SaaSとPaaSの違いとは?クラウドサービスの種類と選び方を解説

著者: B2Bデジタルプロダクト実践ガイド編集部公開日: 2025/12/22

クラウドサービスの分類とは?SaaS・PaaS・IaaSの基本

「SaaS」「PaaS」「IaaS」という言葉を耳にするものの、具体的に何が違うのか分からない――。クラウドサービスの導入を検討するB2B企業のIT担当者や開発者にとって、この3つの違いを正しく理解することは、適切なサービス選定の第一歩です。

総務省の調査(2021年)によると、国内企業の68.7%がクラウドサービスを利用しており、そのうち87.1%が「効果あり」と回答しています。クラウドサービスは今やビジネスインフラの標準となっていますが、SaaS・PaaS・IaaSの違いを理解せずに導入すると、期待した効果が得られない可能性があります。

この記事では、SaaS・PaaS・IaaSの基本概念から、それぞれの特徴、代表的なサービス例、選定ポイントまで詳しく解説します。

この記事のポイント:

  • SaaS・PaaS・IaaSはクラウドサービスの3つのサービスモデルで、提供される領域が異なる
  • IaaSはインフラのみ、PaaSはOS・ミドルウェアまで、SaaSはソフトウェアまで提供
  • 自由度はIaaS > PaaS > SaaSの順に高く、カスタマイズ要求に応じて選択
  • SaaSは即座に利用可能(Gmail、Office 365等)、PaaSは開発環境構築を短縮、IaaSは高度なカスタマイズが可能
  • 選定は自社の開発能力、カスタマイズ要求、導入スピードを基準に判断

(1) クラウドコンピューティングの3つのサービスモデル

クラウドサービスは、提供される領域の違いにより、以下の3つのサービスモデルに分類されます。

SaaS(Software as a Service):

  • ソフトウェアをインターネット経由で提供
  • ユーザーはブラウザからアクセスし、インストール不要で即座に利用可能

PaaS(Platform as a Service):

  • アプリケーション開発・実行に必要なプラットフォーム(OS、ミドルウェア、開発環境等)をインターネット経由で提供
  • 開発者はインフラ管理不要で、アプリケーション開発に集中できる

IaaS(Infrastructure as a Service):

  • 仮想サーバ、ストレージ、ネットワーク等のITインフラをインターネット経由で提供
  • ユーザーはOS・ミドルウェアを自由に選択・カスタマイズできる

これら3つのモデルは、「何をクラウド事業者が管理し、何を利用者が管理するか」という責任分界点が異なります。次のセクションで詳しく見ていきましょう。

(2) 提供範囲の違い|何がベンダー管理で何が自社管理か

SaaS・PaaS・IaaSの最大の違いは、「どこまでをクラウド事業者が管理し、どこから先を利用者が管理するか」という責任分界点にあります。

IaaS(インフラのみ提供):

  • クラウド事業者が管理: 物理サーバ、ストレージ、ネットワーク、仮想化基盤
  • 利用者が管理: OS、ミドルウェア、アプリケーション、データ

PaaS(プラットフォームまで提供):

  • クラウド事業者が管理: 物理サーバ、ストレージ、ネットワーク、OS、ミドルウェア、開発環境
  • 利用者が管理: アプリケーション、データ

SaaS(ソフトウェアまで提供):

  • クラウド事業者が管理: 物理サーバ、ストレージ、ネットワーク、OS、ミドルウェア、アプリケーション
  • 利用者が管理: データのみ(または設定のみ)

このように、SaaSに近づくほどクラウド事業者の管理範囲が広がり、利用者の負担は減少します。一方、IaaSに近づくほど自由度が高まり、カスタマイズの幅が広がります。

(3) 国内企業のクラウド利用状況|68.7%が利用、87.1%が効果実感

総務省の「令和3年版 情報通信白書」によると、国内企業のクラウドサービス利用率は68.7%に達しています。クラウドサービスを利用している企業のうち、87.1%が「効果あり」と回答しており、ビジネスインフラとしての有用性が広く認識されています。

クラウドサービスの主な用途(上位5項目):

  1. ファイル保管・データ共有(59.4%)
  2. 電子メール(50.3%)
  3. サーバ利用(46.9%)
  4. 社内情報共有・ポータル(39.5%)
  5. 給与、財務会計、人事(32.4%)

このうち、ファイル保管・データ共有、電子メール、社内情報共有はSaaSが主流、サーバ利用はIaaS・PaaSが主流です。用途によって適切なサービスモデルが異なることが分かります。

次のセクションでは、SaaS・PaaS・IaaSそれぞれの特徴を詳しく解説します。

SaaSとは?すぐ使えるソフトウェアサービスの特徴

SaaS(Software as a Service)は、ソフトウェアをインターネット経由で提供するサービスモデルです。ユーザーはブラウザからアクセスするだけで、インストール不要で即座に利用できます。

(1) SaaSの定義|ソフトウェアをブラウザ経由で提供

SaaSは、従来のパッケージソフトウェア(CD-ROMやダウンロードでインストール)と異なり、インターネット経由でソフトウェア機能を提供します。

SaaSの特徴:

  • ブラウザからアクセス(Google Chrome、Microsoft Edge等)
  • インストール不要、初期設定が最小限
  • 月額・年額のサブスクリプション課金が一般的
  • アップデートはベンダー側が自動実施

利用者の視点:

  • ソフトウェアのライセンス管理不要
  • バージョンアップ作業不要(常に最新版を利用)
  • デバイス(PC、スマホ、タブレット)を問わずアクセス可能

(2) SaaSのメリット|即座に利用可能、初期費用が低い

SaaSの最大のメリットは、「すぐに使い始められる」ことです。

主なメリット:

  • 即座に利用開始: アカウント登録後、数分〜数十分で利用可能
  • 初期費用が低い: サーバ購入・ソフトウェアライセンス購入不要
  • 運用負担が少ない: バックアップ、セキュリティパッチ適用、障害対応はベンダー側が実施
  • スケーラビリティ: ユーザー数・データ量の増減に柔軟に対応

B2B企業での活用例:

  • CRM(Salesforce)で顧客管理
  • コミュニケーションツール(Slack、Microsoft Teams)で社内連携
  • ファイル共有(Dropbox、Google Drive)でリモートワーク対応

(3) SaaSのデメリット|カスタマイズ自由度が低い

一方で、SaaSには制約もあります。

主なデメリット:

  • カスタマイズ自由度が低い: 提供される機能の範囲内でしか利用できない
  • データの所在: ベンダーのサーバにデータが保管されるため、セキュリティ・コンプライアンス要件を確認必要
  • ベンダーロックイン: 他社サービスへの移行が困難な場合がある
  • カスタマイズが必要な特殊要件には不向き: 業界特有の要件がある場合、SaaSでは対応できないケースも

対策:

  • 導入前にセキュリティポリシー、SLA(サービスレベル契約)を確認
  • データエクスポート機能の有無を確認(移行可能性の担保)
  • 無料トライアルで実際の機能を試す

(4) SaaSの代表例|Gmail、Office 365、Salesforce、Zoom、Dropbox

代表的なSaaSサービスを以下に示します。

コミュニケーション:

  • Gmail(Google Workspace): ビジネスメール
  • Microsoft 365(旧Office 365): メール・Office アプリ
  • Slack、Microsoft Teams: チャット・ビデオ会議
  • Zoom: ビデオ会議

業務管理:

  • Salesforce: CRM(顧客関係管理)
  • HubSpot: マーケティングオートメーション
  • kintone: 業務アプリ作成プラットフォーム

ファイル共有:

  • Dropbox、Google Drive、OneDrive: クラウドストレージ

これらのSaaSは、B2B企業の業務効率化に広く活用されています。

次のセクションでは、PaaSの特徴を解説します。

PaaSとは?開発プラットフォーム提供サービスの特徴

PaaS(Platform as a Service)は、アプリケーション開発・実行に必要なプラットフォーム(OS、ミドルウェア、開発環境等)をインターネット経由で提供するサービスモデルです。

(1) PaaSの定義|OS・ミドルウェアを含む開発環境を提供

PaaSは、IaaS(インフラのみ提供)とSaaS(ソフトウェアまで提供)の中間に位置します。

PaaSが提供するもの:

  • OS(Operating System): Linux、Windowsなど
  • ミドルウェア: データベース(MySQL、PostgreSQL等)、Webサーバ(Apache、Nginx等)
  • 開発環境: プログラミング言語ランタイム(Python、Ruby、Node.js等)、開発ツール

利用者が行うこと:

  • アプリケーションコードの開発・デプロイ
  • データの管理
  • アプリケーションの設定

利用者が不要なこと:

  • サーバの物理的な管理
  • OSのインストール・パッチ適用
  • ミドルウェアのセットアップ・運用管理

(2) PaaSのメリット|開発環境構築の時間短縮、インフラ管理不要

PaaSの最大のメリットは、「開発環境をゼロから構築する手間が不要」な点です。

主なメリット:

  • 開発環境構築の時間短縮: 通常数日〜数週間かかる環境構築が数分〜数時間で完了
  • インフラ管理不要: OS・ミドルウェアの運用管理はベンダー側が実施
  • スケーラビリティ: アクセス増加時に自動でリソースを拡張(オートスケーリング)
  • 開発に集中できる: インフラ周りの作業から解放され、アプリケーション開発に専念

B2B企業での活用例:

  • 新規Webサービスの開発・運用
  • 社内業務アプリケーションの開発(kintone等のローコード・ノーコードPaaS)
  • モバイルアプリのバックエンド開発

(3) PaaSのデメリット|プラットフォーム仕様に制約される

PaaSは便利ですが、プラットフォームの仕様に制約される点に注意が必要です。

主なデメリット:

  • プラットフォーム仕様に依存: 使用できるプログラミング言語・フレームワークがPaaSにより異なる
  • カスタマイズ自由度が限定的: IaaSと比べて、OS・ミドルウェアの細かい設定変更ができない
  • ベンダーロックイン: 他のPaaSやIaaSへの移行が困難な場合がある
  • 特殊な動作環境には不向き: 特殊なライブラリや独自OS環境が必要な場合、PaaSでは対応できない

対策:

  • 導入前に開発要件(言語・フレームワーク・ミドルウェア)とPaaSの仕様を照合
  • 将来の移行可能性を考慮し、標準的な技術スタックを選択
  • 無料枠や無料トライアルで動作検証

(4) PaaSの代表例|AWS Elastic Beanstalk、Google App Engine、サイボウズkintone

代表的なPaaSサービスを以下に示します。

汎用PaaS(Web/モバイルアプリ開発):

  • AWS Elastic Beanstalk(Amazon Web Services): Java、.NET、PHP、Node.js、Python、Ruby、Go等に対応
  • Google App Engine(Google Cloud Platform): Python、Java、Node.js、Go、PHP、Ruby等に対応
  • Azure App Service(Microsoft Azure): .NET、Java、Node.js、Python、PHP等に対応
  • Heroku: Ruby、Node.js、Python、Java、PHP、Go等に対応

ローコード・ノーコードPaaS(業務アプリ開発):

  • サイボウズ kintone: ドラッグ&ドロップで業務アプリを作成
  • Microsoft Power Apps: Office 365連携の業務アプリ開発

専門PaaS:

  • Firebase(Google): モバイルアプリ向けバックエンド
  • Salesforce Platform(旧Force.com): Salesforce上でカスタムアプリ開発

B2B企業では、開発要件に応じて適切なPaaSを選定することが重要です。

次のセクションでは、IaaSの特徴を解説します。

IaaSとは?インフラ提供サービスの特徴

IaaS(Infrastructure as a Service)は、仮想サーバ、ストレージ、ネットワーク等のITインフラをインターネット経由で提供するサービスモデルです。

(1) IaaSの定義|仮想サーバ・ストレージ・ネットワークを提供

IaaSは、物理的なサーバやネットワーク機器を仮想化し、インターネット経由で提供します。

IaaSが提供するもの:

  • 仮想サーバ(VM: Virtual Machine): CPUコア数、メモリ容量、ストレージ容量を選択可能
  • ストレージ: ブロックストレージ、オブジェクトストレージ
  • ネットワーク: 仮想ネットワーク、ロードバランサー、ファイアウォール

利用者が行うこと:

  • OSのインストール・設定
  • ミドルウェア(Webサーバ、データベース等)のインストール・設定
  • アプリケーションのデプロイ・運用
  • セキュリティパッチ適用、バックアップ設定

利用者が不要なこと:

  • 物理サーバの購入・設置
  • データセンターの運用(空調、電源、物理セキュリティ等)
  • ハードウェア障害対応

(2) IaaSのメリット|最も自由度が高い、カスタマイズ可能

IaaSの最大のメリットは、「自由度の高さ」です。

主なメリット:

  • 最も自由度が高い: OS、ミドルウェア、ネットワーク構成を自由に選択・カスタマイズ可能
  • オンプレミスからの移行が容易: 既存システムをそのまま仮想環境に移行(リフト&シフト)できる
  • スケーラビリティ: 必要に応じてサーバのスペック(CPUコア数、メモリ容量等)を変更可能
  • 初期費用削減: 物理サーバ購入不要、従量課金で利用

B2B企業での活用例:

  • 基幹系システム(ERP、CRM等)のクラウド移行
  • 大規模なデータ処理・分析基盤の構築
  • 特殊なOS・ミドルウェア要件があるシステムの運用

(3) IaaSのデメリット|OS・ミドルウェアの管理は自社責任

自由度が高い反面、運用管理の負担も大きくなります。

主なデメリット:

  • 運用管理負担が大きい: OS・ミドルウェアのパッチ適用、セキュリティ設定、バックアップ等は利用者の責任
  • 専門知識が必要: インフラエンジニアのスキルが求められる
  • 初期構築に時間がかかる: OS・ミドルウェアのセットアップに数日〜数週間かかることも
  • セキュリティリスク: 設定ミスによる情報漏洩リスク(利用者側の責任範囲が広い)

対策:

  • マネージドサービス(RDS、ElastiCache等)を活用し、運用負担を軽減
  • クラウド事業者の設計ベストプラクティスに従う
  • セキュリティ診断・脆弱性スキャンを定期実施

(4) IaaSの代表例|AWS EC2、Microsoft Azure、Google Compute Engine

代表的なIaaSサービスを以下に示します。

主要IaaSプロバイダー:

  • Amazon Web Services(AWS): EC2(仮想サーバ)、S3(オブジェクトストレージ)、VPC(仮想ネットワーク)
  • Microsoft Azure: Virtual Machines、Blob Storage、Virtual Network
  • Google Cloud Platform(GCP): Compute Engine、Cloud Storage、Virtual Private Cloud

国内IaaSプロバイダー:

  • さくらのクラウド
  • GMO クラウド
  • ニフクラ(富士通クラウドテクノロジーズ)

B2B企業では、グローバル展開の有無、サポート体制、料金体系を比較し、最適なIaaSプロバイダーを選定することが重要です。

次のセクションでは、SaaS・PaaS・IaaSの選び方を解説します。

SaaS・PaaS・IaaSの選び方|責任分界点と自由度で判断

SaaS・PaaS・IaaSのどれを選ぶかは、自社の開発能力、カスタマイズ要求、導入スピードにより判断します。

(1) 選定の3つの判断軸|自由度・開発能力・導入スピード

以下の3つの軸で比較すると、選定がしやすくなります。

1. 自由度・カスタマイズ性:

  • IaaS: 最も自由度が高い(OS・ミドルウェアを自由に選択)
  • PaaS: 中程度(プラットフォーム仕様の範囲内で開発)
  • SaaS: 最も自由度が低い(提供される機能の範囲内で利用)

2. 開発能力・運用スキル:

  • IaaS: インフラエンジニアのスキルが必要(OS・ミドルウェアの運用管理)
  • PaaS: アプリケーション開発スキルがあればOK(インフラ管理は不要)
  • SaaS: 特別なスキル不要(ブラウザ操作のみ)

3. 導入スピード:

  • SaaS: 最も早い(アカウント登録後、数分〜数十分で利用可能)
  • PaaS: 早い(開発環境構築が数分〜数時間)
  • IaaS: 遅い(OS・ミドルウェアのセットアップに数日〜数週間)

これらの軸で自社の要件を整理し、最適なサービスモデルを選択しましょう。

(2) SaaSを選ぶべきケース|すぐに使えるアプリが必要

SaaSを選ぶべきケースは、以下の通りです。

SaaSが適しているケース:

  • すぐに使えるアプリケーションが必要(メール、ファイル共有、CRM等)
  • カスタマイズ要求が少ない(標準機能で業務が回る)
  • 初期費用を抑えたい
  • IT部門のリソースが限られている(運用負担を減らしたい)

具体例:

  • メール・グループウェア(Gmail、Microsoft 365)
  • ファイル共有(Dropbox、Google Drive)
  • CRM(Salesforce、HubSpot)
  • ビデオ会議(Zoom、Microsoft Teams)

B2B企業の多くは、バックオフィス業務(メール、ファイル共有、会計ソフト等)でSaaSを活用しています。

(3) PaaSを選ぶべきケース|開発環境を短期間で構築したい

PaaSを選ぶべきケースは、以下の通りです。

PaaSが適しているケース:

  • 新規Webアプリ・モバイルアプリを開発したい
  • 開発環境の構築時間を短縮したい
  • インフラ運用の負担を減らしたい
  • 標準的な技術スタック(Python、Node.js等)で開発できる

具体例:

  • 新規SaaSプロダクトの開発(スタートアップ)
  • 社内業務アプリの開発(kintone等のローコードPaaS)
  • モバイルアプリのバックエンド開発(Firebase)

B2B SaaS企業やスタートアップでは、PaaSを活用することで開発スピードを大幅に向上できます。

(4) IaaSを選ぶべきケース|特殊な環境や高度なカスタマイズが必要

IaaSを選ぶべきケースは、以下の通りです。

IaaSが適しているケース:

  • 特殊なOS・ミドルウェアが必要(PaaSでサポートされていない技術スタック)
  • 高度なカスタマイズが必要(ネットワーク構成、セキュリティ設定等)
  • 既存オンプレミスシステムをクラウドに移行したい(リフト&シフト)
  • インフラエンジニアのリソースがある

具体例:

  • 基幹系システム(ERP、生産管理システム等)のクラウド移行
  • 大規模データ処理・分析基盤(Hadoop、Spark等)
  • 特殊なライブラリや独自OS環境が必要なシステム

B2B企業の中でも、特に製造業や金融業では、基幹系システムのクラウド移行にIaaSを選択するケースが多く見られます。

(5) ハイブリッド・マルチクラウド戦略|複数を組み合わせる

実際には、SaaS・PaaS・IaaSを組み合わせて利用する「ハイブリッド戦略」が一般的です。

ハイブリッドクラウドの例:

  • バックオフィス業務はSaaS(Gmail、Salesforce)
  • 新規Webサービス開発はPaaS(Heroku、AWS Elastic Beanstalk)
  • 基幹系システムはIaaS(AWS EC2、Azure VM)
  • 機密性の高いデータはオンプレミスで保管

マルチクラウドの例:

  • 主要システムはAWS、バックアップはAzure
  • データ分析はGCP、Webアプリ開発はAWS

注意点:

  • ベンダーロックインリスクを考慮(特定クラウドに過度に依存しない)
  • 複数クラウドの運用管理コストが増加する可能性
  • データ移行・連携の技術的ハードルを事前確認

次のセクションでまとめます。

まとめ|目的別クラウドサービスの使い分け

SaaS・PaaS・IaaSは、それぞれ提供される領域と責任分界点が異なるクラウドサービスの3つのサービスモデルです。自社の開発能力、カスタマイズ要求、導入スピードに応じて、最適なモデルを選択することが重要です。

選定の目安:

  • SaaS: すぐに使えるアプリが必要、カスタマイズ要求が少ない、初期費用を抑えたい
  • PaaS: 開発環境を短期構築したい、インフラ管理不要でアプリ開発に集中したい
  • IaaS: 特殊な環境や高度なカスタマイズが必要、既存システムをクラウド移行したい

重要なポイント:

  • 自由度はIaaS > PaaS > SaaSの順に高く、運用負担もIaaS > PaaS > SaaSの順に大きい
  • SaaSは即座に利用可能、PaaSは開発環境構築を短縮、IaaSは最も柔軟
  • 実際にはSaaS・PaaS・IaaSを組み合わせるハイブリッド戦略が一般的
  • ベンダーロックインリスク、セキュリティ、SLA(サービスレベル契約)を事前確認

次のアクション:

  • 自社の要件(開発能力、カスタマイズ要求、導入スピード)を整理する
  • 複数のクラウドサービスプロバイダー(AWS、Azure、GCP等)の料金・機能を比較する
  • 無料枠・無料トライアルで実際に動作検証を行う
  • セキュリティポリシー、SLA、データ移行可能性を確認する

クラウドサービスは今やビジネスインフラの標準となっています。SaaS・PaaS・IaaSの違いを正しく理解し、自社に最適なサービスを選定することで、業務効率化とコスト削減を実現しましょう。

※この記事は2025年12月時点の情報です。クラウドサービスの仕様・料金は変更される可能性があるため、最新情報は各社公式サイトをご確認ください。

よくある質問

Q1SaaS、PaaS、IaaSの最大の違いは?

A1提供される領域の違いです。IaaSはインフラのみ、PaaSはOS・ミドルウェアまで、SaaSはソフトウェアまで提供します。自由度はIaaS > PaaS > SaaSの順に高く、運用負担も同じ順に大きくなります。

Q2どのクラウドサービスを選べばよい?

A2自社の開発能力、カスタマイズ要求、導入スピードで判断します。すぐ使えるアプリが必要ならSaaS、開発環境を短期構築したいならPaaS、高度なカスタマイズが必要ならIaaSを選択するのが適切です。

Q3PaaSとIaaSで迷う場合の判断基準は?

A3提供するWebアプリやサービスがどれだけ特殊な開発環境・動作環境を必要とするかで判断します。標準的な技術スタック(Python、Node.js等)で動作するならPaaS、特殊なライブラリや独自OS環境が必要ならIaaSを選択しましょう。

Q4複数のクラウドサービスを組み合わせられる?

A4可能です。SaaSとPaaS、IaaSとSaaSを組み合わせるハイブリッドクラウド、複数ベンダーを併用するマルチクラウドが一般的です。ただし、ベンダーロックインリスクと運用管理コストには注意が必要です。

Q5クラウドサービスのセキュリティは大丈夫?

A5クラウド事業者のセキュリティ対策と利用者側の運用管理が重要です。SLA(サービスレベル契約)で可用性・セキュリティ基準を確認し、適切な事業者を選定すれば、オンプレミスと同等以上の安全性が期待できます。

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B2Bデジタルプロダクト実践ガイド編集部

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