SFAとMAの違いとは?連携メリット・導入判断のポイント解説

著者: B2Bデジタルプロダクト実践ガイド編集部公開日: 2025/12/19

SFAとMAの違いが分からない…どちらを導入すべき?

BtoB企業の営業・マーケティング担当者の多くが「SFAとMAの違いが分からない」「どちらを先に導入すべきか分からない」という悩みを抱えています。両ツールは機能が似ているように見えますが、実は担当領域が明確に異なり、連携することで大きな効果を発揮します。

この記事では、SFAとMAの定義・機能の違い、連携メリット、導入判断のポイントを、実務担当者の目線で解説します。

この記事のポイント:

  • SFAは営業活動の支援、MAはマーケティング活動の自動化を担う
  • 顧客ジャーニーで役割分担:MAはリード創出・育成、SFAは商談から契約まで
  • 連携により、MQL→SQL引き渡しが効率化され、マーケティングROIが可視化される
  • SFA導入企業の約80%が失敗しており、運用体制の整備が成功の鍵
  • 企業の課題に応じて導入優先順位を判断:営業効率化ならSFA、リード獲得ならMA

1. SFAとMAが求められる背景

BtoB営業・マーケティングのデジタル化が進む中、SFAとMAの導入が加速しています。

(1) BtoB営業のデジタル化が進む理由

BtoB企業では、以下の理由で営業・マーケティングのデジタル化が求められています。

営業活動の属人化解消:

  • 営業ノウハウが個人に依存し、組織として再現性がない
  • トップセールスの手法を標準化し、チーム全体で成果を上げたい

リード獲得・育成の効率化:

  • 展示会で獲得した名刺が活用されず、放置されている
  • Web問い合わせからの商談化率が低い

営業とマーケティングの連携課題:

  • マーケティングが獲得したリードを営業がフォローしない
  • 営業からマーケティングへのフィードバックがなく、施策改善ができない

これらの課題を解決するために、SFAとMAが注目されています。

(2) マーケティングと営業の連携課題

BtoB企業では、マーケティング部門と営業部門の連携が課題になることが多いです。

よくある課題:

  • マーケティングが獲得したリードの質が低く、営業が商談化できない
  • 営業がマーケティング施策の成果(売上貢献度)を評価できない
  • 部門間で情報共有がされず、顧客対応に齟齬が発生する

SFAとMAを連携させることで、MQL(マーケティング適格リード)からSQL(営業適格リード)への引き渡しプロセスが効率化され、部門間の連携がスムーズになります。

2. SFAの基礎知識と主な機能

(1) SFAとは:営業支援システムの定義

SFA(Sales Force Automation)は、営業活動を効率化・標準化するためのシステムです。

SFAの目的:

  • 商談情報・顧客接触履歴を一元管理し、営業プロセスを可視化
  • 営業ノウハウを標準化し、チーム全体の成果を向上
  • 売上予測の精度を高め、経営判断を支援

主な利用部門:

  • 営業部門(営業担当者、営業マネージャー)
  • 営業企画部門(営業プロセス改善、KPI管理)

(2) SFAの主要機能(商談管理・顧客接触履歴・売上予測)

SFAの主要機能は以下の通りです。

商談管理:

  • 商談の進捗状況(初回訪問・提案・見積・契約)を管理
  • 受注確度を数値化し、優先順位をつける
  • 商談が停滞している案件を早期発見

顧客接触履歴:

  • 営業担当者が顧客と接触した日時・内容を記録
  • 過去の商談履歴を参照し、次回のアプローチを最適化
  • 担当者が変わっても、顧客情報を引き継げる

売上予測:

  • 商談の受注確度と金額から、売上見込みを算出
  • 月次・四半期・年間の売上予測を可視化
  • 目標達成に向けた施策を立案

事例: あるBtoB企業では、SFAを活用してトップセールスの営業プロセスを標準化し、入社1~2年目の若手営業が全体の60%の売上を占めるようになりました(Mazrica「SFAの導入事例3選」より)。

(3) SFAを使う部門と役割

営業担当者:

  • 商談情報・接触履歴を日々入力
  • 次回アクションのリマインダーを活用

営業マネージャー:

  • チーム全体の商談進捗を把握
  • 停滞案件に対してアドバイス
  • 売上予測を経営層に報告

営業企画:

  • 営業プロセスの改善提案
  • KPI設定・評価制度の設計

3. MAの基礎知識と主な機能

(1) MAとは:マーケティングオートメーションの定義

MA(Marketing Automation)は、マーケティング活動を自動化し、見込み客の関心度を高めるツールです。

MAの目的:

  • リード(見込み客)の獲得・育成・絞り込みを効率化
  • 見込み客の行動(Webサイト閲覧、メール開封)を追跡し、関心度を可視化
  • 営業に引き渡すタイミングを最適化

主な利用部門:

  • マーケティング部門(コンテンツマーケティング、イベント企画)
  • インサイドセールス(リード育成、商談化)

(2) MAの主要機能(リード管理・スコアリング・ナーチャリング)

MAの主要機能は以下の通りです。

リード管理:

  • Webフォーム・展示会・セミナーで獲得した見込み客情報を一元管理
  • 見込み客の企業情報・役職・関心領域を記録

リードスコアリング:

  • 見込み客の行動(資料ダウンロード、価格ページ閲覧)を数値化
  • 関心度が高い見込み客を自動的に営業に通知

リードナーチャリング:

  • メールマガジン・ステップメールを自動配信
  • 見込み客の関心領域に応じてコンテンツを出し分け
  • Webサイトのトラッキング(どのページを見たか)

事例: MAを活用して、Web行動履歴から「商談見込み高」と判断した顧客を営業に自動表示させることで、営業がタイミングを逃さずフォローアップできるようになります(Salesforce「SFA・CRM・MAの違いや活用方法」より)。

(3) MAを使う部門と役割

マーケティング担当者:

  • コンテンツ(ホワイトペーパー、記事)の企画・配信
  • メールキャンペーンの設計・配信
  • リードスコアリングの設定

インサイドセールス:

  • ホットリード(関心度が高い見込み客)への電話・メールフォロー
  • 営業への引き渡しタイミングを判断

4. SFAとMAの違いと使い分け

(1) 機能面の違い(比較表)

項目 SFA MA
目的 営業活動の効率化・標準化 マーケティング活動の自動化
主な利用部門 営業部門 マーケティング部門
管理対象 商談、顧客接触履歴、売上予測 リード、Webトラッキング、メール配信
顧客ジャーニー 商談開始から契約まで リード獲得から商談化まで
主要機能 商談管理、顧客接触履歴、売上予測 リードスコアリング、ナーチャリング、メール自動配信
導入効果 営業プロセスの可視化、売上予測精度向上 リード育成の効率化、商談化率向上

(2) 顧客ジャーニーにおける役割分担

MAとSFAは、顧客ジャーニーにおいて以下のように役割分担されます。

MAの担当領域(リード創出→育成→絞り込み):

  1. リード獲得: Webフォーム、展示会、セミナーで見込み客を獲得
  2. リード育成: メールマガジン、ホワイトペーパー配信で関心度を高める
  3. リード絞り込み: Webサイトの行動履歴からホットリードを抽出

SFAの担当領域(商談→契約→顧客管理):

  1. 商談開始: 営業がホットリードに初回訪問・提案
  2. 商談推進: 見積提出、条件交渉、契約締結
  3. 顧客管理: 契約後のフォロー、リピート提案

このように、MAは「見込み客を育成し、営業に引き渡すまで」、SFAは「営業が商談を進め、契約するまで」を担当します(Salesforce「SFA・CRM・MAの違いや活用方法」より)。

(3) 導入優先順位の判断基準

SFAとMAのどちらを先に導入すべきかは、企業の課題によって異なります。

SFA優先が適している企業:

  • 営業プロセスが属人化しており、標準化したい
  • 商談情報が共有されず、チームで連携できていない
  • 売上予測の精度が低く、経営判断に困っている
  • 既存顧客が多く、リピート提案を強化したい

MA優先が適している企業:

  • リード獲得数が少なく、新規開拓が課題
  • 展示会で獲得した名刺が活用されていない
  • Web問い合わせからの商談化率が低い
  • マーケティング施策の効果(ROI)が可視化できていない

両方同時導入が適している企業:

  • 営業とマーケティングの連携が課題
  • MQL→SQLの引き渡しプロセスが確立されていない
  • マーケティング施策ごとの売上貢献度を測定したい

※ただし、ガートナー社の調査では「SFA導入企業の約80%が失敗している」というデータがあるため、ツール導入だけでなく、運用体制の整備が不可欠です。

5. SFAとMAを連携させるメリット

(1) MQL→SQL引き渡しの効率化

MAとSFAを連携させることで、MQL(マーケティング適格リード)からSQL(営業適格リード)への引き渡しプロセスが効率化されます。

連携の仕組み:

  1. MAがリードの行動(資料ダウンロード、価格ページ閲覧)をスコアリング
  2. スコアが一定基準を超えたリードを「ホットリード」として営業に自動通知
  3. 営業がSFA上でホットリードの行動履歴を確認し、最適なタイミングでアプローチ

効果:

  • 営業が「商談見込み高」のリードに集中でき、商談化率が向上
  • マーケティングが「質の高いリード」を優先的に育成できる

(2) マーケティングROIの可視化

SFAとMAを連携させることで、マーケティング施策ごとの売上貢献度を測定できます。

測定方法:

  1. MA上で「どの施策(展示会A、ホワイトペーパーB)で獲得したリードか」を記録
  2. SFA上で「そのリードが契約に至ったか、売上金額はいくらか」を記録
  3. 施策ごとのROI(投資対効果)を算出

効果:

  • 効果の高い施策に予算を集中できる
  • 効果の低い施策を改善・中止できる

(3) 部門間の情報共有とフィードバック

SFAとMAを連携させることで、営業とマーケティングの情報共有がスムーズになります。

営業→マーケティングのフィードバック:

  • 「このリードは商談化したが、予算が合わず失注した」
  • 「この業種のリードは関心度が高く、成約率が高い」

マーケティング→営業のフィードバック:

  • 「このリードは過去3ヶ月で10回Webサイトを訪問しており、関心度が高い」
  • 「このリードは競合サービスの比較記事を閲覧しており、比較検討段階にある」

このような情報共有により、マーケティングは「質の高いリード獲得」に注力でき、営業は「最適なタイミング・アプローチ方法」を選択できます(Innova「SFAとMAの連携方法とコツ」より)。

(4) 連携時の注意点とリスク

SFAとMAを連携させる際、以下の点に注意が必要です。

技術的な課題:

  • データの一元管理や同期タイミングなど、設定ミスがあると情報の齟齬が発生する
  • ベンダーが異なる場合、API連携の設定が必要

運用体制の課題:

  • 営業とマーケティングの役割分担(どちらがどの段階でリードをフォローするか)を明確にする
  • データ入力ルールを徹底しないと、情報の質が低下する

※ツール仕様・料金プランは変更される可能性があります。最新情報は各社公式サイトをご確認ください(この記事は2024-2025年時点の情報です)。

6. まとめ:自社に必要なツールの見極め方

SFAとMAは、BtoB企業の営業・マーケティング活動を効率化するための重要なツールです。両者は顧客ジャーニーにおいて明確に役割分担されており、連携することで大きな効果を発揮します。

導入判断のポイント:

  • 営業プロセスの標準化が課題ならSFA優先
  • リード獲得・育成が課題ならMA優先
  • 営業とマーケティングの連携が課題なら両方同時導入を検討

次のアクション:

  • 自社の営業・マーケティングの課題を整理する
  • SFA・MAベンダーの公式サイトで機能・料金を確認する
  • 無料トライアルで実際の操作性を試す
  • 小規模チームで試行し、成功パターンを確立してから全社展開する

ツール導入だけでなく、運用体制の整備(営業プロセスの標準化、入力ルールの徹底、定着化施策)が成功の鍵です。自社に合ったSFA・MAで、営業・マーケティングの効率化と売上向上を実現しましょう。

よくある質問

Q1SFAとMAはどちらを先に導入すべきですか?

A1企業の課題によって異なります。営業プロセスの可視化・標準化が課題ならSFA優先、リード獲得・育成が課題ならMA優先です。既存顧客が多い企業はSFA、新規開拓が中心ならMAが効果的です。

Q2CRMとSFA・MAの違いは何ですか?

A2CRMは顧客情報の一元管理が目的、SFAは営業活動の効率化、MAはマーケティング施策の自動化が目的です。CRMを基盤としてSFA・MA機能を搭載した統合型ツールも増えています。

Q3SFAとMAを連携させるとどんな効果がありますか?

A3MA側で育成した見込み客を「商談見込み高」と判断し営業に自動引き渡しでき、営業の商談化率が向上します。営業のフィードバックをマーケティングに戻すことで、質の高いリード獲得施策に投資を集中できます。

Q4導入に失敗しないためのポイントは?

A4ガートナー社の調査ではSFA導入企業の約80%が失敗しています。ツール導入だけでなく、営業プロセスの標準化、入力ルールの徹底、定着化施策(研修・評価制度)が不可欠です。まず小規模チームで試行し、成功パターンを確立してから全社展開が推奨されます。

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B2Bデジタルプロダクト実践ガイド編集部

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