Salesforce価格体系完全ガイド:プラン別料金とコスト最適化

著者: B2Bデジタルプロダクト実践ガイド編集部公開日: 2025/12/12

Salesforceを導入したいが、価格体系が複雑で分かりにくい

Salesforceの導入を検討しているB2B企業の担当者にとって、最初のハードルが「価格体系の理解」です。「月額料金はいくらなのか」「どのエディションを選べばいいのか」「導入にかかる総コストはいくらになるのか」といった疑問を持つ方は多いのではないでしょうか。

Salesforceは世界最大のCRM/SFAプラットフォームであり、その機能は非常に豊富です。しかし、製品ライン(Sales Cloud、Service Cloud等)とエディション(Starter、Professional、Enterprise、Unlimited等)の組み合わせにより、価格体系は複雑になっています。

この記事では、Salesforceの価格体系を製品・エディション別に整理し、導入時の総コストと適正プラン選定のポイントを解説します。

この記事のポイント:

  • Sales Cloudは月額3,000円〜39,600円/ユーザー(税抜)、エディションにより異なる
  • ライセンス費用以外に初期構築・カスタマイズ費用(30万〜500万円)が発生する
  • 中小企業向けにStarter Suite(月額25米ドル〜)があり、スモールスタート可能
  • 2023年には平均9%の値上げが実施されており、価格改定リスクにも留意が必要
  • 最低限のエディションから始め、成長に応じて移行する戦略が推奨される

Salesforceの価格体系を理解する重要性

Salesforceの価格体系を正しく理解することは、導入判断において極めて重要です。

価格体系理解が重要な理由:

適正投資の判断: エディションにより機能範囲と価格が大きく異なります。過剰なエディションを選ぶと無駄なコストが発生し、逆に機能不足のエディションを選ぶと追加費用が発生します。

総コストの把握: ライセンス費用だけでなく、初期構築・カスタマイズ・サポート・運用保守など、総所有コスト(TCO)を把握する必要があります。

予算計画: Salesforceは年間契約が基本であり、長期的な予算計画が必要です。価格改定リスクも考慮に入れる必要があります。

代替ツールとの比較: HubSpot、Zoho CRMなどの代替ツールと比較検討する際、正確な価格情報が必要です。

製品・エディション別の料金体系を整理する

(1) Sales Cloudの料金プラン(Starter〜Unlimited)

Sales Cloudは、Salesforceの中核となる営業支援(SFA)・顧客管理(CRM)製品です。

Sales Cloud エディション別料金(2025年時点・税抜):

エディション 月額/ユーザー 主な機能
Starter 3,000円 基本的なリード・商談管理
Professional 9,600円 売上予測、カスタムレポート
Enterprise 19,800円 ワークフロー自動化、API連携
Unlimited 39,600円 24時間サポート、フル機能
Einstein 1 Sales 60,000円 AI機能(Einstein)フル搭載

エディション選択のポイント:

  • Starter: 小規模チーム、基本的なCRM機能のみ必要な場合
  • Professional: 売上予測やレポートが必要な中小企業
  • Enterprise: API連携、ワークフロー自動化が必要な中堅企業(最も選ばれるエディション)
  • Unlimited: 24時間サポートやフル機能が必要な大企業

(2) Service Cloudの料金プラン

Service Cloudは、カスタマーサービス・サポート機能を提供する製品です。

Service Cloud エディション別料金(2025年時点・税抜):

エディション 月額/ユーザー 主な機能
Starter 3,000円 基本的なケース管理
Professional 9,600円 サービスコントラクト
Enterprise 19,800円 オムニチャネル対応
Unlimited 39,600円 24時間サポート、フル機能

Sales CloudとService Cloudを両方導入する場合、エディションを統一する必要があります。

(3) 中小企業向けStarter Suiteの特徴

中小企業向けに、よりシンプルで低価格なプランも用意されています。

Starter Suite(中小企業向けオールインワン):

  • 月額25米ドル/ユーザー〜
  • Sales、Service、Marketing機能を統合
  • シンプルな導入・運用
  • 小規模チームに最適

Starter Suiteのメリット:

  • 複数製品を別々に契約するより低コスト
  • 導入・設定がシンプル
  • 成長に合わせて上位エディションに移行可能

Starter Suiteのデメリット:

  • 機能が限定的(高度なカスタマイズは困難)
  • 大規模運用には向かない

導入時の総コスト:ライセンス以外の費用を把握する

(1) 初期構築・カスタマイズ費用(30万〜500万円)

Salesforceのライセンス初期費用は無料ですが、実際に運用を始めるには構築・カスタマイズ費用が発生します。

構築費用の相場(2025年時点):

導入タイプ 費用相場 内容
クイックスタート 30万〜100万円 基本設定、初期データ投入
標準導入支援 150万〜300万円 カスタマイズ、データ移行、トレーニング
本格導入 300万〜500万円以上 大規模カスタマイズ、外部連携、継続支援

費用を左右する要素:

  • カスタマイズの範囲と複雑さ
  • データ移行の規模(既存システムからの移行)
  • 外部システム連携の有無(ERP、基幹システム等)
  • トレーニング・マニュアル作成の範囲

(2) サポートプラン(Premier Success Plan)

Salesforceには有償サポートプランがあり、本格運用では加入を検討すべきです。

Premier Success Plan:

  • 費用: ライセンス総額の約30%
  • 内容: 24時間サポート、導入コンサルティング、トレーニング
  • 対象: 本格運用、大規模導入

Standard Success(無料):

  • 基本的なオンラインサポート
  • ナレッジベース・コミュニティへのアクセス
  • 対象: 小規模運用、セルフサービスで対応可能な場合

(3) 運用・保守にかかる継続費用

導入後も継続的に発生する費用があります。

継続費用の内訳:

  • ライセンス費用(年間契約・更新)
  • 追加ユーザーライセンス(組織拡大時)
  • 追加機能・アドオン費用
  • 運用サポート費用(外部委託の場合)
  • トレーニング費用(新入社員向け等)

費用計算例(10ユーザー・Enterprise版・1年間):

  • ライセンス: 19,800円 × 10人 × 12ヶ月 = 237.6万円/年
  • 初期構築(標準導入): 150万〜300万円(初年度のみ)
  • 合計初年度: 約400万〜550万円

企業規模・用途別の適正プラン選定ガイド

(1) スタートアップ・小規模企業向けプラン

推奨プラン:

  • Starter Suite(月額25米ドル〜)
  • Sales Cloud Starter(月額3,000円〜)

選定のポイント:

  • 最低限のCRM機能で十分か確認
  • ユーザー数5〜10人程度を想定
  • 初期構築はセルフサービスまたはクイックスタート
  • 成長に合わせて上位プランへ移行

注意点:

  • 機能が限定的、高度なカスタマイズは困難
  • APIアクセスなど上位機能は利用不可

(2) 中堅企業向けプラン

推奨プラン:

  • Sales Cloud Professional(月額9,600円〜)
  • Sales Cloud Enterprise(月額19,800円〜)

選定のポイント:

  • Enterprise版が最も標準的な選択肢
  • ユーザー数10〜50人程度を想定
  • API連携、ワークフロー自動化が必要ならEnterprise以上
  • 導入支援パートナーの活用を検討

注意点:

  • 初期構築費用(150万〜300万円)を予算に含める
  • 運用担当者のトレーニング期間を確保

(3) 大企業・エンタープライズ向けプラン

推奨プラン:

  • Sales Cloud Enterprise / Unlimited(月額19,800円〜39,600円)
  • Einstein 1 Sales(月額60,000円〜)※AI機能が必要な場合

選定のポイント:

  • ユーザー数50人以上を想定
  • 24時間サポート、フル機能が必要
  • 複数部門・グローバル展開に対応
  • Premier Success Planへの加入を検討

注意点:

  • 本格導入費用(300万円以上)を予算に含める
  • 導入プロジェクトのPM体制を整備
  • 運用ルール・ガバナンスの策定

コスト最適化の方法と注意点

(1) スモールスタートの重要性

Salesforce導入において、最も重要なコスト最適化戦略は「スモールスタート」です。

スモールスタートのメリット:

  • 初期投資を抑えられる
  • 実際の運用で課題を発見できる
  • 成長に合わせて機能を拡張できる
  • 失敗時のリスクを最小化

スモールスタートの進め方:

  1. 最低限のエディション(StarterまたはProfessional)で開始
  2. 少人数のパイロットチームで運用開始
  3. 3〜6ヶ月の運用後、課題と必要機能を洗い出し
  4. 必要に応じて上位エディションに移行
  5. ユーザー数を段階的に拡大

(2) 導入失敗を避けるためのポイント

Salesforce導入には失敗事例も少なくありません。以下のポイントに注意が必要です。

よくある失敗パターン:

  • 高機能エディションを導入したが使いこなせない
  • ビジョンと要件が乖離している
  • データ入力が定着しない
  • 運用担当者の負担増加

失敗を避けるポイント:

  • 導入目的と達成したいKPIを明確化
  • 現場の運用担当者を巻き込む
  • トレーニング期間を十分に確保
  • 30日間の無料トライアルで事前検証
  • 導入パートナーの選定を慎重に行う

(3) 価格改定リスクへの備え

Salesforceは2023年に平均9%の値上げを実施しており、今後も価格改定の可能性があります。

価格改定への備え:

  • 長期契約での価格固定を交渉
  • 予算に価格上昇分のバッファを確保
  • 代替ツール(HubSpot、Zoho等)の情報収集
  • 契約更新時に条件を再交渉

まとめ:予算に合わせたSalesforce導入戦略

Salesforceの価格体系は複雑ですが、製品・エディション別の料金を理解し、総コストを把握することで、適正な投資判断が可能になります。

価格体系のまとめ:

対象企業 推奨プラン 月額/ユーザー 初期構築費用
スタートアップ Starter Suite 約3,000円〜 30万〜100万円
中小企業 Professional 9,600円 100万〜200万円
中堅企業 Enterprise 19,800円 150万〜300万円
大企業 Unlimited 39,600円 300万円以上

導入成功のためのチェックリスト:

  • 導入目的とKPIを明確にしているか
  • ライセンス費用だけでなく総コストを把握しているか
  • スモールスタートで段階的に拡大する計画か
  • トレーニング期間と運用体制を確保しているか
  • 30日間の無料トライアルで検証したか
  • 価格改定リスクを考慮した予算計画か

次のアクション:

  1. 自社の課題と導入目的を整理する
  2. 必要な機能と適正エディションを見極める
  3. 30日間の無料トライアルで実際に操作する
  4. 導入パートナーから見積りを取得する(複数社推奨)
  5. 総コストと費用対効果を評価する

Salesforceは強力なCRM/SFAプラットフォームですが、導入には計画的なアプローチが必要です。スモールスタートで始め、成功体験を積み重ねながら拡大していく戦略が推奨されます。

※この記事は2025年時点の情報です。料金は変更の可能性があるため、最新情報はSalesforce公式サイトをご確認ください。

よくある質問

Q1Salesforceの月額料金はいくらですか?

A1Sales Cloudの場合、Starter 3,000円〜Unlimited 39,600円/ユーザー/月(税抜)です。中小企業向けのStarter Suiteは月額25米ドル〜で利用可能です。年間契約が基本で、初期費用は無料ですが、構築・カスタマイズ費用は別途発生します。

Q2導入費用を含めた総コストはいくらになりますか?

A2ライセンス費用に加え、初期構築・カスタマイズで30万〜500万円程度かかります。例えば10ユーザー・Enterprise版・標準導入で初年度約400万〜550万円程度です。Premier Success Planを利用する場合はライセンス総額の約30%が追加されます。

Q3中小企業でもSalesforceを導入できますか?

A3Starter Suite(月額25米ドル〜)やSales Cloud Starter(月額3,000円〜)があり、中小企業でも導入可能です。最低限のエディションから始め、成長に応じて上位プランへ移行する「スモールスタート」が推奨されます。

Q4Salesforceのエディションはどう選べばいいですか?

A4小規模チームはStarter、売上予測やレポートが必要な中小企業はProfessional、API連携やワークフロー自動化が必要な中堅企業はEnterprise、24時間サポートやフル機能が必要な大企業はUnlimitedが適しています。30日間の無料トライアルで事前検証することが推奨されます。

Q5Salesforce導入で失敗しないためのポイントは何ですか?

A5主な失敗は「高機能エディションを使いこなせない」「データ入力が定着しない」などです。導入目的とKPIを明確にし、現場を巻き込み、スモールスタートで段階的に拡大していく戦略が推奨されます。トレーニング期間の確保も重要です。

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B2Bデジタルプロダクト実践ガイド編集部

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