営業の基本|初心者が押さえるべきプロセスとスキル

著者: B2Bデジタルプロダクト実践ガイド編集部公開日: 2025/12/6

営業の仕事を始めたけれど、何から覚えればいいか分からない...

B2B企業の新人営業担当者の多くが、「営業プロセス全体を理解できていない」「どのスキルを優先的に磨くべきか分からない」「先輩のマネをしているが体系的な知識がない」といった悩みを抱えています。

この記事では、営業の定義、営業の基本プロセス(6ステップ)、必要な9つのスキル、営業マインドセット、初心者がよくする失敗と対処法を詳しく解説します。

この記事のポイント:

  • 営業の本質は「商品・サービスを通じて顧客とのつながりを構築すること」であり、商品を押し付けるのではなく顧客の課題解決を最優先する
  • 営業活動の3大要素は「行くこと(訪問・アプローチ)」「聞くこと(ヒアリング・傾聴)」「話すこと(提案・プレゼンテーション)」
  • 営業プロセスは6ステップ:リード獲得→アプローチ→商談→クロージング→契約→アフターフォロー、プロセスを可視化することで属人化を防ぐ
  • 営業に必要な9つのスキル:ヒアリング力、論理的思考力、タイムマネジメント力、コミュニケーション能力、計画性、行動力、課題発見力、プレゼンテーション能力、デジタルツール活用力
  • 営業マインドセットは「顧客志向」「前向きさ」「課題解決意識」、営業は「狩猟」ではなく「農業」と捉え長期的な関係構築を重視する

営業とは?仕事内容と6つの営業タイプ

営業の定義、3大要素、営業タイプを理解しましょう。

(1) 営業の定義(顧客とのつながり構築・課題解決)

営業の基本は「商品・サービスを通じて顧客とのつながりを構築すること」です。商品を押し付けるのではなく、顧客の課題解決を最優先する姿勢が重要です。

営業の本質:

  • 顧客のニーズや課題を理解する
  • 最適な商品・サービスを提案して課題を解決する
  • 長期的な信頼関係を築き、顧客満足度を向上させる (出典: Sales Marker「営業ノウハウとは?営業に必要な3大要素【行くこと・聞くこと・話すこと】」)

(2) 営業の3大要素(行くこと・聞くこと・話すこと)

営業活動の3大要素は「行くこと(訪問・アプローチ)」「聞くこと(ヒアリング・傾聴)」「話すこと(提案・プレゼンテーション)」です。この3つをバランスよく実行することが成功の鍵です。

3大要素の詳細:

  • 行くこと(訪問・アプローチ): 見込み客へのアプローチ、訪問活動、関係構築のための行動
  • 聞くこと(ヒアリング・傾聴): 顧客の悩み・課題を聴き出し、ニーズを正確に把握する
  • 話すこと(提案・プレゼンテーション): 顧客のニーズに合った提案を論理的に説明し、納得してもらう (出典: Sales Marker「営業ノウハウとは?営業に必要な3大要素【行くこと・聞くこと・話すこと】」)

(3) 6つの営業タイプ(法人営業・個人営業・代理店営業・ルート営業・新規開拓営業・インバウンド営業)

営業には主に6種類のタイプがあります。企業や商材により営業スタイルが異なります。

営業の6種類:

  • 法人営業(BtoB): 企業や組織を対象とした営業活動
  • 個人営業(BtoC): 個人顧客を対象とした営業活動
  • 代理店営業: パートナー企業を通じて間接的に販売する営業活動
  • ルート営業: 既存顧客を定期的に訪問し、関係を維持・深化させる営業活動
  • 新規開拓営業: 新規顧客を獲得するための営業活動
  • インバウンド営業: 問い合わせを受けてから対応する営業活動 (出典: あしたの人事オンライン「営業とは?営業の仕事内容、必要なスキル、特徴、育成方法を紹介」)

営業の基本プロセス(リード獲得から契約まで6ステップ)

営業プロセスは、見込み客の発掘から成約に至るまでの一連の手順を可視化したものです。プロセスを可視化することで属人化を防ぎ、組織としての再現性を高めます。

(1) ステップ1:リード獲得(見込み客の発掘)

リード獲得は営業活動の起点です。見込み客を発掘し、自社の商品・サービスに興味を持ってもらうための活動です。

リード獲得の主な手法:

  • Web広告、展示会出展、ウェビナー開催
  • メールマーケティング、SEO対策
  • 紹介・リファラル営業 (出典: 営業ラボ「営業プロセスの可視化とは?やり方や売れる仕組み4ステップを図解で解説」)

(2) ステップ2:アプローチ(アポイント取得)

リード獲得後、見込み客にアプローチしてアポイントを取得します。テレアポ、メール営業、訪問営業などの手法があります。

アプローチのポイント:

  • 顧客の課題や関心事を事前に調査する
  • アポイント取得時に商談の目的を明確に伝える
  • 相手の都合に合わせた柔軟な対応を心がける

(3) ステップ3:商談(ヒアリング・ニーズ把握)

商談では、ヒアリングを重視し、顧客のニーズや課題を正確に把握します。一方的な商品説明ではなく、顧客の声に耳を傾けることが重要です。

商談のポイント:

  • ヒアリング力(傾聴力)を発揮し、顧客の悩みや課題を聴き出す
  • 「なぜ」「どのような」「いつまでに」などの質問で深掘りする
  • 顧客の発言をメモし、後で提案に活かす (出典: Salesforce Blog「営業に求められる9つのスキルとは?スキルアップ方法と成功事例も紹介」)

(4) ステップ4:クロージング(提案・契約締結)

ヒアリング結果を踏まえて、顧客のニーズに合った提案を行い、契約締結を目指します。論理的思考力(ロジカルシンキング)を活用し、矛盾のない提案をすることが重要です。

クロージングのポイント:

  • 顧客の課題と自社の提案がどう結びつくかを明確に説明
  • 導入効果(ROI、コスト削減、業務効率化等)を定量的に示す
  • クロージングのタイミングを見極める(顧客の納得感を確認)

(5) ステップ5:契約手続き

契約書の作成、条件交渉、契約締結の手続きを進めます。契約内容を正確に確認し、トラブルを未然に防ぎます。

(6) ステップ6:アフターフォロー(顧客満足度向上)

契約後もアフターフォローを継続し、顧客満足度を向上させます。長期的な関係構築(「農業」型営業)を重視し、リピート受注や追加提案につなげます。

アフターフォローのポイント:

  • 定期的な訪問・連絡で顧客の状況を把握
  • 商品・サービスの活用状況をヒアリングし、追加提案
  • 顧客のフィードバックを収集し、改善に活かす (出典: Salesforce「営業プロセスとは?フレームワークやフロー図、可視化方法を解説」)

営業に必要な9つのスキル

営業職に求められる9つのスキルを詳しく解説します。

(1) ヒアリング力(傾聴力)

ヒアリング力(傾聴力)は、顧客の悩みや課題を聴き出し、顧客が満足する提案をするために必要な能力です。一方的な商品説明ではなく、顧客の声に耳を傾けることが重要です。

ヒアリング力を高めるポイント:

  • オープンクエスチョン(「どのような課題がありますか?」等)で会話を広げる
  • 顧客の発言を遮らず、最後まで聴く
  • 相槌やアイコンタクトで共感を示す (出典: Salesforce Blog「営業に求められる9つのスキルとは?スキルアップ方法と成功事例も紹介」)

(2) 論理的思考力(ロジカルシンキング)

論理的思考力(ロジカルシンキング)は、論理的に情報を整理し、矛盾なく答えを導き出すスキルです。顧客に納得してもらうためには、論理的な説明が不可欠です。

論理的思考力を高めるポイント:

  • PREP法(Point→Reason→Example→Point)で説明する
  • 「なぜならば」「つまり」などの接続詞で論理を明確にする
  • データや事例を活用して根拠を示す (出典: Mazrica「営業に必要な10のスキルとは? スキルアップや可視化の方法を紹介」)

(3) タイムマネジメント力

タイムマネジメント力は、限られた時間で最大限の成果を出すために重要です。営業活動は「訪問」「商談」「資料作成」「報告」など多岐にわたるため、優先順位をつけて効率的に進める必要があります。

タイムマネジメント力を高めるポイント:

  • 1日のスケジュールを事前に計画する
  • 優先度の高いタスクから着手する
  • 移動時間を活用してメール対応や資料作成を行う

(4) コミュニケーション能力

コミュニケーション能力は、顧客との信頼関係を構築するために必須です。言葉遣い、表情、身だしなみ、メールの書き方など、あらゆる場面でコミュニケーションが求められます。

コミュニケーション能力を高めるポイント:

  • 相手の立場に立って話す(顧客視点)
  • ポジティブな表現を使う(「できない」ではなく「〇〇なら可能」)
  • メールは簡潔に、結論ファーストで書く

(5) 計画性

計画性は、営業目標を達成するために必要です。月間・週間・日次の営業計画を立て、KPI(重要業績評価指標)を設定して進捗を管理します。

計画性を高めるポイント:

  • 月次目標をブレイクダウンし、週次・日次の行動計画を策定
  • KPI(訪問件数、商談件数、成約率等)を設定して進捗を可視化
  • 計画と実績を比較し、改善点を洗い出す

(6) 行動力

行動力は、計画を実行に移し、成果を出すために重要です。営業は「行動量」が成果に直結するため、積極的に行動することが求められます。

行動力を高めるポイント:

  • 「まず動く」ことを習慣化する
  • 失敗を恐れず、トライアンドエラーを繰り返す
  • 成功パターンを見つけたら、再現性を高める

(7) 課題発見力

課題発見力は、顧客が明確に認識していない潜在的な課題を見つけ出す能力です。顧客の業務フローや市場環境を分析し、改善提案につなげます。

課題発見力を高めるポイント:

  • 顧客の業界・競合・市場動向を調査する
  • 「現状」と「理想」のギャップを特定する
  • 「なぜそうなっているのか」を深掘りする

(8) プレゼンテーション能力

プレゼンテーション能力は、提案内容を分かりやすく伝えるために必要です。資料作成、話し方、質疑応答のスキルが求められます。

プレゼンテーション能力を高めるポイント:

  • スライドは簡潔に(1スライド1メッセージ)
  • ストーリー性を持たせて話す(課題→解決策→効果)
  • 質疑応答を想定して事前に準備する

(9) デジタルツール活用力(CRM/SFA)

2024年はデジタルツール(CRM/SFA)の活用が必須スキルとして定着し、営業プロセスのデータ分析能力が求められます。顧客情報の一元管理、商談進捗の可視化、データドリブンな営業活動が主流です。

デジタルツール活用力を高めるポイント:

  • CRM/SFA(Salesforce、HubSpot等)の基本操作を習得
  • 顧客情報を正確に入力し、チーム全体で共有
  • レポート・ダッシュボード機能で営業状況を可視化 (出典: あしたの人事オンライン「営業とは?営業の仕事内容、必要なスキル、特徴、育成方法を紹介」)

営業マインドセット(成功するための心構え)

営業活動を成功させるために必要な心構えや考え方を解説します。

(1) 顧客志向の精神(お客様の価値の創造)

営業マインドの基本は「顧客志向の精神」です。営業とは「お客様の価値の創造」であり、商品を押し付けるのではなく、顧客の課題解決を最優先する姿勢が重要です。

顧客志向の実践例:

  • 顧客のニーズを第一に考え、最適な提案をする
  • 短期的な成約よりも、長期的な信頼関係を優先
  • 顧客のフィードバックを真摯に受け止め、改善に活かす (出典: Million Sales「トップセールスの8つの営業マインドセット」)

(2) 前向きさと課題解決意識

前向きさと課題解決意識は、営業マインドを形成する上で非常に重要です。失敗を恐れず、常に改善を意識し、顧客の課題解決に全力を尽くす姿勢が求められます。

前向きさを保つポイント:

  • 失敗を成長の機会と捉える
  • 成功体験を積み重ね、自信を持つ
  • 課題解決に向けて主体的に行動する

(3) 営業は「狩猟」ではなく「農業」(長期的な関係構築)

営業は「狩猟」ではなく「農業」と捉えることが重要です。短期的な成約(狩猟)を追うのではなく、長期的な関係構築(農業・種まき)を重視し、顧客との信頼関係を育てます。

「農業」型営業の実践:

  • 定期的な訪問・連絡で関係を維持
  • 顧客の成長を支援し、共に成功を目指す
  • リピート受注や追加提案につなげる (出典: アルー「営業マインドとは?できる営業が持っているマインドと身につける方法」)

(4) 小さな約束を守り信頼を積み重ねる

小さな約束を守り続けることで顧客の信頼を積み重ね、信頼関係が成約につながります。約束を守ることは営業の基本中の基本です。

信頼を積み重ねる実践例:

  • 「〇日までに資料を送ります」→必ず期限を守る
  • 「〇時に訪問します」→時間通りに訪問する
  • 「〇〇を確認します」→確実にフォローアップする

初心者がよくする失敗と対処法

営業初心者がよくする失敗パターンと、その対処法を紹介します。

(1) 一方的な商品説明(対処法:ヒアリングを重視)

ヒアリングを軽視して一方的に商品説明をすると、顧客のニーズを把握できず成約率が低下します。

対処法:

  • ヒアリングに時間を割く(商談時間の7割をヒアリングに充てる)
  • オープンクエスチョンで顧客の課題を引き出す
  • 顧客の発言をメモし、提案に活かす

(2) 営業プロセスの属人化(対処法:プロセスを可視化)

営業プロセスを可視化しないと属人化が進み、特定の営業担当が抜けた途端に業績が落ちる可能性があります。

対処法:

  • 営業プロセスを6ステップで可視化(リード獲得→アプローチ→商談→クロージング→契約→アフターフォロー)
  • 各ステップでのKPIを設定し、進捗を管理
  • CRM/SFAツールで顧客情報を一元管理 (出典: 営業ラボ「営業プロセスの可視化とは?やり方や売れる仕組み4ステップを図解で解説」)

(3) 顧客のニーズを把握しない提案(対処法:課題解決意識を持つ)

スキルだけでなくマインドセットも重要で、両方が揃わないと営業力は向上しません。顧客のニーズを把握せずに提案すると、的外れな内容になります。

対処法:

  • 課題解決意識を持ち、「顧客のために何ができるか」を常に考える
  • 提案前に顧客の課題を明確化する
  • 顧客の「現状」と「理想」のギャップを特定し、そのギャップを埋める提案をする

まとめ:営業の基本を身につけて成果を出すために

営業の定義、営業の基本プロセス(6ステップ)、必要な9つのスキル、営業マインドセット、初心者がよくする失敗と対処法を解説しました。

営業の基本を身につけるポイント:

  • 営業の本質は「顧客とのつながり構築・課題解決」、商品を押し付けるのではなく顧客志向を貫く
  • 営業プロセス6ステップ(リード獲得→アプローチ→商談→クロージング→契約→アフターフォロー)を可視化し、属人化を防ぐ
  • 9つのスキル(ヒアリング力、論理的思考力、タイムマネジメント力、コミュニケーション能力、計画性、行動力、課題発見力、プレゼンテーション能力、デジタルツール活用力)をバランスよく磨く
  • 営業マインドセット(顧客志向、前向きさ、課題解決意識、「農業」型営業)を身につける

次のアクション:

  • 営業プロセスの6ステップを理解し、自分がどのステップにいるか常に意識する
  • ヒアリング力を優先的に磨く(商談時間の7割をヒアリングに充てる)
  • CRM/SFAツールの基本操作を習得し、顧客情報を正確に入力する
  • 小さな約束を必ず守り、顧客との信頼関係を積み重ねる
  • 定期的に営業活動を振り返り、改善点を洗い出す(PDCAサイクルを回す)

営業スキルやマインドセットは業種・企業文化・商材により適用方法が異なるため、自社の状況に応じた調整が必要です。焦らず、着実に基本を身につけましょう。

※この記事は2024年11月時点の情報です。営業手法やツールは時代とともに変化するため、定期的な見直しと最新トレンドへの対応を推奨します。

よくある質問

Q1営業に必要なスキルは何ですか?

A19つのスキルが重要です。①ヒアリング力(傾聴力)、②論理的思考力(ロジカルシンキング)、③タイムマネジメント力、④コミュニケーション能力、⑤計画性、⑥行動力、⑦課題発見力、⑧プレゼンテーション能力、⑨デジタルツール活用力(CRM/SFA)。これらをバランスよく磨くことが成果につながります。

Q2営業プロセスとは何ですか?

A2見込み客の発掘から成約に至るまでの一連の手順を可視化したものです。6ステップ:リード獲得→アプローチ→商談→クロージング→契約→アフターフォロー。プロセスを可視化することで属人化を防ぎ、組織としての再現性を高めます。

Q3営業戦略と営業戦術の違いは何ですか?

A3営業戦略は長期的な方針・方向性(例:新規市場への進出、既存顧客の深掘り)を指します。営業戦術は戦略を実現するための具体的な手段・行動(例:テレアポ、メール営業、訪問頻度)です。戦略なき戦術は効果が低いため、まず戦略を明確にすることが重要です。

Q4営業マインドセットとは何ですか?

A4営業活動を成功させるために必要な心構えや考え方です。基本は「顧客志向の精神」と「前向きさ」。営業は「お客様の価値の創造」であり、商品を押し付けるのではなく顧客の課題解決を最優先する姿勢が重要です。

Q5営業にはどのような種類がありますか?

A5主に6種類あります。①法人営業(BtoB)、②個人営業(BtoC)、③代理店営業(パートナー経由)、④ルート営業(既存顧客訪問)、⑤新規開拓営業(新規顧客獲得)、⑥インバウンド営業(問い合わせ対応)。企業や商材により営業スタイルが異なります。

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B2Bデジタルプロダクト実践ガイド編集部

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