Salesforceのオンプレミス対応状況
「Salesforceはオンプレミス導入できるのか」という疑問を持つ企業は少なくありません。特にセキュリティポリシーやデータ所在地の要件が厳しい企業では、クラウドサービスの導入に慎重にならざるを得ないケースがあります。
この記事では、Salesforceのオンプレミス対応状況、クラウドとの違い、オンプレミス要件がある場合の代替策を解説します。
この記事のポイント:
- Salesforceはクラウド専用のSaaS型CRMでありオンプレミス版は提供されていない
- オンプレミスが必須の場合は他のCRM製品を検討する必要がある
- クラウドとオンプレミスの選定は初期費用・運用コスト・カスタマイズ性で比較
- MuleSoftやASTERIA WARPでオンプレミスシステムとの連携が可能
- 長期利用(5-10年)のトータルコストで比較検討することが重要
1. Salesforceのオンプレミス対応状況
(1) Salesforceはクラウド専用サービス
結論から言うと、Salesforceにオンプレミス版はありません。 SalesforceはクラウドベースのSaaS(Software as a Service)型CRMであり、オンプレミス環境での提供は行っていません。
Salesforce Stack Exchangeのコミュニティでも「Salesforceはオンプレミス版を提供していない」ことが明確に述べられています。Salesforceのデータセンターは世界各地に設置されており、ISO 27001、PCI-DSS等の国際的なセキュリティ基準に準拠していますが、自社サーバーでの運用はできません。
(2) オンプレミス要件がある場合の対応
社内ポリシーでクラウド利用が禁止されている企業や、データを自社内で管理する必要がある場合は、以下の選択肢があります。
選択肢:
- 他のCRM製品を検討する - オンプレミス対応のCRM製品(後述)を選定
- ハイブリッドクラウド構成 - 重要データのみオンプレミス、その他はクラウドで運用
- ポリシーの見直し - セキュリティ要件を満たすクラウドサービスの利用を検討
2. オンプレミスとクラウドの基礎知識
(1) オンプレミス(自社サーバー運用)
オンプレミスとは、サーバーやIT機器を自社で所有し運用する形態です。
メリット:
- カスタマイズ性が高い(システムを自由に改変可能)
- データを自社内で管理できる(セキュリティポリシーに対応しやすい)
- 長期利用ではランニングコストが低い場合がある
デメリット:
- 高額な初期費用(サーバー・ソフトウェア購入)
- 運用・保守の人的リソースが必要
- サーバーの買い替えコスト(5-7年目安)
楽テルによると、「オンプレミス型はランニングコストがかからない」とされていますが、サーバーの劣化により5-7年で買い替えが必要になるため、長期計画が重要です。
(2) クラウド(SaaS)の特徴
クラウドは、インターネット経由でサーバーやソフトウェアを利用するサービス形態です。
メリット:
- 初期費用が低い(サブスクリプション型)
- 導入期間が短い(数日〜数週間)
- 場所を問わず利用可能(リモートワーク対応)
- 運用・保守はベンダーが実施
デメリット:
- カスタマイズ性に制限がある(ベンダーが提供する範囲内)
- 長期利用でランニングコストが積み重なる
- データを自社外で管理するため、セキュリティポリシーの確認が必要
Salesforce公式ブログによると、「クラウドは運用コスト削減・場所を問わず利用可能」というメリットがあります。
(3) ハイブリッドクラウド構成
ハイブリッドクラウドは、オンプレミスとクラウドを併用する構成です。
活用例:
- 重要な顧客データはオンプレミスで管理
- マーケティングデータはクラウドで管理
- 両者をMuleSoftやASTERIA WARPで連携
Mediumの記事によると、「ハイブリッド統合でオンプレミス連携が可能」とされており、Salesforceを利用しながら一部データをオンプレミスで管理することも可能です。
3. クラウドとオンプレミスの選定ポイント
(1) 初期費用・ランニングコストの比較
初期費用:
- オンプレミス: サーバー購入・ライセンス費用で数百万円〜数千万円
- クラウド: 初期費用0円〜数十万円(導入支援費用)
ランニングコスト:
- オンプレミス: 運用・保守費用(人件費・電気代等)
- クラウド: 月額利用料(ユーザー数×料金)
SFA/CRM比較ナビによると、「クラウドはサブスクリプション型で初期費用が低い」一方、「オンプレミスはサーバー買い替え(5-7年目安)が必要」とされています。
(2) カスタマイズ性・セキュリティの比較
カスタマイズ性:
- オンプレミス: 自由度が高い(独自機能の追加が可能)
- クラウド: ベンダーが提供する範囲内(設定・拡張機能で対応)
セキュリティ:
- オンプレミス: 自社で管理(ポリシーに完全対応可能)
- クラウド: ベンダーが管理(ISO 27001、PCI-DSS等に準拠)
Mazricaの記事によると、「オンプレミスはカスタマイズ性・セキュリティに優れる」一方、「クラウドは運用コスト削減・場所を問わず利用可能」とされています。
(3) 長期利用(5-10年)のトータルコスト試算
クラウドとオンプレミスの選定では、長期利用のトータルコストを試算することが重要です。
試算例(10年間):
| 項目 | オンプレミス | クラウド |
|---|---|---|
| 初期費用 | 500万円 | 50万円 |
| 年間運用費 | 100万円/年 | 300万円/年 |
| サーバー買い替え(7年目) | 300万円 | - |
| 10年トータル | 1,800万円 | 3,050万円 |
※上記は一例です。実際のコストは企業規模・ユーザー数・カスタマイズ内容により変動します。
Salesforce公式ブログによると、「選定はシステム面とコスト面の2軸で検討」することが推奨されています。
4. Salesforceとオンプレミスシステムの連携方法
(1) MuleSoftによるデータ統合
MuleSoftは、Salesforceが提供する統合プラットフォームです。オンプレミス・クラウド間の連携やAPI管理を実現します。
特徴:
- Salesforceとオンプレミスシステムを統合
- API連携でリアルタイムデータ同期
- CRM移行時のデータマイグレーション支援
MuleSoft公式サイトによると、「CRM移行時はすべてのデータを安全に移行することが必須」とされています。
(2) ASTERIA WARPによる柔軟な連携
ASTERIA WARPは、パナソニック グループが提供するデータ連携ツールです。
特徴:
- Salesforceとオンプレミスシステムの柔軟な連携
- ノーコードでデータ連携フローを構築可能
- 複数システム間のデータ統合に対応
Panasonicのニュースリリースによると、「ASTERIA Salesforceアダプタ」により、Salesforceとオンプレミスの柔軟な連携が実現されています。
(3) データ移行時の注意点
オンプレミスCRMからSalesforceへ移行する際の注意点は以下の通りです。
注意点:
- 全データの安全な移行(データの完全性確保)
- 各部門が最新データにアクセスできることを確認
- 移行期間中の業務継続計画
MuleSoftによると、「各部門が最新データにアクセスできることを確認」することが重要とされています。
5. オンプレミスが必要な場合の代替CRM
(1) オンプレミス対応のCRM製品例
Salesforce以外のオンプレミス対応CRM製品には、以下のようなものがあります。
主要製品:
- Microsoft Dynamics 365(オンプレミス版提供終了、クラウド推奨)
- SugarCRM(オンプレミス版あり)
- Zoho CRM(オンプレミス版あり)
- eセールスマネージャー(クラウド・オンプレミス両対応)
※各製品の最新情報は公式サイトでご確認ください。
(2) 選定基準とSalesforceとの機能比較
オンプレミスCRMを選定する際の基準は以下の通りです。
選定基準:
- 必要な機能(営業支援・マーケティングオートメーション・カスタマーサポート)
- カスタマイズ性(独自業務フローへの対応)
- コスト(初期費用・ランニングコスト・トータルコスト)
- サポート体制(導入支援・運用保守)
Salesforceとの機能比較では、Salesforceはクラウドベースのため導入が早く、拡張機能が豊富です。一方、オンプレミスCRMはカスタマイズ性に優れ、データを自社内で管理できます。
6. まとめ:Salesforce採用判断のポイント
Salesforceはクラウド専用のSaaS型CRMであり、オンプレミス版は提供されていません。オンプレミス要件がある場合は、他のCRM製品の検討が必要です。一方、クラウド利用が可能な場合は、MuleSoftやASTERIA WARPでオンプレミスシステムとの連携も可能です。
次のアクション:
- 自社のセキュリティポリシー・データ所在地要件を確認する
- クラウド利用が可能かどうかを判断する
- 長期利用(5-10年)のトータルコストを試算する
- オンプレミス要件がある場合は代替CRM製品を比較検討する
- Salesforce採用の場合、MuleSoftやASTERIA WARPでの連携を検討する
クラウドとオンプレミスの選定は、システム要件とコストの2軸で検討し、自社に最適なCRMを選びましょう。
※この記事は2025年12月時点の情報です。Salesforceの機能・料金、各CRM製品の仕様は変更される可能性があります。最新情報は各社公式サイトをご確認ください。
