フォームとは?Webフォームの種類・設計・EFO改善の基本を解説

著者: B2Bデジタルプロダクト実践ガイド編集部公開日: 2025/12/17

Webマーケティングにおけるフォームの重要性

Webサイトから問い合わせを増やしたいのに、思うようにコンバージョンが伸びない...そんな悩みを抱えているマーケティング担当者は少なくありません。

実は、フォームの設計が不適切だと、せっかくサイトに訪れた見込み客の60-70%が途中で離脱してしまうと言われています。逆に、フォームを最適化することで、同じアクセス数でもコンバージョン数が2倍、3倍になることも珍しくありません。

この記事では、Webフォームの基本概念から設計のポイント、EFO(入力フォーム最適化)による離脱率改善手法まで、実務で使える知識を体系的に解説します。

この記事のポイント:

  • フォームはWebサイト上で情報を入力・送信する画面で、問い合わせや資料請求に使用される
  • 対策なしの場合、フォームの離脱率は60-70%に達し、大きな機会損失となる
  • EFO(入力フォーム最適化)により、BtoBでは完了率25-30%を目標にできる
  • セキュリティ対策(SSL暗号化、reCAPTCHA等)は個人情報保護のために必須
  • 2024年4月からWebアクセシビリティの合理的配慮が義務化されている

フォームの基礎知識と種類

(1) フォームとは何か?基本的な定義と役割

フォーム(入力フォーム)とは、Webサイトやランディングページ上に設置された、情報を入力して送信するための画面です。

フォームの役割:

  • 情報収集: 顧客の名前、メールアドレス、電話番号、会社名などの基本情報を取得
  • 顧客接点の創出: 問い合わせや資料請求を通じて、見込み客との接点を作る
  • リード獲得: マーケティング活動において、見込み客(リード)を獲得する重要な手段
  • データの構造化: 入力された情報を自動的に構造化し、CRMやMAツールと連携

フォームは、Webマーケティングにおいて「訪問者」を「見込み客」に変換する最も重要な接点の1つです。

(出典: HubSpot「フォームとは?目的別の種類・設置メリット・7つの作成ツールをご紹介」

(2) 用途別フォームの種類(問い合わせ・会員登録・資料請求・アンケート)

フォームは用途によって、以下のように分類されます。

1. 問い合わせフォーム

企業の公式サイトに設置され、顧客からの質問や相談を受け付けるフォームです。

含まれる項目:

  • 名前、メールアドレス、電話番号
  • 問い合わせ内容(テキストエリア)
  • 会社名(BtoB企業の場合)

2. 会員登録フォーム

オンラインサービスやECサイトで、新規会員を登録するためのフォームです。

含まれる項目:

  • ユーザー名、パスワード
  • メールアドレス
  • 利用規約への同意チェックボックス

3. 資料請求フォーム

BtoB企業がホワイトペーパーやサービス資料をダウンロード提供する際に設置するフォームです。

含まれる項目:

  • 名前、メールアドレス、会社名、役職
  • 業種、従業員数(セグメント分析のため)

4. 申し込みフォーム

セミナー参加やサービス契約の申し込みを受け付けるフォームです。

含まれる項目:

  • 基本情報(名前、連絡先)
  • 参加希望日時(セミナーの場合)
  • 支払い方法(有料サービスの場合)

5. アンケートフォーム

顧客満足度調査やマーケティングリサーチのためのフォームです。

含まれる項目:

  • 満足度評価(5段階評価など)
  • 自由記述欄
  • 属性情報(年齢、性別等)

用途によって、収集すべき情報や設計方針が異なるため、目的を明確にしてからフォームを作成することが重要です。

(出典: Bow-now「フォームとは?用途別の種類やおすすめツールを徹底解説」

成果を出すフォーム設計の5つのポイント

フォームから高いコンバージョン率を得るには、ユーザビリティを重視した設計が重要です。

(1) 必須項目を最小限にする設計

フォームの入力項目が多すぎると、ユーザーは「面倒だ」と感じて離脱してしまいます。

推奨される項目数:

  • 問い合わせフォーム: 3-5項目(名前、メール、電話、会社名、問い合わせ内容)
  • 資料請求フォーム: 4-6項目(名前、メール、会社名、役職、業種、従業員数)
  • アンケート: 5-10項目(質問内容による)

必須項目の見極め方:

  • 「この情報は本当に初回接点で必要か?」を自問する
  • 後から営業フォローで聞ける情報は、フォームでは任意項目にする
  • 必須項目には「必須」と明示し、任意項目には「任意」と表示する

調査によると、フォーム項目を1つ減らすだけで完了率が5-10%向上することもあると言われています。

(2) 入力例表示とリアルタイムエラー通知

ユーザーが「どう入力すればいいのか分からない」と感じると、離脱の原因になります。

入力例の表示(プレースホルダー):

電話番号: 03-1234-5678
メールアドレス: tanaka@example.com
会社名: 株式会社〇〇

プレースホルダーで入力形式を明示することで、入力ミスが減り、完了率が向上します。

リアルタイムエラー通知:

従来は、送信ボタンを押した後にまとめてエラーが表示されていましたが、現在はリアルタイムで入力内容をチェックして即座にエラーを通知する設計が推奨されます。

例:

  • メールアドレスの形式が不正な場合、入力欄の下に赤文字で「正しいメールアドレス形式で入力してください」と表示
  • パスワードが短い場合、「8文字以上で入力してください」と即座に通知

リアルタイムエラー通知により、ユーザーは送信前に修正でき、ストレスが軽減されます。

(3) レスポンシブデザインとモバイル対応

現在、Webサイトへのアクセスの50-70%がスマートフォン経由と言われています。モバイル対応が不十分だと、多くのユーザーを取り逃がしてしまいます。

モバイル対応のポイント:

  • レスポンシブデザイン: PC、スマートフォン、タブレットで適切に表示される
  • ボタンサイズの最適化: 指でタップしやすい大きさ(最低44px × 44px)
  • 入力欄の大きさ: スマートフォンでも見やすく、入力しやすいサイズ
  • 縦スクロール設計: 横スクロールが発生しないようにする
  • キーボードタイプの最適化: 電話番号入力時はテンキー、メール入力時は@キーが出るキーボード

スマートフォンでの入力体験を最適化することで、モバイルユーザーの離脱率を大幅に改善できます。

(出典: Tayori「問い合わせフォームのデザインまとめ18選!参考にしたいアイデア、機能を一挙紹介」

EFO(入力フォーム最適化)で離脱率を改善する方法

EFO(Entry Form Optimization / 入力フォーム最適化)とは、フォームのユーザビリティを改善し、離脱率を下げてコンバージョン率を向上させる施策です。

(1) 離脱率60-70%を改善するEFOの基本施策

フォームの離脱率は、対策なしの場合60-70%に達すると言われています。以下の施策を実施することで、離脱率を大幅に改善できます。

EFOの基本施策:

1. 入力進捗の表示

複数ステップのフォームの場合、「ステップ1/3」のように進捗を表示することで、ユーザーは「あとどれくらいで終わるのか」が分かり、離脱が減ります。

2. 自動入力機能

ブラウザの自動入力機能(autocomplete属性)を有効にすることで、過去に入力した情報を再利用でき、入力の手間が省けます。

3. 外部リンクの削除

フォームページにグローバルナビゲーションや外部リンクがあると、ユーザーが途中で離脱しやすくなります。フォーム完了に集中させるため、余計なリンクは削除することが推奨されます。

4. 必須項目の明示

「必須」と「任意」を明確に表示し、どの項目が入力必須なのかを一目で分かるようにします。

5. 送信ボタンのデザイン最適化

送信ボタンは視認性を高め、クリックしやすい大きさにします。ボタンのラベルも「送信」ではなく「資料をダウンロード」「無料で相談する」など、具体的な行動を示す文言にすることで、クリック率が向上します。

(出典: Xserver「EFOとは?入力フォーム最適化の施策例20選を紹介」

(2) 住所自動入力・ステップ分割などの具体的手法

住所自動入力機能

郵便番号を入力すると、自動的に都道府県・市区町村が入力される機能です。ユーザーの入力負担が大幅に軽減され、完了率が向上します。

実装方法:

  • 郵便番号APIを使用(無料で利用可能)
  • フォーム作成ツール(formrun、Tayori等)には標準機能として搭載されていることが多い

ステップ分割(マルチステップフォーム)

長いフォームを複数のステップに分割することで、ユーザーの心理的負担を軽減します。

例:

  • ステップ1: 基本情報(名前、メールアドレス)
  • ステップ2: 会社情報(会社名、業種、従業員数)
  • ステップ3: 詳細(問い合わせ内容、希望日時)

ステップ分割により、「最初の1ステップだけ入力してみよう」という心理が働き、結果的に完了率が上がる傾向があります。

入力アシスト機能

  • 全角・半角の自動変換(電話番号は半角、名前は全角など)
  • ハイフンの自動挿入(電話番号を「0312345678」と入力すると「03-1234-5678」に自動変換)

これらの機能により、ユーザーは入力形式を気にせずに情報を入力でき、エラーが減少します。

(3) BtoBフォームの完了率目標25-30%を達成する方法

BtoB企業のフォームでは、完了率(フォームにアクセスしたユーザーのうち送信を完了した割合)25-30%が最適化の目標と言われています。

BtoBフォームの特性:

  • BtoCよりも入力項目が多い(会社名、役職、業種、従業員数など)
  • 意思決定に時間がかかるため、離脱率が高くなりがち
  • 情報の質(リードの質)も重要

完了率を向上させる施策:

1. 「後で入力」の選択肢を設ける

詳細情報は後からメールで送ってもらう選択肢を用意し、初回は最小限の情報だけで登録できるようにします。

2. 信頼性の明示

フォーム周辺に以下の要素を配置し、ユーザーに安心感を与えます。

  • 導入実績(「〇〇社以上の企業が利用」)
  • プライバシーポリシーへのリンク
  • セキュリティ対策の明示(「SSL暗号化通信」等)

3. フォーム送信後のフォローを明示

「送信後、24時間以内に担当者からご連絡します」など、送信後の流れを明示することで、ユーザーは安心して送信できます。

(出典: formLab「EFO(入力フォーム最適化)とは?3つの効果や具体的な施策25選・おすすめツールを解説」

フォームのセキュリティ対策と注意点

フォームでは個人情報を収集するため、セキュリティ対策が不可欠です。対策が不十分だと、情報漏洩により企業の信頼を失い、法的責任を問われる可能性があります。

(1) SSL暗号化とreCAPTCHAの導入

SSL/TLS暗号化

SSL/TLSとは、インターネット上の通信を暗号化し、第三者からの盗聴や改ざんを防ぐセキュリティ技術です。

確認方法:

  • URLが「https://」で始まっている(「http://」ではない)
  • ブラウザのアドレスバーに鍵マークが表示されている

SSL証明書の取得:

  • レンタルサーバー(Xserver、さくらインターネット等)では無料SSL証明書が提供されていることが多い
  • Let's Encryptなどの無料証明書も利用可能

SSL暗号化は、個人情報を扱うフォームでは必須です。

reCAPTCHA(リキャプチャ)

reCAPTCHAは、Googleが提供する認証システムで、機械的な自動送信(bot)を防ぐための仕組みです。

導入効果:

  • スパムメールの大量送信を防ぐ
  • 悪意ある攻撃者による自動的なフォーム送信を防ぐ

reCAPTCHAは無料で利用でき、多くのフォーム作成ツールで標準搭載されています。

(出典: formrun「問い合わせフォームのセキュリティリスクとは?プロが選ぶ重要な対策5選」

(2) 個人情報漏洩リスクと対策

主なセキュリティリスク:

1. SQLインジェクション

悪意ある攻撃者がフォームに不正なSQL文を入力し、データベースを不正に操作する攻撃です。

対策:

  • プリペアドステートメント(パラメータ化クエリ)を使用
  • フォーム作成ツールを使用する場合、ツール側で対策済みのものを選ぶ

2. クロスサイトスクリプティング(XSS)

攻撃者がフォームに悪意あるスクリプトを埋め込み、他のユーザーに実行させる攻撃です。

対策:

  • 入力内容をサニタイジング(無害化処理)する
  • 出力時にHTMLエスケープ処理を行う

3. 不正アクセス

管理画面への不正ログインにより、フォームで収集した個人情報が盗まれるリスクです。

対策:

  • 管理画面には二要素認証(2FA)を導入
  • IPアドレス制限で特定の場所からのみアクセス可能にする
  • パスワードを定期的に変更する

フォーム作成ツールのセキュリティ対策を確認

フォーム作成ツールを選ぶ際は、以下のセキュリティ対策が実装されているかを確認しましょう。

  • SSL/TLS暗号化対応
  • reCAPTCHA対応
  • IPアドレス制限機能
  • データの暗号化保存
  • プライバシーマーク取得(日本の場合)
  • ISO 27001認証取得(情報セキュリティ管理)

個人情報を扱う以上、セキュリティは最優先事項です。低価格ツールでも、セキュリティ対策が不十分なものは避けるべきです。

(出典: スパイラル株式会社「フォームのセキュリティについて考えよう。主なリスクや対策とは」

まとめ:フォーム改善で成果を出すためのチェックリスト

Webフォームは、見込み客との最初の接点であり、コンバージョン獲得の要です。適切に設計・最適化することで、離脱率を大幅に改善できます。

フォーム改善のチェックリスト:

設計段階:

  • 必須項目を最小限にする(3-6項目)
  • 入力例(プレースホルダー)を表示する
  • レスポンシブデザインでモバイル対応する
  • 外部リンクを削除し、フォーム完了に集中させる

EFO施策:

  • 住所自動入力機能を実装する
  • リアルタイムエラー通知を導入する
  • 入力進捗を表示する(マルチステップの場合)
  • 送信ボタンのデザインと文言を最適化する

セキュリティ対策:

  • SSL/TLS暗号化を導入する(https化)
  • reCAPTCHAを設置してbot対策をする
  • プライバシーポリシーへのリンクを明示する
  • フォーム作成ツールのセキュリティ対策を確認する

効果測定:

  • Googleアナリティクスでフォームの完了率を測定する
  • ヒートマップでユーザーの離脱ポイントを特定する
  • A/Bテストで項目数や文言の効果を検証する

次のアクション:

  • 既存のフォームで離脱率の高い項目を特定する
  • 必須項目を見直し、1-2項目削減できないか検討する
  • フォーム作成ツールの導入を検討する(formrun、Tayori、WEBCAS formulator等を比較)
  • SSL化されていない場合は、レンタルサーバーの無料SSLを導入する
  • BtoBフォームの場合、完了率25-30%を目標にEFO施策を実施する

フォーム改善は、一度実施すれば終わりではなく、継続的にPDCAを回すことが重要です。小さな改善を積み重ねて、自社のコンバージョン獲得を最大化していきましょう。

※この記事の情報は2025年1月時点のものです。フォーム作成ツールの機能・料金、セキュリティ対策の推奨事項は変更される可能性があるため、公式サイトや専門家に最新情報をご確認ください。

よくある質問

Q1フォームの離脱率はどのくらい?

A1対策なしの場合、フォームの離脱率は60-70%に達すると言われています。EFO(入力フォーム最適化)施策を実施することで離脱率を大幅に改善でき、BtoBフォームでは完了率25-30%を目標にできます。

Q2フォーム作成ツールはどう選べばいい?

A2セキュリティ対策(SSL対応、reCAPTCHA)、CRM・MAツールとの連携機能、料金体系の3点を比較します。formrun、Tayori、WEBCAS formulator等の主要ツールを検討し、公式サイトで最新の機能・料金を確認することを推奨します。

Q3フォームのセキュリティで最低限必要な対策は?

A3SSL/TLS暗号化(https化)、reCAPTCHAによるボット対策、IPアドレス制限の3つが基本です。個人情報を扱う場合はこれらの対策が必須となります。フォーム作成ツールを使う場合は、ツール側で対策が実装されているかを確認しましょう。

Q4EFO(入力フォーム最適化)の具体的な施策は?

A4住所自動入力機能、リアルタイムエラー通知、入力進捗の表示、必須項目の明示、送信ボタンの最適化などが代表的です。また、必須項目を3-6項目に絞り込み、外部リンクを削除してフォーム完了に集中させることも重要です。

Q5BtoBフォームで完了率を上げるには?

A5BtoBフォームでは完了率25-30%が目標です。必須項目を最小限にし、詳細情報は後から入力できる選択肢を設けます。また、導入実績やプライバシーポリシーを明示して信頼性を高め、送信後のフォロー(24時間以内に連絡等)を明記することが有効です。

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B2Bデジタルプロダクト実践ガイド編集部

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