Salesforce Cloudを導入したいけれど、どの製品を選べばいいか分からない...
B2B企業でCRM・SFAの導入を検討する際、多くの担当者がSalesforceの複数の「Cloud」製品(Sales Cloud、Service Cloud、Marketing Cloud等)の違いに戸惑います。「営業部門にはどれが合う?」「カスタマーサポート部門には?」「料金プランはどう違う?」といった疑問は尽きません。
この記事では、Salesforceの主要Cloud製品の機能・特徴を整理し、企業の業種・規模・導入目的別の選定ガイド、料金プラン比較、導入時の注意点を解説します。
この記事のポイント:
- Salesforceは営業・サポート・マーケティング等の業務領域別に複数のCloud製品を提供
- Sales Cloudは営業活動管理、Service Cloudはカスタマーサポート、Marketing Cloudはマーケティング自動化に特化
- 料金プランは月額3,000円(Starter)から60,000円(Einstein 1 Sales)まで幅広く、企業規模・必要機能で選択
- 複数製品の組み合わせ(Sales + Service等)で営業からサポートまでの一元管理が可能
- 2024-2025年はEinstein Copilot(会話型AI)やData Cloud成長が最新トレンド
Salesforce Cloudとは|CRM市場をリードするクラウド製品群
Salesforce Cloudは、顧客関係管理(CRM)を中心としたクラウドサービス群の総称です。営業活動管理(SFA)、カスタマーサポート、マーケティングオートメーション等、業務領域ごとに特化した複数の製品で構成されています。
(1) Salesforce Cloudの定義とCRM・SFAの基礎
**CRM(Customer Relationship Management)**は、顧客情報を一元管理し、営業・マーケティング・サポート活動を効率化するシステムです。**SFA(Sales Force Automation)**は、営業活動の自動化・効率化に特化したツールで、CRMの一部機能として位置づけられます。
Salesforce Cloudは、これらの機能を業務領域別に提供する製品群です。主要な製品には以下があります:
- Sales Cloud: 営業活動管理(商談・リード・顧客管理)
- Service Cloud: カスタマーサポート(ケース管理・ナレッジベース)
- Marketing Cloud: マーケティング活動支援(メール配信・顧客セグメント)
- Commerce Cloud: EC構築・運営
- Experience Cloud: 顧客ポータル・コミュニティサイト構築
(2) Salesforce製品群の全体構成と最新トレンド(2024-2025年)
2024-2025年のSalesforceでは、AI統合が大きなトレンドとなっています。Einstein Copilot(会話型AI機能)が2024年2月にリリースされ、ワークフローに統合されたAIアシスタントとして業務効率化を支援します。また、Data Cloudが最速成長製品となり、100万ドル以上の契約の25%に含まれるまで拡大しています(出典: Futurum Group, 2024年)。
※この記事は2024-2025年時点の情報です。Salesforceの製品体系は頻繁に更新されるため、最新情報は公式サイトでご確認ください。
Salesforce主要製品の全体像|Sales・Service・Marketing・Commerce・Experience Cloud
Salesforceの各Cloud製品は、それぞれ異なる業務領域に特化しています。ここでは主要4製品の特徴を解説します。
(1) Sales Cloud|営業活動の効率化と商談管理
Sales Cloudは、営業活動管理に特化したクラウドサービスです。顧客情報・商談進捗・リード(見込み客)管理を一元化し、営業チームの生産性向上を支援します。
主な適用領域:
- B2B営業部門の商談管理
- リード(見込み客)の獲得・育成
- 営業レポート・売上予測の可視化
想定ユーザー: 営業担当者、営業マネージャー、営業企画
(2) Service Cloud|カスタマーサポートとサービス品質向上
Service Cloudは、カスタマーサポート業務に特化した製品です。問い合わせ(ケース)管理、ナレッジベース構築、電話・メール・チャット等の複数チャネル対応(オムニチャネル)を提供します。
主な適用領域:
- カスタマーサポート部門の問い合わせ対応
- FAQ・ナレッジベースの構築・公開
- サポート品質の可視化(対応時間・満足度)
想定ユーザー: カスタマーサポート担当者、サポートマネージャー
(3) Marketing Cloud|マーケティングオートメーションとキャンペーン管理
Marketing Cloudは、マーケティング活動の自動化・効率化を支援する製品です。メール配信、顧客セグメント管理、カスタマージャーニー設計等の機能を提供します。
主な適用領域:
- BtoBマーケティング部門のリード獲得・育成
- メールマーケティング・ウェビナー集客
- 顧客行動分析とパーソナライズ配信
想定ユーザー: マーケティング担当者、マーケティングマネージャー
(4) Commerce Cloud・Experience Cloud|EC構築と顧客体験強化
Commerce CloudはECサイト構築・運営を支援する製品で、BtoB・BtoC両方に対応します。Experience Cloudは、顧客ポータルやパートナーコミュニティサイトの構築に使われます。
主な適用領域:
- ECサイト運営(BtoB・BtoC)
- 顧客向けセルフサービスポータル
- パートナー企業との情報共有
想定ユーザー: EC事業部門、カスタマーサクセス、パートナー管理
各Cloud製品の機能と適用領域|営業・サポート・マーケティング別の特徴
ここでは、Sales Cloud・Service Cloud・Marketing Cloudの具体的な機能を詳しく解説します。
(1) Sales Cloudの主要機能|顧客管理・商談管理・リード管理・レポート
Sales Cloudには以下の主要機能があります(出典: Salesforce公式サイト):
顧客・取引先管理:
- 企業情報・担当者情報の一元管理
- 顧客との商談履歴・メール履歴の記録
- モバイルアプリでの外出先からのアクセス
商談管理:
- 商談ステージ(提案・見積・受注等)の可視化
- 売上予測・受注確度の管理
- 商談ごとの活動履歴・ファイル添付
リード管理:
- 見込み客情報の登録・育成
- リードスコアリング(関心度の数値化)
- 商談化のタイミング判断
レポート・ダッシュボード:
- 営業活動の可視化(受注率・商談件数等)
- カスタマイズ可能なダッシュボード作成
- チーム・個人別の実績分析
(2) Service Cloudの主要機能|ケース管理・ナレッジベース・オムニチャネル対応
Service Cloudには以下の主要機能があります:
ケース管理:
- 問い合わせ(ケース)の登録・割り当て・進捗管理
- 優先度・緊急度別の対応
- 対応履歴の記録・共有
ナレッジベース:
- FAQ・操作マニュアルの作成・公開
- 社内向け・顧客向けナレッジの管理
- 検索機能による情報検索の効率化
オムニチャネル対応:
- 電話・メール・チャット・SNS等の複数チャネル統合
- チャネルをまたいだ顧客対応履歴の一元管理
- 顧客満足度調査(CSAT)の実施
(3) Marketing Cloudの主要機能|メール配信・顧客セグメント・ジャーニー設計
Marketing Cloudには以下の主要機能があります:
メール配信・自動化:
- メールテンプレート作成・一斉配信
- 開封率・クリック率の測定
- 顧客行動に応じた自動配信(トリガーメール)
顧客セグメント管理:
- 業種・企業規模・行動履歴によるセグメント分け
- ターゲット別のパーソナライズ配信
- A/Bテストによる配信効果の検証
カスタマージャーニー設計:
- リード獲得から商談化までのシナリオ設計
- 複数タッチポイント(メール・広告・ウェビナー)の連携
- ジャーニー全体のコンバージョン測定
(4) 複数製品の組み合わせパターン|Sales+ServiceやMarketing+Sales連携
Salesforce製品は単独でも使えますが、複数を組み合わせることで営業・マーケティング・サポートの一元管理が可能になります。
よくある組み合わせパターン:
| 組み合わせ | 適用ケース | メリット |
|---|---|---|
| Sales + Service | 営業からサポートまで一元管理 | 顧客情報を営業・サポート間で共有、商談後のサポート品質向上 |
| Marketing + Sales | マーケティング施策から営業引き継ぎ | リード獲得から商談化までのシームレスな連携、ROI測定 |
| Sales + Service + Marketing | 全社的な顧客管理 | 顧客ライフサイクル全体の可視化、部門間連携強化 |
※複数製品の組み合わせには追加費用がかかるため、導入前に料金プランを確認してください。
料金プラン比較|Starter・Professional・Enterprise各エディションの違い
Salesforce製品は複数のエディション(料金プラン)を提供しており、企業規模・必要機能によって選択できます。
(1) Sales Cloud料金プラン|Starter 3,000円〜Einstein 1 Sales 60,000円/月
Sales Cloudの料金プランは以下の通りです(出典: Salesforce公式サイト、2024年時点):
| エディション | 月額料金(ユーザーあたり) | 主な対象 | 主な機能 |
|---|---|---|---|
| Starter | 3,000円 | 小規模チーム(10名以下) | 基本的な顧客管理・商談管理・モバイル対応 |
| Professional | 9,600円 | 中堅企業(50名以下) | リード管理・レポート・ダッシュボード・API連携 |
| Enterprise | 19,800円 | 大企業・高度なカスタマイズ | ワークフロー自動化・高度なレポート・権限管理 |
| Unlimited | 39,600円 | 大規模導入・24時間サポート | Enterpriseの全機能 + 24時間サポート・無制限のオンライントレーニング |
| Einstein 1 Sales | 60,000円 | AI活用・最先端機能 | 全機能 + Einstein AI・Data Cloud統合 |
※料金は税抜・年間契約時の月額換算です。最新の料金は公式サイトでご確認ください。
(2) プラン別機能比較|小規模チーム向けから大企業向けまで
Starter版の特徴:
- 小規模チーム向けに設計され、月額3,000円から利用可能
- 30日間の無料トライアルから開始できる
- 基本的な顧客管理・商談管理・モバイル対応を提供
- ただし、高度なカスタマイズやAPI連携は制限される
Professional版の特徴:
- 中堅企業(従業員50名以下)に適したプラン
- リード管理・レポート作成・ダッシュボード機能を提供
- API連携により既存システムとの統合が可能
- 多くのB2B企業が選択する標準的なプラン
Enterprise版以上の特徴:
- 大企業や高度なカスタマイズが必要な企業向け
- ワークフロー自動化・詳細な権限管理・高度なレポート機能
- 複数部門・複数拠点での利用に適している
- 専門パートナーによるカスタマイズ支援が推奨される
(3) 導入コストと運用コストの目安|ユーザー数・カスタマイズ・パートナー支援
導入コストの内訳:
| 費用項目 | 目安金額 | 備考 |
|---|---|---|
| ライセンス費用 | 月額3,000円〜60,000円/ユーザー | エディション・ユーザー数による |
| 初期設定費用 | 0円〜数十万円 | 自社で設定する場合は0円、パートナー支援を受ける場合は有料 |
| カスタマイズ費用 | 0円〜数百万円 | 既存システム連携・独自フロー構築の有無による |
| 導入支援・トレーニング | 0円〜数十万円 | パートナー企業による支援費用 |
運用コストの考慮点:
- ユーザー数の増減に応じたライセンス費用の変動
- 定期的なカスタマイズ・機能追加の開発費用
- 社内管理者の人件費・トレーニング費用
- パートナー企業による保守・運用支援費用(必要に応じて)
※導入コストは企業規模・業種・既存システムとの連携要件により大きく変動します。詳細は公式サイトまたはパートナー企業にお問い合わせください。
導入検討時のポイント|業種・規模・目的別の選定ガイドと注意点
Salesforce製品の選定では、企業規模・業種・導入目的を明確にすることが重要です。
(1) 企業規模・業種別おすすめ製品|小規模チーム・中堅企業・大企業
小規模チーム(従業員10名以下):
- おすすめ製品: Sales Cloud Starter版
- 理由: 月額3,000円で基本的な顧客管理・商談管理が可能、30日間無料トライアルで試せる
- 注意点: 高機能ゆえに使いこなせない可能性もあるため、無料トライアルで自社業務との適合性を確認
中堅企業(従業員50〜500名):
- おすすめ製品: Sales Cloud Professional版 または Service Cloud
- 理由: リード管理・レポート機能が充実、API連携で既存システムとの統合が可能
- 注意点: カスタマイズが必要な場合は専門パートナーの支援を検討
大企業(従業員500名以上):
- おすすめ製品: Sales Cloud Enterprise版以上、または複数製品の組み合わせ
- 理由: 高度なカスタマイズ・複数部門での利用・詳細な権限管理が可能
- 注意点: 導入期間1-3ヶ月、専門パートナーによる支援が推奨される
(2) 競合製品との比較|Zoho CRM・eセールスマネージャー等とのメリット・デメリット
Salesforce以外にも、複数のCRM・SFAツールが存在します。それぞれのメリット・デメリットを公平に比較します。
Salesforceのメリット:
- 世界的なシェアNo.1で導入実績が豊富
- 複数製品の組み合わせで営業・サポート・マーケティングを一元管理
- AI機能(Einstein Copilot)やData Cloud等の最先端技術を活用可能
- 専門パートナー企業が多く、導入支援・カスタマイズのノウハウが蓄積
Salesforceのデメリット:
- 料金が比較的高額(月額3,000円〜60,000円/ユーザー)
- 高機能ゆえに小規模企業では使いこなせない可能性
- カスタマイズには専門知識が必要で、パートナー支援コストがかかる場合がある
競合製品の例:
| 製品名 | メリット | デメリット |
|---|---|---|
| Zoho CRM | 低価格(月額数千円から)、中小企業向けに使いやすい | Salesforceと比べて機能の拡張性に制限 |
| eセールスマネージャー | 国内企業向け、日本語サポート充実 | グローバル展開には不向き |
| HubSpot CRM | 無料プランあり、マーケティング機能が強い | 大規模企業向け機能は有料プランで提供 |
※ツール選定時は、自社の業務要件・予算・既存システムとの連携要件を明確にし、複数のツールを比較検討することが推奨されます。
(3) 導入時の注意点|カスタマイズ難易度・専門知識の必要性・ROI測定
カスタマイズ難易度:
- Salesforceは高度なカスタマイズが可能ですが、専門知識が必要
- 社内にノウハウがない場合は、専門パートナーの支援を活用することで導入期間を短縮可能
- 基本的な設定なら1-2週間、既存システム連携を含む場合は1-3ヶ月が目安
専門知識の必要性:
- 管理者向けトレーニング(Salesforce公式のTrailhead等)の受講が推奨される
- カスタマイズにはApex(プログラミング言語)やVisualforce(開発フレームワーク)の知識が必要な場合がある
- 専門パートナー企業による導入支援・運用サポートの活用も選択肢
ROI測定のポイント:
- 導入効果は企業規模・業種・運用体制により異なる
- 営業活動の効率化(商談管理・レポート作成時間の削減)を定量的に測定
- 受注率・リード獲得数・顧客満足度等のKPIを設定し、導入前後で比較
- ROIは6ヶ月〜1年で評価するのが一般的
※導入前に30日間の無料トライアルで実際の操作性を確認し、自社業務との適合性を検証することが重要です。
まとめ|自社に最適なSalesforce Cloud製品の選び方
Salesforce Cloud製品は、営業・サポート・マーケティング等の業務領域別に複数の製品を提供しています。企業規模・業種・導入目的を明確にし、料金プラン・機能・カスタマイズ要件を比較することが重要です。
次のアクション:
- 自社の業務要件(営業管理・サポート・マーケティング等)を整理する
- 予算と必要機能を明確にし、適切なエディションを選定する
- 30日間の無料トライアルで実際の操作性を試す
- 導入実績のある企業の事例を参考にする
- 社内にノウハウがない場合は専門パートナーの支援を検討する
- 最新の料金・機能は公式サイトで確認する
自社に合ったSalesforce Cloud製品を選び、営業・サポート・マーケティング活動の効率化と顧客満足度の向上を実現しましょう。
