- 商談化できなかったリードは、育成フローに戻す
3. 営業連携設定
SFAツールとのデータ連携と、商談引き継ぎルールを設定します。IS組織がリードをフィールドセールスに引き継ぐ際、以下の情報を共有します:
- リードの基本情報(会社名、役職、連絡先等)
- ニーズヒアリング結果(課題、要望、予算、導入時期等)
- リードスコア(購買意欲の高さ)
- 過去のコミュニケーション履歴
これらの設定により、マーケティング→IS→フィールドセールスの一気通貫の営業プロセスが実現します。
カスタムツール開発による業務効率化
一般的なコンサルが「戦略レポート提出」で終わるのに対し、MA/SFA設定からカスタムツール開発まで「動くもの」を実装・納品する視点が重要です。既存ツールだけでは対応できない業務に対し、カスタムツールを開発することで、IS組織の生産性を大幅に向上させることができます。
カスタムツール開発の例:
- 自動化スクリプト:定型作業(リスト抽出、メール送信等)を自動化
- レポーティングダッシュボード:KPI(アポ率、商談化率、受注率等)をリアルタイムで可視化
- API連携ツール:MA/CRMと他システム(会計、在庫管理等)を連携し、データを一元管理
36名組織統括経験を活かした人材マネジメントとBPR(業務プロセス改革)視点で、業務に最適化したツールを開発することで、IS組織が実際に機能します。
内製・外注・ハイブリッドの判断基準と体制比較
IS組織立ち上げの体制パターンは、内製、外注、ハイブリッドの3つに分かれます。日本企業DX失敗の70%が戦略不明確であることを踏まえ、自社のリソース(人員・時間)、ノウハウ、予算、スピード感に応じて最適な体制を選択することが重要です。
【比較表】IS立ち上げ体制パターン比較表(内製 vs 外注 vs ハイブリッド)
| 項目 | 内製 | 外注 | ハイブリッド |
|---|---|---|---|
| 初期コスト | 低い(人件費のみ) | 高い(コンサル費用) | 中程度 |
| 立ち上げ期間 | 長い(3-6ヶ月程度) | 短い(1-3ヶ月程度) | 中程度(2-4ヶ月程度) |
| ノウハウ蓄積 | 高い(社内に蓄積) | 低い(外部依存) | 中程度(段階的に内製化) |
| 柔軟性 | 高い(自由に変更可) | 低い(契約範囲内) | 中程度 |
| リスク | ノウハウ不足リスク | コスト高リスク | バランス型 |
| 適合企業 | ノウハウあり、時間確保可 | スピード重視、予算あり | 初期は外注、運用定着後は内製化 |
内製のメリット・デメリット
内製でIS組織を立ち上げる場合のメリットは、以下の通りです:
- 社内ノウハウ蓄積:IS組織運用のノウハウが社内に蓄積され、長期的な競争力向上につながる
- 柔軟な運用変更:自社の業務プロセスに合わせて、柔軟にIS組織の運用を変更できる
- 低初期コスト:外部コンサルを使わないため、初期コストを抑えられる
デメリットは、以下の通りです:
- 立ち上げに時間がかかる:ノウハウがない状態から始めるため、立ち上げに時間がかかる
- ノウハウ不足リスク:IS組織運用のノウハウが不足し、失敗する可能性がある
外注のメリット・デメリット
外注でIS組織を立ち上げる場合のメリットは、以下の通りです:
- 専門家のノウハウ活用:IS組織立ち上げの経験豊富な専門家のノウハウを活用できる
- スピーディーな立ち上げ:短期間でIS組織を立ち上げることができる
デメリットは、以下の通りです:
- コスト:外部コンサル費用が高額になる可能性がある
- 社内ノウハウ蓄積が進まない:外部依存のため、社内にノウハウが蓄積されにくい
ハイブリッド型の実践例
ハイブリッド型は、内製と外注を組み合わせた体制パターンです。初期立ち上げは外注し、運用定着後は内製化するアプローチが推奨されます。
ハイブリッド型の実践例:
- 初期立ち上げ(1-3ヶ月):外部コンサルに依頼し、体制設計、ツール選定、MA/SFA実装を完了
- 運用開始(3-6ヶ月):外部コンサルのサポートを受けながら、社内メンバーが実際にIS業務を遂行
- 内製化(6ヶ月以降):社内メンバーが独力でIS組織を運用できるようになったら、外部コンサルのサポートを終了
このアプローチにより、スピーディーな立ち上げと社内ノウハウ蓄積の両立が可能になります。36名組織統括経験を活かした人材マネジメントとBPR視点で、外部アドバイザー活用でデータ整備・組織営業力強化を進めることが推奨されます。
まとめ|IS組織立ち上げ成功のポイント
IS組織立ち上げの成功は、体制設計とKPI設定だけでなく、MA/SFA実装とカスタムツール開発まで完了させることで実現します。
本記事の要点を整理すると、以下の通りです:
- インサイドセールスとテレアポの違いを理解する:インサイドセールスのアポ率は5%~15%で、テレアポの0.5%~3%に比べて3~5倍効率的です
- IS組織立ち上げの4ステップを実行する:体制設計、ツール選定、人材配置、運用開始の順に進める
- MA/SFA実装とカスタムツール開発を完了させる:リードスコアリング設定、ワークフロー設計、営業連携設定を行い、業務に最適化したカスタムツールを開発する
- 内製・外注・ハイブリッドの判断基準を理解する:リソース(人員・時間)、ノウハウ、予算、スピード感により最適な体制を選択する
次のアクションとして、本記事で提供したIS組織立ち上げ準備チェックリストとIS立ち上げ体制パターン比較表を活用して、自社のIS組織立ち上げを即座に実行してください。立ち上げ計画を策定するだけでなく、MA/SFA実装とカスタムツール開発まで完了させることで、実際に機能するIS組織を構築できます。
