Salesforceダッシュボードの作り方|設計から活用まで

著者: B2Bデジタルプロダクト実践ガイド編集部公開日: 2025/12/6

営業データを可視化したいけれど、Salesforceダッシュボードの作り方が分からない...

B2B企業の営業マネージャーや企画担当者の多くが、「営業チームの状況を一目で把握したい」「データに基づいた意思決定をしたい」と考えています。しかし、「Salesforceダッシュボードの作り方が分からない」「どのKPIを表示すればいいか迷う」「レポートとダッシュボードの違いが不明」といった悩みを抱えるケースも少なくありません。

この記事では、Salesforceダッシュボードの作り方、効果的な設計方法、2024年の新機能、活用事例を解説します。

この記事のポイント:

  • Salesforceダッシュボードは複数のレポートを1つの画面にまとめ、営業データを俯瞰的に可視化できる
  • レポートは詳細分析向け(1グラフ表示・自動更新)、ダッシュボードは俯瞰的可視化向け(最大20グラフ表示・手動更新)
  • 作成手順は、サマリー形式レポート準備→新規ダッシュボード作成→コンポーネント追加→保存の5ステップ
  • 営業KPIは受注金額・受注数・商談数・成約率などを選定し、階層別(担当者向け・マネージャー向け)に設計する
  • 2024年Spring'24で検索条件が5個に拡張、リッチテキスト・画像ウィジェット追加などの新機能が追加された

1. Salesforceダッシュボードとは?営業データ可視化の役割

Salesforceダッシュボードは、営業データを可視化し、チームの状況をリアルタイムで把握するための機能です。

(1) ダッシュボードの定義と基本機能

Salesforceダッシュボードは、レポートのデータを可視化し、複数のグラフを1つの画面にまとめて表示する機能です。

ダッシュボードの基本機能:

  • コンポーネント: ダッシュボード上のグラフ表示エリアのこと(最大20個まで追加可能)
  • グラフの種類: 棒グラフ、折れ線グラフ、ドーナツグラフ、ゲージグラフなどから選択可能
  • 検索フィルター: 期間指定や所有者別の絞り込みが可能(2024年Spring'24で最大5個に拡張)

ダッシュボードを活用することで、営業マネージャーは「今月の受注金額は目標に対してどうか」「どの商談がボトルネックになっているか」といった情報を一目で把握できます。

(2) 営業活動における3つのメリット(リアルタイム可視化・データドリブン意思決定・パフォーマンス監視)

Salesforceダッシュボードを活用することで、営業活動に以下の3つのメリットが生まれます。

メリット1: リアルタイム可視化

  • 営業KPI(受注金額・商談数・成約率等)をリアルタイムで監視
  • 手動更新が必要だが、更新後は最新のデータを確認可能
  • 例: 月初に目標設定し、毎週ダッシュボードを更新して進捗を確認

メリット2: データドリブン意思決定

  • 勘や経験に頼らず、データに基づいた営業戦略を立てられる
  • 例: 成約率が低下しているステージを特定し、営業プロセスを改善

メリット3: パフォーマンス監視

  • 営業担当者個人やチーム全体のパフォーマンスを監視
  • 例: 訪問件数が少ない担当者にフォローアップを促す

これらのメリットにより、営業活動の効率化と目標達成率の向上が期待できます。

2. ダッシュボードとレポートの違い(使い分けのポイント)

Salesforceには「レポート」と「ダッシュボード」の2つのデータ可視化機能があり、用途に応じて使い分けることが重要です。

(1) レポート:詳細分析・1グラフ表示・自動更新

レポートは、Salesforceのデータを集計・抽出して一覧表示する機能です。

レポートの特徴:

  • 詳細なデータの確認・分析: データを一覧表で表示し、詳細な集計が可能
  • 1グラフのみ表示: レポート1つにつき、グラフは1つのみ表示
  • 画面表示時に自動更新: レポートを開くたびに最新データが自動的に表示される
  • 用途: 特定の商談リストの確認、月次の受注データの集計など

(2) ダッシュボード:俯瞰的可視化・最大20グラフ表示・手動更新

ダッシュボードは、複数のレポートを1つの画面にまとめて表示する機能です。

ダッシュボードの特徴:

  • 複数データの俯瞰的可視化: 最大20個のコンポーネント(グラフ)を表示可能
  • 最後の更新時のデータ表示: 手動で更新ボタンを押すまで、前回更新時のデータを表示
  • 多角的な分析: 複数の指標(受注金額・商談数・成約率等)を同時に確認
  • 用途: 営業チームの全体状況の把握、経営層への進捗報告など

(3) 使い分けの基準

レポートとダッシュボードは、以下のように使い分けると効果的です。

レポートが適している場合:

  • 特定の商談リストを詳細に確認したい
  • 月次の受注データを集計したい
  • 1つの指標を深掘りして分析したい

ダッシュボードが適している場合:

  • 営業チーム全体の状況を一目で把握したい
  • 複数の指標(受注金額・商談数・成約率等)を同時に監視したい
  • 経営層や上司に進捗を報告したい

ダッシュボードは「森を見る」、レポートは「木を見る」という使い分けが推奨されます。

3. Salesforceダッシュボードの作り方(5つのステップ)

Salesforceダッシュボードの作成手順を5つのステップで解説します。

(1) ステップ1:サマリー形式またはマトリックス形式のレポート準備

ダッシュボードを作成する前に、サマリー形式またはマトリックス形式のレポートを準備する必要があります。

レポート形式の種類:

  • 表形式: データを一覧表示(ダッシュボードに使用不可)
  • サマリー形式: グループ化して集計(ダッシュボードで使用可能)
  • マトリックス形式: 行と列でクロス集計(ダッシュボードで使用可能)

サマリー形式のレポート作成手順:

  1. 「レポート」タブから「新規レポート」を選択
  2. レポートタイプ(商談・リード等)を選択
  3. 表示項目・フィルター条件を設定
  4. グループ化(例: 商談のステージ別、営業担当者別)を設定
  5. 集計項目(例: 予想金額の合計)を設定
  6. 「保存」ボタンでレポートを保存

例: 「商談ステージ別の予想金額合計」というサマリー形式のレポートを作成する。

(2) ステップ2:新規ダッシュボードの作成

レポート準備が完了したら、ダッシュボードを作成します。

ダッシュボード作成手順:

  1. 「レポート」タブまたは「ダッシュボード」タブを開く
  2. 「新規ダッシュボード」ボタンをクリック
  3. ダッシュボードビルダーが起動される
  4. ダッシュボード名、説明、保存先フォルダを入力
  5. 「作成」ボタンをクリック

例: 「営業チーム月次ダッシュボード」という名前で新規作成する。

(3) ステップ3:コンポーネント(グラフ)の追加

ダッシュボードにコンポーネント(グラフ)を追加します。

コンポーネント追加手順:

  1. ダッシュボードビルダーで「+ コンポーネント」ボタンをクリック
  2. 「ソースレポート」を選択(ステップ1で作成したサマリー形式レポート)
  3. グラフの種類を選択(棒グラフ・折れ線グラフ・ドーナツグラフ等)
  4. コンポーネントのタイトルを入力
  5. 「追加」ボタンでダッシュボードに配置

最大20個までコンポーネントを追加できます。

(4) ステップ4:グラフの種類とサイズの調整

グラフの種類とサイズを調整し、ダッシュボードを見やすくします。

グラフの種類:

  • 棒グラフ: 商談ステージ別の件数・金額などの比較に最適
  • 折れ線グラフ: 月別の受注金額推移など、時系列データの可視化に最適
  • ドーナツグラフ: 商談の構成比(ステージ別・担当者別)の可視化に最適
  • ゲージグラフ: 目標達成率(例: 今月の受注金額が目標の70%)の可視化に最適

サイズ調整:

  • コンポーネントの枠をドラッグして、サイズや配置を調整
  • 重要な指標を大きく表示し、補助的な指標を小さく表示

(5) ステップ5:共有設定と保存

ダッシュボードを保存し、チームメンバーと共有します。

共有設定手順:

  1. 「保存」ボタンをクリック
  2. 「共有」ボタンで共有設定を開く
  3. 共有する相手(特定のユーザー・グループ・全社)を選択
  4. 閲覧権限・編集権限を設定
  5. 「保存」ボタンで共有設定を確定

これで、Salesforceダッシュボードの作成が完了です。

4. 効果的なダッシュボード設計(KPI選定・グラフ選択・階層別設計)

ダッシュボードを効果的に活用するためには、KPI選定、グラフ選択、階層別設計がポイントです。

(1) 営業KPIの選定(受注金額・受注数・商談数・成約率・訪問件数)

営業ダッシュボードで表示すべき主要なKPIは以下の通りです。

営業KPIの例:

  • 受注金額: 今月の受注金額合計、目標達成率
  • 受注数: 今月の受注件数、前月比
  • 平均受注金額: 1件あたりの平均受注金額
  • 商談数: ステージ別の商談件数(提案中・見積提示・交渉中等)
  • 成約率: 商談成約率(成約件数 ÷ 全商談件数)
  • 訪問件数: 営業担当者の顧客訪問件数
  • 見積件数: 今月の見積提示件数
  • CAC(顧客獲得単価): 1人の顧客を獲得するためにかかったコスト

これらのKPIを選定する際は、「営業チームの目標達成に直結する指標」を優先的に表示します。

(2) グラフの種類の選び方(棒グラフ・折れ線グラフ・ドーナツグラフ・ゲージグラフ)

KPIに応じて、最適なグラフの種類を選びます。

グラフの種類と用途:

  • 棒グラフ: 複数の項目を比較する際に最適(例: 営業担当者別の受注金額比較)
  • 折れ線グラフ: 時系列データの推移を可視化する際に最適(例: 月別の受注金額推移)
  • ドーナツグラフ: 構成比を可視化する際に最適(例: 商談ステージ別の構成比)
  • ゲージグラフ: 目標達成率を可視化する際に最適(例: 今月の受注金額目標達成率70%)

例えば、「今月の受注金額目標達成率」はゲージグラフで、「営業担当者別の受注金額比較」は棒グラフで表示すると効果的です。

(3) 階層別ダッシュボード設計(担当者向け・マネージャー向け)

ダッシュボードは、階層別(担当者向け・マネージャー向け)に設計することで、活用効果が高まります。

担当者向けダッシュボード:

  • 自分の商談進捗(ステージ別の商談件数・予想金額)
  • 自分の活動実績(訪問件数・見積件数・成約率)
  • 今月の目標達成率(受注金額・受注件数)

マネージャー向けダッシュボード:

  • チーム全体の受注金額・受注件数
  • 営業担当者別の実績比較(受注金額・訪問件数・成約率)
  • パイプライン管理(ステージ別の商談件数・予想金額)
  • ボトルネック特定(成約率が低いステージ、滞留している商談)

このように、階層別に必要な情報を表示することで、データドリブンな営業活動が実現します。

(4) 検索フィルターの活用(期間指定・所有者別絞り込み)

検索フィルター機能を活用することで、ダッシュボードのデータを柔軟に絞り込めます。

検索フィルターの用途:

  • 期間指定: 今月、今四半期、今年度など、期間を絞り込んでデータを表示
  • 所有者別絞り込み: 営業担当者別にデータを絞り込み、個人のパフォーマンスを確認
  • 商談ステージ別絞り込み: 特定のステージ(例: 交渉中)の商談のみを表示

2024年Spring'24のアップデートで、検索条件が最大5個に拡張されたため、より柔軟なフィルタリングが可能になりました。

5. 2024年Spring'24の新機能と活用事例

2024年2月にリリースされたSpring'24アップデートで、ダッシュボード機能が強化されました。

(1) 検索条件が5個に拡張(以前は3個)

Spring'24で、ダッシュボードの検索条件が最大5個に拡張されました(以前は3個まで)。

活用例:

  • 期間(今月)+ 営業担当者(A氏)+ 商談ステージ(交渉中)+ 予想金額(100万円以上)+ 成約予定日(今月末まで)といった複雑な絞り込みが可能
  • これにより、「今月末に成約予定で、予想金額が100万円以上の、A氏担当の交渉中の商談」といった詳細な分析が可能になった

(2) リッチテキスト・画像ウィジェット追加

Spring'24で、リッチテキストと画像ウィジェットをダッシュボードに直接追加できるようになりました。

活用例:

  • ダッシュボードにテキストや書式を追加し、グラフの説明や注意事項を記載
  • 企業ロゴや製品画像を追加し、ダッシュボードのブランディングを強化
  • 例: 「今月の営業目標達成に向けた重点施策」といったテキストをダッシュボード上部に配置

これにより、ダッシュボードの視覚的なカスタマイズ性が向上しました。

(3) ダッシュボード所有者譲渡の簡素化

Spring'24で、ダッシュボードの所有者譲渡が簡単になり、新しい所有者にメール通知が送信される機能が追加されました。

活用例:

  • 営業マネージャーが異動する際、後任者にダッシュボードの所有権を譲渡
  • 新しい所有者は自動的にメール通知を受け取り、ダッシュボードを引き継げる

これにより、組織変更時のダッシュボード管理が効率化されました。

(4) 実際の活用事例(営業チーム・個人振り返り・パイプライン管理)

Salesforceダッシュボードの実際の活用事例を紹介します。

活用事例1: 営業チーム全体の進捗確認

  • 表示KPI: 今月の受注金額、受注数、平均受注金額、商談数
  • グラフの種類: ゲージグラフ(目標達成率)、棒グラフ(営業担当者別の受注金額)
  • 用途: 毎週の営業会議で、チーム全体の進捗を確認

活用事例2: 個人の営業活動振り返り

  • 表示KPI: 訪問件数、見積件数、成約率、今月の受注金額
  • グラフの種類: 折れ線グラフ(週別の活動件数推移)、ドーナツグラフ(商談ステージ別の構成比)
  • 用途: 営業担当者が毎週自分の活動を振り返り、改善点を特定

活用事例3: 営業パイプライン管理

  • 表示KPI: ステージ別の商談件数、予想金額、成約予定日別の商談一覧
  • グラフの種類: 棒グラフ(ステージ別の商談件数)、表形式(成約予定日が迫っている商談リスト)
  • 用途: マネージャーがボトルネックを特定し、営業担当者にフォローアップを促す

これらの活用事例を参考に、自社の営業プロセスに合わせたダッシュボードを設計しましょう。

6. まとめ:Salesforceダッシュボード活用の成功ポイント

Salesforceダッシュボードは、営業データを俯瞰的に可視化し、データドリブンな営業活動を実現する強力な機能です。効果的に活用するためには、KPI選定、グラフ選択、階層別設計がポイントです。

Salesforceダッシュボード活用のポイント:

  • サマリー形式またはマトリックス形式のレポートを準備する(表形式は使用不可)
  • 最大20個のコンポーネント(グラフ)を追加し、営業KPIを可視化する
  • 階層別(担当者向け・マネージャー向け)に設計し、必要な情報を表示する
  • 検索フィルター機能を活用し、期間指定や所有者別の絞り込みを行う
  • 2024年Spring'24の新機能(検索条件5個、リッチテキスト・画像ウィジェット)を活用する

次のアクション:

  • サマリー形式のレポートを作成する(例: 商談ステージ別の予想金額合計)
  • 新規ダッシュボードを作成し、コンポーネントを追加する
  • 営業KPI(受注金額・受注数・商談数・成約率)を表示する
  • 階層別ダッシュボード(担当者向け・マネージャー向け)を設計する
  • 毎週ダッシュボードを更新し、チームの進捗を確認する習慣をつける

Salesforceダッシュボードを活用することで、営業活動の可視化とデータドリブンな意思決定が実現します。まずは基本的なダッシュボードから始め、段階的に改善していきましょう。

よくある質問

Q1Salesforceダッシュボードとレポートの違いは何ですか?

A1レポートは詳細分析向けで1グラフのみ表示し、画面表示時に自動更新されます。ダッシュボードは複数データの俯瞰的可視化向けで最大20グラフを表示し、手動更新が必要です(最後に更新したタイミングのデータを表示)。レポートは「木を見る」、ダッシュボードは「森を見る」という使い分けが推奨されます。

Q2Salesforceダッシュボードの作成手順は?

A2①サマリー形式またはマトリックス形式のレポート準備→②レポートタブから「新規ダッシュボード」作成→③ソースレポートを選択してコンポーネント追加→④グラフの種類(棒グラフ・折れ線グラフ・ドーナツグラフ・ゲージグラフ等)とサイズを調整→⑤保存。表形式のレポートはダッシュボードに使用できないため注意が必要です。

Q3ダッシュボードでどのようなKPIを表示すべきですか?

A3受注金額、受注数、平均受注金額、商談数、成約率、訪問件数、見積件数など営業の重要指標を表示します。担当者向けは個人の活動実績(訪問件数・成約率)、マネージャー向けはチーム全体の進捗(受注金額・商談数)やパイプライン状況(ステージ別商談件数)を表示するのが効果的です。

Q4Salesforce Spring'24(2024年2月)の新機能は何ですか?

A4検索条件が最大5個に拡張(以前は3個)、リッチテキストと画像ウィジェットをダッシュボードに直接追加可能、ダッシュボード所有者の譲渡が簡単になりメール通知機能追加、検索条件の項目入れ替えが削除なしで可能になりました。これにより、より柔軟なフィルタリングと視覚的なカスタマイズが実現しています。

Q5営業チームでダッシュボードをどう活用すべきですか?

A5チーム全体の進捗確認(受注金額・商談数・目標達成率)、個人の活動振り返り(訪問件数・成約率・自分の商談進捗)、パイプライン管理(ステージ別商談状況・ボトルネック特定)など目的別に作成します。階層別に担当者向け・マネージャー向けを作り分けることで、データドリブンな営業活動が実現できます。

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B2Bデジタルプロダクト実践ガイド編集部

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