システム営業とは?仕事内容・必要スキル・キャリアパスを徹底解説

著者: B2Bデジタルプロダクト実践ガイド編集部公開日: 2025/12/6

システム営業に興味があるけれど、具体的にどんな仕事なのか分からない...

IT業界への転職を検討している方や、新卒でシステム営業を目指す学生の中には、「システム営業って具体的にどんな仕事をするの?」「IT知識がないとできないの?」「文系出身でも大丈夫?」「一般の営業と何が違うの?」といった疑問を抱えている方も多いのではないでしょうか。

この記事では、システム営業の定義、具体的な仕事内容、一般営業やSEとの違い、必要なスキル・知識、キャリアパス、年収まで、システム営業の実態を網羅的に解説します。

この記事のポイント:

  • システム営業は情報システムやIT、コンピューター技術に関するサービス・機器の導入を案内する営業職
  • SI営業、ハード営業、ソフト営業、ネットワーク営業の4つに大別される
  • 一般営業と比べて商談期間が長く、関係者が多い。IT知識が必須
  • 必要なスキルはヒアリング力、課題発見・提案力、IT知識、橋渡し役としてのコミュニケーション能力
  • 平均年収は620.4万円。文系出身者も多いが、IT知識の継続的な学習は必須

1. システム営業とは?

システム営業は、情報システムやIT、コンピューター技術に関するサービスや機器の導入を案内する営業職です。企業のDX推進やSaaS導入の増加により、システム営業の需要は近年高まっています。

(1) システム営業の定義

システム営業(System Sales)とは、顧客の業務課題をヒアリングし、ITソリューション(情報システム、ハードウェア、ソフトウェア、ネットワーク等)を提案・販売する営業職を指します。

一般的な営業と異なり、システム営業は以下の特徴があります:

商談期間が長い: ITシステムの導入は企業にとって大きな投資であり、慎重な検討が必要です。そのため、商談期間は数ヶ月~1年以上に及ぶことも一般的です。

関係者が多い: システム導入の意思決定には、経営層、IT部門、実際にシステムを使用する現場担当者など、多数の関係者が関わります。システム営業は、これらの関係者全員の理解と合意を得る必要があります。

IT知識が必要: 顧客の課題をITソリューションで解決できることを見極めるため、一定のIT知識が求められます。ただし、プログラミングスキルは不要で、システム開発の流れやIT技術の概念理解が重要です。

(2) システム営業の4つの種類(SI、ハード、ソフト、ネットワーク)

システム営業は、扱う製品・サービスによって4つに大別されます。

SI営業(System Integration Sales): 企業のシステム構築(システムインテグレーション)に関わる営業です。顧客の業務課題をヒアリングし、要件定義から設計、開発、導入、運用保守までを一貫して提案します。商談期間が長く、高度なIT知識と提案力が求められます。

ハード営業(Hardware Sales): サーバ、パソコン、ネットワーク機器などのハードウェアに関わる営業です。顧客の業務規模や利用目的に応じて、適切なハードウェアを提案します。

ソフト営業(Software Sales): ソフトウェアに関わる営業です。近年はSaaS(Software as a Service)の普及により、クラウド型のソフトウェアを提案するケースが増えています。顧客の業務課題を解決するソフトウェアを提案し、導入後のサポートも行います。

ネットワーク営業(Network Sales): 通信設備の構築やセキュリティに関わる営業です。企業のネットワーク環境を整備し、安全な通信環境を提供します。

それぞれの営業スタイルや求められるスキルは異なりますが、共通するのは「顧客の課題をITソリューションで解決する」という点です。

2. システム営業の仕事内容

システム営業の仕事は、顧客の課題ヒアリングから導入後のフォローまで、多岐にわたります。一般的な業務フローを解説します。

(1) 顧客の課題ヒアリング

システム営業の仕事は、顧客の課題や悩みを丁寧にヒアリングすることから始まります。顧客が抱える業務上の課題(業務効率が悪い、データ管理が煩雑、セキュリティが不安など)を引き出し、ITソリューションで解決できることを探ります。

ヒアリング力が最も重要なスキルであり、顧客の潜在的な課題を発見することで、適切なソリューションを提案できます。

(2) ITソリューション提案

ヒアリングで得た情報をもとに、顧客の課題を解決するITソリューションを提案します。提案内容には、システムの概要、導入によって得られる効果、導入スケジュール、費用などが含まれます。

プレゼンテーション能力が重要であり、顧客に分かりやすく説明し、納得してもらう必要があります。

(3) 見積作成・契約交渉

提案が承認されたら、見積を作成し、契約条件を顧客と交渉します。価格、納期、サポート内容などを調整し、双方にとって納得のいく契約を結びます。

(4) プロジェクト進行管理(顧客とエンジニアの橋渡し)

契約後、システム開発・導入のプロジェクトが始まります。システム営業は、顧客とエンジニア(SE)の橋渡し役を担い、両者の理解を深めることで円滑なプロジェクト進行を支援します。

顧客の要望をエンジニアに正確に伝え、逆にエンジニアの技術的な説明を顧客に分かりやすく伝えることが求められます。コミュニケーション能力が重要です。

(5) 導入後のフォロー・サポート

システム導入後も、システム営業の仕事は続きます。システムの定着率を高めるため、運用マニュアル作成や社内研修、トラブルを未然に防ぐ定期チェックも行います。

また、追加の機能提案(アップセル)や、関連システムの提案(クロスセル)を行い、顧客との長期的な関係を構築します。

3. 一般営業・SEとの違い

システム営業は、一般営業やSE(システムエンジニア)と似ている部分もありますが、役割や求められるスキルが異なります。

(1) 一般営業との違い(商談期間、関係者数、IT知識の必要性)

システム営業と一般営業の主な違いは以下の通りです。

商談期間:

  • 一般営業: 短期間(数日~数週間)で契約に至ることも多い
  • システム営業: 数ヶ月~1年以上の長期商談が一般的

関係者数:

  • 一般営業: 意思決定者が1-2名の場合が多い
  • システム営業: 経営層、IT部門、現場担当者など、多数の関係者が関わる

IT知識の必要性:

  • 一般営業: 製品知識は必要だが、IT知識は不要
  • システム営業: IT知識が必須。システム開発の流れやIT技術の概念理解が求められる

提案内容の複雑性:

  • 一般営業: 製品・サービスの特徴や価格を中心に提案
  • システム営業: 顧客の業務課題を深く理解し、ITソリューションでどのように解決できるかを提案

システム営業は通常の営業よりも勉強や自己成長への時間投資が必要です。

(2) SEとの違い(営業はシステムを作りたい顧客を探す、SEはシステムを設計・開発)

システム営業とSE(システムエンジニア)の役割は異なります。

システム営業の役割:

  • システムを作りたい顧客を探して連れてくる
  • 顧客の課題をヒアリングし、ITソリューションを提案
  • 契約を獲得し、プロジェクトをスタートさせる
  • 顧客とエンジニアの橋渡し役

SEの役割:

  • システムの設計、開発、構築、運用保守を行う
  • 顧客の要件を満たすシステムを技術的に実現する
  • プログラミング、テスト、デバッグなどの技術的作業

シンプルに言えば、営業は「システムを作りたい顧客を探して連れてくる」役割、SEは「システムを設計・開発する」役割です。

キャリア転換の可能性: SEとして活躍できるようになった後に営業職に転職することは可能ですが、営業職からSEに転職するのは技術スキルの習得が必要で難易度が高いと言われています。

(3) セールスエンジニアとの違い

システム営業とセールスエンジニアは似ていますが、役割が異なります。

セールスエンジニア(Sales Engineer): 技術的専門知識と営業スキルの両方を持ち、顧客への技術的な提案を行う職種です。システム営業よりも技術的な知識が深く、顧客に対してより詳細な技術説明やデモを行います。

システム営業: 顧客の課題をヒアリングし、ITソリューションを提案する営業職です。技術的な詳細はセールスエンジニアやSEに任せることも多く、営業としての役割が中心です。

企業によっては、セールスエンジニアとシステム営業の境界が曖昧な場合もあります。

4. システム営業に必要なスキルと知識

システム営業で成功するためには、複数のスキルと知識が求められます。

(1) ヒアリング力

システム営業の最も重要なスキルは、顧客の課題や悩みを丁寧にヒアリングする能力です。顧客が気づいていない潜在的な課題を引き出すことで、適切なITソリューションを提案できます。

ヒアリングのポイント:

  • 顧客の話を丁寧に聞き、共感を示す
  • オープンクエスチョン(「どのような課題がありますか?」など)で課題を引き出す
  • 顧客の業務フローを理解し、改善の余地を見つける

(2) 課題発見・提案力

ヒアリングで得た情報をもとに、顧客の課題を発見し、ITソリューションで解決策を提案する能力が求められます。顧客の業務を深く理解し、「このシステムを導入すれば、こういう効果が得られます」と具体的に説明できることが重要です。

(3) プレゼンテーション能力

提案内容を顧客に分かりやすく説明し、納得してもらうプレゼンテーション能力が必要です。特に、IT知識が乏しい顧客に対しては、専門用語を避け、平易な言葉で説明することが求められます。

(4) IT知識(プログラミング不要だが概念理解は必要)

システム営業にはIT知識が必須ですが、プログラミングスキルは不要です。重要なのは、システム開発の流れやIT技術の概念を理解し、顧客の課題をITソリューションで解決できることを見極める能力です。

必要なIT知識の例:

  • システム開発の流れ(要件定義、設計、開発、テスト、導入、運用保守)
  • クラウドサービス(SaaS、IaaS、PaaS)の基本概念
  • データベース、ネットワーク、セキュリティの基礎知識
  • 最新のIT技術トレンド(AI、DX、IoT等)

IT知識は継続的な学習により身につけることができます。文系出身者も多く、入社後に学習する方も多いです。

(5) コミュニケーション能力(橋渡し役としての調整力)

システム営業は、顧客とエンジニアの橋渡し役を担います。顧客の要望をエンジニアに正確に伝え、逆にエンジニアの技術的な説明を顧客に分かりやすく伝えるコミュニケーション能力が重要です。

また、プロジェクト進行中には、顧客とエンジニアの間で意見が食い違うこともあります。システム営業は、両者の立場を理解し、調整役として円滑なプロジェクト進行を支援する必要があります。

5. システム営業のキャリアパスと年収

システム営業のキャリアは多様であり、営業マネージャーを目指すだけでなく、セールスエンジニアやコンサルタントなど、様々なキャリアの選択肢があります。

(1) 平均年収(620.4万円)

システム営業の平均年収は620.4万円(業界調査)と言われています。ただし、企業規模、経験年数、地域によって大きく変動します。

年収の目安:

  • 新卒・未経験: 300万円~400万円
  • 経験3-5年: 450万円~600万円
  • 経験5-10年: 600万円~800万円
  • マネージャー: 800万円~1,000万円以上

インセンティブ制度を採用している企業では、成果に応じて年収が大きく変動します。

(2) キャリアパス(営業マネージャー、セールスエンジニア、コンサルタント等)

システム営業のキャリアパスは多様です。

営業マネージャー: チーム全体の目標達成に責任を持ち、メンバーのマネジメントや戦略立案を行います。

セールスエンジニア: 技術的専門知識を深め、顧客への技術的な提案を行う職種に転換します。

ITコンサルタント: 顧客の経営課題をIT戦略で解決するコンサルタントに転換します。システム営業で培った顧客理解力や提案力が活かせます。

プロダクトマネージャー: 営業経験で得た顧客のフィードバックを活かし、製品開発やロードマップの策定に関わります。

SEへの転職: 営業職からSEへの転職は技術スキルの習得が必要で難易度が高いと言われていますが、不可能ではありません。

(3) おすすめの資格

システム営業のスキル向上に役立つ資格を紹介します。

ITパスポート: IT知識の基礎を幅広く学べる国家資格です。システム営業の入門として推奨されます。

基本情報技術者試験: より深いIT知識を習得できる国家資格です。システム開発の流れやプログラミングの基礎を学べます。

AWS認定クラウドプラクティショナー: クラウドサービスの基礎知識を習得できる資格です。近年はクラウド型のシステム提案が増えているため、有用です。

MOS(Microsoft Office Specialist): Excel、Word、PowerPointなどのOfficeソフトのスキルを証明する資格です。提案資料作成や見積作成に役立ちます。

(4) SEへの転職の可能性

システム営業からSEへの転職は、技術スキルの習得が必要で難易度が高いと言われています。ただし、以下のステップで転職を目指すことは可能です。

  1. IT知識の習得: 基本情報技術者試験やプログラミングスクールで技術スキルを学ぶ
  2. セールスエンジニアへの転換: まずは技術的な提案を行うセールスエンジニアに転換する
  3. SEへの転職: セールスエンジニアとしての経験を活かし、SEに転職する

逆に、SEからシステム営業への転職は比較的容易と言われています。SE経験者は技術的な知識が豊富であり、顧客に対して説得力のある提案ができるためです。

6. まとめ:システム営業に向いている人

システム営業は、情報システムやIT、コンピューター技術に関するサービス・機器の導入を案内する営業職であり、企業のDX推進により需要が高まっています。

システム営業はSI営業、ハード営業、ソフト営業、ネットワーク営業の4つに大別され、それぞれの特徴や求められるスキルが異なります。一般営業と比べて商談期間が長く、関係者が多く、IT知識が必須です。

必要なスキルは、ヒアリング力、課題発見・提案力、プレゼンテーション能力、IT知識、橋渡し役としてのコミュニケーション能力です。プログラミングスキルは不要ですが、システム開発の流れやIT技術の概念理解が求められます。

システム営業の平均年収は620.4万円(業界調査)であり、キャリアパスは営業マネージャー、セールスエンジニア、ITコンサルタント、プロダクトマネージャーなど多様です。文系出身者も多いですが、IT知識の継続的な学習は必須です。

システム営業に向いている人の特徴:

  • ヒアリング力があり、顧客の課題を引き出せる人
  • IT技術に関心があり、継続的に学習する意欲がある人
  • 顧客とエンジニアの橋渡しができるコミュニケーション能力がある人
  • 長期的な視点で顧客との関係を構築できる人
  • 複雑な提案を分かりやすく説明できるプレゼンテーション能力がある人

次のアクション:

  • IT知識の基礎を学ぶ(ITパスポート取得など)
  • システム営業の種類(SI、ハード、ソフト、ネットワーク)を理解し、自分の興味に合った分野を見つける
  • システム営業の求人を確認し、企業の事業内容や求められるスキルを調査する
  • 継続的な学習計画を立て、IT技術のトレンドをキャッチアップする

システム営業は、顧客の課題をITで解決し、企業の成長を支援するやりがいのある仕事です。自分に合ったキャリアを築くため、継続的にスキルを磨いていきましょう。

※システム営業の仕事内容や求められるスキルは、扱う製品・サービスによって異なります。この記事は2025年12月時点の一般的な情報をもとに作成しています。

よくある質問

Q1文系出身でもシステム営業になれる?

A1可能です。システム営業には文系出身者も多くいます。ただし、IT知識の継続的な学習は必須であり、自己成長への時間投資が求められます。入社後に研修やOJTでIT知識を学ぶ機会が提供される企業も多いです。

Q2システム営業にプログラミングスキルは必要?

A2プログラミングスキルは不要です。重要なのは、システム開発の流れやIT技術の概念を理解し、顧客の課題をITソリューションで解決できることを見極める能力です。技術的な詳細はSE(システムエンジニア)に任せることも多いです。

Q3システム営業からSEに転職できる?

A3難易度が高いですが、不可能ではありません。営業職からSEへの転職は技術スキルの習得が必要です。まずはIT知識を学び、セールスエンジニアに転換し、その後SEを目指すルートが現実的です。逆にSEから営業職への転職は比較的容易と言われています。

Q4システム営業に向いている人は?

A4ヒアリング力があり顧客の課題を引き出せる人、IT技術に関心があり継続的に学習する意欲がある人、顧客とエンジニアの橋渡しができるコミュニケーション能力がある人、長期的な視点で顧客との関係を構築できる人、複雑な提案を分かりやすく説明できるプレゼンテーション能力がある人が向いています。

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B2Bデジタルプロダクト実践ガイド編集部

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