HubSpotメール機能を「連携して終わり」にしていませんか
意外かもしれませんが、HubSpotメールは種類と目的を理解し、営業プロセスに組み込む設計をすることで、トラッキングデータをフォローアップアクションにつなげ営業成果を最大化できます。
この記事で分かること
- HubSpotメールの種類(セールスメール・マーケティングメール・シーケンス)の違いと使い分け
- Gmail/Outlook連携の設定方法と活用ポイント
- メールトラッキング機能を営業アクションにつなげる方法
- マーケティングメール作成の基本手順と導入前チェックリスト
営業担当者の33.09%が1日の時間を「顧客との商談・電話・メールコミュニケーション」に費やし、21.17%が「商談準備・フォローアップ」に費やしているという調査結果があります(HubSpot調査2024年)。また、ビジネスパーソンは1日平均81分をメール作成に費やしているとも言われています(日本ビジネスメール協会「ビジネスメール実態調査2021」)。
メール業務は営業活動の中で大きな比重を占めています。しかし、HubSpotメール機能を「とりあえず連携」して放置し、トラッキングデータを見るだけで営業アクションに活かせていない——これはよくある失敗パターンです。本記事では、HubSpotメールの種類と機能を理解し、営業成果につなげる実装設計の方法を解説します。
HubSpotメールの種類と基本機能を理解する
HubSpotのメール機能は、セールスメール・マーケティングメール・シーケンスの3種類に大別されます。それぞれの目的と使い方を理解することが、効果的なメール運用の第一歩です。
MAツール国内シェアでHubSpot Marketing Hubは20.3%(2位)を占めています(Mazrica調べ2026年)。多くの企業が導入しているHubSpotですが、メール機能を使いこなせている企業は限られているのが実情です。
セールスメールとマーケティングメールの違い
セールスメールとは、営業担当者が個別の見込み客に送信する1対1のパーソナライズされたメールです。
マーケティングメールとは、リードナーチャリングやプロモーション目的で一括または自動配信するメールです。
| 比較項目 | セールスメール | マーケティングメール |
|---|---|---|
| 配信対象 | 1対1(個別の見込み客) | 1対多(セグメント単位) |
| 送信者 | 営業担当者 | マーケティング部門 |
| 目的 | 商談獲得・フォローアップ | リード育成・一斉告知 |
| パーソナライズ | 高(個別メッセージ) | 中(トークン活用) |
| 利用Hub | Sales Hub | Marketing Hub |
シーケンスとワークフローの使い分け
メールシーケンスとは、設定したトリガーやスケジュールに基づき自動で連続送信されるメールの組み合わせです。
シーケンスは営業向けの機能で、個別のコンタクトに対してフォローアップメールを自動化します。一方、ワークフローはマーケティング向けの機能で、特定の条件に合致したリード群に対してメールを自動配信します。
- シーケンス: Sales Hubの機能。営業担当者が個別にフォローアップを自動化
- ワークフロー: Marketing Hubの機能。リストやセグメント単位で自動配信
Gmail/Outlook連携の設定方法と活用ポイント
HubSpotは、GmailやOutlookとの連携により、日常のメール業務をCRMと統合できます。連携設定を行うことで、送受信メールの自動記録やトラッキング機能を活用できるようになります。
※Gmail/Outlook連携手順はUIアップデートで変わる可能性があります。最新の公式ドキュメントも併せて参照してください。
連携設定の基本手順
連携設定の概要は以下のとおりです。詳細な手順は公式ドキュメントを参照してください。
- HubSpotアカウントにログイン
- 設定 > 全般 > Eメールから連携設定を開始
- Gmail/Outlookアカウントを選択して認証
- 連携範囲(送信のみ/受信含む)を選択
- HubSpot Sales拡張機能(Chrome/Edge)をインストール
連携後に活用すべき機能
連携設定後は、以下の機能を活用することで業務効率が向上します。
パーソナライズトークンとは、CRMデータを参照してメール本文に自動挿入される動的な変数(氏名、会社名等)です。
- 受信トレイからのCRM情報確認: HubSpot Sales拡張機能により、メール画面から直接コンタクト情報を参照可能
- テンプレート挿入: 事前に作成したテンプレートをワンクリックで挿入
- トラッキング自動有効化: 送信メールの開封・クリックを自動追跡
- パーソナライズトークン: 宛名や会社名を自動挿入
メールトラッキング機能を営業アクションにつなげる方法
メールトラッキングとは、送信したメールの開封・クリックを検知し、受信者の反応を可視化する機能です。トラッキングデータを「見るだけ」で終わらせず、フォローアップアクションにつなげる設計が重要です。
BtoBメールマーケティングの業界平均開封率は20-25%、クリック率は2-5%と言われています。ただし、これは業界平均であり、自社の成果を保証するものではありません。自社の数値を継続的に計測し、改善を図ることが大切です。
トラッキング通知の設定と活用
トラッキング通知を設定すると、開封・クリック時にリアルタイムで通知を受け取れます。これにより、フォローアップの最適なタイミングを把握できます。
注意点: メールトラッキングは画像ピクセルで開封を検知するため、画像表示をブロックしている受信者には検知されない場合があります。トラッキングデータは参考値として活用してください。
【フロー図】メール種類別の使い分け判断フロー
flowchart TD
A[メール送信の目的は?] --> B{1対1の営業フォロー?}
B -->|Yes| C{継続的なフォローが必要?}
B -->|No| D{複数リードへの一斉配信?}
C -->|Yes| E[シーケンスを活用]
C -->|No| F[セールスメールを送信]
D -->|Yes| G{自動化トリガーが必要?}
D -->|No| F
G -->|Yes| H[ワークフローを設定]
G -->|No| I[マーケティングメールを配信]
判断のポイント
- セールスメール: 個別商談へのフォロー、パーソナライズが必要な場合
- シーケンス: 営業担当者が複数回のフォローを自動化したい場合
- マーケティングメール: 一斉告知、ニュースレター配信の場合
- ワークフロー: 特定条件(フォーム送信等)をトリガーに自動配信する場合
マーケティングメールの作成と導入前チェックリスト
グローバルメールマーケティング市場は2024年15億米ドルから2032年37億米ドルに成長予測され、CAGR 11.8%と言われています。メールマーケティングは依然として有効なチャネルであり、適切な運用設計が重要です。
マーケティングメール作成の基本手順
HubSpotでのマーケティングメール作成の流れは以下のとおりです。
- Marketing Hub > マーケティング > Eメールを選択
- 「Eメールを作成」をクリック
- テンプレートを選択(ドラッグ&ドロップエディタ対応)
- 件名・本文・CTA(コールトゥアクション)を設定
- 送信先リストを選択
- A/Bテストを設定(任意)
- プレビュー・テスト送信で確認
- 送信またはスケジュール設定
なお、基本的なマーケティングメール配信は無料プランでも利用可能です。シーケンスや高度な自動化機能を使う場合は有料プラン(Sales Hub/Marketing Hub)が必要になります。
【チェックリスト】HubSpotメール導入前チェックリスト
- HubSpotアカウントの初期設定が完了している
- CRMにコンタクト情報が正しくインポートされている
- Gmail/Outlook連携の設定が完了している
- HubSpot Sales拡張機能がインストールされている
- メールテンプレートが最低3パターン用意されている
- トラッキング通知の設定が有効になっている
- メール署名が設定されている
- 送信ドメインの認証(SPF/DKIM)が完了している
- オプトアウト(配信停止)リンクの設置を確認している
- メール運用ルール(配信頻度・承認フロー)が決まっている
まとめ:HubSpotメールを営業成果につなげる設計を
本記事では、HubSpotメールの種類と機能、Gmail/Outlook連携、トラッキング活用、マーケティングメール作成について解説しました。
本記事の要点
- HubSpotメールは、セールスメール・マーケティングメール・シーケンスの3種類を目的に応じて使い分ける
- Gmail/Outlook連携により、日常のメール業務とCRMを統合できる
- トラッキングデータは「見るだけ」で終わらせず、フォローアップアクションにつなげる
- 導入前チェックリストで準備状況を確認し、スムーズな運用開始を目指す
HubSpotメールは種類と目的を理解し、営業プロセスに組み込む設計をすることで、トラッキングデータをフォローアップアクションにつなげ営業成果を最大化できます。本記事のフロー図とチェックリストを活用して、自社に最適なメール運用を設計してください。まずはGmail/Outlook連携から始めてみることをおすすめします。
