Zoomでウェビナーを開催したいけれど、ミーティングとの違いが分からない...
企業のマーケティング・イベント担当者の多くが、Zoomウェビナーの活用を検討しています。「普通のミーティングと何が違うの?」「料金はどれくらい?」「どんな機能があるの?」といった疑問は尽きません。
この記事では、Zoomウェビナーの機能と使い方について、ミーティングとの違いを中心に解説します。
この記事のポイント:
- Zoomウェビナーは大規模セミナー・講演会向けで、最大50,000名まで参加可能
- ミーティングは全員発言可能な会議向け、ウェビナーはホスト・パネリストのみ発言の講演会向け
- 有料プランが必須:Zoom Workplace(年額20,100円〜)+ ウェビナーライセンス(年額102,080円〜)
- Q&A、投票、事前登録、練習セッション、収益化オプションなど充実した機能
- 参加者規模に応じて500名〜10,000名のプランを選択可能
1. Zoomウェビナーとは何か
(1) 大規模オンラインセミナー向けサービス
Zoomウェビナー(Zoom Webinars)は、Zoomが提供する大規模オンラインイベント・セミナー向けの有料サービスです。
企業の製品発表会、マーケティングセミナー、オンライン講演会など、多数の参加者に情報を一方向的に発信する場面に適しています。
(2) 最大50,000名まで参加可能
Zoomミーティングが最大1,000名までなのに対し、Zoomウェビナーは最大50,000名まで参加者を招待できます。
ウェビナーライセンスにより異なりますが、最小で500名、最大で50,000名まで拡張可能です。参加者規模に応じて適切なライセンスを選択できます。
(3) 講演会・イベント向けの設計
Zoomウェビナーは、ホスト(主催者)とパネリスト(登壇者)のみが発言権を持つ設計です。
視聴者は基本的に視聴のみを行い、Q&A、チャット、アンケートで参加します。この設計により、大規模セミナーでも運営がスムーズになります。
2. ZoomミーティングとZoomウェビナーの違い
(1) 参加者の役割の違い(ホスト・パネリスト・視聴者)
ZoomミーティングとZoomウェビナーの最大の違いは、参加者の役割です。
Zoomミーティング:
- 全員が同等に発言できる
- 全員がカメラ・マイクを使用可能
- 会議やディスカッションに適している
Zoomウェビナー:
- ホスト・パネリストのみが発言権を持つ
- 視聴者はQ&A、チャット、アンケートで参加
- 講演会・セミナーに適している
(2) 参加可能人数の違い
参加可能人数にも大きな違いがあります。
Zoomミーティング:
- 無料プラン: 最大100名
- 有料プラン: 最大1,000名
Zoomウェビナー:
- 有料プラン: 500名〜最大50,000名(ライセンスにより異なる)
(3) カメラ・マイクの操作権限の違い
カメラ・マイクの操作権限も異なります。
Zoomミーティング:
- 全参加者がカメラ・マイクを操作可能
Zoomウェビナー:
- ホスト・パネリストのみがカメラ・マイクを使用可能
- 視聴者は基本的に視聴のみ
(4) 練習セッション機能の有無
Zoomウェビナーには、本番前にホスト・パネリストが機能を試せる「練習セッション(Practice Session)」機能があります。
この機能を使うことで、画面共有、Q&A、投票などの機能を本番前に確認できます。Zoomミーティングにはこの機能は存在しません。
(5) 収益化オプションの有無
Zoomウェビナーは収益化オプションで有料登録制にすることができます。
有料セミナーやオンライン講座の販売が可能です。Zoomミーティングは有料アカウントでも収益化できません。
3. Zoomウェビナーの料金プラン
(1) 有料プランが必須:Zoom Workplace + ウェビナーライセンス
Zoomウェビナーは無料では利用できません。
Zoom Workplace(プロ以上)の有料ライセンスに加えて、ウェビナーライセンスを追加購入する必要があります。
(2) 最小構成:プロ年額20,100円 + ウェビナー500名年額102,080円
最小構成の料金は以下の通りです:
- Zoom Workplaceプロ: 年額20,100円
- ウェビナーライセンス500名: 年額102,080円
- 合計: 年額122,180円
年払いだと月払いより年間39,160円お得になります。
(3) 参加者数別プラン(500名・1,000名・3,000名・5,000名・10,000名)
参加者規模に応じて、以下のプランから選択できます:
- 500名: 年額102,080円
- 1,000名: 料金は公式サイトで確認
- 3,000名: 料金は公式サイトで確認
- 5,000名: 料金は公式サイトで確認
- 10,000名: 料金は公式サイトで確認
参加者数が多いほど料金は高くなります。イベント規模に応じた適切なライセンス選択が重要です。
(4) 年払いと月払いの違い
年間契約と月額契約では料金が異なります。
年払い:
- 月額8,625円〜(年額102,080円 ÷ 12ヶ月)
- 月払いより年間39,160円お得
月払い:
- 月額10,700円〜(税別)
長期的に利用する場合は年払いが推奨されます。
※料金は2025年11月時点の情報です。最新の料金は公式サイトでご確認ください。
4. Zoomウェビナーの主な機能
(1) コミュニケーション機能(Q&A、チャット、投票、リアクション)
視聴者とのコミュニケーションを支援する機能が充実しています。
Q&A機能:
- 参加者からの質問を受け付け
- ホストが回答を返す
- 質問の優先順位付けが可能
チャット機能:
- リアルタイムでメッセージを送信
- ホスト・パネリスト・全員への送信を選択可能
投票機能(Polling):
- ウェビナー中にアンケートやクイズを実施
- リアルタイムで結果を共有
リアクション機能:
- 拍手や「いいね」で反応を示す
(2) コンテンツ共有(画面共有、録画)
コンテンツ共有機能も充実しています。
画面共有:
- 資料や動画を視聴者と共有
- ホスト・パネリストが使用可能
録画機能:
- ウェビナーを録画
- アーカイブ配信に活用
(3) 管理機能(事前登録、申込ページ作成、参加者リスト)
大規模イベント運営に必要な管理機能が揃っています。
事前登録:
- 参加者の事前登録を受け付け
- 参加用URLを自動配信
申込ページ作成:
- ウェビナー専用の申込ページを作成
- 登録フォームのカスタマイズが可能
参加者リスト:
- 参加者一覧のダウンロード
- 入退室時刻の記録
- アンケート結果のダウンロード
(4) 練習セッション機能
本番前にホスト・パネリストが機能を試せる「練習セッション(Practice Session)」機能があります。
練習セッションでできること:
- 画面共有の確認
- Q&A機能のテスト
- 投票機能の動作確認
- カメラ・マイクの品質チェック
事前に練習することで、本番での技術トラブルを防げます。
5. Zoomウェビナーの開催手順
(1) ステップ1:Zoomウェブポータルでスケジュール作成
まず、PCからZoomの公式サイトにアクセスします。
スケジュール作成の流れ:
- Zoomウェブポータルにログイン
- 「ウェビナー」をクリック
- 「ウェビナーをスケジュールする」をクリック
- タイトル、日時、説明を入力
(2) ステップ2:登録フォーム・リマインダー設定
参加者の事前登録設定を行います。
設定項目:
- 登録フォームの項目(氏名、メールアドレス、会社名等)
- 自動リマインダーメールの送信設定
- 参加用URLの自動配信
(3) ステップ3:練習セッションで事前確認
本番前に練習セッションで動作確認を行います。
確認すべきポイント:
- 画面共有の動作
- 音声・映像の品質
- Q&A、投票機能の動作
- パネリストとの役割分担
(4) ステップ4:本番配信
ウェビナーを開始します。
本番の流れ:
- スケジュールした時刻にウェビナーを開始
- 画面共有でコンテンツを配信
- Q&A、投票でインタラクションを促進
- チャットで参加者とコミュニケーション
(5) ステップ5:録画配信・アンケート結果の活用
ウェビナー終了後の活用も重要です。
フォローアップ施策:
- 録画をアーカイブ配信
- 参加者リストをダウンロード
- アンケート結果を分析
- 見逃し視聴者向けに録画を共有
データ分析を行い、次回ウェビナーの改善に活かしましょう。
6. まとめ:Zoomウェビナーを活用するポイント
(1) ミーティングとウェビナーの使い分け
用途に応じて、ミーティングとウェビナーを使い分けましょう。
Zoomミーティングが適したケース:
- 社内会議・打ち合わせ
- 少人数のディスカッション
- 全員が発言する必要がある場面
Zoomウェビナーが適したケース:
- 製品発表会・マーケティングセミナー
- 大規模な講演会・オンライン講座
- 一方向的な情報発信が中心
(2) 参加者規模に応じたプラン選択
イベントの規模に応じて、適切なライセンスを選択しましょう。
プラン選択の目安:
- 500名以下: 500名プラン
- 500〜1,000名: 1,000名プラン
- 1,000名以上: 3,000名・5,000名・10,000名プラン
料金は参加者数によって大きく変動するため、必要最小限のライセンスから始めるのが適切です。
(3) 他ツールとの比較(適したケース・適さないケース)
Zoomウェビナーが適さないケースでは、他のツールを検討しましょう。
Zoomウェビナーが適さないケース:
- 予算が限られている(他の無料ツールを検討)
- 社内研修のみ(Microsoft Teamsで十分な場合がある)
- 少人数セミナー(Zoomミーティングで十分)
他のツールとの比較:
- Microsoft Teams: 企業の社内セミナー・研修に適している
- Webex: セキュリティ重視の企業向け
- YouTube Live: 無料で大規模配信が可能
Zoomウェビナーは、大規模セミナーで充実した管理機能が必要な場合に適しています。用途と予算に応じて、最適なツールを選択しましょう。
次のアクション:
- 自社のイベント規模を確認する
- Zoom公式サイトで最新の料金プランを確認する
- 練習セッションで事前に動作確認を行う
- 他ツール(Teams、Webex等)との比較検討を行う
適切なツール選択と事前準備で、Zoomウェビナーを効果的に活用しましょう。
※2025年11月時点の情報です。サービス名称や機能は更新される可能性があるため、最新情報は公式サイトをご確認ください。
