WordPressサイトで顧客管理を効率化したいけれど、どうすればいいか分からない...
WordPressでWebサイトを運用しているB2B中小企業のマーケティング・営業担当者の多くが、顧客管理の効率化やリード獲得の仕組み化に課題を抱えています。「お問い合わせフォームからの情報をどう管理すればいいのか」「既存のCRMサービスとWordPressを連携できるのか」「無料で使えるCRMプラグインはあるのか」といった疑問は尽きません。
この記事では、WordPress対応CRMツールの種類、主要プラグインの機能比較、選定基準、導入手順を詳しく解説します。
この記事のポイント:
- WordPressでCRMを実現するには、ネイティブプラグイン型と外部CRM連携型の2つの方法がある
- Jetpack CRMは30種類以上の機能がほぼ無料で利用でき、小規模事業者に適している
- FluentCRMはマーケティングオートメーション機能を含み、リード育成に強みがある
- HubSpotなど外部CRM連携型は高機能で、本格的な営業管理・マーケティングに適している
- WordPress CRMはセキュリティリスクがあるため、定期的なアップデートと信頼できるプラグイン選定が必須
WordPressでCRM導入が求められる背景
WordPressサイトを運用している企業にとって、CRM導入は顧客管理の効率化と売上拡大の鍵となります。
顧客管理の課題とWordPress CRMの役割
WordPressサイトを運用している企業が抱える典型的な課題:
よくある課題:
- お問い合わせフォームから入力された情報がメールで届くだけで、一元管理できていない
- 見込み客の情報をスプレッドシートで管理しているが、営業担当者との共有が煩雑
- リード獲得後のフォローアップが属人化し、機会損失が発生している
- 顧客情報と商談履歴が紐付いておらず、過去のやり取りを確認するのに時間がかかる
WordPress CRMの役割:
- お問い合わせフォーム(Contact Form 7等)と連携して、リード情報を自動的にCRMに蓄積
- 顧客情報を一元管理し、営業担当者がリアルタイムにアクセス可能
- 商談履歴やメール履歴を顧客情報と紐付けて管理
- リード育成やメール配信の自動化(マーケティングオートメーション)
一般的なCRMとWordPress CRMの違い
一般的なCRM(Salesforce、Zoho CRM等):
- 独立したクラウドサービスとして提供
- 高機能だが、導入コストが比較的高い
- WordPressとは別システムとして運用(連携には設定が必要)
WordPress CRM:
- WordPress内で完結するネイティブプラグイン型(Jetpack CRM、FluentCRM等)
- 外部CRMサービスとWordPressを連携させる外部連携型(HubSpot、Salesforce等)
- 低コストまたは無料で導入可能なプラグインが多い
- WordPressサイトと密に統合され、データの一元管理が容易
WordPress CRMの基礎知識(種類・仕組み・選択肢)
WordPressでCRMを実現する方法は大きく2つに分類されます。
ネイティブプラグイン型の特徴(Jetpack CRM、FluentCRM等)
ネイティブプラグイン型は、WordPress内にデータを保存し、WordPress上で完結するCRMプラグインです。
主な特徴:
- データをWordPressデータベース内に保存(セルフホスト)
- プラグインをインストールするだけで利用開始
- 無料または低コストで利用可能
- WordPressの管理画面から直接CRM機能にアクセス
代表的なプラグイン:
- Jetpack CRM(元Zero BS CRM): 30種類以上の機能がほぼ無料で利用可能
- FluentCRM: セルフホスト型のメールマーケティング自動化プラグイン
- WP-CRM: シンプルなリード管理機能を提供
適した企業:
- 小規模事業者(従業員数10人以下)
- 予算が限られている企業
- WordPress内で顧客管理を完結させたい企業
(出典: BOXIL Magazine「WordPressをCRM化できるプラグイン5選!選び方も解説」)
外部CRM連携型の特徴(HubSpot、Salesforce等)
HubSpotやSalesforceなどの外部CRMサービスとWordPressを連携させる方法です。
主な特徴:
- データは外部CRMサービス上で管理
- WordPressに専用プラグインをインストールして連携
- フォームを埋め込みコードで作成し、CRMツール上でデータを一元管理
- 高機能な営業支援・マーケティングオートメーション機能を利用可能
代表的なサービス:
- HubSpot: WordPress公式プラグインあり、無料プランから利用可能
- Salesforce: 高機能CRM、エンタープライズ向け
- Zoho CRM: コストパフォーマンスが高く、中小企業向け
適した企業:
- 中堅〜大企業(従業員数50人以上)
- 本格的な営業管理・マーケティングオートメーションが必要な企業
- 既に外部CRMサービスを利用している企業
(出典: Cone「WordPressでCRM(顧客管理)を実現する方法。無料プラグインやツールも解説」)
Contact Form 7連携によるリード管理
Contact Form 7は、WordPress用の人気お問い合わせフォームプラグインです。多くのCRMプラグインはContact Form 7と連携可能です。
連携の仕組み:
- Contact Form 7でフォームを作成
- CRMプラグイン(Jetpack CRM、FluentCRM等)の設定でContact Form 7を連携
- フォームから送信された情報が自動的にCRMに保存
- リード情報として顧客データベースに蓄積
メリット:
- 既存のContact Form 7フォームをそのまま活用可能
- 手動でのデータ入力が不要
- リアルタイムでリード情報が蓄積される
注意点:
- Contact Form 7自体にはCRM機能はないため、別途CRMプラグインが必要
- Flamingo(Contact Form 7の簡易CRM拡張)は基本的なリード管理のみに対応
主要WordPress CRMプラグインの機能比較
WordPress CRMプラグインを公平に比較します。
Jetpack CRM(無料・30種類以上の機能)
Jetpack CRM(元Zero BS CRM)は、セルフホスト型のシンプルなCRMプラグインです。
主な機能:
- 顧客管理(企業情報、担当者情報)
- 案件管理(商談履歴、進捗管理)
- 請求書作成
- メール送信履歴管理
- タスク管理
- フォーム連携(Contact Form 7、Gravity Forms等)
料金:
- 基本機能: 無料
- 有料拡張: メールキャンペーン、高度なレポート等(月額$15〜)
メリット:
- ほぼすべての機能を無料で利用可能
- WordPress内で完結するため、他サービスとの契約が不要
- 直感的なUIで使いやすい
デメリット:
- マーケティングオートメーション機能は限定的
- 大規模な営業組織には不向き
(出典: Jetpack CRM公式サイト)
FluentCRM(マーケティングオートメーション)
FluentCRMは、マーケティングオートメーション機能を含むWordPress CRMプラグインです。
主な機能:
- セルフホスト型のメールマーケティング自動化
- セグメント管理(顧客を属性別にグループ化)
- メールキャンペーン作成・配信
- リードスコアリング
- フォーム連携
- タグ管理
料金:
- 基本機能: 無料
- Pro版: 年間$129〜(高度な自動化機能、優先サポート)
メリット:
- リード育成に必要なマーケティングオートメーション機能が充実
- 外部メール配信サービス(Mailchimp等)の契約が不要
- セルフホストのためデータを自社管理できる
デメリット:
- 営業支援機能(案件管理、レポート等)はJetpack CRMほど充実していない
- 高度な機能にはPro版が必要
(出典: FluentCRM公式サイト)
HubSpot(外部連携・豊富な機能)
HubSpotは、外部CRMサービスとしてWordPressと連携可能な高機能CRMです。
主な機能:
- CRM(顧客管理、案件管理)
- マーケティングオートメーション
- 営業支援(SFA)
- カスタマーサービス
- 詳細なレポート・分析
- WordPress公式プラグインでフォーム連携
料金:
- 無料プラン: 基本的なCRM機能
- Starter: 月額数千円〜(メールマーケティング、レポート等)
- Professional: 月額$800〜(高度な自動化、A/Bテスト等)
メリット:
- 無料プランでも高機能なCRMを利用可能
- マーケティング・営業・サービスを一元管理
- 豊富な外部ツール連携(Salesforce、Slackなど)
デメリット:
- 高度な機能を使うには有料プランが必要
- データは外部サービスで管理(セルフホストではない)
※最新の料金はHubSpot公式サイトをご確認ください。
(出典: HubSpot WordPress Plugin)
その他のCRMプラグイン(Zoho CRM、WP-CRM等)
Zoho CRM:
- 外部CRM連携型
- コストパフォーマンスが高い
- 段階的な機能拡張が可能
- 料金: 月額$14〜/ユーザー
WP-CRM:
- ネイティブプラグイン型
- シンプルなリード管理機能
- 無料プランあり
主要プラグインの比較表:
| プラグイン | タイプ | 料金(無料プラン) | 主な機能 | 適した企業規模 |
|---|---|---|---|---|
| Jetpack CRM | ネイティブ | 無料(有料拡張あり) | 顧客管理、案件管理、請求書 | 小規模 |
| FluentCRM | ネイティブ | 無料(Pro年間$129〜) | メールマーケティング、セグメント | 小〜中規模 |
| HubSpot | 外部連携 | 無料(Starter月額数千円〜) | CRM、MA、営業支援 | 中〜大規模 |
| Zoho CRM | 外部連携 | 無料(月額$14〜/ユーザー) | CRM、営業支援 | 中規模 |
(出典: WPBeginner「8 Best WordPress CRM Plugins in 2025 (Compared)」)
※2024-2025年時点の情報です。最新の料金・機能は各プラグイン公式サイトをご確認ください。
WordPress CRMの選定基準(企業規模・予算・機能)
自社に適したWordPress CRMを選定する際の基準を整理します。
企業規模・予算に応じた選び方
小規模事業者(従業員数10人以下、リード数月50件以下):
- 推奨: Jetpack CRM(無料)、WP-CRM(無料)
- 理由: 基本的なリード管理・顧客管理が無料で可能
- 予算: 月額0円(有料拡張は任意)
中小企業(従業員数10〜50人、リード数月50〜300件):
- 推奨: FluentCRM(無料〜年間$129)、HubSpot(無料〜月額数千円〜)
- 理由: メールマーケティング・リード育成機能が必要になる規模
- 予算: 月額0円〜数千円程度
中堅企業(従業員数50人以上、リード数月300件以上):
- 推奨: HubSpot(月額数千円〜$800)、Zoho CRM(月額$14〜/ユーザー)
- 理由: 本格的な営業管理・マーケティングオートメーションが必要
- 予算: 月額数万円〜
必要機能の優先順位(リード管理・MA・レポート等)
リード管理のみ必要な場合:
- Jetpack CRM、WP-CRM
- お問い合わせフォームからの情報を一元管理するだけなら十分
メールマーケティング・リード育成も重視する場合:
- FluentCRM、HubSpot
- セグメント別のメール配信、リードスコアリングが可能
営業支援・レポート機能も必要な場合:
- HubSpot、Zoho CRM
- 商談管理、売上予測、詳細なレポート機能が充実
日本語対応・アップデート頻度の確認
日本語対応:
- Jetpack CRM: 日本語対応あり
- FluentCRM: 一部日本語対応
- HubSpot: 日本語対応あり(公式サポートも日本語対応)
アップデート頻度:
- プラグインは定期的に更新されているものを選ぶ(セキュリティ対策)
- 最終更新日が1年以上前のプラグインは避けるのが推奨
(出典: BOXIL Magazine「WordPressをCRM化できるプラグイン5選!選び方も解説」)
WordPress CRM導入の手順と注意点
WordPress CRMを導入する際の具体的な手順とセキュリティ上の注意点を解説します。
プラグインのインストールと初期設定
手順(Jetpack CRMの例):
プラグインのインストール
- WordPress管理画面 → プラグイン → 新規追加
- 「Jetpack CRM」で検索 → インストール → 有効化
初期設定ウィザードの実行
- 企業情報の入力(企業名、住所、電話番号など)
- 主要通貨の設定
- 利用する機能の選択
カスタムフィールドの設定
- 顧客情報に必要な項目を追加(業種、従業員数など)
ユーザー権限の設定
- 営業担当者ごとのアクセス権限を設定
フォーム連携とデータ取り込み
Contact Form 7との連携手順:
Contact Form 7のインストール
- 既に利用している場合はスキップ
CRMプラグインでフォーム連携を設定
- Jetpack CRM管理画面 → 設定 → フォーム連携
- Contact Form 7を選択 → 有効化
フォームフィールドとCRMフィールドのマッピング
- フォームの「名前」フィールド → CRMの「顧客名」フィールド
- フォームの「メール」フィールド → CRMの「メールアドレス」フィールド
テスト送信
- 実際にフォームからテスト送信し、CRMに正しくデータが保存されるか確認
セキュリティ対策(定期アップデート・脆弱性対応)
WordPressは広く利用されているため、攻撃の標的になりやすく、プラグインに脆弱性が存在する可能性があります。
必須のセキュリティ対策:
(1) 定期的なアップデート
- WordPress本体、プラグイン、テーマを常に最新版に更新
- 自動更新機能の有効化を推奨
(2) 信頼できるプラグインの選定
- 公式ディレクトリに登録されているプラグインを選ぶ
- ユーザー評価が高く、アクティブインストール数が多いプラグインを優先
- 最終更新日が1年以上前のプラグインは避ける
(3) セキュリティプラグインの併用
- Wordfence Security、iThemes Securityなどのセキュリティプラグインを導入
- ログイン試行回数の制限、マルウェアスキャンを有効化
(4) データバックアップ
- 定期的なバックアップ(UpdraftPlus等のバックアッププラグイン)
- 顧客データの漏洩に備えた復旧体制の構築
(5) SSL証明書の導入
- HTTPS化により通信を暗号化(フォーム送信時の情報漏洩を防止)
(出典: Cone「WordPressでCRM(顧客管理)を実現する方法。無料プラグインやツールも解説」)
注意: セキュリティ対策を怠ると脆弱性を突かれる可能性があるため、定期的なアップデートとセキュリティ強化が必須です。
まとめ:企業タイプ別おすすめCRM
WordPress CRMは、ネイティブプラグイン型と外部CRM連携型の2つに分類され、企業規模・予算・必要機能に応じて適切なツールを選択することが重要です。
Jetpack CRMは30種類以上の機能がほぼ無料で利用でき、小規模事業者に適しています。FluentCRMはマーケティングオートメーション機能を含み、リード育成に強みがあります。HubSpotなど外部CRM連携型は高機能で、本格的な営業管理・マーケティングに適しています。
WordPress CRMはセキュリティリスクがあるため、定期的なアップデートと信頼できるプラグイン選定が必須です。
企業タイプ別おすすめCRM:
- 小規模事業者(リード数月50件以下): Jetpack CRM(無料)
- 中小企業(メールマーケティング重視): FluentCRM(無料〜年間$129)
- 中堅企業(本格的な営業管理): HubSpot(無料〜月額数千円〜)
次のアクション:
- 自社のリード数・予算・必要機能を整理する
- 推奨されたCRMプラグインの公式サイトで最新情報を確認
- 無料プランまたはトライアルで実際に試す
- Contact Form 7との連携を設定し、データ蓄積を開始
- セキュリティプラグインを導入し、定期的なアップデート体制を構築
自社に合ったWordPress CRMで、顧客管理の効率化とリード獲得の仕組み化を実現しましょう。
よくある質問
Q: WordPressで顧客管理を行うにはどうすればよいですか?
A: ネイティブCRMプラグイン(Jetpack CRM、FluentCRM等)をインストールするか、外部CRMサービス(HubSpot、Salesforce等)と連携する方法があります。小規模ならネイティブ、本格的な営業管理なら外部連携が推奨です。
Q: 無料で使えるWordPress CRMプラグインはありますか?
A: Jetpack CRMは30種類以上の機能がほぼ無料で利用可能です。FluentCRMも基本機能は無料プランで使えます。小規模事業者や初期導入にはこれらが適しています。
Q: プラグイン型と外部CRM連携型、どちらがよいですか?
A: プラグイン型はWordPress内で完結し手軽、外部連携型は高機能で他ツールとの統合が容易です。事業規模が小さく予算が限られる場合はプラグイン型、本格的な営業・マーケ活動を行うなら外部連携型が適しています。
Q: WordPress CRMのセキュリティは大丈夫ですか?
A: WordPressは広く利用されているため攻撃の標的になりやすく、プラグインに脆弱性が存在する可能性があります。定期的なアップデート、信頼できる開発元のプラグイン選定、セキュリティ対策プラグインの併用が必須です。
Q: どのWordPress CRMが自社に適していますか?
A: リード数が月50件以下ならJetpack CRM、メールマーケティングも重視するならFluentCRM、本格的な営業管理・マーケティングオートメーションが必要ならHubSpot連携が推奨です。
