SansanとSalesforceを使っているけれど、名刺データとCRMが連携できていない...
名刺管理ツールのSansanとCRMのSalesforceを両方導入している企業の多くが、データの二重管理や手入力作業の負担に悩んでいます。「名刺をスキャンした後、Salesforceにも手入力している」「名刺データとCRMのデータが一致していない」といった課題は尽きません。
この記事では、中堅〜大企業の営業部門マネージャーや情報システム部門担当者向けに、Sansan Data HubとSalesforceの連携方法・導入メリット・設定手順を詳しく解説します。
この記事のポイント:
- Sansan Data Hubは名刺データをSalesforceに自動連携するデータ統合ソリューション
- 10分ごとの自動同期により、ほぼリアルタイムで最新の顧客情報が維持される
- 100種類以上の属性情報(業種・売上・資本金・法人番号等)が自動付与され、データ品質が向上する
- Salesforce AppExchangeからパッケージをインストールし、ユーザーマッピングを設定するだけで連携完了
- 三井住友カードやPFUなどの大企業で、営業担当の工数削減と売上拡大を実現した実績がある
1. Sansan Data HubとSalesforce連携の必要性と期待できる効果
SansanとSalesforceを併用している企業では、名刺データとCRMデータの連携が重要な課題となっています。Sansan Data Hubによる連携で、どのような効果が期待できるのでしょうか。
(1) CRMデータの品質向上による営業効率化
営業活動において、CRMデータの品質は営業効率に直結します。以下のような課題を抱えている企業は多いと言われています:
よくある課題:
- 名刺データとCRMのデータが一致していない(同じ顧客が複数登録されている)
- 企業情報(業種・売上・資本金等)が古く、営業戦略に活用できない
- 手入力によるヒューマンエラーでデータの正確性が低い
Sansan Data Hub連携による改善:
- SOCコード(企業を一意に識別するコード)により、重複データの名寄せ作業が大幅に効率化されます
- 100種類以上の属性情報が自動付与され、最新の企業情報が常に維持されます
- 名刺をスキャンするだけでSalesforceのデータが自動作成・更新されるため、手入力作業が不要になります
(2) 名刺データとCRMの統合で顧客情報を一元管理
名刺データとCRMデータが分断されていると、以下のような問題が発生します:
分断による問題:
- 営業担当者が名刺とCRMの両方を確認する必要があり、業務効率が低下する
- 部門横断的な顧客情報の共有が困難(マーケティング部門が営業部門の名刺データにアクセスできない)
- 顧客の最新情報が分散しており、営業戦略の立案が困難
Sansan Data Hub連携による統合:
- 名刺データがSalesforceのリード・取引先責任者・取引先オブジェクトに自動反映されます
- 部門横断的な顧客データ基盤が構築され、マーケティング・営業・カスタマーサクセスが同じデータを参照できます
- 顧客の最新情報が一元管理され、営業戦略の立案やターゲティングが容易になります
(3) 手入力作業の削減と最新情報の維持
名刺をSalesforceに手入力している企業では、以下のような負担があります:
手入力の負担:
- 1枚の名刺を入力するのに平均2〜3分かかると言われています(企業規模によりさらに時間がかかる場合もあります)
- 営業担当者が名刺交換後、入力作業を忘れて情報が古くなる
- ヒューマンエラーにより、入力ミス(誤字・脱字・項目間違い)が発生する
Sansan Data Hub連携による削減:
- 名刺をスキャンするだけでSalesforceのデータが自動作成されるため、手入力作業が不要になります
- 10分ごとの自動同期により、ほぼリアルタイムで最新の顧客情報が維持されます
- Sansanの名刺スキャン精度は99.9%とされており、ヒューマンエラーのリスクが大幅に軽減されます
2. Sansan Data Hubの基本知識(名寄せ技術・SOCコード・属性情報)
Sansan Data Hubの機能を理解するために、名寄せ技術・SOCコード・属性情報の3つのポイントを押さえましょう。
(1) Sansan Data Hubとは(データ統合ソリューション)
Sansan Data Hubは、Sansanの名刺データを外部システム(Salesforce・MA・BIツール等)と連携するデータ統合ソリューションです。
主な機能:
- 名刺データをSalesforceなどのCRMに自動連携
- 企業情報データベース(帝国データバンク等)と連携し、100種類以上の属性情報を自動付与
- SOCコードにより企業を一意に識別し、重複データの名寄せを効率化
受賞歴・評価:
- Salesforce Japan Partner Award 2025受賞
- AppExchangeアプリランキング2024大企業部門No.1を獲得
(2) 9種類の情報を組み合わせた名寄せ技術の仕組み
名寄せとは、同一企業や同一人物の複数のデータを統合する処理です。Sansanは9種類の情報を組み合わせた独自の名寄せ技術を提供しています。
9種類の情報(例):
- 会社名
- 住所
- 電話番号
- FAX番号
- Webサイト
- メールアドレスのドメイン
- 法人番号
- 資本金
- 業種
名寄せ技術の特徴:
- 社名変更(例: 「株式会社A」→「A株式会社」)にも対応
- 合併・買収などの複雑なケースにも対応
- 名刺上の表記ゆれ(例: 「東京都千代田区」→「千代田区」)を自動的に統一
(3) SOCコードによる企業の一意識別
SOCコード(Sansan Original Code)は、Sansanが企業を一意に識別するために付与するコードです。
SOCコードの役割:
- 企業ごとに一意のコードを付与し、重複データを自動的に特定
- 社名変更や合併があっても、同一企業として追跡可能
- Salesforceのリード・取引先責任者・取引先オブジェクトにSOCコードが連携されるため、名寄せ作業が効率化される
具体例:
- 「株式会社A」と「A株式会社」が同一企業として認識される
- 営業担当者Bさんが交換した名刺と、営業担当者Cさんが交換した名刺が同一企業として統合される
(4) 100種類以上の属性情報の自動付与(業種・売上・資本金・法人番号等)
Sansan Data Hubは、名刺情報に加えて、100種類以上の企業属性情報を自動的に付与します。
主な属性情報(例):
- 業種(日本標準産業分類に基づく)
- 売上高
- 資本金
- 従業員数
- 法人番号
- 上場区分(東証一部・二部・マザーズ等)
- 設立年月日
- 代表者名
属性情報の活用シーン:
- 営業リストの作成(例: 「売上高100億円以上の製造業」を抽出)
- ターゲティング(例: 「従業員数500人以上の上場企業」にアプローチ)
- マーケティング施策の設計(例: 「設立5年以内のスタートアップ」向けキャンペーン)
3. SalesforceとSansan Data Hubの連携メリット(データ品質向上・営業効率化)
SalesforceとSansan Data Hubを連携することで、どのような具体的なメリットが得られるのでしょうか。
(1) 名刺をスキャンするだけでSalesforceのデータが自動作成・更新
従来の手入力による運用では、以下のような作業が必要でした:
従来の運用(手入力):
- 名刺交換後、Sansanにスキャン登録
- Salesforceにログイン
- 手動でリード・取引先責任者を作成
- 名刺情報を1項目ずつ入力(会社名・部署・役職・電話番号・メールアドレス等)
Sansan Data Hub連携後の運用:
- 名刺交換後、Sansanにスキャン登録
- 10分以内にSalesforceのリード・取引先責任者が自動作成される
- 属性情報(業種・売上・資本金等)も自動的に付与される
手入力作業が完全に不要になるため、営業担当者は本来の営業活動に集中できると言われています。
(2) 10分ごとの自動同期によるリアルタイムなデータ更新
Sansan Data Hubは、10分ごとにSansanから名刺データを取得し、10分ごとにSalesforceへ転送する仕組みです。
自動同期の流れ:
- Sansanで名刺をスキャン登録(または手動で顧客情報を更新)
- 10分以内にSansan Data Hubがデータを取得
- 10分以内にSalesforceのオブジェクトに反映
メリット:
- ほぼリアルタイムで最新の顧客情報が維持される
- 営業担当者が名刺交換後すぐにSalesforceで顧客情報を確認できる
- マーケティング施策(メール配信・ウェビナー案内等)に最新のリストを活用できる
(3) 重複データの名寄せ作業を大幅に効率化
Salesforceで重複データが発生すると、以下のような問題があります:
重複データの問題:
- 同じ顧客が複数のリード・取引先責任者として登録されている
- 営業活動の履歴が分散し、顧客の全体像が把握できない
- レポート・ダッシュボードの精度が低下する
Sansan Data Hubによる名寄せ:
- SOCコードにより、同一企業を自動的に識別
- Salesforceのリード・取引先責任者にSOCコードが連携されるため、重複の特定が容易
- 手動での名寄せ作業(重複データの統合・削除)の負担が軽減される
(4) 社名変更や合併などの複雑なケースにも対応
企業の社名変更や合併・買収があった場合、手動でのデータ更新は困難です。
手動更新の課題:
- 社名変更を把握するのに時間がかかる(ニュースリリースを常にチェックする必要がある)
- 過去の取引履歴が失われるリスク(旧社名のデータと新社名のデータが別々に管理される)
- 手動での一括更新は工数がかかる
Sansan Data Hubによる対応:
- 9種類の情報を組み合わせた名寄せ技術により、社名変更や合併を自動的に検知
- SOCコードにより、社名変更後も同一企業として追跡可能
- Salesforceのデータが自動的に更新される
4. 連携設定の具体的な手順(AppExchangeインストール・ユーザーマッピング)
SalesforceとSansan Data Hubの連携設定は、以下の4つのステップで完了します。
(1) Salesforce AppExchangeからパッケージをインストール
手順:
- Salesforceに管理者権限でログイン
- AppExchangeで「Sansan Data Hub」を検索
- 「今すぐ入手」ボタンをクリックし、インストール開始
- インストール先の組織を選択(本番環境またはサンドボックス)
- パッケージのインストールを承認
所要時間:
- インストール自体は5〜10分程度で完了すると言われています
注意点:
- Salesforceの管理者権限が必要です
- インストール前に、Salesforceのバックアップを取得することが推奨されます
(2) SansanユーザーとSalesforceユーザーのマッピング設定
Sansanで名刺を登録したユーザーと、Salesforceでデータを作成するユーザーを対応付ける必要があります。
マッピング設定の手順:
- Sansan管理画面で「Salesforce連携設定」を開く
- SansanユーザーとSalesforceユーザーの対応表を作成
- 各Sansanユーザーに対応するSalesforceユーザーを選択
- 設定を保存
マッピングの重要性:
- マッピングが正しく設定されていないと、データが正しくSalesforceに反映されない場合があります
- Sansanで名刺を登録したユーザーと、Salesforceでリードを作成するユーザーが一致することで、データの所有者が明確になります
(3) リード・取引先責任者・取引先オブジェクトへのデータ連携設定
Sansan Data Hubは、Salesforceの以下のオブジェクトにデータを連携できます:
連携可能なオブジェクト:
- リード(Lead): 見込み顧客の情報
- 取引先責任者(Contact): 既存顧客の個人情報
- 取引先(Account): 法人の企業情報
連携設定のポイント:
- どのオブジェクトにデータを連携するかを決定します(例: 初回の名刺交換はリードに登録、商談開始後は取引先責任者に変換)
- カスタムフィールドにも属性情報を連携できます(例: 売上高をカスタムフィールド「企業売上」に連携)
設定手順:
- Sansan管理画面で「オブジェクトマッピング設定」を開く
- 連携先のオブジェクト(リード・取引先責任者・取引先)を選択
- SansanのフィールドとSalesforceのフィールドを対応付ける
- 設定を保存
(4) 連携後の動作確認とテスト
設定完了後、必ずテストを実施しましょう。
テストの手順:
- Sansanでテスト用の名刺を登録(または既存の名刺を更新)
- 10分程度待機
- Salesforceでリード・取引先責任者が作成されているか確認
- データが正しくマッピングされているか確認(会社名・部署・役職・電話番号・メールアドレス等)
- 属性情報(業種・売上・資本金等)が正しく連携されているか確認
テスト時の確認ポイント:
- データが重複して作成されていないか
- SOCコードが正しく連携されているか
- カスタムフィールドにも属性情報が反映されているか
5. 活用シーンと導入時の注意点(権限設定・データ品質管理)
Sansan Data HubとSalesforceの連携は、どのような場面で活用できるのでしょうか。また、導入時の注意点も押さえましょう。
(1) 主要な活用シーン(営業リスト作成・顧客データベース構築・マーケティング施策)
活用シーン1: 営業リスト作成
- 属性情報(業種・売上・資本金・従業員数等)を活用し、ターゲットリストを自動作成
- 例: 「製造業で売上高100億円以上の企業」を抽出し、新規アプローチリストを作成
活用シーン2: 顧客データベース構築
- 部門横断的な顧客データ基盤を構築し、マーケティング・営業・カスタマーサクセスが同じデータを参照
- 例: マーケティング部門がウェビナー案内を送る際、営業部門が交換した名刺データを活用
活用シーン3: マーケティング施策
- 属性情報を活用し、セグメント別のマーケティング施策を設計
- 例: 「設立5年以内のスタートアップ」向けに特別キャンペーンを実施
(2) 導入事例(三井住友カード・PFUの活用実績)
事例1: 三井住友カード(2024年8月)
- Sansan Data Hubを活用し、顧客データ基盤を確立
- Salesforce連携により部門横断的なデータアクセスを実現
- 営業担当の工数削減と売上拡大を実現したと報告されています
事例2: 株式会社PFU
- Sansan Data Hubを活用し、Salesforceの情報鮮度が向上
- 名刺データとCRMデータの統合により、営業活動の効率化を実現したと言われています
(3) 権限設定とユーザーマッピングの正確性
連携設定時の注意点として、権限設定とユーザーマッピングの正確性が挙げられます。
権限設定のポイント:
- Salesforce管理者権限が必要です
- Sansanユーザーが適切なSalesforceオブジェクト(リード・取引先責任者・取引先)にアクセスできる権限を設定する必要があります
- 個人情報の取り扱いに関する社内ルールを遵守し、必要最小限の権限を付与することが推奨されます
ユーザーマッピングの注意点:
- SansanユーザーとSalesforceユーザーのマッピングを正確に行う必要があります
- マッピングが誤っていると、データの所有者が不明確になり、営業活動に支障が出る可能性があります
(4) 名刺スキャン精度(99.9%)の維持とデータ品質管理
Sansan Data Hubの効果を最大化するには、名刺スキャン精度の維持が重要です。
名刺スキャン精度の維持:
- Sansanの名刺スキャン精度は99.9%とされていますが、名刺の状態(汚れ・折れ曲がり等)により精度が低下する場合があります
- 名刺をスキャン後、データを目視で確認し、誤りがあれば修正することが推奨されます
データ品質管理のポイント:
- 定期的にSalesforceのデータ品質を確認し、重複データや不正確なデータを修正します
- SOCコードを活用し、重複データの名寄せ作業を効率化します
- 属性情報が古くなっていないか定期的にチェックします(企業の売上高・従業員数等は変動する可能性があるため)
6. まとめ:連携で実現できることと導入判断のポイント
Sansan Data HubとSalesforceの連携により、名刺データとCRMデータの統合、手入力作業の削減、データ品質の向上が実現できます。
連携で実現できること:
- 名刺をスキャンするだけでSalesforceのデータが自動作成・更新される
- 10分ごとの自動同期により、ほぼリアルタイムで最新の顧客情報が維持される
- 100種類以上の属性情報が自動付与され、営業リスト作成やターゲティングが容易になる
- SOCコードにより、重複データの名寄せ作業が効率化される
- 部門横断的な顧客データ基盤が構築され、マーケティング・営業・カスタマーサクセスが同じデータを参照できる
導入判断のポイント:
- SansanとSalesforceを両方導入済み、または導入を検討している
- 名刺データとCRMデータの二重管理に課題を感じている
- 手入力作業の負担を削減したい
- 営業リスト作成やターゲティングの精度を向上させたい
- 部門横断的な顧客データ基盤を構築したい
次のアクション:
- Salesforce AppExchangeで「Sansan Data Hub」の詳細を確認する
- Sansan公式サイトで導入ガイドPDFをダウンロードする
- Sansan営業担当に導入コスト・契約プランを確認する
- テスト環境(Salesforceサンドボックス)で連携設定を試す
- 導入事例(三井住友カード・PFU等)を参考に、自社での活用シーンを検討する
※連携設定や機能は更新される可能性があります。最新情報は公式サイトをご確認ください。(この記事は2024年時点の情報です)
