SansanとSalesforce連携の方法|名刺データ活用で営業効率化

著者: B2Bデジタルプロダクト実践ガイド編集部公開日: 2025/12/14

SansanとSalesforceの連携に悩んでいませんか?

SansanとSalesforceを両方導入している企業の多くが、名刺データとCRM情報の統合に課題を抱えています。「Sansanの名刺データをSalesforceに自動連携したい」「手動転記の工数を削減したい」「連携方法は難しくないか?」といった疑問が尽きません。

この記事では、SansanとSalesforce連携の方法・導入メリット・設定手順を、実際の導入事例(三菱UFJ銀行、PFU等)とともに解説します。B2B企業の営業マネージャー・Salesforce管理者の方が、名刺データ活用とCRM統合を実現できるよう、実務視点での情報をお伝えします。

この記事のポイント:

  • SansanとSalesforceは2008年から連携、2013年に資本提携を締結
  • Sansan Data Hubで名刺データを99.9%の精度で自動デジタル化・同期
  • 名刺オブジェクトとしてSalesforceに転送され、リード・取引先・取引先責任者に紐付け
  • 三菱UFJ銀行では年間3万時間削減、セミナー参加者5倍、商談創出に貢献
  • SOCコードによる名寄せ・クレンジングで既存Salesforceデータと統合

SansanとSalesforce連携の必要性:名刺データと顧客情報の分断

(1) 名刺情報とCRMデータが別々に管理される非効率

SansanとSalesforceを別々に運用している企業では、以下のような課題が発生します:

  • 名刺情報がSalesforceに反映されない:名刺交換後、手動でSalesforceにリード・取引先責任者を作成
  • 最新の連絡先情報が分散:Sansanで名刺をスキャンしても、Salesforceのデータが古いまま
  • 営業活動の記録が不完全:誰がいつ名刺交換したかの履歴がSalesforceに残らない

これらの非効率は、名刺データとCRM情報が分断されていることが原因であり、Sansan Data Hubのような統合ソリューションで解決できます。

(2) 手動転記による入力ミスと工数増大

手動で名刺情報をSalesforceに転記する場合、以下のリスクがあります:

  • 入力ミス:氏名・会社名・役職の誤入力
  • 転記漏れ:交換した名刺の一部がSalesforceに登録されない
  • 工数増大:営業担当が1日に10枚の名刺交換をした場合、転記に30分〜1時間の作業が発生

Sansan Data Hubでは、専用スキャナーで名刺をスキャンするだけで、99.9%の精度で自動的にSalesforceに転送されるため、これらの工数・ミスを削減できます。

(3) Salesforceデータの鮮度低下と営業機会損失

Salesforceのデータが古いままだと、以下のような営業機会損失が発生します:

  • 異動情報が反映されない:顧客が異動・転職したのに、Salesforceでは旧情報のまま
  • 新規リードの見落とし:展示会で交換した名刺が、Salesforceに登録されずフォローアップ漏れ
  • 重複レコードの増加:同一人物が複数のレコードとして登録され、営業活動が混乱

PFUの導入事例では、「手動入力で古くなったSalesforceデータを解決し、営業活動で最新情報にアクセス可能になった」と報告されています。

SansanとSalesforceの連携の基礎知識:Sansan Data Hubとは

(1) SansanとSalesforceの協業の歴史(2008年連携、2013年資本提携)

SansanとSalesforceは、2008年から連携を開始し、2013年には資本提携を締結しています。Salesforce公式サイトでも、Sansanは顧客事例として紹介されており、両社の協業は長年にわたり継続されています。

また、Sansan自身もSales Cloud、Experience Cloud等のSalesforce製品を活用しており、自社の営業・マーケティング活動を最適化しています。

(2) Sansan Data Hubの役割と主要機能

Sansan Data Hubは、SansanとSalesforce等の外部ツールを連携するデータ統合ソリューションです。主な機能は以下の通りです:

  • 名刺データの自動同期:Sansanでスキャンした名刺をSalesforceに自動転送
  • SOCコードによる名寄せ・クレンジング:企業識別コードで重複データを統合
  • 双方向同期:SalesforceとSansanでデータが相互に更新される
  • リアルタイム更新:名刺スキャン後、数分以内にSalesforceに反映

Sansan Data HubはSalesforce AppExchangeで入手でき、インストール後すぐに利用開始できます。

(3) 名刺オブジェクトとリード・取引先・取引先責任者への紐付け

Sansan Data Hubでは、Salesforceに「名刺オブジェクト」(カスタムオブジェクト)を作成し、以下の標準オブジェクトと紐付けます:

  • リード(Lead):未取引の見込み顧客
  • 取引先(Account):企業・組織情報
  • 取引先責任者(Contact):取引先に所属する個人情報

名刺をスキャンすると、以下のように自動的に振り分けられます:

  • 新規企業・新規人物:リードとして作成
  • 既存企業・新規人物:取引先責任者として作成
  • 既存企業・既存人物:既存レコードを更新(役職変更、連絡先変更等)

これにより、営業担当は手動でのレコード作成・更新が不要になります。

(4) SOCコードによる名寄せ・クレンジングの自動化

Sansanは、企業に固有の識別コード「SOCコード」を付与しています。このSOCコードを活用することで、以下のような名寄せ・クレンジングが自動化されます:

  • 企業名の表記ゆれ統一:「株式会社ABC」「ABC Inc.」「ABC株式会社」を同一企業として認識
  • 重複レコードの統合:同一企業の複数レコードを1つに統合
  • データ品質の維持:手動入力による誤入力を自動修正

これにより、Salesforceデータの品質が向上し、営業活動の精度が高まります。

(5) Scan to Salesforceサービス終了とSansan Data Hubへの移行

Sansanは以前、「Scan to Salesforce」というSalesforce連携サービスを提供していましたが、2024年5月末に終了しました。現在は、Sansan Data Hubへの移行が推奨されています。

Scan to Salesforceを利用していた企業は、Sansan Data Hubへの移行手順を確認し、早期に移行することを推奨します。

Sansan Data Hubの設定手順と名刺データ同期の仕組み

(1) Sansan Data Hubのインストール(AppExchangeから入手)

Sansan Data Hubは、Salesforce公式のアプリマーケットプレイス「AppExchange」から入手できます。手順は以下の通りです:

  1. AppExchangeにアクセスhttps://appexchange.salesforce.com/
  2. 「Sansan Data Hub」を検索
  3. 「Get It Now」をクリック
  4. Salesforce組織にインストール:本番環境またはSandbox環境を選択
  5. 管理者権限でインストール:インストール対象(全ユーザー・特定ユーザー等)を選択

インストール完了後、Salesforce管理画面に「Sansan Data Hub」のタブが追加されます。

(2) Salesforce認証とユーザマッピング設定

Sansan Data HubとSalesforceを連携するには、以下の設定が必要です:

Salesforce認証:

  1. Sansan Data Hub設定画面を開く
  2. 「Salesforce認証」を選択
  3. Salesforceにログイン:管理者アカウントでログイン
  4. アクセス許可:Sansan Data HubがSalesforceにアクセスすることを許可

ユーザマッピング設定:

  1. SansanユーザーとSalesforceユーザーを紐付け:例:Sansanの「山田太郎」とSalesforceの「山田太郎」を同一人物として設定
  2. デフォルトオーナー設定:名刺スキャン時に、誰をレコードのオーナーとして設定するか指定

ユーザマッピングにより、名刺をスキャンした営業担当が、自動的にSalesforceレコードのオーナーとして設定されます。

(3) 名刺スキャンからSalesforceへの自動転送フロー

名刺スキャンからSalesforceへの自動転送は、以下のフローで実行されます:

  1. 名刺スキャン:営業担当がSansanの専用スキャナーで名刺をスキャン
  2. OCR処理:Sansanが99.9%の精度で名刺情報をデジタル化
  3. Sansan Data Hubに転送:名刺情報がSansan Data Hubに送信
  4. SOCコードで名寄せ:企業識別コードで重複チェック・統合
  5. Salesforceに自動作成:リード・取引先・取引先責任者として自動作成または更新
  6. 営業担当に通知:Salesforceのワークフローで営業担当にメール・Slack通知

このフローにより、名刺交換から数分以内にSalesforceに反映され、営業担当が即座にフォローアップできます。

(4) 99.9%の精度で名刺データを自動デジタル化

SansanのOCR(光学文字認識)技術は、99.9%の精度で名刺情報をデジタル化します。具体的には:

  • 氏名・会社名・役職:ほぼ100%の精度で認識
  • 電話番号・メールアドレス:形式チェックで正確性を担保
  • 住所:都道府県・市区町村を正確に抽出

万が一、OCRで認識できない場合は、Sansanのオペレーターが手動で確認・修正するため、データ品質が保証されます。

(5) 既存Salesforceデータとの統合と重複処理

Sansan Data Hubは、既存のSalesforceデータと以下のように統合します:

既存企業がSalesforceに存在する場合:

  • SOCコードで同一企業を認識
  • 取引先責任者(Contact)として新規作成、または既存レコードを更新

既存企業が存在しない場合:

  • リード(Lead)として新規作成

重複処理:

  • メールアドレス・電話番号で重複チェック
  • 重複が検出された場合、既存レコードを更新(新規作成せず)

これにより、Salesforce内で重複レコードが増加することを防ぎます。

導入事例:三菱UFJ銀行・PFUの営業効率化効果

(1) 三菱UFJ銀行:年間3万時間削減、セミナー参加者5倍、商談創出に貢献

三菱UFJ銀行は、2025年4月にSansanとSalesforceの連携を開始し、以下の成果を得ました:

  • 年間3万時間削減:名刺の手動入力作業が不要になり、バックオフィス・営業担当の工数を大幅削減
  • セミナー参加者5倍:デジタルマーケティングと名刺データを連携し、セミナー参加者を5倍に増加
  • 商談創出に貢献:セミナー参加者から商談への転換率が向上
  • 顧客情報を一元化:Salesforceで顧客情報を一元管理し、営業生産性と顧客体験を向上

三菱UFJ銀行の事例は、大規模企業でもSansan Data Hubが効果的に機能することを示しています。

(2) 株式会社PFU:Salesforceデータ鮮度向上、営業活動で最新情報にアクセス可能に

PFUは、「手動入力で古くなったSalesforceデータを解決」するためにSansan Data Hubを導入しました:

  • Salesforceデータ鮮度向上:名刺交換後、即座にSalesforceに反映され、常に最新の連絡先情報を維持
  • 営業活動で最新情報にアクセス可能:顧客訪問前にSalesforceで最新の役職・連絡先を確認でき、商談の成功率が向上
  • 異動情報の自動更新:顧客が異動した場合、Sansanが自動検知し、Salesforceに反映

(3) デジタルマーケティングと名刺データの連携効果

三菱UFJ銀行の事例では、デジタルマーケティングと名刺データを連携したことで、以下の効果が得られました:

  • セミナー参加者の属性分析:Sansanの名刺データで、セミナー参加者の業種・役職を分析
  • ターゲティング精度向上:分析結果をもとに、次回セミナーのターゲティングを最適化
  • セミナー参加者5倍:ターゲティング精度向上により、セミナー参加者が5倍に増加

このように、名刺データをマーケティング活動に活用することで、リード獲得の効率が大幅に向上します。

運用上の注意点とベストプラクティス

(1) Sansan Data Hubの料金(有料オプション、詳細は要問い合わせ)

Sansan Data Hubは有料オプションであり、料金は公開されていません。以下の点を確認することを推奨します:

  • Sansan営業担当に問い合わせ:企業規模・利用ユーザー数に応じた見積もりを取得
  • 導入効果の試算:年間削減工数(例:三菱UFJ銀行の3万時間削減)と料金を比較し、ROIを試算
  • 無料デモ・トライアル:実際の操作性を確認してから導入判断

(2) ユーザマッピング設定の技術的知識要求

ユーザマッピング設定には、SalesforceとSansanの両方に関する技術的知識が必要です:

  • Salesforce管理者権限:ユーザマッピング設定にはSalesforce管理者権限が必要
  • Sansanの組織構造理解:SansanとSalesforceでユーザー名が異なる場合、正確に紐付ける必要

導入時には、Sansanまたはパートナー企業(株式会社フライク等)の導入支援を利用することを推奨します。

(3) 名刺スキャンの運用ルール整備(スキャン漏れ・遅延対策)

名刺スキャンの運用ルールを整備しないと、以下のような問題が発生します:

  • スキャン漏れ:名刺交換後、スキャンを忘れてSalesforceに反映されない
  • スキャン遅延:名刺をデスクに溜め込み、週末にまとめてスキャン(リアルタイムフォローアップが不可)

以下のルールを整備することを推奨します:

  • 名刺交換当日中にスキャン:営業担当が帰社後、すぐにスキャン
  • スキャン漏れチェック:週次で名刺ホルダーを確認し、未スキャンの名刺をチェック
  • 営業担当へのリマインド:Salesforceワークフローで、名刺スキャンをリマインド

(4) データ品質維持のための定期的なクレンジング

Sansan Data Hubは自動で名寄せ・クレンジングを行いますが、以下のような定期的なメンテナンスも推奨されます:

  • 重複レコードの定期チェック:月次でSalesforceの重複レコードを確認・統合
  • 異動情報の更新:Sansanが検知できなかった異動情報を手動で更新
  • SOCコードの確認:企業合併・社名変更時に、SOCコードが正しく更新されているか確認

まとめ:導入判断のポイントと期待効果

SansanとSalesforce連携を検討する際は、以下のポイントを明確にすることが重要です:

  • 導入効果の試算:三菱UFJ銀行(年間3万時間削減)、PFU(データ鮮度向上)の事例を参考に、自社での工数削減を試算
  • 料金の詳細確認:Sansan営業担当に問い合わせ、企業規模に応じた見積もりを取得
  • 運用ルールの整備:名刺スキャンの運用ルール(当日中スキャン、スキャン漏れチェック)を事前に策定
  • 既存Salesforceデータの整理:導入前に重複レコードをクレンジングし、データ品質を向上

次のアクション:

  • Sansan営業担当に問い合わせ、Sansan Data Hubの料金・機能を確認
  • Salesforce AppExchangeでSansan Data Hubの評価・レビューを確認
  • 無料デモ・トライアルで実際の操作性を試す
  • 導入実績のある同業種企業の事例を参考にする(三菱UFJ銀行、PFU等)

Sansan Data Hubで、名刺データとCRM情報の統合を実現し、営業効率化とデータ鮮度向上を目指しましょう。

※この記事は2025年1月時点の情報です。Scan to Salesforceサービスは2024年5月末に終了しており、現在はSansan Data Hubへの移行が推奨されています。最新情報はSansan公式サイトでご確認ください。

よくある質問

Q1SansanとSalesforceの連携方法は何ですか?

A1Sansan Data HubをAppExchangeからインストールし、Salesforce認証とユーザマッピング設定を実施します。名刺をスキャンすると、自動的にSalesforceに転送され、リード・取引先・取引先責任者として作成または更新されます。

Q2どのような情報が連携されますか?

A2名刺情報(氏名・企業名・役職・連絡先等)がSalesforceのリード・取引先・取引先責任者に反映されます。99.9%の精度で自動デジタル化され、手入力は不要です。SOCコードで名寄せ・クレンジングも自動実行されます。

Q3既存のSalesforceデータはどうなりますか?

A3Sansan Data HubがSOCコード(企業識別コード)で名寄せ・クレンジングを行い、既存データと統合します。重複データは自動で解消され、既存レコードの情報更新(役職変更等)も自動実行されます。

Q4導入効果はどれくらいですか?

A4三菱UFJ銀行では年間3万時間削減、セミナー参加者5倍、商談創出に貢献しました。PFUではSalesforceデータ鮮度が向上し、営業活動で最新情報にアクセス可能になりました。

Q5Scan to Salesforceサービスは使えますか?

A52024年5月末に終了しました。現在はSansan Data Hubへの移行が推奨されています。Scan to Salesforceを利用していた企業は、早期に移行手順を確認することを推奨します。

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B2Bデジタルプロダクト実践ガイド編集部

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