Salesforce標準価格表の見方|製品別料金・エディション比較と選び方

著者: B2Bデジタルプロダクト実践ガイド編集部公開日: 2025/12/25

Salesforceの料金、本当にそれだけで済むのか?

「Salesforceを導入したいけれど、結局いくらかかるのか分からない...」「エディションがたくさんあって、どれを選べばいいのか?」と悩んでいる情報システム担当者や経営企画担当者は多いのではないでしょうか。

Salesforceの料金体系は複雑で、ライセンス費用だけでなく、導入プロジェクト費用・カスタマイズ費用・運用サポート費用など、複数の要素が絡み合います。「月額3,000円から」という表示価格だけで判断すると、予算超過のリスクがあります。

この記事では、Salesforceの標準価格表の見方・製品別料金・エディション比較・追加費用の内訳を、実務担当者にとって役立つ形で解説します。

この記事のポイント:

  • Salesforce料金は「製品×エディション×ユーザー数 + 初期導入費 + 運用サポート費」で算出される
  • Sales Cloudは月額3,000円〜60,000円(Starter〜Einstein 1 Sales)の5エディション
  • ライセンス費用は初期費用無料だが、導入プロジェクトとして90万〜612万円が別途必要
  • 2025年8月にEnterprise・Unlimitedエディションが平均6%値上げ予定(Starter・Proは据え置き)
  • Salesforce機能としての「標準価格表」は商品管理の基盤で、商談で使用する商品を登録する

1. Salesforceの料金体系の基本

(1) 料金算出の仕組み(製品×エディション×ユーザー数)

Salesforceの料金は以下の要素で算出されます:

料金算出式:

月額費用 = (製品A × エディション × ユーザー数)+(製品B × エディション × ユーザー数)+ ...
総費用 = 月額費用 × 契約期間 + 初期導入費 + 運用サポート費

具体例:

  • Sales Cloud Professional(月額9,600円/ユーザー)
  • 10ユーザー
  • 年間契約
  • 月額費用:9,600円 × 10人 = 96,000円/月
  • 年間費用:96,000円 × 12ヶ月 = 115.2万円

※この金額はライセンス費用のみで、導入プロジェクト費用は含まれません。

(2) 初期費用とランニングコスト

初期費用:

  • ライセンス費用:初期費用無料(月額費用のみ)
  • 導入プロジェクト費用:90万〜612万円が別途必要(導入支援事業者の事例による)
    • CRM導入のみ:90万円〜
    • CRM + SFA導入:150万円〜
    • 大規模カスタマイズ:3ヶ月で600万円、半年で1,000万円以上

ランニングコスト(月額):

  • ライセンス費用(ユーザー数に応じて増減)
  • 運用サポート費用(保守・ヘルプデスク)
  • データストレージ追加費用(必要に応じて)

(3) 2025年8月の価格改定情報

2025年8月から一部エディションで価格改定が予定されています(Salesforce公式発表):

値上げ対象:

  • Enterprise・Unlimitedエディション:平均6%値上げ
  • 例:Enterprise 19,800円/月 → 約20,988円/月(6%増)

据え置き対象:

  • Starter・Professionalエディション:価格据え置き

新機能追加:

  • Agentforceアドオン(AIエージェント機能):1ユーザー12,000円/月から利用可能

※最新の料金情報は公式サイトで確認してください。

2. 製品別料金一覧(Sales Cloud・Service Cloud等)

(1) Sales Cloud(Starter 3,000円〜Einstein 1 Sales 60,000円/月)

Sales Cloudは営業支援に特化した製品で、5つのエディションがあります(2025年1月時点):

| エディション | 月額料金(/ユーザー) | 主な機能 | |------------|------------------|---------|| | Starter | 3,000円 | 基本的な商談管理・顧客管理 | | Professional | 9,600円 | レポート・ダッシュボード・API連携 | | Enterprise | 19,800円 | カスタマイズ・ワークフロー自動化 | | Unlimited | 39,600円 | 上級サポート・無制限のカスタム機能 | | Einstein 1 Sales | 60,000円 | AI機能・予測分析・Agentforce |

選び方の目安:

  • Starter:小規模企業(ユーザー10人以下)、基本的な営業管理のみ
  • Professional:中小企業(ユーザー10〜50人)、レポート・API連携が必要
  • Enterprise:中堅〜大企業(ユーザー50人以上)、高度なカスタマイズが必要
  • Unlimited:大企業、専任サポートが必要
  • Einstein 1 Sales:AI活用・予測分析が必要な企業

(2) Service Cloud

Service Cloudはカスタマーサービス向け製品で、Sales Cloudと同様のエディション構成です:

| エディション | 月額料金(/ユーザー) | 主な機能 | |------------|------------------|---------|| | Starter | 3,000円 | 基本的な問い合わせ管理 | | Professional | 10,800円 | ケース管理・ナレッジベース | | Enterprise | 21,000円 | カスタマイズ・オムニチャネル対応 | | Unlimited | 42,000円 | 上級サポート・無制限のカスタム機能 |

(3) Agentforce機能の追加料金

2025年6月に一般提供が開始されたAIエージェント機能「Agentforce」は、以下の2つの形態で提供されます:

Agentforceアドオン:

  • 既存エディションに追加:1ユーザー12,000円/月〜
  • Einstein 1 Salesには標準搭載

Agentforce 1 Edition:

  • スタンドアロン版:料金は個別見積もり

3. エディション比較と選び方

(1) Starter・Professional・Enterprise・Unlimitedの機能差

機能 Starter Professional Enterprise Unlimited
商談管理
顧客管理
レポート 基本のみ
API連携 -
ワークフロー自動化 - 基本のみ
カスタムオブジェクト 10個 無制限 無制限 無制限
サポート 標準 標準 標準 上級
AI機能 - - 一部 一部

(2) 複数製品導入時のエディション統一ルール

重要ルール: 異なる製品を複数導入する場合、エディションを統一する必要があります

例:

  • Sales Cloud Professional + Service Cloud Professional = OK
  • Sales Cloud Enterprise + Service Cloud Professional = NG

理由:Salesforceのデータモデルはエディション間で互換性がないため、異なるエディションを混在させることができません。

料金計算例(エディション統一時):

  • Sales Cloud Professional:9,600円/月
  • Service Cloud Professional:10,800円/月
  • 10ユーザー
  • 月額費用:(9,600円 + 10,800円) × 10人 = 204,000円/月

(3) 企業規模・用途別のおすすめエディション

小規模企業(従業員50人未満):

  • Starter:月額3,000円/ユーザー
  • 基本的な営業管理・問い合わせ管理のみ
  • API連携不要、カスタマイズ不要

中堅企業(従業員50〜500人):

  • Professional:月額9,600円〜/ユーザー
  • レポート・ダッシュボード機能が必要
  • API連携で既存システムと統合

大企業(従業員500人以上):

  • Enterprise:月額19,800円〜/ユーザー
  • 高度なカスタマイズ・ワークフロー自動化が必要
  • 複数部門・複数拠点での利用

AI活用企業:

  • Einstein 1 Sales:月額60,000円/ユーザー
  • 予測分析・生成AI・Agentforce機能

4. Salesforce機能としての標準価格表とカスタム価格表

(1) 標準価格表(Standard Price Book)とは

標準価格表は、Salesforce内で商品を管理する際の基盤となる価格表です。すべてのカスタム価格表の親となり、以下の特徴があります:

  • 1つのSalesforce組織に1つだけ存在
  • すべての商品は必ず標準価格表に登録される
  • カスタム価格表を作成する際の基準価格として機能

(2) カスタム価格表の作成と活用方法

カスタム価格表は、販売先や顧客セグメントごとに異なる価格を設定するために作成します。

活用例:

  • 新規顧客向け価格表:定価で販売
  • 既存顧客向け価格表:10%割引
  • VIP顧客向け価格表:20%割引
  • 海外向け価格表:ドル建て価格

作成手順:

  1. 標準価格表に商品を登録(例:「SaaS製品A」定価10,000円/月)
  2. カスタム価格表を作成(例:「既存顧客向け」)
  3. 商品をカスタム価格表に追加(例:「SaaS製品A」9,000円/月)

(3) 商品・価格表・商談の関係性

Salesforceの商品管理フロー:

商品登録 → 標準価格表に追加 → カスタム価格表に追加(任意) → 商談に紐付け

重要ポイント:

  • 商品は価格表に登録しないと商談で使用できない
  • 商談作成時に価格表を選択(標準 or カスタム)
  • 選択した価格表内の商品のみが商談で利用可能

5. 導入時の追加費用と隠れコスト

(1) 導入プロジェクト費用(600万〜1,000万円超)

導入プロジェクトの内訳:

  • 要件定義・設計:50万〜200万円
  • カスタマイズ・設定:50万〜400万円
  • データ移行:30万〜100万円
  • ユーザー研修:10万〜50万円
  • テスト・検証:20万〜100万円

プロジェクト規模別の費用相場:

  • CRM導入のみ:90万円〜
  • CRM + SFA導入:150万円〜
  • 3ヶ月プロジェクト:600万円〜
  • 半年プロジェクト:1,000万円以上

(2) カスタマイズ・運用サポート費用

カスタマイズ費用:

  • カスタムオブジェクト作成:10万〜30万円/個
  • ワークフロー設定:5万〜20万円/個
  • Apex開発(高度なカスタマイズ):50万〜200万円

運用サポート費用(月額):

  • 保守・ヘルプデスク:月額5万〜20万円
  • システム管理者(外部委託):月額10万〜30万円

(3) ユーザー追加・オプション機能の従量課金

ユーザー追加時のコスト増:

  • 1ユーザー追加 → 月額費用増加(エディションに応じて3,000円〜60,000円/月)
  • 例:Professional 10人 → 15人に増やすと、月額48,000円増(9,600円 × 5人)

オプション機能の従量課金:

  • データストレージ追加:10GB単位で課金
  • API呼び出し追加:上限超過時に課金
  • Einstein Analytics(高度な分析):別途料金

6. まとめ:最適なプラン選定のポイント

Salesforceの料金体系は複雑ですが、自社の規模・用途・予算に合わせて適切なプランを選定することが重要です。

プラン選定の手順:

  1. ユーザー数を正確に見積もる:利用人数が増えるとコストが増大
  2. 必要な機能を洗い出す:API連携・カスタマイズの要否を確認
  3. 複数製品導入時はエディション統一:Sales Cloud + Service Cloudなど
  4. 導入プロジェクト費用を確保:ライセンス費用だけでは導入できない
  5. 公式サイトで最新価格を確認:2025年8月の価格改定に注意

コスト削減のヒント:

  • 段階的導入:まずStarterで試し、必要に応じてアップグレード
  • 無料トライアル活用:30日間の無料トライアルで操作性を確認
  • 導入支援事業者比較:複数社から見積もりを取得
  • 年払い割引:年間契約で月額費用を削減できる場合がある

次のアクション:

  • Salesforce公式サイトで最新の料金プランを確認する
  • 自社のユーザー数・必要機能を整理する
  • 無料トライアルで実際に操作してみる
  • 導入支援事業者3社以上から見積もりを取得する
  • 導入プロジェクトの予算を確保する(ライセンス費用 + 90万円〜)

自社の課題・予算・体制を整理し、Salesforce導入が本当に最適な選択肢かを慎重に検討しましょう。

よくある質問

Q1Salesforceの初期費用はいくらかかるのか?

A1ライセンス費用は初期費用無料(月額費用のみ)ですが、導入プロジェクト(カスタマイズ・設定・研修)として90万〜612万円が別途必要です。規模により3ヶ月で600万円、半年で1,000万円以上かかるケースもあります。公式サイトで見積もりを取得してください。

Q2Salesforce内の「標準価格表」と「カスタム価格表」の違いは何か?

A2標準価格表はすべての商品管理の基盤となる親価格表で、1つの組織に1つだけ存在します。カスタム価格表は販売先や顧客セグメントごとに異なる価格を設定するために作成する子価格表です。商品は標準価格表に登録しないと商談で使用できません。

Q3複数製品を導入する際の料金計算方法は?

A3Sales CloudとService Cloudなど複数製品を併用する場合、エディションを統一する必要があります。例:Sales Cloud Professional(9,600円/月)とService Cloud Professional(10,800円/月)を10ユーザーで利用すると、月額204,000円(両方の月額費用が発生)です。

Q42025年8月の価格改定で何が変わるのか?

A4Enterprise・Unlimitedエディションが平均6%値上げされる予定です。Starter・Professionalエディションは価格据え置きです。Agentforceなど新機能が追加され、1ユーザー12,000円/月から利用可能になります。最新情報は公式サイトで確認してください。

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B2Bデジタルプロダクト実践ガイド編集部

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