営業案件管理とは?効率化の方法・ツール選定・運用のコツを解説

著者: B2Bデジタルプロダクト実践ガイド編集部公開日: 2025/12/6

営業案件管理とは?定義と目的

営業活動で「案件の進捗が分からない」「受注予測が立てられない」「担当者が変わると案件情報が失われる」といった課題を抱えていませんか?

営業案件管理とは、営業活動の進捗状況を可視化し、情報を適切に共有する取組みです。営業の属人化を避けることが目的で、案件の詳細情報(顧客情報、進捗フェーズ、受注確度、見込み売上額等)を管理します。

この記事では、B2B企業の営業担当者・営業マネージャーに向けて、営業案件管理の方法、ツール選定、運用のコツを詳しく解説します。

この記事のポイント:

  • 営業案件管理は進捗可視化・受注予測精度向上・営業プロセス改善を実現する取組み
  • 管理すべき項目は5W1H(いつ・どこで・誰が・何を・なぜ・どのように)+ 受注見込み・予想売上額
  • Excel・スプレッドシートが53.2%で最も標準的だが、SFA/CRMツールでリアルタイム共有・属人化回避が可能
  • ツール導入だけでは効果なし、運用定着が鍵
  • 小規模チーム(5名以下)はExcelで十分、チーム拡大時はSFA/CRMへ移行を検討

(1) 案件管理の定義(進捗可視化・情報共有)

案件管理とは、営業活動の進捗状況を可視化する取組みです。desknet's NEO「案件管理とは?Excelよりも役立つおすすめのツールと導入メリット解説」によれば、案件管理は営業活動を最適化するツールで、属人化を回避し、進捗共有をスムーズにします。

Sansan「営業の案件管理とは?管理項目から効果的な管理法まで完全解説」によれば、案件管理は「いつ・どこで・誰が・何を・どんな原因で・どのように」という5W1Hの情報に加え、受注見込み・予想売上額を管理します。

(2) 営業の属人化を避けることが目的

営業の属人化とは、特定の担当者のみが業務を遂行でき、他の人が代替できない状態です。営業の属人化は引き継ぎ困難・ノウハウ共有不足を招きます。

案件管理により、案件情報をチーム全体で共有し、人事異動・退職時の引き継ぎをスムーズにできます。

(3) パイプライン管理・商談管理との関係

パイプライン管理とは、営業案件を段階別(リード獲得→商談→クロージング→受注)に管理する手法です。商談管理とは、営業案件の進捗状況・受注確度・見込み金額を管理することで、案件管理と同義とされています。

営業案件管理の重要性と効果

Mazrica「営業における案件とは?案件管理のメリットと管理方法も紹介」によれば、営業の属人化を避けるのが案件管理の役割で、受注率向上・属人性排除・業務改善分析がメリットとされています。

(1) 効果1:受注率向上

案件の進捗状況をステータス・受注確度・見込み金額で整理すると、優先順位が明確になります。確度の高い案件にリソースを集中することで、受注率向上が期待できます。

(2) 効果2:属人性排除

案件情報をツールで一元管理することで、属人化を回避できます。担当者が変わっても、過去の商談履歴・顧客の課題・提案内容を引き継げます。

(3) 効果3:業務改善分析

案件管理により、営業プロセスのボトルネックを可視化できます。例えば「ヒアリング→提案の移行率が低い」「見積→契約の期間が長い」等の課題を発見し、改善策を立案できます。

(4) 効果4:受注予測精度向上

案件ごとに受注確度・見込み売上額を管理することで、四半期・年間の受注予測精度が向上します。マネージャーは受注予測に基づき、リソース配分や目標達成施策を検討できます。

案件管理で管理すべき項目(5W1H+受注見込み)

Sansan「営業の案件管理とは?」によれば、案件管理で管理すべき項目は、5W1Hの情報に加え、受注見込み・予想売上額です。

(1) 基本項目(顧客情報・案件名・担当者)

顧客情報:

  • 企業名、担当者名、連絡先、業種、規模

案件名:

  • 「〇〇社 △△システム導入案件」等、分かりやすい名称

担当者:

  • 主担当者、副担当者(引き継ぎ・サポート担当)

(2) 進捗項目(フェーズ・受注確度・受注予定日)

フェーズ(段階):

  • リード獲得→初回接触→ヒアリング→提案→見積→契約→受注の7-10段階
  • 自社の営業プロセスに応じて設定

受注確度:

  • 案件が成約する可能性の高さ。通常、パーセンテージで表現(例: 20%, 50%, 80%)
  • フェーズごとに確度を設定(例: 初回接触20%、ヒアリング40%、提案60%、見積80%、契約90%)

受注予定日:

  • 契約・受注が完了する見込み日

(3) 金額項目(見込み売上額・受注見込み額)

見込み売上額:

  • 案件が成約した場合に得られる予想売上額

受注見込み額:

  • 見込み売上額 × 受注確度で算出
  • 例: 見込み売上額100万円、受注確度60% → 受注見込み額60万円

(4) 営業日ベースでのスケジュール管理

Sansan「営業の案件管理とは?」によれば、スケジュールは営業日ベースで管理すべきとされています(カレンダー日ではなく、土日祝を除いた実働日で計画)。

営業日ベースで管理することで、現実的なスケジュールを立てられます。

案件管理の方法(Excel・SFA・CRM比較)

Sansan「営業の案件管理とは?」によれば、Excel・Google スプレッドシートが53.2%で最も標準的な案件管理方法ですが、SFA/CRMツールで一元管理するとリアルタイム把握・属人化回避が可能とされています。

(1) Excel・Google スプレッドシート(53.2%が利用)

メリット:

  • 手軽に始められる(追加コストなし)
  • 自由にカスタマイズできる
  • ファイル共有で複数人が閲覧可能

デメリット:

  • 更新・共有に手間がかかる(ファイルを開く→編集→保存→共有)
  • リアルタイム把握が難しい(最新版がどれか分からない)
  • 複数人が同時編集すると競合が発生
  • 履歴管理が難しい(誰がいつ変更したか追跡困難)

適用シーン:

  • 小規模チーム(5名以下)
  • 案件数が少ない(月間10件以下)
  • 予算が限られている

(2) SFA(営業支援システム)の特徴

SFA(Sales Force Automation)は、営業活動の計画・実行・分析を支援するツールです。SATORI「【機能比較表あり】SFAとCRMの違いとは? 選び方のポイントは?」によれば、SFAは案件管理・営業支援に強みがあります。

主要機能:

  • 案件管理(進捗・受注確度・見込み金額の可視化)
  • 取引先管理(顧客情報の一元管理)
  • 予実管理(目標達成率の可視化)
  • レポート・ダッシュボード(営業状況のリアルタイム把握)

適用シーン:

  • 中規模チーム(10-50名)
  • 案件数が多い(月間50件以上)
  • 営業プロセスの可視化・改善が必要

(3) CRM(顧客管理システム)の特徴

CRM(Customer Relationship Management)は、顧客情報を一元管理し、営業・マーケティング・サポート活動を効率化するツールです。SATORI「【機能比較表あり】SFAとCRMの違いとは?」によれば、CRMは顧客管理に強みがあります。

主要機能:

  • 顧客情報一元化(基本情報・商談履歴・問い合わせ履歴)
  • 顧客満足度向上(パーソナライズされた対応)
  • マーケティング連携(リード管理・メール配信)

適用シーン:

  • 顧客数が多い(1,000社以上)
  • マーケティング・営業・サポートの連携が必要
  • 顧客満足度向上を重視

(4) 各手法のメリット・デメリット

手法 メリット デメリット 適用シーン
Excel 手軽、無料、カスタマイズ自由 更新・共有に手間、リアルタイム把握困難 小規模チーム(5名以下)
SFA 案件管理に強い、リアルタイム共有、営業プロセス可視化 コストがかかる、操作習得が必要 中規模チーム(10-50名)
CRM 顧客管理に強い、マーケティング連携 案件管理機能は限定的 顧客数が多い企業

※最近のツールはSFAとCRM機能を統合しており、両方の機能を兼ね備えている場合が多いです。

案件管理ツールの選び方とおすすめツール

Mazrica「案件管理ツールおすすめ7選【比較表付き】導入メリット・選び方を解説」によれば、CRM(顧客管理システム)とSFA(営業支援システム)が代表的で、国内だけで40種類以上の製品があるとされています。

(1) ツール選定のポイント(営業プロセス・規模・操作性・コスト)

自社の営業プロセスに合うか:

  • フェーズ設定、受注確度管理、レポート機能が自社の営業スタイルに適合しているか

チーム規模に適しているか:

  • 小規模チーム向け、中規模チーム向け、大企業向けで料金・機能が異なる

操作性:

  • 営業担当者が使いやすいインターフェースか(入力負荷が大きいと定着しない)

既存システムとの連携:

  • メール、カレンダー、名刺管理ツール等との連携性

コスト:

  • 初期費用、月額費用、カスタマイズ費用

サポート体制:

  • 日本語サポート、導入支援、トレーニングの有無

(2) 主要ツール比較(Mazrica Sales・HubSpot・Salesforce等)

以下は主要な案件管理ツールの特徴です(公平性のため複数を紹介します):

Mazrica Sales:

  • 国産SFAツール。案件管理・名刺管理・レポート機能が充実
  • 日本企業の営業プロセスに最適化

HubSpot:

  • 無料プランあり。CRM+MA(マーケティングオートメーション)統合
  • 中小企業向け、使いやすさ重視

Salesforce Sales Cloud:

  • 世界シェアNo.1のSFA/CRM。高度なカスタマイズ可能
  • 大企業向け、高機能

GENIEE SFA/CRM:

  • 国産ツール。直感的な操作性、導入支援が充実
  • 中小企業向け

Sansan:

  • 名刺管理+案件管理。営業活動の効率化に強み
  • 名刺データベースから案件を自動生成

ツールによって機能や価格、対象業種が異なるため、自社の事業規模やニーズに合ったツールを選定する必要があります。

※料金・機能は執筆時点(2024年)の情報です。最新の情報は各社公式サイトをご確認ください。

(3) 無料トライアルで確認すべきこと

案件管理ツールを導入する前に、無料トライアル・デモで以下を確認しましょう:

操作性:

  • 営業担当者が直感的に使えるか
  • 入力項目が多すぎないか(入力負荷が大きいと定着しない)

既存システムとの連携:

  • メール、カレンダー、名刺管理ツールとスムーズに連携できるか

レポート機能:

  • 必要な指標(受注率、案件数、見込み売上額等)をリアルタイムで確認できるか

モバイル対応:

  • スマートフォン・タブレットで外出先から入力・確認できるか

まとめ:案件管理を定着させるコツ

営業案件管理は、進捗可視化・受注予測精度向上・営業プロセス改善を実現する取組みです。管理すべき項目は5W1H + 受注見込み・予想売上額で、Excel・SFA・CRMの中から自社の規模・営業プロセスに合った手法を選びましょう。

ツール導入だけでは効果が出ません。運用定着が鍵です。以下のコツを実践しましょう:

運用定着のコツ:

  • 入力項目を最小限に絞る(多すぎると入力負荷が高まり、定着しない)
  • 入力タイミングを明確化(商談直後、毎週金曜日等)
  • マネージャーが率先して活用する(メンバーの模範となる)
  • 定期的に振り返り、改善する(月次で運用状況を確認)

次のアクション:

  • 自社の営業プロセスを整理し、管理すべき項目を明確化する
  • 現在の案件管理方法(Excel、ツール等)の課題を洗い出す
  • 複数のSFA/CRMツールの無料トライアルを試す
  • 営業担当者の意見を聞き、操作性・入力負荷を確認する
  • 小規模チーム(5名以下)ならExcelから始め、チーム拡大時にSFA/CRMへ移行を検討する

案件管理を定着させて、受注率向上と営業プロセス改善を実現しましょう。

※この記事は2024年時点の情報です。最新の情報は各社公式サイトをご確認ください。

よくある質問

Q1Excelでの案件管理で十分ですか?

A1小規模チーム(5名以下)や案件数が少ない場合はExcelで十分です。ただし、更新・共有に手間がかかり、リアルタイム把握が難しいです。チーム拡大や案件増加時はSFA/CRMへの移行を検討しましょう。

Q2SFAとCRMの違いは?

A2SFAは営業支援・案件管理に強み(案件管理、取引先管理、予実管理)があります。CRMは顧客関係管理に強み(顧客情報一元化、顧客満足度向上)があります。最近は統合されたツールも多く、両機能を兼ね備えています。

Q3案件のフェーズ(段階)はどう設定すればよい?

A3自社の営業プロセスに応じて設定します。一般的には「リード獲得→初回接触→ヒアリング→提案→見積→契約→受注」の7-10段階です。フェーズごとに受注確度を設定し、優先順位を明確化しましょう。

Q4受注確度はどう算出すればよい?

A4フェーズごとに確度を設定します(例: 初回接触20%、ヒアリング40%、提案60%、見積80%、契約90%)。過去の成約データから実績ベースで算出し、定期的に見直すことが推奨されます。

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B2Bデジタルプロダクト実践ガイド編集部

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