Salesforce以外の選択肢を検討する理由
B2B企業の営業責任者や情報システム担当の方から、「Salesforceは機能が多すぎて使いこなせない」「コストが高い」「もっとシンプルなツールはないか」といった相談をいただくことがあります。
Salesforceは世界トップシェアのCRMプラットフォームですが、すべての企業に最適とは限りません。企業規模・予算・必要な機能によっては、他のCRM/SFAツールの方が適している場合があります。本記事では、Salesforce類似サービス8選を公平に比較し、企業規模・目的別の選定基準を解説します。
この記事のポイント:
- Salesforceの課題は機能過多・コスト高・使いこなせないこと
- 2024-2025年現在、国内には約70社のSFA/CRM関連製品がある
- 国産ツール(GENIEE SFA/CRM、Mazrica Sales等)は日本企業の業務フローに最適化
- グローバルツール(HubSpot、Zoho CRM等)は多機能だが日本語対応に課題あり
- 企業規模・予算・ITリテラシーを考慮した選定が重要
(1) Salesforceの課題(機能過多・コスト高・使いこなせない)
Salesforceは多機能で拡張性が高いですが、以下の課題が指摘されています:
課題1: 機能過多で使いこなせない
- 大企業向けの高度な機能が多く、中小企業では不要な機能が多い
- 管理画面が複雑で、現場が使いこなせず定着しないケースがある
課題2: コストが高い
- Professionalプラン以上は月額9,600円/ユーザー〜と高額
- カスタマイズ・サポート・データ移行などの追加コストも発生
課題3: 海外製のため管理画面がわかりづらい
- 日本語対応はされているが、画面遷移や用語が日本の営業フローと異なる
- しっかりとしたサポートを受けるにはある程度のコストが必要
これらの課題により、Salesforce導入後に費用対効果が疑問視され、他のツールへの乗り換えを検討する企業が増えています。
(2) 中小企業に適したツールの必要性
中小企業がCRM/SFAツールを選ぶ際、以下のポイントが重要です:
中小企業向けツールの条件:
- 搭載機能がシンプルで直感的に使える
- 初期費用が低く、月額料金も手頃(月額数千円/ユーザー程度)
- 無料プランや低価格プランから始めて段階的に機能追加できる
- 日本企業の業務フローに最適化されている
- サポート体制が充実している
2024-2025年現在、国内には約70社のSFA/CRM関連製品があり、中小企業向けのシンプルなツールも多数提供されています。
(3) SFAとCRMの違いと統合ツールの登場
CRM/SFAツールを選ぶ前に、両者の違いを理解することが重要です。
SFA(Sales Force Automation):
- 営業支援システム
- 営業活動のデータを可視化し、営業管理の効率性・パフォーマンスを向上させる
- 主な機能:商談管理、案件進捗管理、活動履歴、売上予測
CRM(Customer Relationship Management):
- 顧客関係管理システム
- 顧客情報を一元管理し、継続的な関係性づくりを支援する
- 主な機能:顧客情報管理、購買履歴、顧客セグメント、マーケティング分析
統合ツールの登場:
- 現在、SFA・CRMともに機能の充実化が進み、両方の機能を持ち合わせたツールが多数提供されている
- Salesforce・HubSpot・Zoho CRM等は、SFA・CRM・MA(マーケティングオートメーション)機能を統合的に提供
CRM/SFAツール選定の比較軸と前提条件
(1) 企業規模・予算による選定軸
CRM/SFAツールは、企業規模・予算によって最適な選択肢が異なります。
小規模企業(従業員10名未満):
- 予算:月額数千円/ユーザー程度
- 選定軸:低価格・シンプル機能・直感的な操作性
- 候補ツール:HubSpot(無料プランあり)、Zoho CRM(月額1,680円/ユーザー〜)
中小企業(従業員10〜100名):
- 予算:月額3,000〜10,000円/ユーザー程度
- 選定軸:機能と価格のバランス・日本語サポート充実
- 候補ツール:GENIEE SFA/CRM(月額3,480円/ユーザー〜)、Mazrica Sales(月額27,500円〜/5ユーザー)
中堅企業(従業員100〜500名):
- 予算:月額10,000〜20,000円/ユーザー程度
- 選定軸:カスタマイズ性・拡張性・部門間連携
- 候補ツール:eセールスマネージャー、Microsoft Dynamics 365
大企業(従業員500名以上):
- 予算:月額20,000円/ユーザー以上
- 選定軸:高度なカスタマイズ・大規模データ処理・全社統合
- 候補ツール:Salesforce、SAP Sales Cloud
(2) 必要な機能(営業管理・顧客管理・MA連携等)
自社の営業プロセスに必要な機能を明確にすることが重要です。
基本機能(すべてのツールに共通):
- 顧客情報管理
- 商談管理・案件進捗管理
- 活動履歴(訪問・電話・メール等)
- レポート・ダッシュボード
上位機能(ツールによって差がある):
- MA(マーケティングオートメーション)連携
- 名刺管理・名刺スキャン機能
- 見積書・請求書作成
- 外部ツール連携(Slack、Gmail、カレンダー等)
- モバイルアプリ対応
(3) ITリテラシーと定着率の重要性
CRM/SFAツールの導入では、現場の定着率が成否を分けます。
定着率を高めるポイント:
- 現場の意見を聞いて業務実態を考慮したツール選定を行う
- 管理画面が直感的で、トレーニング期間が短いツールを選ぶ
- スモールスタートで一部部門から試験運用し、効果を検証する
- 導入後のサポート体制が充実しているツールを選ぶ
定着率が低い場合のリスク:
- 現場がツールを使わず、従来のスプレッドシート管理に戻ってしまう
- 導入コストが無駄になる
- 経営層の信頼を失い、今後のIT投資が困難になる
Salesforce類似サービス8選の特徴
(1) 国産ツール(GENIEE SFA/CRM、Mazrica Sales、eセールスマネージャー、kintone等)
GENIEE SFA/CRM:
- 料金:月額3,480円/ユーザー〜
- 特徴:定着率99%、シンプルで直感的な操作性
- 向いている企業:中小企業、ITリテラシーが高くない企業
- メリット:国産ツールならではの日本語サポート充実
- デメリット:Salesforceと比べて拡張性が低い
Mazrica Sales:
- 料金:月額27,500円〜/5ユーザー
- 特徴:AI機能による商談予測、名刺管理機能
- 向いている企業:営業効率化を重視する中小企業
- メリット:Googleカレンダー・Gmail連携が充実
- デメリット:ユーザー数が増えるとコスト増
eセールスマネージャー:
- 料金:月額11,000円/ユーザー〜
- 特徴:導入実績5,500社以上、定着率95%
- 向いている企業:中堅企業、全社的なCRM導入を検討中
- メリット:豊富な導入実績とサポート体制
- デメリット:Salesforceほどの拡張性はない
kintone:
- 料金:月額1,500円/ユーザー〜
- 特徴:ノーコードでカスタマイズ可能、業務アプリ作成プラットフォーム
- 向いている企業:柔軟なカスタマイズを重視する企業
- メリット:CRM以外の業務アプリも作成可能
- デメリット:CRM専用ツールと比べて標準機能が少ない
(2) グローバルツール(HubSpot、Zoho CRM、Microsoft Dynamics 365等)
HubSpot:
- 料金:無料プランあり、有料版は月額2,160円/ユーザー〜
- 特徴:マーケティング・営業・カスタマーサポートを統合
- 向いている企業:MA・CRM・SFAを統合したい企業
- メリット:無料プランで試せる、MA機能が充実
- デメリット:高度な機能を使うと月額コストが高額化
Zoho CRM:
- 料金:月額1,680円/ユーザー〜
- 特徴:低価格で多機能、Zohoスイート(メール・プロジェクト管理等)と連携
- 向いている企業:低価格で多機能を求める企業
- メリット:コストパフォーマンスが高い
- デメリット:日本語サポートがやや弱い
Microsoft Dynamics 365:
- 料金:月額9,773円/ユーザー〜
- 特徴:Microsoft製品(Office 365、Teams等)との連携が強い
- 向いている企業:Microsoft製品を既に利用している企業
- メリット:Office 365・Teamsとの統合が簡単
- デメリット:Salesforceと同様に機能過多の可能性
(3) 各ツールの強み・弱み
国産ツールの強み:
- 日本企業の業務フローに最適化
- 日本語サポートが充実
- 定着率が高い(現場が使いこなしやすい)
国産ツールの弱み:
- Salesforce等グローバルツールと比べて拡張性が低い
- グローバル展開している企業には不向き
グローバルツールの強み:
- 多機能で拡張性が高い
- グローバル展開している企業に対応
- MA・CRM・SFA・サポート機能を統合
グローバルツールの弱み:
- 英語表記や日本語訳の問題がある
- 機能が豊富すぎて現場が使いこなせない
- サポート体制が国産ツールに比べて弱い
機能・料金・サポート体制の比較
(1) 機能比較表(営業管理・顧客管理・MA連携・カスタマイズ性)
以下は主要ツールの機能比較です(○: 標準搭載、△: オプション、×: 非対応):
基本機能:
- 顧客情報管理:すべてのツールが○
- 商談管理:すべてのツールが○
- 活動履歴:すべてのツールが○
- レポート・ダッシュボード:すべてのツールが○
上位機能:
- MA連携:HubSpot(○)、Salesforce(○)、Zoho CRM(○)、GENIEE SFA/CRM(△)
- 名刺管理:Mazrica Sales(○)、eセールスマネージャー(○)、その他(△または×)
- 見積書作成:kintone(○、カスタマイズで対応)、その他(△)
- カスタマイズ性:Salesforce(◎)、kintone(◎)、HubSpot(○)、その他(○)
(2) 料金比較(初期費用・月額・ユーザー単価)
以下は主要ツールの料金比較です(2024年時点、税抜):
低価格帯(月額1,500〜3,500円/ユーザー):
- kintone:月額1,500円/ユーザー〜
- Zoho CRM:月額1,680円/ユーザー〜
- HubSpot:無料プランあり、有料版は月額2,160円/ユーザー〜
- GENIEE SFA/CRM:月額3,480円/ユーザー〜
中価格帯(月額5,000〜15,000円/ユーザー):
- Mazrica Sales:月額27,500円〜/5ユーザー(月額5,500円/ユーザー相当)
- Salesforce(Professionalプラン):月額9,600円/ユーザー
- Microsoft Dynamics 365:月額9,773円/ユーザー〜
- eセールスマネージャー:月額11,000円/ユーザー〜
高価格帯(月額20,000円/ユーザー以上):
- Salesforce(Enterpriseプラン):月額19,800円/ユーザー
- Salesforce(Unlimitedプラン):月額39,600円/ユーザー
※料金は変更される可能性があります。最新情報は各社公式サイトをご確認ください。
(3) サポート体制・言語対応の違い
国産ツール(GENIEE、Mazrica、eセールスマネージャー等):
- 日本語サポートが充実(電話・メール・チャット対応)
- オンボーディング支援(初期設定・運用立ち上げ支援)が手厚い
- ユーザーコミュニティ・勉強会が活発
グローバルツール(Salesforce、HubSpot、Zoho CRM等):
- 日本語サポートはあるが、英語での対応が必要な場合がある
- オンボーディング支援は有料オプションの場合が多い
- グローバルでのユーザーコミュニティは活発だが、日本語情報が少ない
企業規模・目的別の選定フロー
(1) 中小企業向け(低価格・シンプル機能重視)
選定フロー:
- 予算を決定(月額3,000〜5,000円/ユーザー程度)
- 必要な機能を洗い出し(顧客管理・商談管理が中心)
- 無料トライアルで操作性を確認(HubSpot、Zoho CRM、GENIEE等)
- 定着率を重視(現場が使いこなせるか)
- スモールスタートで導入(一部部門から開始)
おすすめツール:
- HubSpot(無料プランで試せる)
- Zoho CRM(月額1,680円/ユーザー〜)
- GENIEE SFA/CRM(定着率99%、日本語サポート充実)
(2) 中堅企業向け(機能と価格のバランス重視)
選定フロー:
- 予算を決定(月額5,000〜15,000円/ユーザー程度)
- 必要な機能を洗い出し(MA連携・レポート機能・カスタマイズ性)
- 既存システムとの連携を確認(Slack、Gmail、カレンダー等)
- サポート体制を確認(オンボーディング・運用支援)
- 段階的に全社展開
おすすめツール:
- Mazrica Sales(AI機能・名刺管理が充実)
- eセールスマネージャー(導入実績5,500社以上)
- Salesforce(Professionalプラン)
(3) 大企業向け(カスタマイズ性・拡張性重視)
選定フロー:
- 予算を決定(月額15,000円/ユーザー以上)
- 必要な機能を洗い出し(全社統合・部門間連携・大規模データ処理)
- カスタマイズ性・拡張性を確認(ワークフロー自動化・API連携)
- セキュリティ・コンプライアンスを確認(MFA、アクセス権限管理)
- 全社的な導入計画を策定
おすすめツール:
- Salesforce(Enterprise・Unlimitedプラン)
- Microsoft Dynamics 365(Office 365との統合)
- SAP Sales Cloud(ERPとの統合)
まとめ:自社に最適なCRM/SFAツールの選び方
Salesforceは世界トップシェアのCRMプラットフォームですが、すべての企業に最適とは限りません。企業規模・予算・必要な機能によっては、他のCRM/SFAツールの方が適している場合があります。
選定のポイント:
- 企業規模・予算に合ったツールを選ぶ(中小企業なら月額数千円の低価格ツール)
- 必要な機能を明確にする(営業管理中心ならSFA、顧客管理中心ならCRM)
- ITリテラシーと定着率を重視(現場が使いこなせるか)
- 無料トライアルで操作性を確認する
- スモールスタートで効果を検証してから全社展開
次のアクション:
- 自社の予算と必要機能を整理する
- 3〜5社の公式サイトで詳細を確認する
- 無料トライアルで実際に操作性を試す(HubSpot、Zoho CRM、GENIEE等)
- 現場の意見を聞いて業務実態を考慮する
- スモールスタートで導入し、効果を測定する
自社の営業プロセスと予算に合わせて、適切なツールを選択することが成功のカギです。
