サイトトラッキングとは?Webサイト分析の基礎と導入方法

著者: B2Bデジタルプロダクト実践ガイド編集部公開日: 2025/12/22

Webサイトの訪問者が「どこから来て」「何を見て」「どこで離脱したか」を知りたい...

自社のWebサイトを運営していても、「どのページがよく見られているのか」「どの流入元から訪問者が来ているのか」を正確に把握できていない企業は少なくありません。特に、マーケティング施策の効果測定やコンテンツ改善を進めるには、訪問者の行動を可視化する仕組みが不可欠です。

その仕組みが「サイトトラッキング」です。この記事では、サイトトラッキングの定義から仕組み、Google Analytics 4(GA4)を使った導入手順、そしてプライバシー保護への配慮まで、実務担当者が知っておくべき基礎知識を解説します。

この記事のポイント:

  • サイトトラッキングとは、訪問者の行動(流入元、閲覧ページ、離脱先)を記録・追跡すること
  • CookieとトラッキングコードがWebトラッキングの主要な仕組み
  • サードパーティCookieは2024年以降段階的に廃止され、ファーストパーティデータが重要に
  • GA4はプライバシー重視設計で、IPアドレス匿名化やデータ保持期間設定が標準搭載
  • プライバシーポリシーにトラッキング利用を明記しないと、法令違反のリスクがある

1. サイトトラッキングとは|なぜWebサイト分析に必要なのか

サイトトラッキング(Webトラッキング)とは、Webサイトの訪問者がネット上でどのような行動をとったかを記録・追跡することです。具体的には、以下のようなデータを収集します。

  • 流入元: 検索エンジン、SNS、広告、直接アクセスなど、訪問者がどこから来たか
  • 閲覧ページ: 訪問者がどのページを、どの順番で閲覧したか
  • 滞在時間: 各ページにどれくらいの時間を費やしたか
  • 離脱先: どのページで離脱したか、またはどのリンクをクリックしてサイトを離れたか
  • コンバージョン: 問い合わせフォーム送信や購入など、目標とする行動を達成したか

これらのデータを収集・分析することで、以下のような施策につなげることができます。

  • マーケティング施策の効果測定: 広告やSEOの効果を数値で把握し、投資対効果(ROI)を評価
  • コンテンツ改善: よく読まれているページ、離脱率の高いページを特定し、改善の優先順位を決定
  • ユーザー体験の向上: 訪問者の行動パターンを理解し、サイト設計やナビゲーションを最適化
  • セグメント別分析: 新規訪問者とリピーター、PCとスマホなど、セグメント別に行動を比較

サイトトラッキングは、データドリブンなWebサイト運営の基盤となる仕組みです。

2. サイトトラッキングの仕組み

サイトトラッキングは、主に「Cookie」と「トラッキングコード」を活用して実現されます。

(1) Cookieを活用した訪問者行動の記録

Cookieとは、Webサイトがユーザー情報を収集するために利用する小さなテキストファイルです。ユーザーがWebサイトにアクセスすると、ブラウザにCookieが保存され、次回訪問時にそのCookieを読み取ることで、「同じユーザーが再訪した」と識別できます。

Cookieには以下のような情報が含まれます。

  • ユーザーID(匿名の識別子)
  • 訪問日時
  • 閲覧ページのURL
  • リファラ(どのサイトから来たか)
  • セッションID(1回の訪問を識別する番号)

これらの情報を元に、アクセス解析ツール(Google AnalyticsやAdobe Analyticsなど)がユーザー行動を可視化します。

(2) サードパーティCookieとファーストパーティデータの違い

Cookieには「ファーストパーティCookie」と「サードパーティCookie」の2種類があります。

ファーストパーティCookie:

  • 閲覧中のサイトのドメイン管理者が発行するCookie
  • 自社サイト内でのユーザー行動を追跡するために使用
  • プライバシー規制の影響を受けにくい

サードパーティCookie:

  • 閲覧サイトのドメイン管理者以外の第三者が発行するCookie
  • 広告配信やクロスドメイントラッキング(複数サイト間での追跡)に利用
  • プライバシー規制により段階的に廃止されている

近年、プライバシー保護の観点から、サードパーティCookieの利用が制限される流れが加速しています。

(3) 2024年以降のCookie規制とその影響

2024年以降、Google ChromeでもサードパーティCookieが段階的に廃止されつつあります。これにより、以下のような影響が出ています。

  • クロスドメイントラッキングが困難に: 複数サイト間でのユーザー行動追跡ができなくなる
  • リターゲティング広告の精度低下: サードパーティCookieを使った広告配信が制限される
  • ファーストパーティデータの重要性増大: 自社で直接収集したデータ(会員登録情報、アンケート等)が価値を持つ

このため、Webトラッキングは「ファーストパーティデータ」を中心とした仕組みへの移行が進んでいます。Google Analytics 4(GA4)も、この流れに対応したプライバシー重視設計となっています。

3. 主要なトラッキングツールの比較

Webサイトのトラッキングには、様々なアクセス解析ツールが利用されます。ここでは、代表的なツールを比較します。

(1) Google Analytics 4(GA4)の特徴

GA4は、Googleが提供する次世代のアクセス解析ツールです。旧版のUniversal Analytics(UA)から大きく進化し、以下の特徴があります。

  • 測定IDが「G-」で始まる: UAは「UA-」で始まるのに対し、GA4は「G-」で始まる測定IDを使用
  • イベントベース測定: ページビュー中心のUAと異なり、GA4はユーザーの行動(クリック、スクロール、動画再生など)をイベントとして計測
  • プライバシー重視設計: IPアドレスの自動匿名化、データ保持期間の設定、サードパーティCookie非依存など、プライバシー規制に対応
  • AI予測機能: 機械学習を活用し、購入見込み客やチャーン(離脱)リスクを予測
  • 無料で利用可能: 月間1,000万イベントまで無料(中小企業には十分)

GA4は、2024年以降のプライバシー規制に対応した標準ツールとして、多くの企業で導入が進んでいます。

(2) その他のアクセス解析ツール(無料・有料)

GA4以外にも、以下のようなツールがあります。

Adobe Analytics(有料):

  • 大企業向けの高機能ツール
  • カスタマイズ性が高く、複雑な分析が可能
  • 料金は月額数十万円〜数百万円

Matomo(無料・有料):

  • オープンソースのアクセス解析ツール
  • 自社サーバーにインストールでき、データを完全にコントロール可能
  • プライバシー重視の企業に人気

Microsoft Clarity(無料):

  • ヒートマップとセッション録画に特化したツール
  • GA4と併用することで、ユーザー行動を詳細に把握できる
  • 無料で無制限に利用可能

(3) ツール選定のポイント

トラッキングツールを選ぶ際は、以下のポイントを考慮しましょう。

  • 料金: 無料ツール(GA4、Microsoft Clarity)で十分な場合が多い。大規模サイトや高度な分析が必要な場合は有料ツールを検討
  • プライバシー対応: GDPR(EU一般データ保護規則)や改正個人情報保護法に準拠しているか
  • 機能: ヒートマップ、セッション録画、AI予測など、必要な機能が揃っているか
  • 連携性: 広告プラットフォーム(Google広告、Meta広告など)やCRM(顧客管理システム)と連携できるか

ほとんどの中小〜中堅企業では、GA4で十分な分析が可能です。必要に応じて、ヒートマップツール(Microsoft Clarity、Hotjar等)を併用するのが実務的です。

4. GA4トラッキングコードの導入手順

GA4を導入するには、トラッキングコードをWebサイトに設置する必要があります。以下、基本的な手順を解説します。

(1) 測定IDの取得方法

  1. GA4アカウント作成: Googleアカウントでログインし、Google Analyticsにアクセス
  2. プロパティ作成: 「管理」→「プロパティを作成」から、サイト名とタイムゾーンを設定
  3. データストリーム追加: 「データストリーム」→「ウェブ」を選択し、サイトURLを入力
  4. 測定IDを確認: データストリームを作成すると、「G-」で始まる測定IDが発行される

測定IDは、トラッキングコードに埋め込む識別子です。必ずメモしておきましょう。

(2) トラッキングコードの設置場所(タグ直後)

GA4のトラッキングコードは、全ページのタグの直後に設置するのが基本です。

<!DOCTYPE html>
<html>
<head>
  <!-- Global site tag (gtag.js) - Google Analytics -->
  <script async src="https://www.googletagmanager.com/gtag/js?id=G-XXXXXXXXXX"></script>
  <script>
    window.dataLayer = window.dataLayer || [];
    function gtag(){dataLayer.push(arguments);}
    gtag('js', new Date());
    gtag('config', 'G-XXXXXXXXXX');
  </script>
  <!-- その他のheadタグ内容 -->
</head>
<body>
  <!-- ページ内容 -->
</body>
</html>

設置場所の重要性:

  • <head>タグの直後に設置することで、ページ読み込み時に確実にトラッキングが動作する
  • <body>タグ内や<footer>に設置すると、ページ読み込みが完了する前に離脱した訪問者を計測できない

Googleタグマネージャー(GTM)の利用も推奨:

GTMを使うと、トラッキングコードを直接HTMLに埋め込まず、GTM経由で管理できます。以下のメリットがあります。

  • エンジニアの手を借りずに、マーケティング担当者がタグを追加・変更できる
  • 複数のトラッキングツール(GA4、広告タグ、ヒートマップ等)を一元管理できる
  • タグの動作テストが容易

(3) 設置後の動作確認(リアルタイムレポート)

トラッキングコードを設置したら、必ず動作確認を行います。

  1. GA4の「リアルタイム」レポートを開く: 管理画面の「レポート」→「リアルタイム」
  2. 自分でサイトにアクセス: 設置したサイトに自分のブラウザでアクセス
  3. ユーザー数がカウントされるか確認: リアルタイムレポートに「1ユーザー」と表示されればOK

もし計測されない場合は、以下を確認しましょう。

  • 測定IDが正しいか(「G-」で始まる文字列)
  • トラッキングコードが全ページに設置されているか
  • ブラウザの広告ブロッカーが無効になっているか

5. プライバシー保護とトラッキング規制への対応

サイトトラッキングを導入する際は、プライバシー保護への配慮が不可欠です。

(1) プライバシーポリシーへの記載事項

日本の改正個人情報保護法やGDPR(EU一般データ保護規則)では、トラッキング利用を明示する義務があります。プライバシーポリシーには、以下の事項を記載しましょう。

  • トラッキングツールの利用: 「Google Analytics 4を使用し、訪問者の行動を分析しています」
  • Cookieの使用: 「Cookieを使用してユーザーを識別します」
  • データ処理方法: 「収集したデータはマーケティング施策の効果測定とコンテンツ改善に利用します」
  • 第三者提供の有無: 「Googleにデータを提供します」
  • オプトアウト方法: 「ブラウザ設定でCookieを無効化できます」

プライバシーポリシーにこれらを明記しないと、法令違反のリスクがあります。

(2) GA4の個人情報保護法遵守状況とリスク

GA4は、個人情報保護法を遵守しているか公式に明記されていません。そのため、利用者側で以下のリスクを認識し、対応する必要があります。

  • データの国外移転: GA4のデータは米国のGoogleサーバーに保存される可能性があり、GDPR対応には注意が必要
  • 個人情報の定義: IPアドレスやCookie IDが「個人情報」に該当する可能性がある
  • 利用者責任: GA4の利用は、最終的に利用者の責任で行う必要がある

対策として、以下を実施しましょう。

  • プライバシーポリシーに明記する
  • GA4の「データ保持期間」を適切に設定する(2ヶ月、14ヶ月など)
  • IPアドレス匿名化機能を有効にする(GA4では標準で有効)

(3) サイト越えトラッキング防止への対応

iOS SafariやFirefoxは、デフォルトで「サイト越えトラッキング防止(Intelligent Tracking Prevention, ITP)」機能が有効になっています。この機能により、サードパーティCookieがブロックされ、計測精度に影響が出ます。

対応策としては、以下が考えられます。

  • ファーストパーティCookieの活用: GA4はファーストパーティCookieを使用するため、ITPの影響を受けにくい
  • サーバーサイドトラッキングの導入: Googleタグマネージャーのサーバーサイドタグマネージャーを使い、サーバー経由でデータを送信
  • ユーザーID機能の活用: ログイン機能がある場合、ユーザーIDを使ってクロスデバイストラッキングを実現

プライバシー規制は今後も強化される見込みであり、最新の動向を追い続ける必要があります。

6. まとめ|サイトトラッキング導入のチェックリスト

サイトトラッキングは、Webサイトの訪問者行動を可視化し、データドリブンな改善を進めるための基盤です。導入時は以下のチェックリストを確認しましょう。

導入前:

  • トラッキングツール(GA4推奨)を選定
  • プライバシーポリシーにトラッキング利用を明記
  • 社内で利用目的とKPI(セッション数、CVRなど)を合意

導入時:

  • GA4アカウントを作成し、測定IDを取得
  • トラッキングコードを全ページのタグ直後に設置(またはGTM経由)
  • リアルタイムレポートで動作確認

導入後:

  • 定期的にレポートを確認し、データを分析
  • マーケティング施策の効果測定とコンテンツ改善に活用
  • Cookie規制やプライバシー保護の最新動向を追う

プライバシー対応:

  • プライバシーポリシーに記載事項を網羅(トラッキング利用、Cookie使用、データ処理方法、オプトアウト方法)
  • GA4のデータ保持期間を適切に設定
  • IPアドレス匿名化機能を確認(GA4では標準で有効)

サイトトラッキングは、一度設置すれば終わりではなく、継続的にデータを活用し、PDCAを回すことが重要です。この記事で紹介した基礎知識を元に、まずはGA4を導入し、Webサイト改善の第一歩を踏み出しましょう。

よくある質問

Q1サイトトラッキングとは?

A1サイトトラッキングとは、Webサイトの訪問者がネット上でどのような行動をとったかを記録・追跡することです。具体的には、流入元(検索エンジン、SNS、広告など)、閲覧ページ、滞在時間、離脱先、コンバージョンなどのデータを収集します。CookieとトラッキングコードがWebトラッキングの主要な仕組みで、アクセス解析ツール(Google Analytics 4など)でデータを可視化します。

Q2GA4と旧版(Universal Analytics)の違いは?

A2GA4は測定IDが「G-」で始まり、イベントベース測定でプライバシー重視設計です。旧版のUniversal Analytics(UA)は「UA-」で始まり、ページビュー中心の計測でした。GA4はIPアドレスの自動匿名化、データ保持期間設定、サードパーティCookie非依存など、2024年以降のプライバシー規制に対応しています。また、AI予測機能も搭載されており、購入見込み客やチャーンリスクを予測できます。

Q3トラッキングのプライバシーは大丈夫?

A3GA4は個人情報保護法を遵守しているか公式に明記されていないため、利用者側での判断と責任が必要です。プライバシーポリシーには、トラッキング利用、Cookie使用、データ処理方法、第三者提供の有無、オプトアウト方法を明記する必要があります。これらを記載しないと、改正個人情報保護法やGDPR違反のリスクがあります。また、GA4のデータ保持期間を適切に設定し、IPアドレス匿名化機能を確認しましょう。

Q4トラッキングコードはどこに設置すれば良い?

A4GA4のトラッキングコードは、全ページの<head>タグの直後に設置するのが基本です。<body>タグ内や<footer>に設置すると、ページ読み込みが完了する前に離脱した訪問者を計測できません。Googleタグマネージャー(GTM)を使うと、トラッキングコードを直接HTMLに埋め込まず、GTM経由で管理でき、エンジニアの手を借りずにマーケティング担当者がタグを追加・変更できます。

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B2Bデジタルプロダクト実践ガイド編集部

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