CMOとは?役割・年収・設置判断の基準まで徹底解説

著者: B2Bデジタルプロダクト実践ガイド編集部公開日: 2026/1/1410分で読めます

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CMOとは何か:マーケティング責任者から経営戦略パートナーへ

CMOとは何かの答えは明確で、CMOは企業のマーケティング活動を経営視点で統括する重要な役職だが、すべての企業にCMOが必要なわけではなく、自社のフェーズと課題に応じたマーケティング体制の設計が重要です。

CMO(Chief Marketing Officer) とは、最高マーケティング責任者のことです。企業のマーケティング活動全般を統括し、経営戦略とマーケティングを統合する役員クラスのポジションを指します。なお、製薬業界ではCMOが「Contract Manufacturing Organization(医薬品製造受託機関)」を意味することがありますが、本記事ではマーケティング領域のCMOについて解説します。

近年、CMOの役割は大きく変化しています。かつては「広告・プロモーションの責任者」という位置づけでしたが、現在は「P/L責任を負う成長ドライバー」としての役割が求められるようになっています。IBMのCMOスタディ2025によると、世界のCMOの64%、日本のCMOの63%が「利益率を高める責任がある」と認識しています(グローバル・全産業の平均値であり、日本のBtoB企業に限定した調査ではありません)。また、同調査では世界のCMOの58%、日本のCMOの51%が「収益成長を牽引する責任がある」と回答しています。

しかし、「CMOを採用すればマーケティングが自動的に強化される」という考え方は誤りです。役割定義や組織設計を曖昧にしたままCMOを採用・登用しても、期待した成果は得られません。

この記事で分かること

  • CMOの定義と他のCxO(CEO・COO・CFO)との違い
  • CMOが担う具体的な役割と業務内容
  • CMOに求められるスキルと年収相場
  • 自社にCMOが必要かどうかを判断するためのチェックリスト
  • CMO不在でもマーケティング機能を強化する方法

CEO・COO・CFOなど他のCxOとCMOの違い

CMOは経営陣の一員として、他のCxOと連携しながらマーケティング戦略を推進します。各CxOの役割を理解することで、CMOの立ち位置がより明確になります。

CEO(Chief Executive Officer) とは、最高経営責任者のことです。企業の最終意思決定者であり、中長期戦略・資本政策・ガバナンス全体に責任を持ちます。

COO(Chief Operating Officer) とは、最高執行責任者のことです。CEOの立てた戦略を現場で実行する業務執行の責任者であり、日々のオペレーションを統括します。

CFO(Chief Financial Officer) とは、最高財務責任者のことです。会計・資金調達・投資判断・IRなど、企業価値を財務から最適化する責任者です。

【比較表】CxO役職比較表(CEO・COO・CFO・CMO)

役職 正式名称 主な責任領域 主なKPI例
CEO Chief Executive Officer 経営全体の意思決定、中長期戦略 企業価値、株主還元
COO Chief Operating Officer 業務執行、オペレーション全般 業務効率、コスト削減率
CFO Chief Financial Officer 財務戦略、資金調達、IR 利益率、キャッシュフロー
CMO Chief Marketing Officer マーケティング戦略、ブランド、需要創出 売上成長率、顧客獲得コスト

日本企業におけるCMO相当職の呼称

日本企業では「CMO」という肩書きはまだ一般的ではありません。同等の役割を担う人材は「マーケティング本部長」「執行役員 マーケティング担当」「VP of Marketing」などの呼称で存在するケースが多いです。

呼称が異なるだけで、マーケティング機能を統括する責任者は多くの企業に存在します。「日本にはCMOがいないからマーケティングが弱い」という認識は必ずしも正確ではありません。

CMOの役割と業務内容

CMOの業務領域は、大きく「ブランド構築」「デマンドジェネレーション」「データ活用」の3軸に分けられます。

デマンドジェネレーションとは、需要創出活動のことです。見込み顧客の獲得からナーチャリング、商談創出までを含むマーケティング活動の総称であり、BtoB企業では特に重要な業務領域となっています。

電通グループの「CMO調査レポート2025」によると、CMOの91%が「今後のブランド構築は、ブランド・クリエイター・プラットフォームのパートナーシップによって行われる」と回答しています(14市場のグローバル調査であり、日本市場単独の数値ではありません)。また、同調査では世界のCMOの39%がマーケティング予算の20〜30%をソーシャル・インフルエンサーマーケティングに投じる計画であり、27%は予算の30%超を投資予定と回答しています。

このように、CMOの業務内容は従来の広告宣伝に留まらず、収益責任を伴う経営的な役割へと拡大しています。

BtoBにおけるCMOの重点業務

BtoB企業においては、CMOの役割はさらに営業部門との連携が重要になります。具体的には以下のような業務が重点となります。

  • MA(マーケティングオートメーション)・CRMの活用設計:リードの獲得から育成、営業への引き渡しまでのプロセス設計
  • マーケティング・営業共通KPIの設計:MQL(Marketing Qualified Lead)からSQL(Sales Qualified Lead)への転換率、商談化率などの指標設計
  • コンテンツマーケティング戦略:見込み顧客の課題解決に寄り添うコンテンツの企画・制作
  • データドリブンな意思決定:顧客データを活用した施策の最適化

CMOに求められるスキルと経験

CMOに必要なスキルセットは、大きく4つの軸で整理できます。採用や登用を検討する際の判断材料としてください。

  1. マーケティング専門知識:ブランディング、デジタルマーケティング、コンテンツマーケティング、広告運用などの実務経験
  2. 経営視点:P/L責任を理解し、投資対効果を経営陣に説明できる能力
  3. データ分析力:顧客データや施策効果を分析し、意思決定に活かす能力
  4. 組織マネジメント力:マーケティングチームのマネジメント、他部門との連携を推進する能力

特に近年は、利益率や収益成長への責任が期待されるようになっており、「マーケティングのプロ」であるだけでなく「経営者目線」を持つことが求められています。

CMOの年収相場と採用市場

CMOの報酬水準は、業種・企業規模・責任範囲により大きく異なります。参考として、労務行政研究所の調査によると、執行役員の平均年収は1,511万円、従業員300〜1,000人規模企業では1,356万円とされています(2020年調査)。

CMOは執行役員クラスのポジションであるため、この水準が一つの目安となりますが、外資系企業や大企業ではさらに高い報酬が提示されることもあります。また、ストックオプションやインセンティブ報酬が含まれるケースもあるため、総報酬で判断することが重要です。

CMO設置・採用を判断するための基準

自社にCMOが必要かどうかを判断する際は、「CMOを置けばマーケティングが自動的に強くなる」という誤解を捨てることが重要です。CMOの採用・設置を成功させるためには、事前の準備が不可欠です。

以下のチェックリストで、自社の準備状況を確認してください。

【チェックリスト】CMO設置・採用判断チェックリスト

  • マーケティング戦略の重要性を経営陣が理解している
  • CMOに期待する役割・責任範囲が明確になっている
  • CMOに十分な権限(予算・人事・意思決定)を委譲できる
  • マーケティング部門の組織体制が整備されている(または整備する計画がある)
  • 営業部門との連携体制・共通KPIの設計ができている(または設計する意志がある)
  • CMOの報酬水準に見合う予算を確保できる
  • 経営会議でマーケティング施策の意思決定ができる体制がある
  • MA・CRM・SFAなどのツール基盤が整備されている(または整備する計画がある)
  • マーケティング投資のROIを測定・評価する仕組みがある
  • CMOの成果を正当に評価できる評価制度がある

上記のチェック項目で「いいえ」が多い場合は、CMOを採用する前に組織体制の整備を優先することをおすすめします。

CMO不在でもマーケティング機能を強化する方法

すべての企業にCMOが必要なわけではありません。特に成長フェーズの企業では、以下のような選択肢も有効です。

  • 外部の専門家を活用する:マーケティングコンサルタントやアドバイザーを活用し、戦略策定や実行支援を受ける
  • パートタイムの専門人材を活用する:フルタイムでCMOを雇用せず、週数日の稼働で経験豊富な人材の知見を活用する
  • 代理店・エージェンシーとの連携を強化する:特定の専門領域(広告運用、コンテンツ制作など)は外部パートナーに委託し、社内はディレクション機能に集中する
  • マーケティングマネージャーを育成する:将来のCMO候補として社内人材を育成し、段階的に責任範囲を拡大する

自社の状況に応じて最適な選択肢を検討することが重要です。

まとめ:自社のフェーズに合ったマーケティング体制を設計する

本記事では、CMOの定義から役割、他のCxOとの違い、必要なスキル、設置判断の基準まで解説しました。

主なポイント

  • CMOは最高マーケティング責任者であり、経営視点でマーケティング活動を統括する役員クラスのポジション
  • CMOの役割は広告責任者から収益責任を負う経営パートナーへと拡大している
  • 日本企業ではCMOという肩書きより、マーケティング本部長や執行役員などの呼称が一般的
  • CMOを採用する前に、役割定義・組織設計・権限委譲の準備を整えることが重要
  • CMO不在でも、外部専門家の活用やマネージャー育成などの選択肢がある

繰り返しになりますが、CMOは企業のマーケティング活動を経営視点で統括する重要な役職です。しかし、すべての企業にCMOが必要なわけではなく、自社のフェーズと課題に応じたマーケティング体制の設計が重要です。

本記事のチェックリストを活用して自社の状況を棚卸しし、最適なマーケティング体制を設計してください。

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よくある質問

Q1CMOとは何の略ですか?

A1CMOはChief Marketing Officer(チーフ・マーケティング・オフィサー)の略で、日本語では「最高マーケティング責任者」を意味します。企業のマーケティング活動全般を統括し、経営戦略とマーケティングを統合する役員クラスのポジションです。

Q2CMOの年収相場はどのくらいですか?

A2労務行政研究所の調査によると、執行役員の平均年収は1,511万円、従業員300〜1,000人規模企業では1,356万円とされています(2020年調査)。CMOは執行役員クラスのポジションのため、この水準が目安となりますが、業種・企業規模・責任範囲により大きく異なります。外資系や大企業では2,000万円以上のケースもあります。

Q3CMOにはどんなスキルが必要ですか?

A3CMOには、マーケティング専門知識に加え、経営視点・データ分析力・組織マネジメント力の4つのスキルが求められます。IBMのCMOスタディ2025によると、世界のCMOの64%、日本のCMOの63%が「利益率を高める責任がある」と認識しており、収益責任を担えることも重要な要件となっています。

Q4中小企業にもCMOは必要ですか?

A4必ずしも必要ではありません。CMOという役職を設置することより、自社のフェーズと課題に応じたマーケティング機能の強化が重要です。外部の専門家活用、パートタイム人材の登用、マーケティングマネージャーの育成など、CMO不在でもマーケティング機能を強化する選択肢があります。

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B2Bデジタルプロダクト実践ガイド編集部

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