セールステックとは?営業DXを推進するツール分類・選定基準・導入効果

著者: B2Bデジタルプロダクト実践ガイド編集部公開日: 2025/12/7

「営業DXを進めたいけど、どのツールから導入すべきか分からない」という悩みをお持ちではないですか?

B2B企業の営業企画や情報システム担当者にとって、営業活動の効率化は常に課題です。しかし、SFA、CRM、MA、名刺管理、商談分析...と多数のツールが存在し、どれから導入すべきか判断が難しいのが実情ではないでしょうか。

この記事では、「セールステック」と呼ばれる営業効率化ツールの全体像、主要カテゴリ、選定基準、段階的な導入ステップを解説します。

この記事のポイント:

  • セールステックはSFA・CRM・MA・BIなど複数のカテゴリに分類される
  • 2022年の国内市場規模は4,265億円、2027年には5,037億円に成長予測
  • セールステックを3種以上導入している企業は46.5%
  • 多くの企業はSFA/CRMから導入を開始し、段階的にMA等を追加
  • ツール導入だけでなく、営業プロセスの見直しと社内教育も必要

1. セールステックが注目される背景

セールステックへの関心が高まっている背景には、以下のような環境変化があります。

注目される3つの背景:

  1. 労働力不足への対応: 少子高齢化により営業人材の確保が難しくなり、少人数で成果を出す必要がある
  2. リモートワークの普及: COVID-19以降、オンライン商談や非対面営業が一般化し、デジタルツールの活用が不可欠に
  3. 営業プロセスの複雑化: 顧客接点の多様化により、データ統合・分析の重要性が増している

2020年のBellFace調査によると、80%以上の企業がCOVID-19の影響で営業のデジタル活用の重要性が高まったと回答しています。

市場規模も拡大を続けており、ある調査では2022年の国内セールステック市場規模は4,265億円、5年間で18.09%成長し2027年には5,037億円に達すると予測されています。

2. セールステックの定義と主要カテゴリ

(1) セールステックとは何か

セールステック(Sales Tech)は、Sales(営業)とTechnology(技術)を掛け合わせた造語です。ITを活用して営業活動を効率化するサービス・ツールの総称を指します。

セールステックの目的:

  • 営業活動の「見える化」と生産性向上
  • 顧客データの統合・分析
  • 営業担当者の負担軽減と成果向上

重要なのは、セールステックはあくまで営業効率化・データ活用の「手段」であり、ツール導入自体が目的ではないという点です。

(2) SFA・CRM・MA・BI等の主要カテゴリ

セールステックは情報源により6〜41カテゴリに分類されますが、主要なものは以下の通りです。

カテゴリ 正式名称 主な機能
SFA Sales Force Automation 営業活動の見える化・生産性向上
CRM Customer Relationship Management 顧客との関係構築・顧客管理
MA Marketing Automation リード獲得・育成の自動化
BI Business Intelligence データ分析・可視化
CTI Computer Telephony Integration 電話とPCの統合

2024年9月に公開された「Japan SalesTech Landscape 2024」では、全41カテゴリで国産・海外ツールを網羅的に掲載しており、近年は以下のカテゴリが台頭しています。

2024年に注目されるカテゴリ:

  • 収益予測(Sales Forecasting & Reporting): 売上予測の精度向上
  • 会話分析(Conversational Intelligence): 商談の会話を分析
  • 営業人材育成(Sales Enablement): 営業スキル向上支援
  • 営業実務効率化(Sales Engagement): 営業活動の自動化

3. カテゴリ別の主要ツールと特徴

(1) SFA・CRM(Salesforce、kintone等)

SFA・CRMは、顧客情報と商談状況を管理する基盤となるツールです。

主な機能:

  • 顧客・取引先情報の一元管理
  • 商談の進捗管理・パイプライン可視化
  • 営業活動の履歴記録
  • 売上予測・レポート作成

代表的なツール例:

ツール名 特徴
Salesforce グローバルシェアNo.1、高機能・カスタマイズ性高
kintone 国産、ノーコードでカスタマイズ可能
HubSpot CRM 無料プランあり、中小企業向け
Mazrica Sales 国産SFA、使いやすさ重視

※各ツールの機能・料金は変更の可能性があります。最新情報は公式サイトでご確認ください。

(2) MA・インサイドセールス(Marketo、BellFace等)

MAツールはリードの獲得・育成を自動化し、インサイドセールスツールはオンラインでの営業活動を支援します。

MAの主な機能:

  • メール配信の自動化
  • リードスコアリング
  • Webトラッキング
  • ランディングページ作成

インサイドセールスツールの主な機能:

  • オンライン商談
  • 電話・メール連携
  • 活動履歴の自動記録

代表的なツール例:

カテゴリ ツール名 特徴
MA Marketo エンタープライズ向け、高機能
MA HubSpot Marketing Hub 無料プランあり、CRMと連携
インサイドセールス BellFace 国産オンライン商談ツール

(3) 商談分析・Sales Enablement

商談の内容を分析し、営業担当者のスキル向上を支援するツールも増えています。

主な機能:

  • 商談録画・文字起こし
  • AIによる会話分析
  • 営業ナレッジの共有
  • トレーニングコンテンツ管理

これらのツールは、属人化しがちな営業ノウハウを組織全体で共有し、新人育成や営業力強化に活用されています。

4. セールステック導入のメリット・デメリット

(1) 営業効率化・データ活用のメリット

セールステック導入企業は、売上成長率が高い傾向があるとの調査結果があります。具体的なメリットは以下の通りです。

主なメリット:

メリット 具体例
業務効率化 入力作業・レポート作成の自動化
データ活用 商談データの分析による勝率改善
属人化防止 顧客情報・商談履歴の共有化
リモート対応 オンライン商談・非対面営業の実現
可視化 パイプライン・売上予測の精度向上

(2) 導入コスト・定着の難しさ

一方で、導入には課題もあります。

主なデメリット・課題:

課題 対策
導入コスト 無料プランや中小向けツールから開始
学習コスト 段階的な機能活用、社内教育の実施
データ入力負担 入力ルールの標準化、モバイル対応ツールの活用
既存ツールとの重複 ツール連携・統合の計画策定
定着しない KPI設定と効果測定の継続

セールステックツールを3種以上導入している企業は46.5%という調査結果がありますが、導入したものの十分に活用されていない企業も多いのが実情です。

5. 選定基準と段階的な導入ステップ

(1) 営業フェーズ・組織規模別の優先順位

自社に合ったセールステックを選定するには、以下の観点から優先順位を検討します。

選定基準:

観点 確認ポイント
課題の特定 どの営業フェーズに課題があるか(リード獲得?商談管理?分析?)
組織規模 営業担当者の人数、拠点数
既存ツール 現在使用しているツールとの連携可否
予算 初期費用・月額費用・運用コスト
ITリテラシー 社内の技術スキル、サポート体制

組織規模別の傾向:

規模 傾向
小規模(営業5〜20名) 無料CRM・低コストSFAから開始
中規模(営業20〜100名) SFA+MAの組み合わせ
大規模(営業100名以上) 統合プラットフォーム+専門ツール

(2) まずSFA、次にMAという段階的導入

多くの企業が成功しているのは、段階的な導入アプローチです。

推奨される導入ステップ:

  1. Step 1: SFA/CRMの導入

    • 顧客・商談管理の基盤を構築
    • データ入力の習慣化・定着
    • 営業活動の可視化
  2. Step 2: MAの追加

    • リード獲得・育成の自動化
    • SFA/CRMとのデータ連携
    • マーケティング・営業の連携強化
  3. Step 3: 分析・専門ツールの導入

    • BIツールによるデータ分析
    • 商談分析・Sales Enablementツール
    • AIを活用した予測・自動化

重要なポイント:

  • ツールを導入するだけでなく、営業プロセスの見直しも必要
  • 社内教育・トレーニングの実施
  • 効果測定とKPI管理の継続

6. まとめ:自社に合ったツール選定のポイント

セールステックは、B2B企業の営業DXを推進する重要な手段です。市場規模は拡大を続けており、SFA・CRM・MA・BI等の多様なカテゴリから自社の課題に合ったツールを選定することが重要です。

ただし、ツール導入自体が目的ではなく、営業効率化・データ活用という本来の目的を見失わないことが大切です。また、段階的な導入(まずSFA/CRM→次にMA)が成功の鍵となります。

次のアクション:

  • 自社の営業課題を明確にする(どのフェーズに課題があるか)
  • 既存ツールとの連携・統合を検討する
  • 無料トライアルやデモで複数ツールを比較する
  • 小規模で導入し、効果を検証しながら拡大する

※この記事は2024年時点の情報に基づいています。各ツールの機能・料金は変更の可能性があるため、最新情報は公式サイトでご確認ください。

よくある質問:

Q: 最初に導入すべきセールステックは? A: 多くの企業はSFA/CRMから始めます。顧客・商談管理の基盤を整備した上で、MA等を追加すると効果的です。営業担当5名以上であれば導入効果が期待できます。

Q: セールステック導入のROIはどのくらい? A: 導入企業は売上成長率が高い傾向があるとの調査結果がありますが、効果測定には6ヶ月〜1年程度の運用期間が必要です。中長期的な視点で評価することが重要です。

Q: 中小企業でもセールステックは必要ですか? A: 営業担当5名以上であれば効果があると言われています。kintoneや無料CRM等、低コストから始められる選択肢もあります。小規模で導入し、効果を検証しながら拡大するアプローチが推奨されます。

Q: 既存ツールとの統合はどうすればいいですか? A: 多くのセールステックツールはAPI連携機能を提供しています。導入前に既存ツールとの連携可否を確認し、データの二重管理を避ける設計を検討してください。

よくある質問

Q1最初に導入すべきセールステックは?

A1多くの企業はSFA/CRMから始めます。顧客・商談管理の基盤を整備した上で、MA等を追加すると効果的です。営業担当5名以上であれば導入効果が期待できます。

Q2セールステック導入のROIはどのくらい?

A2導入企業は売上成長率が高い傾向があるとの調査結果がありますが、効果測定には6ヶ月〜1年程度の運用期間が必要です。中長期的な視点で評価することが重要です。

Q3中小企業でもセールステックは必要ですか?

A3営業担当5名以上であれば効果があると言われています。kintoneや無料CRM等、低コストから始められる選択肢もあります。小規模で導入し、効果を検証しながら拡大するアプローチが推奨されます。

Q4既存ツールとの統合はどうすればいいですか?

A4多くのセールステックツールはAPI連携機能を提供しています。導入前に既存ツールとの連携可否を確認し、データの二重管理を避ける設計を検討してください。

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B2Bデジタルプロダクト実践ガイド編集部

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