SFAとMAの違いが分からない…どちらを導入すべき?
BtoB企業の営業・マーケティング担当者の多くが「SFAとMAの違いが分からない」「どちらを先に導入すべきか分からない」という悩みを抱えています。両ツールは機能が似ているように見えますが、実は担当領域が明確に異なり、連携することで大きな効果を発揮します。
この記事では、SFAとMAの定義・機能の違い、連携メリット、導入判断のポイントを、実務担当者の目線で解説します。
この記事のポイント:
- SFAは営業活動の支援、MAはマーケティング活動の自動化を担う
- 顧客ジャーニーで役割分担:MAはリード創出・育成、SFAは商談から契約まで
- 連携により、MQL→SQL引き渡しが効率化され、マーケティングROIが可視化される
- SFA導入企業の約80%が失敗しており、運用体制の整備が成功の鍵
- 企業の課題に応じて導入優先順位を判断:営業効率化ならSFA、リード獲得ならMA
1. SFAとMAが求められる背景
BtoB営業・マーケティングのデジタル化が進む中、SFAとMAの導入が加速しています。
(1) BtoB営業のデジタル化が進む理由
BtoB企業では、以下の理由で営業・マーケティングのデジタル化が求められています。
営業活動の属人化解消:
- 営業ノウハウが個人に依存し、組織として再現性がない
- トップセールスの手法を標準化し、チーム全体で成果を上げたい
リード獲得・育成の効率化:
- 展示会で獲得した名刺が活用されず、放置されている
- Web問い合わせからの商談化率が低い
営業とマーケティングの連携課題:
- マーケティングが獲得したリードを営業がフォローしない
- 営業からマーケティングへのフィードバックがなく、施策改善ができない
これらの課題を解決するために、SFAとMAが注目されています。
(2) マーケティングと営業の連携課題
BtoB企業では、マーケティング部門と営業部門の連携が課題になることが多いです。
よくある課題:
- マーケティングが獲得したリードの質が低く、営業が商談化できない
- 営業がマーケティング施策の成果(売上貢献度)を評価できない
- 部門間で情報共有がされず、顧客対応に齟齬が発生する
SFAとMAを連携させることで、MQL(マーケティング適格リード)からSQL(営業適格リード)への引き渡しプロセスが効率化され、部門間の連携がスムーズになります。
2. SFAの基礎知識と主な機能
(1) SFAとは:営業支援システムの定義
SFA(Sales Force Automation)は、営業活動を効率化・標準化するためのシステムです。
SFAの目的:
- 商談情報・顧客接触履歴を一元管理し、営業プロセスを可視化
- 営業ノウハウを標準化し、チーム全体の成果を向上
- 売上予測の精度を高め、経営判断を支援
主な利用部門:
- 営業部門(営業担当者、営業マネージャー)
- 営業企画部門(営業プロセス改善、KPI管理)
(2) SFAの主要機能(商談管理・顧客接触履歴・売上予測)
SFAの主要機能は以下の通りです。
商談管理:
- 商談の進捗状況(初回訪問・提案・見積・契約)を管理
- 受注確度を数値化し、優先順位をつける
- 商談が停滞している案件を早期発見
顧客接触履歴:
- 営業担当者が顧客と接触した日時・内容を記録
- 過去の商談履歴を参照し、次回のアプローチを最適化
- 担当者が変わっても、顧客情報を引き継げる
売上予測:
- 商談の受注確度と金額から、売上見込みを算出
- 月次・四半期・年間の売上予測を可視化
- 目標達成に向けた施策を立案
事例: あるBtoB企業では、SFAを活用してトップセールスの営業プロセスを標準化し、入社1~2年目の若手営業が全体の60%の売上を占めるようになりました(Mazrica「SFAの導入事例3選」より)。
(3) SFAを使う部門と役割
営業担当者:
- 商談情報・接触履歴を日々入力
- 次回アクションのリマインダーを活用
営業マネージャー:
- チーム全体の商談進捗を把握
- 停滞案件に対してアドバイス
- 売上予測を経営層に報告
営業企画:
- 営業プロセスの改善提案
- KPI設定・評価制度の設計
3. MAの基礎知識と主な機能
(1) MAとは:マーケティングオートメーションの定義
MA(Marketing Automation)は、マーケティング活動を自動化し、見込み客の関心度を高めるツールです。
MAの目的:
- リード(見込み客)の獲得・育成・絞り込みを効率化
- 見込み客の行動(Webサイト閲覧、メール開封)を追跡し、関心度を可視化
- 営業に引き渡すタイミングを最適化
主な利用部門:
- マーケティング部門(コンテンツマーケティング、イベント企画)
- インサイドセールス(リード育成、商談化)
(2) MAの主要機能(リード管理・スコアリング・ナーチャリング)
MAの主要機能は以下の通りです。
リード管理:
- Webフォーム・展示会・セミナーで獲得した見込み客情報を一元管理
- 見込み客の企業情報・役職・関心領域を記録
リードスコアリング:
- 見込み客の行動(資料ダウンロード、価格ページ閲覧)を数値化
- 関心度が高い見込み客を自動的に営業に通知
リードナーチャリング:
- メールマガジン・ステップメールを自動配信
- 見込み客の関心領域に応じてコンテンツを出し分け
- Webサイトのトラッキング(どのページを見たか)
事例: MAを活用して、Web行動履歴から「商談見込み高」と判断した顧客を営業に自動表示させることで、営業がタイミングを逃さずフォローアップできるようになります(Salesforce「SFA・CRM・MAの違いや活用方法」より)。
(3) MAを使う部門と役割
マーケティング担当者:
- コンテンツ(ホワイトペーパー、記事)の企画・配信
- メールキャンペーンの設計・配信
- リードスコアリングの設定
インサイドセールス:
- ホットリード(関心度が高い見込み客)への電話・メールフォロー
- 営業への引き渡しタイミングを判断
4. SFAとMAの違いと使い分け
(1) 機能面の違い(比較表)
| 項目 | SFA | MA |
|---|---|---|
| 目的 | 営業活動の効率化・標準化 | マーケティング活動の自動化 |
| 主な利用部門 | 営業部門 | マーケティング部門 |
| 管理対象 | 商談、顧客接触履歴、売上予測 | リード、Webトラッキング、メール配信 |
| 顧客ジャーニー | 商談開始から契約まで | リード獲得から商談化まで |
| 主要機能 | 商談管理、顧客接触履歴、売上予測 | リードスコアリング、ナーチャリング、メール自動配信 |
| 導入効果 | 営業プロセスの可視化、売上予測精度向上 | リード育成の効率化、商談化率向上 |
(2) 顧客ジャーニーにおける役割分担
MAとSFAは、顧客ジャーニーにおいて以下のように役割分担されます。
MAの担当領域(リード創出→育成→絞り込み):
- リード獲得: Webフォーム、展示会、セミナーで見込み客を獲得
- リード育成: メールマガジン、ホワイトペーパー配信で関心度を高める
- リード絞り込み: Webサイトの行動履歴からホットリードを抽出
SFAの担当領域(商談→契約→顧客管理):
- 商談開始: 営業がホットリードに初回訪問・提案
- 商談推進: 見積提出、条件交渉、契約締結
- 顧客管理: 契約後のフォロー、リピート提案
このように、MAは「見込み客を育成し、営業に引き渡すまで」、SFAは「営業が商談を進め、契約するまで」を担当します(Salesforce「SFA・CRM・MAの違いや活用方法」より)。
(3) 導入優先順位の判断基準
SFAとMAのどちらを先に導入すべきかは、企業の課題によって異なります。
SFA優先が適している企業:
- 営業プロセスが属人化しており、標準化したい
- 商談情報が共有されず、チームで連携できていない
- 売上予測の精度が低く、経営判断に困っている
- 既存顧客が多く、リピート提案を強化したい
MA優先が適している企業:
- リード獲得数が少なく、新規開拓が課題
- 展示会で獲得した名刺が活用されていない
- Web問い合わせからの商談化率が低い
- マーケティング施策の効果(ROI)が可視化できていない
両方同時導入が適している企業:
- 営業とマーケティングの連携が課題
- MQL→SQLの引き渡しプロセスが確立されていない
- マーケティング施策ごとの売上貢献度を測定したい
※ただし、ガートナー社の調査では「SFA導入企業の約80%が失敗している」というデータがあるため、ツール導入だけでなく、運用体制の整備が不可欠です。
5. SFAとMAを連携させるメリット
(1) MQL→SQL引き渡しの効率化
MAとSFAを連携させることで、MQL(マーケティング適格リード)からSQL(営業適格リード)への引き渡しプロセスが効率化されます。
連携の仕組み:
- MAがリードの行動(資料ダウンロード、価格ページ閲覧)をスコアリング
- スコアが一定基準を超えたリードを「ホットリード」として営業に自動通知
- 営業がSFA上でホットリードの行動履歴を確認し、最適なタイミングでアプローチ
効果:
- 営業が「商談見込み高」のリードに集中でき、商談化率が向上
- マーケティングが「質の高いリード」を優先的に育成できる
(2) マーケティングROIの可視化
SFAとMAを連携させることで、マーケティング施策ごとの売上貢献度を測定できます。
測定方法:
- MA上で「どの施策(展示会A、ホワイトペーパーB)で獲得したリードか」を記録
- SFA上で「そのリードが契約に至ったか、売上金額はいくらか」を記録
- 施策ごとのROI(投資対効果)を算出
効果:
- 効果の高い施策に予算を集中できる
- 効果の低い施策を改善・中止できる
(3) 部門間の情報共有とフィードバック
SFAとMAを連携させることで、営業とマーケティングの情報共有がスムーズになります。
営業→マーケティングのフィードバック:
- 「このリードは商談化したが、予算が合わず失注した」
- 「この業種のリードは関心度が高く、成約率が高い」
マーケティング→営業のフィードバック:
- 「このリードは過去3ヶ月で10回Webサイトを訪問しており、関心度が高い」
- 「このリードは競合サービスの比較記事を閲覧しており、比較検討段階にある」
このような情報共有により、マーケティングは「質の高いリード獲得」に注力でき、営業は「最適なタイミング・アプローチ方法」を選択できます(Innova「SFAとMAの連携方法とコツ」より)。
(4) 連携時の注意点とリスク
SFAとMAを連携させる際、以下の点に注意が必要です。
技術的な課題:
- データの一元管理や同期タイミングなど、設定ミスがあると情報の齟齬が発生する
- ベンダーが異なる場合、API連携の設定が必要
運用体制の課題:
- 営業とマーケティングの役割分担(どちらがどの段階でリードをフォローするか)を明確にする
- データ入力ルールを徹底しないと、情報の質が低下する
※ツール仕様・料金プランは変更される可能性があります。最新情報は各社公式サイトをご確認ください(この記事は2024-2025年時点の情報です)。
6. まとめ:自社に必要なツールの見極め方
SFAとMAは、BtoB企業の営業・マーケティング活動を効率化するための重要なツールです。両者は顧客ジャーニーにおいて明確に役割分担されており、連携することで大きな効果を発揮します。
導入判断のポイント:
- 営業プロセスの標準化が課題ならSFA優先
- リード獲得・育成が課題ならMA優先
- 営業とマーケティングの連携が課題なら両方同時導入を検討
次のアクション:
- 自社の営業・マーケティングの課題を整理する
- SFA・MAベンダーの公式サイトで機能・料金を確認する
- 無料トライアルで実際の操作性を試す
- 小規模チームで試行し、成功パターンを確立してから全社展開する
ツール導入だけでなく、運用体制の整備(営業プロセスの標準化、入力ルールの徹底、定着化施策)が成功の鍵です。自社に合ったSFA・MAで、営業・マーケティングの効率化と売上向上を実現しましょう。
