Salesforceの料金プラン完全ガイド|エディション別価格と選び方

著者: B2Bデジタルプロダクト実践ガイド編集部公開日: 2025/12/6

Salesforceの料金体系の基本

「Salesforceの導入を検討しているが、実際にいくらかかるのか分からない」「公式サイトの価格だけで判断していいのか不安」——こうした疑問を持つB2B企業の担当者は少なくありません。

Salesforceは世界No.1シェアのCRMプラットフォームですが、料金体系が複雑で、実際の導入コストが初期費用の2〜3倍になるケースもあります。この記事では、Salesforceのエディション別料金、実際にかかる費用、他CRMとの比較、コスト最適化のポイントを詳しく解説します。

この記事のポイント:

  • Salesforceは「ユーザー数 × エディション単価」で料金が決まる。エディションはStarter(月額3,000円)~Einstein 1 Sales(月額60,000円)の5段階
  • ツール自体の初期費用は無料だが、実際には構築・カスタマイズ・データ移行等の「見えにくい費用」が発生
  • 2023年に約9%の価格改定があり、最新の料金は公式サイトで確認が必要
  • 他CRM(HubSpot・Zoho等)と比較すると、エンタープライズ向けCRMとしては標準的な価格帯
  • コスト最適化の鍵は「誰にどのレベルのライセンスを割り当てるか」の設計

(1) ユーザー単位の課金モデル

Salesforceの料金はユーザー単位で計算されます。

料金計算式:

月額料金 = エディション単価 × ライセンス数

例: 営業部門10名でProfessionalエディションを導入

  • エディション単価: 月額9,600円/ユーザー
  • ライセンス数: 10名
  • 月額料金: 9,600円 × 10名 = 96,000円(税別)
  • 年額料金: 96,000円 × 12ヶ月 = 1,152,000円(税別)

重要な注意点:

  • ライセンスはユーザー単位で発行され、複数人での共有は不可
  • 営業担当者だけでなく、マネージャーやサポート部門が閲覧する場合もライセンスが必要
  • ユーザー数が増えるほど月額費用も増加するため、将来的な拡張も考慮した予算計画が重要

(2) エディション(機能レベル)別の価格設定

Salesforceは機能レベルに応じて5つのエディションを提供しています(Sales Cloud)。

エディション 月額単価(税別) 対象企業
Starter 3,000円 小規模企業(10名以下)
Professional 9,600円 中小企業(10〜50名)
Enterprise 19,800円 中堅〜大企業(50名以上)
Unlimited 39,600円 大企業(100名以上)
Einstein 1 Sales 60,000円 エンタープライズ(AI活用重視)

エディションが上がるほど、利用可能な機能が増え、カスタマイズの自由度も高まります。

(3) 契約形態(月額・年額)

Starterエディション:

  • 月単位の契約が可能
  • 年間契約も選択可能(割引なし)

Professional以上のエディション:

  • 基本的に前払いの年間契約
  • 途中解約は原則不可のため、導入前の十分な検討が必要

30日間無料トライアル: Salesforceは30日間無料でProfessional版を試用できます。自社の業務に合うか確認してから導入できるため、必ず活用しましょう。

Sales Cloudのエディション別料金

各エディションの料金・対象企業・主要機能を詳しく見ていきます(2024-2025年時点)。

(1) Starterエディション(月額3,000円/ユーザー)

対象企業:

  • 小規模企業(従業員10名以下)
  • CRM導入が初めての企業
  • 基本的な顧客管理と営業管理のみで十分な企業

主要機能:

  • 顧客情報の一元管理
  • 基本的な商談管理
  • メール連携(Gmail、Outlook)
  • モバイルアプリ
  • 最大10ユーザーまで

制約事項:

  • カスタマイズの自由度が低い
  • 高度なレポート・ダッシュボード機能なし
  • API連携の制限あり

適しているケース: 「まずは顧客情報を一元管理したい」「エクセル管理から脱却したい」という小規模企業に最適です。

(2) Professionalエディション(月額9,600円/ユーザー)

対象企業:

  • 中小企業(従業員10〜50名)
  • 標準的なCRM機能が必要な企業

主要機能:

  • Starterの全機能
  • 高度なレポート・ダッシュボード
  • ワークフロー自動化
  • 見積・契約管理
  • 最大無制限ユーザー

Starterとの主な差分:

  • カスタマイズの自由度が向上
  • ユーザー数上限なし
  • API連携が可能

適しているケース: 「営業プロセスを可視化したい」「データに基づいた意思決定をしたい」という企業に推奨されます。

(3) Enterpriseエディション(月額19,800円/ユーザー)

対象企業:

  • 中堅〜大企業(従業員50名以上)
  • 複数部門でSalesforceを活用する企業
  • 高度なカスタマイズが必要な企業

主要機能:

  • Professionalの全機能
  • 高度なカスタマイズ(カスタムオブジェクト、複雑なワークフロー)
  • Sandbox環境(テスト環境)
  • 承認プロセス(多段階承認)
  • 高度なセキュリティ機能

Professionalとの主な差分:

  • カスタマイズの自由度が大幅に向上
  • Sandbox環境で安全にカスタマイズをテスト可能
  • 複数部門での利用を想定した権限管理

適しているケース: 「既存の業務プロセスに合わせてSalesforceをカスタマイズしたい」「営業・マーケ・サポートで横断的に活用したい」という企業に最適です。

(4) Unlimitedエディション(月額39,600円/ユーザー)

対象企業:

  • 大企業(従業員100名以上)
  • 24時間365日のサポートが必要な企業
  • 最高レベルのカスタマイズを求める企業

主要機能:

  • Enterpriseの全機能
  • 24時間365日の電話サポート
  • ストレージ容量の大幅増加
  • フルSandbox(本番環境の完全コピー)
  • トランザクション処理の上限大幅増加

Enterpriseとの主な差分:

  • プレミアムサポート(24時間365日)
  • データ容量の制約がほぼない
  • API呼び出し制限が大幅に緩和

適しているケース: 「グローバル展開でタイムゾーンをまたいだサポートが必要」「膨大なデータを扱う」という大企業向けです。

(5) Einstein 1 Sales(月額60,000円/ユーザー)

対象企業:

  • エンタープライズ(従業員500名以上)
  • AI・生成AIを最大限活用したい企業

主要機能:

  • Unlimitedの全機能
  • Einstein AI(予測分析、次善アクション提案、商談スコアリング)
  • Agentforce(2024年発表の自律型AIエージェント)
  • Data Cloud連携(データ統合プラットフォーム)

Unlimitedとの主な差分:

  • 生成AI機能が最大限利用可能
  • AI による自動化・最適化が標準装備
  • 高度な予測分析

適しているケース: 「AIで営業活動を最適化したい」「予測分析で商談の勝率を高めたい」という最先端のデジタル化を目指す企業向けです。

2024年の最新トレンド: 2024年9月、Salesforceは自律型AIエージェントスイートAgentforceを発表しました。これは、サービス・営業・マーケ・コマースの業務を自動化するAI機能で、Einstein 1エディションで利用できます。

実際にかかる費用(初期費用・追加コスト)

Salesforceのツール自体の初期費用は無料ですが、実際には様々な「見えにくい費用」が発生します。

(1) 初期構築・カスタマイズ費用

初期構築費用の目安:

  • 小規模導入(10名以下): 50万円〜100万円
  • 中規模導入(10〜50名): 100万円〜300万円
  • 大規模導入(50名以上): 300万円〜1,000万円以上

構築費用に含まれる作業:

  • 要件定義(業務プロセスの整理、カスタマイズ要件の洗い出し)
  • 環境構築(ユーザー登録、権限設定、カスタムオブジェクト作成)
  • データ移行(既存のExcel・旧CRMからのデータ移行)
  • 他ツール連携(メール、カレンダー、マーケティングツール等)
  • ユーザー教育(操作トレーニング、マニュアル作成)

注意点: 初期構築を外部の導入支援企業に依頼する場合、ツールのライセンス費用とは別に構築費用が発生します。総コストは「ライセンス費用の2〜3倍」が目安です。

(2) 有料アドオン・サポート費用

有料アドオンの例:

  • Marketing Cloud Account Engagement(旧Pardot): MAツール(月額15万円〜)
  • Einstein Analytics: 高度なデータ分析ツール(月額数万円〜)
  • プレミアムサポート: 24時間365日の電話サポート(Unlimitedエディション以上に含まれる、それ以下は別途費用)

サポート費用:

  • 標準サポート: 営業時間内のメール・チャットサポート(全エディションに含まれる)
  • プレミアムサポート: 24時間365日の電話サポート(Unlimitedエディション以上、またはProfessional・Enterpriseで追加購入可能)

(3) 運用・教育コスト

運用コスト:

  • 専任の運用担当者: Salesforceの運用・カスタマイズ・ユーザーサポートを行う担当者(人件費)
  • 継続的なカスタマイズ: 業務プロセス変更に合わせた設定変更(外部委託する場合は月額10万円〜)

教育コスト:

  • 新入社員へのトレーニング
  • 機能追加時のユーザー研修

Salesforceは多機能ゆえに使いこなすには一定のスキルが必要です。学習コストを軽視すると、「ツールを入れたが使われない」事態になりかねません。

(4) データ移行費用

既存のExcel・旧CRMからのデータ移行には以下の作業が必要です:

  • データクレンジング(重複削除、表記ゆれ修正)
  • データ形式の変換(Salesforceのデータ構造に合わせる)
  • 移行テスト・検証

データ移行費用の目安:

  • 小規模(データ数1万件以下): 20万円〜50万円
  • 中規模(データ数1万〜10万件): 50万円〜150万円
  • 大規模(データ数10万件以上): 150万円〜500万円以上

他のCRMツールとの料金比較

Salesforceと主要CRMツールの料金を比較します(2024-2025年時点)。

(1) HubSpot CRMとの比較

項目 Salesforce HubSpot
月額料金 3,000円〜60,000円/ユーザー 無料〜(有料版は6,000円〜)
初期費用 無料(構築費用別) 無料
無料版 なし あり(制限付き)
対象企業 小規模〜大企業 中小〜中堅企業

Salesforceが向いている企業:

  • 既に従業員50名以上
  • 高度なカスタマイズが必要
  • 複数部門で連携して活用したい

HubSpotが向いている企業:

  • 予算が限られている(月10万円以下)
  • 初めてCRMを導入する
  • 使いやすさ重視

(2) Zoho CRMとの比較

項目 Salesforce Zoho CRM
月額料金 3,000円〜60,000円/ユーザー 1,680円〜6,240円/ユーザー
初期費用 無料(構築費用別) 無料
対象企業 小規模〜大企業 中小企業

Salesforceが向いている企業:

  • グローバル展開を視野に入れている
  • 最新のAI機能を活用したい

Zoho CRMが向いている企業:

  • コストパフォーマンス重視
  • 国内市場のみで十分

(3) Microsoft Dynamics 365との比較

項目 Salesforce Microsoft Dynamics 365
月額料金 3,000円〜60,000円/ユーザー 7,070円〜22,080円/ユーザー
初期費用 無料(構築費用別) 無料(構築費用別)
対象企業 小規模〜大企業 中堅〜大企業

Salesforceが向いている企業:

  • CRM市場シェアNo.1のプラットフォームを使いたい
  • 豊富なアドオン・連携ツールを活用したい

Dynamics 365が向いている企業:

  • Microsoft製品(Office 365、Azure等)を既に利用している
  • Windows環境との統合を重視

価格帯の評価: Salesforceは、エンタープライズ向けCRMとしては標準的な価格帯です。HubSpot無料版やZoho CRM等の低価格CRMと比較すると高めですが、機能・カスタマイズ性・サポート体制を考慮すると、妥当な価格と言えます。

コスト最適化のポイント

Salesforceのコストを最適化する4つのポイントを解説します。

(1) ライセンス割り当ての最適化

最も重要なコスト最適化ポイントは、「誰にどのレベルのライセンスを割り当てるか」の設計です。

最適化の例:

  • 営業担当者(10名): Professionalエディション(月額9,600円/人)
  • 営業マネージャー(3名): Enterpriseエディション(月額19,800円/人)
  • カスタマーサポート(5名): Service Cloud Standard(月額3,000円/人)
  • 経営層(閲覧のみ、3名): レポート閲覧ライセンス(月額1,500円/人)

削減効果: すべて19,800円のEnterpriseで統一すると月額415,800円ですが、最適化すると約30%削減できます。

(2) 必要な機能の見極め

**「全機能を使いたい」ではなく「必要な機能だけ」**を選ぶことで、エディションを下げられます。

機能見極めのチェックリスト:

  • カスタムオブジェクト(独自のデータ項目)は必要か? → 不要ならProfessionalで十分
  • Sandbox環境(テスト環境)は必要か? → 不要ならProfessionalで十分
  • 24時間サポートは必要か? → 不要ならEnterpriseで十分

(3) 段階的な導入アプローチ

一度に全機能を導入するのではなく、段階的に拡張することでコストを抑えられます。

段階的導入の例:

  1. Phase 1(最初の3ヶ月): Professionalエディションで基本的な顧客管理・商談管理のみ
  2. Phase 2(3〜6ヶ月): カスタマイズを追加し、Enterpriseエディションにアップグレード
  3. Phase 3(6ヶ月以降): Marketing Cloud等のアドオンを追加

これにより、初期投資を抑えつつ、効果を確認しながら拡張できます。

(4) 無料トライアルの活用

Salesforceは30日間無料でProfessional版を試用できます。

トライアル期間中に確認すべきこと:

  • 自社の業務プロセスに合うか
  • 現場の担当者が使いこなせるか
  • 既存ツール(メール、カレンダー等)と連携できるか
  • データ移行がスムーズに行えるか

トライアルを活用せずに導入すると、「思っていたのと違う」というミスマッチが発生しやすいです。

まとめ:企業規模別おすすめプラン

Salesforceの料金は「ユーザー数 × エディション単価」で決まりますが、実際には初期構築・カスタマイズ・運用コストも含めた総コストで判断する必要があります。

企業規模別おすすめプラン:

小規模企業(従業員10名以下):

  • おすすめ: Starterエディション(月額3,000円/ユーザー)
  • 総コスト目安: 初期費用50万円 + 月額3万円(10名)= 初年度86万円
  • 代替案: HubSpot無料版から始める

中小企業(従業員10〜50名):

  • おすすめ: Professionalエディション(月額9,600円/ユーザー)
  • 総コスト目安: 初期費用150万円 + 月額48万円(50名)= 初年度726万円

中堅企業(従業員50〜500名):

  • おすすめ: Enterpriseエディション(月額19,800円/ユーザー)
  • 総コスト目安: 初期費用500万円 + 月額990万円(500名)= 初年度1億2,380万円

大企業(従業員500名以上):

  • おすすめ: Unlimitedエディション(月額39,600円/ユーザー)またはEinstein 1 Sales(月額60,000円/ユーザー)

次のアクション:

  • 自社の営業プロセス・顧客管理の課題を整理する
  • 必要な機能を明確にする(カスタマイズ、Sandbox、24時間サポート等)
  • 30日間無料トライアルでProfessional版を試す
  • 3社以上の導入支援企業から見積もりを取り、初期構築費用を比較する
  • 段階的な導入計画を立て、初期投資を抑える

最新の料金はSalesforce公式サイトでご確認ください。(この記事は2024-2025年時点の情報です)

よくある質問

Q1Salesforceの最低料金はいくら?

A1Starterエディションで月額3,000円/ユーザー(税別)です。中小企業向けで、月単位または年間契約が可能です。ただし、ツール自体の初期費用は無料ですが、実際には初期構築・カスタマイズ・データ移行等の費用が別途発生します。

Q2初期費用はかかる?

A2ツール自体の初期費用は無料ですが、実際には初期構築・カスタマイズ・データ移行等の費用が別途発生します。小規模導入で50万円〜100万円、中規模で100万円〜300万円が目安です。総コストは初期費用の2〜3倍になるケースもあります。

Q3無料トライアルはある?

A330日間無料でProfessional版を試用できます。自社の業務プロセスに合うか、現場の担当者が使いこなせるか、既存ツールと連携できるかを確認してから導入できます。トライアルを活用せずに導入すると、ミスマッチが発生しやすいです。

Q42023年の値上げでどのくらい上がった?

A42023年に約9%の価格改定が実施されました。古い記事の料金情報は正確でない可能性があるため、最新の料金は必ずSalesforce公式サイトで確認してください。(この記事は2024-2025年時点の情報です)

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B2Bデジタルプロダクト実践ガイド編集部

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