Salesforce.comとは?CRMの世界標準を基礎から解説

著者: B2Bデジタルプロダクト実践ガイド編集部公開日: 2025/12/12

「Salesforce」という言葉は聞くけれど、具体的に何ができるの?

「Salesforceって何?」「CRMって聞いたことあるけど、実際に何ができるの?」と疑問に思っている営業・マーケティング担当者の方は多いのではないでしょうか。Salesforceは世界で15万社以上が利用するCRMソフトウェアですが、その全体像や機能を理解するのは初学者にとって簡単ではありません。

この記事では、Salesforce.comとは何か、どのような製品があるのか、料金体系や導入メリット・注意点まで、B2B実務担当者向けに基礎から解説します。

この記事のポイント:

  • Salesforce.comは世界シェアNo.1のクラウドベースCRMで、世界で15万社以上が利用している
  • Sales Cloud、Service Cloud、Marketing Cloud、Commerce Cloudなど部門横断でデータ共有できる製品群を提供
  • 料金は月額3,000円から利用可能(エディションによって9,600円、19,800円、39,600円、60,000円)
  • 営業効率化、部門横断の連携強化、リード獲得コスト削減などのメリットがある
  • 導入時はカスタマイズコスト、社内の受け入れ体制整備、初期段階では最低限の機能に絞ることが重要

1. Salesforce.comとは?クラウドCRMの世界標準

(1) クラウドベースのCRMソフトウェア

Salesforce.comは、クラウドベースのCRM(Customer Relationship Management:顧客関係管理)ソフトウェアです。従来の社内サーバーに設置するオンプレミス型とは異なり、インターネット経由でどこからでもアクセスできることが特徴です。

CRMとは何か:

  • 顧客情報を一元管理し、営業活動や顧客とのコミュニケーションを効率化するシステム
  • 顧客の基本情報、商談履歴、問い合わせ履歴、購買履歴などを統合的に管理
  • 営業、マーケティング、カスタマーサービスなど部門横断でデータを共有できる

Salesforceは、このCRM機能をクラウドで提供することで、初期投資を抑え、導入しやすくしたことが大きな特徴です。

(2) 世界で15万社以上が利用する実績

Salesforceは世界シェアNo.1のCRMとして、2024年時点で世界で15万社以上の企業が利用しています。日本企業でも、東京海上日動あんしん生命保険、三菱UFJ信託銀行、サッポロビールなど、多様な業界での導入実績があります。

世界シェアNo.1の理由:

  • クラウドCRMの先駆者として早期に市場を獲得
  • 継続的な機能改善と新製品の投入
  • AppExchangeと呼ばれる拡張機能エコシステムの充実
  • 多様な業界・企業規模に対応できる柔軟性

(3) クラウドCRMの先駆者としての歴史

Salesforceは1999年に設立され、クラウドCRMの先駆者として業界をリードしてきました。当時、CRMは高額なオンプレミス型が主流でしたが、Salesforceはクラウド型のサブスクリプションモデルを提案し、中小企業でも導入しやすい価格と柔軟性を実現しました。

歴史的な意義:

  • 1999年: Salesforce設立
  • 2000年代: クラウドCRMの概念を普及
  • 2010年代: 多様な製品群(Marketing Cloud、Commerce Cloud等)を拡充
  • 2020年代: AI機能(Einstein)を強化、生成AIを統合

このような歴史的背景があり、Salesforceは「CRMといえばSalesforce」と言われるまでの地位を確立しています。

2. Salesforceの主要製品:部門横断でデータ共有

Salesforceは単一の製品ではなく、部門横断でデータ共有できる製品群を提供しています。

(1) Sales Cloud:営業支援(案件管理・商談管理)

Sales Cloudは、Salesforceの中核製品で、**営業支援(SFA:Sales Force Automation)**の機能を提供します。

主な機能:

  • 案件管理: 営業案件の進捗状況を可視化
  • 活動管理: 営業活動(訪問、電話、メール等)を記録・管理
  • 顧客管理: 顧客情報を一元管理
  • 商談管理: 商談の進捗、確度、金額を管理
  • レポート・ダッシュボード: 営業実績を可視化

活用イメージ:

  • 「今月の商談がどれくらい進んでいるか」をダッシュボードで一目で確認
  • 「フォローアップが必要な顧客」を自動的にリストアップ
  • 「営業チーム全体の進捗」を可視化し、適切にサポート

(2) Service Cloud:カスタマーサービス

Service Cloudは、カスタマーサービス部門向けの製品です。顧客からの問い合わせ管理、ケース管理、チャットサポートなどの機能を提供します。

主な機能:

  • ケース管理: 問い合わせ内容を一元管理し、対応状況を追跡
  • ナレッジベース: よくある質問(FAQ)やマニュアルを整備
  • チャット・電話サポート: 複数チャネルからの問い合わせに対応
  • 顧客満足度調査: サポート後のフィードバック収集

活用イメージ:

  • 「過去の問い合わせ履歴」を参照して迅速に対応
  • 「よくある質問」をナレッジベースで公開し、問い合わせを削減
  • 「対応漏れ」を防ぐためのアラート機能

(3) Marketing Cloud:マーケティング支援

Marketing Cloudは、マーケティング部門向けの製品で、メール配信、リード育成、キャンペーン管理などの機能を提供します。

主な機能:

  • メール配信: セグメント別にパーソナライズしたメールを配信
  • リード育成: 見込み客の関心度に応じて自動的にフォローアップ
  • キャンペーン管理: マーケティング施策の効果を測定
  • ソーシャルメディア管理: SNSでの投稿やエンゲージメントを管理

活用イメージ:

  • 「資料ダウンロード後」にフォローメールを自動配信
  • 「関心度の高い見込み客」を営業チームに引き渡し
  • 「キャンペーンのROI」を可視化

(4) Commerce Cloud:Eコマース支援

Commerce Cloudは、Eコマース(オンラインストア)支援の製品です。オンラインストアの構築・運営を支援し、顧客データを他の製品と統合できます。

主な機能:

  • オンラインストア構築: ECサイトの構築・運営
  • 在庫管理: 商品の在庫状況をリアルタイムで管理
  • 決済・配送管理: 決済から配送までを統合的に管理
  • 顧客データ統合: オンライン購買データを営業・マーケティングと連携

活用イメージ:

  • 「オンラインストアでの購買データ」を営業チームと共有
  • 「カート放棄」した顧客にフォローメールを配信
  • 「リピート購入」を促すキャンペーンを自動実施

このように、Salesforceは営業、サービス、マーケティング、コマース、ITなど部門横断でデータを共有することで、社内の連携を強化できます。

3. 料金プラン:エディション別の価格と機能

(1) エディション別価格(Starter 3,000円〜Einstein 1 Sales 60,000円/月)

Salesforceの料金プランは、エディション別に分かれています。以下はSales Cloudの2024年時点の価格です。

エディション別料金(1ユーザーあたり/月):

エディション 月額料金(税抜) 主な対象
Starter 3,000円 小規模企業、初めてCRMを導入する企業
Professional 9,600円 中小企業、基本的なCRM機能が必要な企業
Enterprise 19,800円 中堅・大企業、高度なカスタマイズが必要な企業
Unlimited 39,600円 大企業、無制限のサポートと機能が必要な企業
Einstein 1 Sales 60,000円 AIを活用した高度な営業支援が必要な企業

※2024年時点の料金です。最新情報はSalesforce公式サイトをご確認ください。

(2) 各エディションの機能比較

Starter:

  • 基本的な顧客管理・商談管理機能
  • モバイルアプリ対応
  • 最大10ユーザーまで

Professional:

  • Starterの機能に加えて、レポート・ダッシュボード機能
  • ワークフロー自動化
  • API連携

Enterprise:

  • Professionalの機能に加えて、高度なカスタマイズ機能
  • 複数の営業プロセスを管理
  • サンドボックス環境(テスト環境)

Unlimited:

  • Enterpriseの機能に加えて、24時間365日のサポート
  • 無制限のトレーニング
  • 追加のストレージ

Einstein 1 Sales:

  • Unlimitedの機能に加えて、AI機能(Einstein)を統合
  • 営業予測、リードスコアリング、自動メール作成

(3) 料金プランの選び方

企業規模・目的別の選び方:

小規模企業(従業員10人未満):

  • **Starter(3,000円/月)**が適切
  • 基本的な顧客管理・商談管理から始めたい場合

中小企業(従業員10〜100人):

  • **Professional(9,600円/月)**が適切
  • レポート機能やワークフロー自動化が必要な場合

中堅・大企業(従業員100人以上):

  • Enterprise(19,800円/月)以上が適切
  • 複雑な営業プロセスや高度なカスタマイズが必要な場合

AI活用を検討している企業:

  • **Einstein 1 Sales(60,000円/月)**が適切
  • 営業予測やリードスコアリングなどAI機能を活用したい場合

※料金は変更される可能性があるため、公式サイトで最新情報を確認してください。

4. 導入メリット:営業効率化と顧客関係強化

(1) 新規顧客開拓・商談の効率化

Salesforceを導入することで、営業活動の効率化が期待できます。

効率化のポイント:

  • 案件管理: 営業案件の進捗状況を可視化し、優先順位をつけやすくする
  • 活動管理: 営業活動を記録し、フォローアップ漏れを防ぐ
  • レポート機能: 営業実績を可視化し、改善点を特定しやすくする

具体的な効果:

  • 「フォローアップ漏れ」を防ぐことで、商談化率を向上
  • 「優先度の高い案件」に集中することで、成約率を向上
  • 「営業活動の記録」を共有することで、チーム全体の知見を蓄積

(2) 部門横断でのデータ共有と連携強化

Salesforceは、営業、マーケティング、カスタマーサービスなど部門横断でデータを共有できるため、社内の連携が強化されます。

連携強化の例:

  • マーケティング→営業: 「関心度の高い見込み客」を営業チームに引き渡し
  • 営業→カスタマーサービス: 「成約後の顧客情報」をカスタマーサービスチームと共有
  • カスタマーサービス→営業: 「問い合わせ履歴」を参照して、次の提案に活かす

このように、部門間の情報共有がスムーズになることで、顧客に対して一貫したコミュニケーションを提供できます。

(3) リード獲得コストの削減

Salesforceを活用することで、リード獲得コストの削減が期待できます。

コスト削減のメカニズム:

  • ターゲティング精度向上: 関心度の高い見込み客に集中することで、無駄な営業活動を削減
  • フォローアップ自動化: メール配信やリマインダーを自動化し、人的コストを削減
  • 効果測定: マーケティング施策の効果を可視化し、ROIの高い施策に集中

(4) 日本企業の導入事例(東京海上日動、三菱UFJ信託銀行、サッポロビール等)

日本企業でも多数の導入実績があります。

導入事例の例:

  • 東京海上日動あんしん生命保険: 営業プロセスの可視化と効率化
  • 三菱UFJ信託銀行: 顧客情報の一元管理と部門横断の連携強化
  • サッポロビール: マーケティング施策の効果測定とリード育成

※導入事例は企業規模・業種により結果が異なります。詳細はSalesforce公式サイトの導入事例ページをご確認ください。

5. 導入時の注意点:コスト・受け入れ体制・カスタマイズ

(1) カスタマイズによる追加コスト

Salesforceは標準機能でも十分に活用できますが、自社の業務内容に合わせてカスタマイズする場合、別途構築費用がかかる可能性があります。

カスタマイズの例と費用:

  • カスタムオブジェクト作成: 自社固有のデータ項目を追加
  • ワークフロー設定: 業務プロセスに合わせた自動化ルールを設定
  • 外部システム連携: 既存の会計システムや基幹システムとの連携

カスタマイズを外部のSalesforceパートナーに依頼する場合、数十万円〜数百万円の費用がかかることもあります。

コストを抑えるポイント:

  • 初期段階では標準機能のみで運用を開始
  • 運用しながら「本当に必要なカスタマイズ」を見極める
  • 社内にSalesforce管理者を育成し、簡単なカスタマイズは内製化

(2) 社内の受け入れ体制整備の重要性

Salesforce導入が成功するかどうかは、社内の受け入れ体制整備にかかっています。

よくある失敗パターン:

  • 「ツールを導入したが、社員が使わない」
  • 「上司がデータを見ないため、入力のモチベーションが上がらない」
  • 「トレーニングが不十分で、使い方が分からない」

受け入れ体制整備のポイント:

  • 部門長や導入推進者が中心となって、関係する社員を集め、Salesforceを導入する目的やメリットを理解してもらう
  • 社内トレーニングを実施し、基本的な使い方を習得してもらう
  • 入力ルールを明確にし、誰が・いつ・何を入力するかを統一
  • 定期的な振り返りを行い、使い方の改善点を共有

(3) 初期段階では最低限の機能に絞る

Salesforceは多機能なツールですが、初期段階では最低限の機能に絞ることが推奨されます。

段階的な導入の例:

  1. 初期(1〜3ヶ月): 顧客管理・商談管理のみを運用
  2. 中期(3〜6ヶ月): レポート・ダッシュボードを追加
  3. 後期(6ヶ月以降): ワークフロー自動化、外部システム連携を追加

このように、運用しながら必要に応じて機能を追加していくことで、社員の負担を減らし、定着しやすくなります。

(4) 導入の7ステップ

Salesforce導入は、以下の7ステップで進めることが一般的です。

導入の7ステップ:

  1. 業務課題の明確化: 「営業活動のどこに課題があるか」を明確にする
  2. 基本構造の理解: Salesforceの基本機能を理解する
  3. ゴール明確化: 「導入後にどのような成果を期待するか」を明確にする
  4. データ検討: 既存の顧客データをどのように移行するか検討
  5. 実装: Salesforceの設定・カスタマイズを実施
  6. 運用準備: トレーニングと入力ルールの整備
  7. 運用開始: 実際に運用を開始し、定期的に振り返り

この7ステップを経て、段階的に導入することで、失敗リスクを最小化できます。

6. まとめ:Salesforce導入を検討する際のポイント

(1) 導入目的の明確化と課題解決への適合性

Salesforce.comは、世界シェアNo.1のクラウドベースCRMで、世界で15万社以上が利用しています。Sales Cloud、Service Cloud、Marketing Cloud、Commerce Cloudなど部門横断でデータ共有できる製品群を提供し、営業効率化、部門横断の連携強化、リード獲得コスト削減などのメリットがあります。

Salesforce導入を検討する際のポイント:

  • 導入目的を明確にする: 自社の課題解決に必要な機能を満たすか確認
  • 料金プランを比較: 企業規模・目的に合ったエディションを選択(3,000円〜60,000円/月)
  • カスタマイズコストを見積もる: 標準機能で足りるか、カスタマイズが必要か検討
  • 社内の受け入れ体制を整備: トレーニング、入力ルール、定期的な振り返りを実施
  • 段階的に導入: 初期段階では最低限の機能に絞り、運用しながら機能を追加

(2) 次のステップ:無料トライアルと導入準備

次のアクション:

  • Salesforce公式サイトで最新の料金プラン・機能を確認する
  • 無料トライアルで実際に操作性を試す
  • 導入事例を参考にし、同業種・同規模企業の活用方法を学ぶ
  • 社内で導入目的と期待する成果を共有する
  • Salesforceパートナー企業に相談し、導入支援を検討する

Salesforceを効果的に活用し、営業効率化と顧客関係強化を実現しましょう。

※この記事は2024年の情報に基づいています。料金プランや機能は変更される可能性があるため、最新情報はSalesforce公式サイトをご確認ください。

よくある質問

Q1Salesforce.comとは何ですか?

A1クラウドベースのCRMソフトウェアです。顧客関係管理を支援し、営業、サービス、マーケティング、コマース、ITなど部門横断でデータを共有できます。世界で15万社以上の企業が利用する世界シェアNo.1のCRMで、従来のオンプレミス型とは異なり、インターネット経由でどこからでもアクセスできることが特徴です。

Q2Salesforceの料金はいくらですか?

A2月額3,000円から利用可能です。エディション別にStarter 3,000円、Professional 9,600円、Enterprise 19,800円、Unlimited 39,600円、Einstein 1 Sales 60,000円のプランがあります(2024年時点、1ユーザーあたり/月)。企業規模や必要な機能によって最適なプランを選択できます。料金は変更される可能性があるため、公式サイトで最新情報を確認してください。

Q3Salesforceは何ができますか?

A3案件管理、活動管理、顧客管理、商談管理の基本機能で営業活動を効率化できます。さらに、カスタマーサービス、マーケティング、Eコマース支援など部門横断での活用が可能です。新規顧客の開拓や商談を効率よく進め、顧客とのつながりも深まります。レポート・ダッシュボード機能で営業実績を可視化し、改善点を特定しやすくなります。

Q4Salesforce導入時の注意点は?

A4カスタマイズ時の追加コスト、社内の受け入れ体制整備が重要です。初期段階では最低限の機能に絞り、運用しながら必要に応じて機能を追加することが推奨されます。部門長や導入推進者が中心となって社内トレーニングを行い、入力ルールを明確にし、定期的な振り返りを実施することで、社員の利用が進み投資対効果を最大化できます。

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B2Bデジタルプロダクト実践ガイド編集部

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