営業のタスク管理が追いつかない、漏れが発生してしまう...
「商談が増えてきたらタスクが追いつかない」「フォローアップを忘れてしまった」「何から手をつければいいか分からない」といった悩みを抱える営業担当者は多いのではないでしょうか。営業職は複数の顧客・商談を並行して対応するため、タスク管理ができないと成果に直結します。
この記事では、営業のタスク管理の重要性から、優先順位付けの手法、ツール選定、失敗パターンと対策まで詳しく解説します。
この記事のポイント:
- タスク管理ができないと商談の滞りや顧客対応漏れが発生
- タスクは期限付きの作業、ToDoは期限なしのやるべきことリスト
- アイゼンハワーマトリックスで「重要度」と「緊急度」で優先順位付け
- SFA/CRM導入済みなら内蔵タスク管理機能を活用
- 詰め込みすぎと優先順位不明確が失敗の主な原因
1. 営業にタスク管理が重要な理由
営業職にとって、タスク管理は成果を出すための基盤となるスキルです。
タスク管理が重要な理由:
- 複数の商談・顧客を並行して対応するため、漏れが発生しやすい
- フォローアップのタイミングを逃すと、商談が停滞する
- 提案書・見積書の期限に追われ、優先順位が不明確になりやすい
- 時間を有効活用し、売上に直結する活動に集中できるようになる
タスク管理ができないとどうなるか:
- 顧客対応の漏れが発生し、信頼を失う
- 重要な商談の準備が不十分になる
- 緊急度の高いタスクに振り回され、重要なタスクが後回しに
- 残業が増え、パフォーマンスが低下する
特に営業は、顧客からの急な依頼や予期せぬ商談が入ることも多いため、計画的なタスク管理と柔軟な対応の両立が求められます。
2. タスクとToDoの違い・基本知識
タスク管理を始める前に、基本的な用語と概念を整理しましょう。
(1) タスクとToDoの定義の違い
「タスク」と「ToDo」は混同されやすい言葉ですが、意味が異なります。
タスク:
- 期限が明確に設定された具体的な作業
- 例:「顧客Aへの提案資料を金曜日までに作成」
- 完了までの所要時間も見積もることが多い
- 誰がいつまでにやるかが明確
ToDo:
- いずれやるべきことを表す言葉
- 一般的に明確な期限が決められていない
- 例:「新規顧客リストを整理する」
- 備忘録的な役割
営業では、期限を明確にした「タスク」として管理することが重要です。期限のないToDoは後回しになりやすく、成果につながりにくいためです。
(2) 営業タスクの4分類(商談・フォロー・事務・情報収集)
営業のタスクは、大きく4つに分類できます。
1. 商談関連タスク:
- 商談の準備(資料作成、提案内容の検討)
- 商談の実施
- 商談後のお礼メール・議事録作成
- 見積書・契約書の作成
2. フォローアップタスク:
- 商談後の顧客フォロー
- 検討中顧客への状況確認
- 既存顧客への定期連絡
- クレーム・問い合わせ対応
3. 事務タスク:
- 日報・週報の作成
- 社内ミーティングへの参加
- 経費精算、申請書類の作成
- SFA/CRMへのデータ入力
4. 情報収集タスク:
- 業界動向のリサーチ
- 競合情報の収集
- 顧客企業のニュース確認
- 新製品・サービスの学習
これらのタスクを「売上に直結するか」という観点で分けると、優先順位が見えてきます。
3. 営業タスクの優先順位付け手法
多くのタスクを効率的に処理するには、優先順位付けが欠かせません。
(1) アイゼンハワーマトリックスの活用
アイゼンハワーマトリックスは、タスクを「重要度」と「緊急度」の2軸で4つのカテゴリに分けるフレームワークです。
第1象限(重要かつ緊急):
- 今日中に対応すべきタスク
- 例:明日の商談準備、顧客からの緊急対応依頼
- → すぐに実行する
第2象限(重要だが緊急ではない):
- 中長期的に重要なタスク
- 例:新規顧客開拓、スキルアップ、関係構築
- → 計画的にスケジュールを確保する
第3象限(緊急だが重要ではない):
- 対応は必要だが、自分でなくてもできるタスク
- 例:一部の社内ミーティング、定型的な問い合わせ対応
- → 可能なら委任・効率化する
第4象限(重要でも緊急でもない):
- 成果に直結しないタスク
- 例:必要性の低い資料整理、過度な情報収集
- → 削減・排除する
営業で成果を出すには、第1象限をこなしつつ、第2象限に時間を確保することが重要です。第3・第4象限のタスクに振り回されると、重要なことが後回しになります。
(2) 売上直結タスクと間接タスクの分離
もう一つの優先順位付けの方法は、タスクを「売上直結」か「間接」かで分類することです。
売上直結タスク:
- 商談の実施・提案
- 見積書・契約書の作成
- クロージング・契約締結
- 顧客からの問い合わせ対応
間接タスク:
- 資料作成・情報収集
- 社内ミーティング・報告
- 事務作業・データ入力
- 勉強・スキルアップ
パレートの法則によると、80%の成果が20%のタスクから生まれると言われています。売上直結タスクを優先し、間接タスクは効率化・短縮することで、成果を最大化できます。
実践のコツ:
- 1日の始めに「今日の売上直結タスク」を3つ決める
- 売上直結タスクは午前中の集中できる時間に実行
- 間接タスクはまとめて処理し、時間を区切る
4. 営業向けタスク管理ツールの比較
効率的なタスク管理には、適切なツールの活用が有効です。
(1) SFA/CRM内蔵タスク管理(Salesforce、GENIEE等)
すでにSFA(営業支援システム)やCRM(顧客関係管理)を導入している場合は、内蔵のタスク管理機能を活用するのがおすすめです。
SFA/CRM内蔵タスク管理のメリット:
- 顧客・商談情報と連動したタスク管理が可能
- 商談フェーズに応じた自動タスク作成機能
- チーム全体のタスク状況を可視化できる
- 顧客対応の抜け漏れを防止
代表的なツール:
- Salesforce Sales Cloud: 世界シェアNo.1のCRM。AIを活用した自動タスク割り当て機能も搭載
- GENIEE SFA/CRM: 国産SFA。導入企業6,300社の実績。顧客・商談とタスクの連動管理
- Zoho CRM: 顧客情報との統合管理が可能。スケジュール・タスクの一元管理
- Mazrica Sales(旧Senses): 国産SFA。営業フェーズに応じたタスク管理
デメリット:
- SFA/CRM自体の導入コストがかかる
- 機能が多く、使いこなすまでに学習が必要
- 小規模チームにはオーバースペックな場合も
(2) 汎用ツール(Asana、Trello、Notion等)との使い分け
SFA/CRMを導入していない場合や、よりシンプルなツールを求める場合は、汎用のタスク管理ツールが選択肢になります。
代表的な汎用ツール:
- Asana: プロジェクト管理に強い。チームでのタスク共有・進捗管理に向いている
- Trello: カンバン形式で視覚的にタスク管理。シンプルで使いやすい
- Notion: ドキュメント・データベース・タスク管理を統合。カスタマイズ性が高い
- Todoist: 個人のタスク管理に特化。シンプルで軽量
使い分けの目安:
- SFA/CRM導入済み → 内蔵タスク管理機能を活用
- チームでのプロジェクト管理 → Asana、Trello
- 個人のタスク管理 → Todoist、Notion
- ドキュメント管理も統合したい → Notion
ツールなしでの管理方法:
- Excel・スプレッドシート:自由度が高いが、更新が手間
- Googleカレンダー:時間ベースのスケジュール管理に向いている
- 紙のノート・手帳:デジタルが苦手な方向け
※料金・機能は変更される可能性があります。最新情報は各社公式サイトをご確認ください。
5. タスク管理の失敗パターンと対策
タスク管理がうまくいかない典型的なパターンと対策を紹介します。
(1) 詰め込みすぎ・優先順位不明確の罠
失敗パターン1:詰め込みすぎ
- 1日に処理できる量以上のタスクを入れてしまう
- 予期せぬ依頼が入ると、計画が破綻する
- 未完了タスクが積み上がり、モチベーションが低下
対策:
- 1日のタスクは「確実にできる量」の70〜80%に抑える
- 予期せぬ事態に備えてバッファ期間を設ける
- 完了できなかったタスクは翌日に優先度を見直して再設定
失敗パターン2:優先順位が不明確
- すべてのタスクを同じ重要度で扱ってしまう
- 緊急なものから着手し、重要なものが後回しに
- 結果的に成果につながらないタスクに時間を使ってしまう
対策:
- 毎朝「今日の最重要タスク」を3つ決める
- アイゼンハワーマトリックスで分類する習慣をつける
- 売上直結タスクと間接タスクを明確に分ける
(2) ツール導入後の定着率向上のコツ
ツールを導入しても、使われなければ意味がありません。
失敗パターン3:ツールが定着しない
- 最初は使っていたが、いつの間にか使わなくなる
- 入力が面倒で、別の方法で管理してしまう
- ツールの機能を使いこなせていない
定着させるコツ:
- 最初はシンプルな機能だけを使う(全機能を使おうとしない)
- 毎日決まったタイミングで確認・更新する習慣をつける
- チームで使う場合は、共有ルールを明確にする
- 1〜2週間使ってみて、合わなければ別のツールを試す
ツール選定のポイント:
- 自社の業務フローにマッチするか
- 外出先でも使いやすいか(クラウド対応、スマホ対応)
- 既存のツール(CRM、カレンダー等)と連携できるか
- 無料トライアルで実際に試せるか
6. まとめ:効率的なタスク管理のポイント
営業のタスク管理は、成果を出すための基盤となるスキルです。ポイントを整理します。
タスク管理のポイント:
- タスクには期限を設定し、ToDoと区別する
- アイゼンハワーマトリックスで「重要度」と「緊急度」で優先順位付け
- 売上直結タスクを優先し、間接タスクは効率化する
- ツールは自社の業務フローに合ったものを選ぶ
- 詰め込みすぎず、バッファを持ったスケジュールを設定
次のアクション:
- 今日の「最重要タスク」を3つ書き出す
- タスクを「売上直結」と「間接」に分類してみる
- 1週間、ツール(または手帳)でタスク管理を試してみる
- 週末に1週間を振り返り、改善点を見つける
営業のタスク管理は、一度仕組みを作れば日々の業務が楽になります。自分に合った方法を見つけ、継続的に改善していきましょう。
※この記事は2025年11月時点の情報です。ツールの料金・機能は各社公式サイトで最新情報をご確認ください。
よくある質問:
Q: タスクとToDoの違いは? A: タスクは期限付きの具体的な作業、ToDoは期限なしのやるべきことリストです。営業では期限を明確にした「タスク」として管理することが重要です。期限のないToDoは後回しになりやすいためです。
Q: おすすめのタスク管理ツールは? A: SFA/CRMを導入済みなら、内蔵のタスク管理機能を活用するのがおすすめです。顧客・商談情報と連動できるメリットがあります。未導入の場合は、AsanaやNotionなどの汎用ツールが選択肢になります。自社の業務フローとの相性で選定しましょう。
Q: タスク管理が続かない原因は? A: 詰め込みすぎと優先順位不明確が主な原因です。対策として、1日のタスクは「確実にできる量」の70〜80%に抑え、予期せぬ事態に備えてバッファを設けましょう。また、毎朝「今日の最重要タスク」を3つ決める習慣をつけると効果的です。
