Salesforceはオンプレミス導入できる?クラウドとの違いと代替策を解説

著者: B2Bデジタルプロダクト実践ガイド編集部公開日: 2025/12/9

Salesforceのオンプレミス対応状況

「Salesforceはオンプレミス導入できるのか」という疑問を持つ企業は少なくありません。特にセキュリティポリシーやデータ所在地の要件が厳しい企業では、クラウドサービスの導入に慎重にならざるを得ないケースがあります。

この記事では、Salesforceのオンプレミス対応状況、クラウドとの違い、オンプレミス要件がある場合の代替策を解説します。

この記事のポイント:

  • Salesforceはクラウド専用のSaaS型CRMでありオンプレミス版は提供されていない
  • オンプレミスが必須の場合は他のCRM製品を検討する必要がある
  • クラウドとオンプレミスの選定は初期費用・運用コスト・カスタマイズ性で比較
  • MuleSoftやASTERIA WARPでオンプレミスシステムとの連携が可能
  • 長期利用(5-10年)のトータルコストで比較検討することが重要

1. Salesforceのオンプレミス対応状況

(1) Salesforceはクラウド専用サービス

結論から言うと、Salesforceにオンプレミス版はありません。 SalesforceはクラウドベースのSaaS(Software as a Service)型CRMであり、オンプレミス環境での提供は行っていません。

Salesforce Stack Exchangeのコミュニティでも「Salesforceはオンプレミス版を提供していない」ことが明確に述べられています。Salesforceのデータセンターは世界各地に設置されており、ISO 27001、PCI-DSS等の国際的なセキュリティ基準に準拠していますが、自社サーバーでの運用はできません。

(2) オンプレミス要件がある場合の対応

社内ポリシーでクラウド利用が禁止されている企業や、データを自社内で管理する必要がある場合は、以下の選択肢があります。

選択肢:

  1. 他のCRM製品を検討する - オンプレミス対応のCRM製品(後述)を選定
  2. ハイブリッドクラウド構成 - 重要データのみオンプレミス、その他はクラウドで運用
  3. ポリシーの見直し - セキュリティ要件を満たすクラウドサービスの利用を検討

2. オンプレミスとクラウドの基礎知識

(1) オンプレミス(自社サーバー運用)

オンプレミスとは、サーバーやIT機器を自社で所有し運用する形態です。

メリット:

  • カスタマイズ性が高い(システムを自由に改変可能)
  • データを自社内で管理できる(セキュリティポリシーに対応しやすい)
  • 長期利用ではランニングコストが低い場合がある

デメリット:

  • 高額な初期費用(サーバー・ソフトウェア購入)
  • 運用・保守の人的リソースが必要
  • サーバーの買い替えコスト(5-7年目安)

楽テルによると、「オンプレミス型はランニングコストがかからない」とされていますが、サーバーの劣化により5-7年で買い替えが必要になるため、長期計画が重要です。

(2) クラウド(SaaS)の特徴

クラウドは、インターネット経由でサーバーやソフトウェアを利用するサービス形態です。

メリット:

  • 初期費用が低い(サブスクリプション型)
  • 導入期間が短い(数日〜数週間)
  • 場所を問わず利用可能(リモートワーク対応)
  • 運用・保守はベンダーが実施

デメリット:

  • カスタマイズ性に制限がある(ベンダーが提供する範囲内)
  • 長期利用でランニングコストが積み重なる
  • データを自社外で管理するため、セキュリティポリシーの確認が必要

Salesforce公式ブログによると、「クラウドは運用コスト削減・場所を問わず利用可能」というメリットがあります。

(3) ハイブリッドクラウド構成

ハイブリッドクラウドは、オンプレミスとクラウドを併用する構成です。

活用例:

  • 重要な顧客データはオンプレミスで管理
  • マーケティングデータはクラウドで管理
  • 両者をMuleSoftやASTERIA WARPで連携

Mediumの記事によると、「ハイブリッド統合でオンプレミス連携が可能」とされており、Salesforceを利用しながら一部データをオンプレミスで管理することも可能です。

3. クラウドとオンプレミスの選定ポイント

(1) 初期費用・ランニングコストの比較

初期費用:

  • オンプレミス: サーバー購入・ライセンス費用で数百万円〜数千万円
  • クラウド: 初期費用0円〜数十万円(導入支援費用)

ランニングコスト:

  • オンプレミス: 運用・保守費用(人件費・電気代等)
  • クラウド: 月額利用料(ユーザー数×料金)

SFA/CRM比較ナビによると、「クラウドはサブスクリプション型で初期費用が低い」一方、「オンプレミスはサーバー買い替え(5-7年目安)が必要」とされています。

(2) カスタマイズ性・セキュリティの比較

カスタマイズ性:

  • オンプレミス: 自由度が高い(独自機能の追加が可能)
  • クラウド: ベンダーが提供する範囲内(設定・拡張機能で対応)

セキュリティ:

  • オンプレミス: 自社で管理(ポリシーに完全対応可能)
  • クラウド: ベンダーが管理(ISO 27001、PCI-DSS等に準拠)

Mazricaの記事によると、「オンプレミスはカスタマイズ性・セキュリティに優れる」一方、「クラウドは運用コスト削減・場所を問わず利用可能」とされています。

(3) 長期利用(5-10年)のトータルコスト試算

クラウドとオンプレミスの選定では、長期利用のトータルコストを試算することが重要です。

試算例(10年間):

項目 オンプレミス クラウド
初期費用 500万円 50万円
年間運用費 100万円/年 300万円/年
サーバー買い替え(7年目) 300万円 -
10年トータル 1,800万円 3,050万円

※上記は一例です。実際のコストは企業規模・ユーザー数・カスタマイズ内容により変動します。

Salesforce公式ブログによると、「選定はシステム面とコスト面の2軸で検討」することが推奨されています。

4. Salesforceとオンプレミスシステムの連携方法

(1) MuleSoftによるデータ統合

MuleSoftは、Salesforceが提供する統合プラットフォームです。オンプレミス・クラウド間の連携やAPI管理を実現します。

特徴:

  • Salesforceとオンプレミスシステムを統合
  • API連携でリアルタイムデータ同期
  • CRM移行時のデータマイグレーション支援

MuleSoft公式サイトによると、「CRM移行時はすべてのデータを安全に移行することが必須」とされています。

(2) ASTERIA WARPによる柔軟な連携

ASTERIA WARPは、パナソニック グループが提供するデータ連携ツールです。

特徴:

  • Salesforceとオンプレミスシステムの柔軟な連携
  • ノーコードでデータ連携フローを構築可能
  • 複数システム間のデータ統合に対応

Panasonicのニュースリリースによると、「ASTERIA Salesforceアダプタ」により、Salesforceとオンプレミスの柔軟な連携が実現されています。

(3) データ移行時の注意点

オンプレミスCRMからSalesforceへ移行する際の注意点は以下の通りです。

注意点:

  • 全データの安全な移行(データの完全性確保)
  • 各部門が最新データにアクセスできることを確認
  • 移行期間中の業務継続計画

MuleSoftによると、「各部門が最新データにアクセスできることを確認」することが重要とされています。

5. オンプレミスが必要な場合の代替CRM

(1) オンプレミス対応のCRM製品例

Salesforce以外のオンプレミス対応CRM製品には、以下のようなものがあります。

主要製品:

  • Microsoft Dynamics 365(オンプレミス版提供終了、クラウド推奨)
  • SugarCRM(オンプレミス版あり)
  • Zoho CRM(オンプレミス版あり)
  • eセールスマネージャー(クラウド・オンプレミス両対応)

※各製品の最新情報は公式サイトでご確認ください。

(2) 選定基準とSalesforceとの機能比較

オンプレミスCRMを選定する際の基準は以下の通りです。

選定基準:

  • 必要な機能(営業支援・マーケティングオートメーション・カスタマーサポート)
  • カスタマイズ性(独自業務フローへの対応)
  • コスト(初期費用・ランニングコスト・トータルコスト)
  • サポート体制(導入支援・運用保守)

Salesforceとの機能比較では、Salesforceはクラウドベースのため導入が早く、拡張機能が豊富です。一方、オンプレミスCRMはカスタマイズ性に優れ、データを自社内で管理できます。

6. まとめ:Salesforce採用判断のポイント

Salesforceはクラウド専用のSaaS型CRMであり、オンプレミス版は提供されていません。オンプレミス要件がある場合は、他のCRM製品の検討が必要です。一方、クラウド利用が可能な場合は、MuleSoftやASTERIA WARPでオンプレミスシステムとの連携も可能です。

次のアクション:

  • 自社のセキュリティポリシー・データ所在地要件を確認する
  • クラウド利用が可能かどうかを判断する
  • 長期利用(5-10年)のトータルコストを試算する
  • オンプレミス要件がある場合は代替CRM製品を比較検討する
  • Salesforce採用の場合、MuleSoftやASTERIA WARPでの連携を検討する

クラウドとオンプレミスの選定は、システム要件とコストの2軸で検討し、自社に最適なCRMを選びましょう。

※この記事は2025年12月時点の情報です。Salesforceの機能・料金、各CRM製品の仕様は変更される可能性があります。最新情報は各社公式サイトをご確認ください。

よくある質問

Q1Salesforceにオンプレミス版はあるのか?

A1ありません。Salesforceはクラウド専用のSaaS型CRMであり、オンプレミス版は提供されていません。

Q2クラウドとオンプレミスのどちらがコスト効率が良いのか?

A2初期費用はクラウドが低いですが、5-10年の長期利用ではオンプレミスの方がトータルコストで有利な場合もあります。サーバー買い替えコスト(5-7年目安)も考慮して試算することが推奨されます。

Q3セキュリティ要件が厳しい場合でもSalesforceは利用できるか?

A3SalesforceはISO 27001、PCI-DSS等の国際的なセキュリティ基準に準拠しています。ただし、社内ポリシーでクラウド利用が禁止されている場合は導入できません。

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B2Bデジタルプロダクト実践ガイド編集部

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