法人SEO対策が今、BtoB企業に求められている理由
多くの人が見落としがちですが、法人SEOは、コンテンツ制作だけでなくMA/SFAとのデータ連携からリード獲得・育成設計まで一気通貫で設計できる専門家と組むことで、SEO流入を商談化につなげる成果を実現できます。
BtoB事業では意思決定者の56.8%がWebサイトから製品・サービス情報を収集しているというデータがあります(調査の詳細は不明だが、一般的傾向として参考になります)。さらに、BtoBの売上貢献度は28.8%とBtoC(8.3%)を大きく上回っており、Web施策の重要性が高い領域といえます。
自然検索(SEO)の1位は20〜30%前後のクリック率(CTR)を得られるデータが多い一方、日本のリスティング広告の平均クリック率は5〜10%程度とされています。広告に比べて高いCTRが期待できる点も、法人SEOに取り組む理由の一つです。
この記事で分かること
- 法人SEO対策の基本と主要な施策(テクニカルSEO・コンテンツSEO・ローカルSEO)
- インハウスSEOと専門家支援の選び方・費用相場
- SEO流入をリード獲得・商談化につなげるMA/SFA連携の設計方法
- 法人SEO導入前に確認すべきチェックリスト
法人SEO対策の基本と主要な施策
法人SEO対策には大きく分けて3つのアプローチがあります。テクニカルSEO、コンテンツSEO、ローカルSEOです。BtoB企業では特にコンテンツSEOが中心になることが多いですが、それぞれの役割を理解しておくことが重要です。
テクニカルSEOとは、クローラビリティ・内部構造・サイトスピードなど技術面の最適化を指します。大規模サイトや複雑なCMSを使用している場合は特に重要です。
コンテンツSEOとは、ユーザーの検索意図に応える質の高いコンテンツを制作し、自然検索からの流入を増やす施策です。BtoB企業の場合、専門性の高い情報を発信することで見込み顧客との接点を作ることができます。
ローカルSEOとは、「地域名+業種」などの地域性のあるキーワードで上位表示を狙う施策です。競合が限定されるため費用対効果が高い傾向があります。
テクニカルSEOとコンテンツSEOの違い
テクニカルSEOは「検索エンジンがサイトを正しく認識・評価できる状態を作る」ための施策です。サイトの表示速度改善、モバイル対応、内部リンク構造の最適化などが含まれます。土台となる部分であり、ここに問題があるとコンテンツの評価にも影響します。
一方、コンテンツSEOは「ユーザーが求める情報を提供する」ための施策です。キーワード調査を行い、検索意図に沿ったコンテンツを制作していきます。
どちらを優先すべきかは、サイトの現状によって異なります。技術的な問題が明らかにある場合はまずテクニカルSEOから着手し、そうでなければコンテンツSEOに注力するのが一般的です。
BtoB企業のキーワード戦略の考え方
BtoB企業のSEOでは、以下の4軸でキーワード戦略を設計することが推奨されています。
- 指名+サービス名: 自社名・サービス名と組み合わせたキーワード
- 汎用BtoBキーワード: 業界共通で使われる一般的なキーワード
- 課題・業務起点: ターゲットが抱える課題や業務に関連するキーワード
- ローカル×業種: 地域と業種を組み合わせたキーワード
特に「課題・業務起点」のキーワードは、見込み顧客が情報収集の初期段階で検索するものであり、リード獲得につながりやすい傾向があります。
インハウスSEOと専門家支援の選び方
インハウスSEOとは、SEO対策を外注せず自社内の人材・リソースで実施する体制を指します。ノウハウ蓄積や他部門連携がしやすい反面、立ち上げに時間がかかるという特徴があります。
年商数十億以上かつマーケ投資を継続できる企業では、インハウス+専門会社のハイブリッド体制が主流になっています。一方、マーケ組織が薄い企業では、戦略設計と優先度決定を外注し、実行を社内+一部制作会社で回す形が現実的です。
【比較表】インハウスSEO vs 専門家支援
| 項目 | インハウスSEO | 専門家支援(外注) |
|---|---|---|
| 初期コスト | 低い(人件費のみ) | 高い(月額費用発生) |
| 立ち上げスピード | 遅い(学習期間必要) | 早い(即戦力) |
| ノウハウ蓄積 | 社内に残る | 外部に依存 |
| 最新情報のキャッチアップ | 自社で対応 | 専門家が対応 |
| 他部門連携 | しやすい | 調整が必要 |
| スケーラビリティ | 人員増が必要 | 契約範囲で柔軟 |
| 向いている企業 | マーケ組織がある企業 | マーケリソースが限られる企業 |
法人SEOの費用相場と投資判断
SEOコンサルティングのみの費用相場は月10万〜30万円、コンサル+コンテンツ制作で月70万円〜、BtoBオウンドメディア向け総合支援では月額20〜80万円がボリュームゾーンとされています(2024〜2025年時点)。
ただし、この費用はページ数・業界の競争度・サイト規模で大きく変動します。具体的な金額は各社の状況に応じて見積もりを取ることをおすすめします。
SEO流入をリード獲得・商談化につなげる導線設計
SEO流入を成果につなげるには、コンテンツ制作・順位獲得だけでなく、流入後のリード獲得・育成設計まで一気通貫で考える必要があります。
よくある失敗パターンとして、SEO対策をコンテンツ制作・順位獲得だけの問題として捉え、サイト流入後のリード獲得・育成設計を後回しにするケースがあります。この考え方では、SEOで流入は増えてもリード獲得・商談化につながらず、投資対効果が見えない状態になってしまいます。
リードナーチャリングとは、獲得したリードに対してコンテンツ配信や接点を重ね、商談化に向けて育成するマーケティング活動です。SEO施策とナーチャリングを連携させることで、流入からコンバージョンまでの導線を設計できます。
ある事例では、BtoB企業のオウンドメディアでSEOを軸にしたコンテンツ施策により、リード数が半年で月30件から80件に増加したという報告があります(約2.7倍。単一企業の事例であり、業種・商材により効果は異なります)。
コンテンツSEOとMA/SFAの連携方法
BtoB企業の典型的なモデルは、SEOで集客→ホワイトペーパーDL→インサイドセールスでナーチャリング→商談という流れです。
この流れを機能させるためには、以下の計測・分析体制が必要です。
- 自然検索流入数の定点観測
- 流入キーワード別のCV率分析
- 記事別のリード貢献の測定
これらのデータをMA/SFAと連携することで、どのコンテンツがリード獲得・商談化に貢献しているかを可視化でき、SEO投資の判断材料になります。
法人SEO対策の始め方と準備すべきこと
法人SEO対策を始める前に、自社の状況を整理し、必要な準備を確認することが重要です。以下のチェックリストを活用してください。
【チェックリスト】法人SEO導入前チェックリスト
- SEO対策の目的を明確化している(流入増加、リード獲得、商談化など)
- ターゲットとなる顧客像を定義している
- 現在のサイト流入状況を把握している
- 競合他社のSEO状況を調査している
- キーワード候補をリストアップしている
- コンテンツ制作のリソース(人員・予算)を確保している
- 技術的な問題(表示速度、モバイル対応等)を確認している
- リード獲得の導線(CTA、フォーム等)を設計している
- MA/SFAとの連携方針を決めている
- 成果測定のKPIを設定している
- 投資回収の期間目安を社内で合意している
- インハウスか外注かの方針を決めている
- 外注する場合の予算枠を確保している
- 社内の意思決定者の承認を得ている
- 定期的なレビュー体制を計画している
成果が出るまでの期間と期待値の調整
SEOは成果が出るまでに時間がかかり、特に新規サイトやドメインでは6〜12か月程度は顕著な成果が出にくいとされています。短期でROIを求めすぎると、SEOへの投資判断ができなくなってしまいます。
SEOは中長期施策として位置づけ、短期的な成果にはリスティング広告を活用するなど、施策を使い分けることが現実的です。
法人SEO対策を成功させるために
法人SEO対策で成果を出すためには、コンテンツ制作・順位獲得だけでなく、SEO流入後のリード獲得・育成設計まで一貫して考える視点が不可欠です。
本記事で解説したポイントを整理します。
- 法人SEOには、テクニカルSEO・コンテンツSEO・ローカルSEOの3つのアプローチがある
- インハウスSEOと専門家支援は、自社のリソース状況に応じて選択する
- SEO流入をリード獲得・商談化につなげるには、MA/SFA連携による導線設計が重要
- 成果が出るまで6〜12か月程度かかることを前提に、中長期施策として取り組む
法人SEOは、コンテンツ制作だけでなくMA/SFAとのデータ連携からリード獲得・育成設計まで一気通貫で設計できる専門家と組むことで、SEO流入を商談化につなげる成果を実現できます。まずは導入前チェックリストを活用して、自社の現状と準備状況を確認してみてください。
