Sansan Data HubとSalesforceの連携方法|導入メリットと設定手順を解説

著者: B2Bデジタルプロダクト実践ガイド編集部公開日: 2025/12/13

SansanとSalesforceを使っているけれど、名刺データとCRMが連携できていない...

名刺管理ツールのSansanとCRMのSalesforceを両方導入している企業の多くが、データの二重管理や手入力作業の負担に悩んでいます。「名刺をスキャンした後、Salesforceにも手入力している」「名刺データとCRMのデータが一致していない」といった課題は尽きません。

この記事では、中堅〜大企業の営業部門マネージャーや情報システム部門担当者向けに、Sansan Data HubとSalesforceの連携方法・導入メリット・設定手順を詳しく解説します。

この記事のポイント:

  • Sansan Data Hubは名刺データをSalesforceに自動連携するデータ統合ソリューション
  • 10分ごとの自動同期により、ほぼリアルタイムで最新の顧客情報が維持される
  • 100種類以上の属性情報(業種・売上・資本金・法人番号等)が自動付与され、データ品質が向上する
  • Salesforce AppExchangeからパッケージをインストールし、ユーザーマッピングを設定するだけで連携完了
  • 三井住友カードやPFUなどの大企業で、営業担当の工数削減と売上拡大を実現した実績がある

1. Sansan Data HubとSalesforce連携の必要性と期待できる効果

SansanとSalesforceを併用している企業では、名刺データとCRMデータの連携が重要な課題となっています。Sansan Data Hubによる連携で、どのような効果が期待できるのでしょうか。

(1) CRMデータの品質向上による営業効率化

営業活動において、CRMデータの品質は営業効率に直結します。以下のような課題を抱えている企業は多いと言われています:

よくある課題:

  • 名刺データとCRMのデータが一致していない(同じ顧客が複数登録されている)
  • 企業情報(業種・売上・資本金等)が古く、営業戦略に活用できない
  • 手入力によるヒューマンエラーでデータの正確性が低い

Sansan Data Hub連携による改善:

  • SOCコード(企業を一意に識別するコード)により、重複データの名寄せ作業が大幅に効率化されます
  • 100種類以上の属性情報が自動付与され、最新の企業情報が常に維持されます
  • 名刺をスキャンするだけでSalesforceのデータが自動作成・更新されるため、手入力作業が不要になります

(2) 名刺データとCRMの統合で顧客情報を一元管理

名刺データとCRMデータが分断されていると、以下のような問題が発生します:

分断による問題:

  • 営業担当者が名刺とCRMの両方を確認する必要があり、業務効率が低下する
  • 部門横断的な顧客情報の共有が困難(マーケティング部門が営業部門の名刺データにアクセスできない)
  • 顧客の最新情報が分散しており、営業戦略の立案が困難

Sansan Data Hub連携による統合:

  • 名刺データがSalesforceのリード・取引先責任者・取引先オブジェクトに自動反映されます
  • 部門横断的な顧客データ基盤が構築され、マーケティング・営業・カスタマーサクセスが同じデータを参照できます
  • 顧客の最新情報が一元管理され、営業戦略の立案やターゲティングが容易になります

(3) 手入力作業の削減と最新情報の維持

名刺をSalesforceに手入力している企業では、以下のような負担があります:

手入力の負担:

  • 1枚の名刺を入力するのに平均2〜3分かかると言われています(企業規模によりさらに時間がかかる場合もあります)
  • 営業担当者が名刺交換後、入力作業を忘れて情報が古くなる
  • ヒューマンエラーにより、入力ミス(誤字・脱字・項目間違い)が発生する

Sansan Data Hub連携による削減:

  • 名刺をスキャンするだけでSalesforceのデータが自動作成されるため、手入力作業が不要になります
  • 10分ごとの自動同期により、ほぼリアルタイムで最新の顧客情報が維持されます
  • Sansanの名刺スキャン精度は99.9%とされており、ヒューマンエラーのリスクが大幅に軽減されます

2. Sansan Data Hubの基本知識(名寄せ技術・SOCコード・属性情報)

Sansan Data Hubの機能を理解するために、名寄せ技術・SOCコード・属性情報の3つのポイントを押さえましょう。

(1) Sansan Data Hubとは(データ統合ソリューション)

Sansan Data Hubは、Sansanの名刺データを外部システム(Salesforce・MA・BIツール等)と連携するデータ統合ソリューションです。

主な機能:

  • 名刺データをSalesforceなどのCRMに自動連携
  • 企業情報データベース(帝国データバンク等)と連携し、100種類以上の属性情報を自動付与
  • SOCコードにより企業を一意に識別し、重複データの名寄せを効率化

受賞歴・評価:

  • Salesforce Japan Partner Award 2025受賞
  • AppExchangeアプリランキング2024大企業部門No.1を獲得

(2) 9種類の情報を組み合わせた名寄せ技術の仕組み

名寄せとは、同一企業や同一人物の複数のデータを統合する処理です。Sansanは9種類の情報を組み合わせた独自の名寄せ技術を提供しています。

9種類の情報(例):

  • 会社名
  • 住所
  • 電話番号
  • FAX番号
  • Webサイト
  • メールアドレスのドメイン
  • 法人番号
  • 資本金
  • 業種

名寄せ技術の特徴:

  • 社名変更(例: 「株式会社A」→「A株式会社」)にも対応
  • 合併・買収などの複雑なケースにも対応
  • 名刺上の表記ゆれ(例: 「東京都千代田区」→「千代田区」)を自動的に統一

(3) SOCコードによる企業の一意識別

SOCコード(Sansan Original Code)は、Sansanが企業を一意に識別するために付与するコードです。

SOCコードの役割:

  • 企業ごとに一意のコードを付与し、重複データを自動的に特定
  • 社名変更や合併があっても、同一企業として追跡可能
  • Salesforceのリード・取引先責任者・取引先オブジェクトにSOCコードが連携されるため、名寄せ作業が効率化される

具体例:

  • 「株式会社A」と「A株式会社」が同一企業として認識される
  • 営業担当者Bさんが交換した名刺と、営業担当者Cさんが交換した名刺が同一企業として統合される

(4) 100種類以上の属性情報の自動付与(業種・売上・資本金・法人番号等)

Sansan Data Hubは、名刺情報に加えて、100種類以上の企業属性情報を自動的に付与します。

主な属性情報(例):

  • 業種(日本標準産業分類に基づく)
  • 売上高
  • 資本金
  • 従業員数
  • 法人番号
  • 上場区分(東証一部・二部・マザーズ等)
  • 設立年月日
  • 代表者名

属性情報の活用シーン:

  • 営業リストの作成(例: 「売上高100億円以上の製造業」を抽出)
  • ターゲティング(例: 「従業員数500人以上の上場企業」にアプローチ)
  • マーケティング施策の設計(例: 「設立5年以内のスタートアップ」向けキャンペーン)

3. SalesforceとSansan Data Hubの連携メリット(データ品質向上・営業効率化)

SalesforceとSansan Data Hubを連携することで、どのような具体的なメリットが得られるのでしょうか。

(1) 名刺をスキャンするだけでSalesforceのデータが自動作成・更新

従来の手入力による運用では、以下のような作業が必要でした:

従来の運用(手入力):

  1. 名刺交換後、Sansanにスキャン登録
  2. Salesforceにログイン
  3. 手動でリード・取引先責任者を作成
  4. 名刺情報を1項目ずつ入力(会社名・部署・役職・電話番号・メールアドレス等)

Sansan Data Hub連携後の運用:

  1. 名刺交換後、Sansanにスキャン登録
  2. 10分以内にSalesforceのリード・取引先責任者が自動作成される
  3. 属性情報(業種・売上・資本金等)も自動的に付与される

手入力作業が完全に不要になるため、営業担当者は本来の営業活動に集中できると言われています。

(2) 10分ごとの自動同期によるリアルタイムなデータ更新

Sansan Data Hubは、10分ごとにSansanから名刺データを取得し、10分ごとにSalesforceへ転送する仕組みです。

自動同期の流れ:

  1. Sansanで名刺をスキャン登録(または手動で顧客情報を更新)
  2. 10分以内にSansan Data Hubがデータを取得
  3. 10分以内にSalesforceのオブジェクトに反映

メリット:

  • ほぼリアルタイムで最新の顧客情報が維持される
  • 営業担当者が名刺交換後すぐにSalesforceで顧客情報を確認できる
  • マーケティング施策(メール配信・ウェビナー案内等)に最新のリストを活用できる

(3) 重複データの名寄せ作業を大幅に効率化

Salesforceで重複データが発生すると、以下のような問題があります:

重複データの問題:

  • 同じ顧客が複数のリード・取引先責任者として登録されている
  • 営業活動の履歴が分散し、顧客の全体像が把握できない
  • レポート・ダッシュボードの精度が低下する

Sansan Data Hubによる名寄せ:

  • SOCコードにより、同一企業を自動的に識別
  • Salesforceのリード・取引先責任者にSOCコードが連携されるため、重複の特定が容易
  • 手動での名寄せ作業(重複データの統合・削除)の負担が軽減される

(4) 社名変更や合併などの複雑なケースにも対応

企業の社名変更や合併・買収があった場合、手動でのデータ更新は困難です。

手動更新の課題:

  • 社名変更を把握するのに時間がかかる(ニュースリリースを常にチェックする必要がある)
  • 過去の取引履歴が失われるリスク(旧社名のデータと新社名のデータが別々に管理される)
  • 手動での一括更新は工数がかかる

Sansan Data Hubによる対応:

  • 9種類の情報を組み合わせた名寄せ技術により、社名変更や合併を自動的に検知
  • SOCコードにより、社名変更後も同一企業として追跡可能
  • Salesforceのデータが自動的に更新される

4. 連携設定の具体的な手順(AppExchangeインストール・ユーザーマッピング)

SalesforceとSansan Data Hubの連携設定は、以下の4つのステップで完了します。

(1) Salesforce AppExchangeからパッケージをインストール

手順:

  1. Salesforceに管理者権限でログイン
  2. AppExchangeで「Sansan Data Hub」を検索
  3. 「今すぐ入手」ボタンをクリックし、インストール開始
  4. インストール先の組織を選択(本番環境またはサンドボックス)
  5. パッケージのインストールを承認

所要時間:

  • インストール自体は5〜10分程度で完了すると言われています

注意点:

  • Salesforceの管理者権限が必要です
  • インストール前に、Salesforceのバックアップを取得することが推奨されます

(2) SansanユーザーとSalesforceユーザーのマッピング設定

Sansanで名刺を登録したユーザーと、Salesforceでデータを作成するユーザーを対応付ける必要があります。

マッピング設定の手順:

  1. Sansan管理画面で「Salesforce連携設定」を開く
  2. SansanユーザーとSalesforceユーザーの対応表を作成
  3. 各Sansanユーザーに対応するSalesforceユーザーを選択
  4. 設定を保存

マッピングの重要性:

  • マッピングが正しく設定されていないと、データが正しくSalesforceに反映されない場合があります
  • Sansanで名刺を登録したユーザーと、Salesforceでリードを作成するユーザーが一致することで、データの所有者が明確になります

(3) リード・取引先責任者・取引先オブジェクトへのデータ連携設定

Sansan Data Hubは、Salesforceの以下のオブジェクトにデータを連携できます:

連携可能なオブジェクト:

  • リード(Lead): 見込み顧客の情報
  • 取引先責任者(Contact): 既存顧客の個人情報
  • 取引先(Account): 法人の企業情報

連携設定のポイント:

  • どのオブジェクトにデータを連携するかを決定します(例: 初回の名刺交換はリードに登録、商談開始後は取引先責任者に変換)
  • カスタムフィールドにも属性情報を連携できます(例: 売上高をカスタムフィールド「企業売上」に連携)

設定手順:

  1. Sansan管理画面で「オブジェクトマッピング設定」を開く
  2. 連携先のオブジェクト(リード・取引先責任者・取引先)を選択
  3. SansanのフィールドとSalesforceのフィールドを対応付ける
  4. 設定を保存

(4) 連携後の動作確認とテスト

設定完了後、必ずテストを実施しましょう。

テストの手順:

  1. Sansanでテスト用の名刺を登録(または既存の名刺を更新)
  2. 10分程度待機
  3. Salesforceでリード・取引先責任者が作成されているか確認
  4. データが正しくマッピングされているか確認(会社名・部署・役職・電話番号・メールアドレス等)
  5. 属性情報(業種・売上・資本金等)が正しく連携されているか確認

テスト時の確認ポイント:

  • データが重複して作成されていないか
  • SOCコードが正しく連携されているか
  • カスタムフィールドにも属性情報が反映されているか

5. 活用シーンと導入時の注意点(権限設定・データ品質管理)

Sansan Data HubとSalesforceの連携は、どのような場面で活用できるのでしょうか。また、導入時の注意点も押さえましょう。

(1) 主要な活用シーン(営業リスト作成・顧客データベース構築・マーケティング施策)

活用シーン1: 営業リスト作成

  • 属性情報(業種・売上・資本金・従業員数等)を活用し、ターゲットリストを自動作成
  • 例: 「製造業で売上高100億円以上の企業」を抽出し、新規アプローチリストを作成

活用シーン2: 顧客データベース構築

  • 部門横断的な顧客データ基盤を構築し、マーケティング・営業・カスタマーサクセスが同じデータを参照
  • 例: マーケティング部門がウェビナー案内を送る際、営業部門が交換した名刺データを活用

活用シーン3: マーケティング施策

  • 属性情報を活用し、セグメント別のマーケティング施策を設計
  • 例: 「設立5年以内のスタートアップ」向けに特別キャンペーンを実施

(2) 導入事例(三井住友カード・PFUの活用実績)

事例1: 三井住友カード(2024年8月)

  • Sansan Data Hubを活用し、顧客データ基盤を確立
  • Salesforce連携により部門横断的なデータアクセスを実現
  • 営業担当の工数削減と売上拡大を実現したと報告されています

事例2: 株式会社PFU

  • Sansan Data Hubを活用し、Salesforceの情報鮮度が向上
  • 名刺データとCRMデータの統合により、営業活動の効率化を実現したと言われています

(3) 権限設定とユーザーマッピングの正確性

連携設定時の注意点として、権限設定とユーザーマッピングの正確性が挙げられます。

権限設定のポイント:

  • Salesforce管理者権限が必要です
  • Sansanユーザーが適切なSalesforceオブジェクト(リード・取引先責任者・取引先)にアクセスできる権限を設定する必要があります
  • 個人情報の取り扱いに関する社内ルールを遵守し、必要最小限の権限を付与することが推奨されます

ユーザーマッピングの注意点:

  • SansanユーザーとSalesforceユーザーのマッピングを正確に行う必要があります
  • マッピングが誤っていると、データの所有者が不明確になり、営業活動に支障が出る可能性があります

(4) 名刺スキャン精度(99.9%)の維持とデータ品質管理

Sansan Data Hubの効果を最大化するには、名刺スキャン精度の維持が重要です。

名刺スキャン精度の維持:

  • Sansanの名刺スキャン精度は99.9%とされていますが、名刺の状態(汚れ・折れ曲がり等)により精度が低下する場合があります
  • 名刺をスキャン後、データを目視で確認し、誤りがあれば修正することが推奨されます

データ品質管理のポイント:

  • 定期的にSalesforceのデータ品質を確認し、重複データや不正確なデータを修正します
  • SOCコードを活用し、重複データの名寄せ作業を効率化します
  • 属性情報が古くなっていないか定期的にチェックします(企業の売上高・従業員数等は変動する可能性があるため)

6. まとめ:連携で実現できることと導入判断のポイント

Sansan Data HubとSalesforceの連携により、名刺データとCRMデータの統合、手入力作業の削減、データ品質の向上が実現できます。

連携で実現できること:

  • 名刺をスキャンするだけでSalesforceのデータが自動作成・更新される
  • 10分ごとの自動同期により、ほぼリアルタイムで最新の顧客情報が維持される
  • 100種類以上の属性情報が自動付与され、営業リスト作成やターゲティングが容易になる
  • SOCコードにより、重複データの名寄せ作業が効率化される
  • 部門横断的な顧客データ基盤が構築され、マーケティング・営業・カスタマーサクセスが同じデータを参照できる

導入判断のポイント:

  • SansanとSalesforceを両方導入済み、または導入を検討している
  • 名刺データとCRMデータの二重管理に課題を感じている
  • 手入力作業の負担を削減したい
  • 営業リスト作成やターゲティングの精度を向上させたい
  • 部門横断的な顧客データ基盤を構築したい

次のアクション:

  • Salesforce AppExchangeで「Sansan Data Hub」の詳細を確認する
  • Sansan公式サイトで導入ガイドPDFをダウンロードする
  • Sansan営業担当に導入コスト・契約プランを確認する
  • テスト環境(Salesforceサンドボックス)で連携設定を試す
  • 導入事例(三井住友カード・PFU等)を参考に、自社での活用シーンを検討する

※連携設定や機能は更新される可能性があります。最新情報は公式サイトをご確認ください。(この記事は2024年時点の情報です)

よくある質問

Q1Sansan Data Hubの導入コストはどのくらいですか?

A1導入コストはSansanの契約プランやSalesforceのライセンス形態により異なります。詳細は公式サイトまたはSansan営業担当にお問い合わせください。Salesforce AppExchangeからのパッケージインストール自体は無料です。

Q2データ同期のタイミングはリアルタイムですか?

A210分ごとにSansanから名刺データを取得し、10分ごとにSalesforceへ転送されます。ほぼリアルタイムで最新の顧客情報が維持される仕組みです。名刺をスキャン後、最大20分程度でSalesforceに反映されると言われています。

Q3既存のSalesforceデータも移行できますか?

A3Sansan Data Hubは主にSansanからSalesforceへのデータ連携を行うソリューションです。既存のSalesforceデータをSansanに移行する機能は提供されていません。既存データの移行が必要な場合は、Salesforce標準の移行ツールまたは別途データ移行プロセスをご検討ください。

Q4連携設定時の権限設定はどうすればよいですか?

A4Salesforce管理者権限が必要です。SansanユーザーとSalesforceユーザーのマッピングを正確に行い、適切なアクセス権限(リード・取引先責任者・取引先オブジェクトへのアクセス)を設定することが重要です。詳細はSansan公式の導入ガイドPDFをご参照ください。

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B2Bデジタルプロダクト実践ガイド編集部

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