Pardotを使っているけれど、Google Analyticsとの連携方法がわからない...
Pardot(Account Engagement)を導入してマーケティング活動を効率化している企業の多くが、「Google Analyticsと連携してキャンペーン効果をもっと詳しく測定したい」と考えています。「どう設定すればいいの?」「連携するとどんなデータが取れるの?」「GA4にも対応しているの?」といった疑問は尽きません。
この記事では、PardotとGoogle Analyticsの連携方法を、中堅〜大企業のマーケティング担当者・デジタルマーケター向けに詳しく解説します。
この記事のポイント:
- Google Analytics ConnectorでUTMパラメータを自動記録し、ファーストタッチを追跡できる
- PardotとGA4の統合が可能で、iframeフォーム内のイベント追跡など高度なトラッキングに対応
- UTMパラメータ情報をSalesforceと同期し、レポートやダッシュボードで活用できる
- PardotとGoogle Analyticsでセッション定義が異なるため、データ差異が発生する可能性がある
- すべてのPardotエディションで利用可能
1. PardotとGoogle Analytics連携の必要性と期待できる効果
(1) マーケティング施策の効果測定を強化する
Pardot単体でもマーケティング施策の効果測定は可能ですが、Google Analyticsと連携することで、以下のような詳細な分析が可能になります:
連携により実現できること:
- キャンペーンごとの流入元(検索エンジン、SNS、広告等)を正確に把握
- ファーストタッチ(初回訪問時のアクセス情報)を記録し、リードソースを可視化
- Webサイト内の行動データとマーケティング施策を紐づけて分析
(2) アトリビューション分析による広告ROIの可視化
マルチチャネルアトリビューション分析により、複数の接点を経て成約に至った顧客の経路を可視化できます:
アトリビューション分析のメリット:
- どのチャネル(検索広告、SNS広告、メール等)が成約に貢献したかを把握
- 広告予算の最適配分を判断するデータが得られる
- UTMパラメータを活用した正確なROI測定
(3) SalesforceとGA4のデータを統合して意思決定を高度化
PardotとGoogle Analyticsのデータを統合することで、マーケティングと営業の全体像を可視化できます:
統合のメリット:
- マーケティング部門が獲得したリードの質(セッション数、滞在時間等)を分析
- 営業部門の商談結果とマーケティング接点を紐づけて分析
- Einstein Analyticsと組み合わせることで、Google Analyticsだけでは見えない真の広告ROIを把握
2. Google Analytics Connectorの基本知識とGA4対応
(1) Google Analytics Connectorとは(仕組みと役割)
Google Analytics Connectorは、PardotとGoogle Analyticsを連携し、UTMパラメータを読み取る機能です。
仕組み:
- Pardotのフォームやランディングページに訪問した際、URLのUTMパラメータを自動的に読み取る
- 読み取った情報をPardotプロスペクトレコードに記録
- Salesforceと同期することで、レポートやダッシュボードで活用可能
重要な注意点:
- Google Analytics Connectorは実際のデータプッシュ/プルを行わない
- UTMパラメータを読み取るだけで、Google Analyticsのデータを直接Pardotに取り込むわけではない
(2) UTMパラメータの自動記録とファーストタッチ追跡
Google Analytics Connectorは、以下のUTMパラメータを自動的に読み取り、Pardotプロスペクトに記録します:
記録されるUTMパラメータ:
- campaign: キャンペーン名(例:spring_sale_2024)
- medium: メディアタイプ(例:cpc、email、social)
- source: 流入元(例:google、facebook、newsletter)
- content: 広告コンテンツ(例:banner_a、text_ad)
- term: 検索キーワード(例:marketing_automation)
ファーストタッチ追跡:
- プロスペクトが初めてサイトを訪問した際のアクセス情報を記録
- 既存プロスペクトには遡及適用されず、新規訪問者のみが対象
(3) GA4への対応状況とユニバーサルアナリティクスとの違い
Google AnalyticsはGA4(Google Analytics 4)に完全移行しています。PardotもGA4との統合が可能です。
GA4統合の新機能(2023-2024年):
- iframeフォーム内のフォーム送信イベントを追跡可能
- エンゲージメント指標の詳細分析
- ユーザー行動の高度なトラッキング
ユニバーサルアナリティクスとの違い:
- GA4はイベントベースのトラッキング(ページビューもイベントとして扱う)
- プライバシー保護機能が強化され、Cookie規制に対応
- 設定方法がユニバーサルアナリティクスと異なるため、GA4を前提とした設定が必要
(4) すべてのPardotエディションで利用可能
Google Analytics Connectorは、すべてのPardotエディション(Growth、Plus、Advanced、Premium)で利用可能です。追加費用は発生しません。
3. 連携設定の具体的な手順(UTMパラメータ・トラッキングコード)
(1) Google Analytics Connectorのセットアップ手順
設定手順の概要:
- Pardot管理画面にログイン
- 「Admin」→「Connectors」→「+ Add Connector」をクリック
- 「Google Analytics」を選択
- 「Create Connector」をクリック
- セットアップ完了
注意点:
- UIは定期的に更新される可能性があるため、最新の設定手順はSalesforce公式ヘルプで確認を推奨
- 設定自体は簡単で、数分で完了します
(2) UTMパラメータ(campaign・medium・source・content・term)の設定
Google Analytics Connectorが自動的にUTMパラメータを読み取るため、手動設定は不要です。ただし、キャンペーンURLには正確なUTMパラメータを含める必要があります。
UTMパラメータの例:
https://example.com/lp?utm_source=google&utm_medium=cpc&utm_campaign=spring_sale_2024&utm_content=banner_a&utm_term=marketing_automation
パラメータ設定のポイント:
- キャンペーンごとに一貫した命名規則を使用(例:
{season}_{event}_{year}) - mediumは標準的な値を使用(cpc、email、social、organic等)
- sourceは具体的な流入元を記載(google、facebook、newsletter等)
(3) トラッキングコードをPardotフォーム・ランディングページに埋め込む
Google Analyticsのトラッキングコードは、Pardotのフォームやランディングページなどすべてのアセットに含める必要があります。
トラッキングコードの埋め込み:
- Google Analytics(GA4)でトラッキングコードを取得
- Pardotフォームやランディングページのヘッダー部分に埋め込む
- すべてのマーケティングアセット(メール、フォーム、LP等)で統一したトラッキングコードを使用
重要:
- トラッキングコードが正しく埋め込まれていないと、データが正確に記録されません
- GA4のタグマネージャー(GTM)を使用する場合は、GTMタグをPardotアセットに埋め込みます
(4) Connected Campaigns使用時の注意点
PardotのConnected Campaigns機能を使用している場合、Google Analytics Connectorの設定に注意が必要です。
注意点:
- Connected Campaignsの自動キャンペーン作成設定をオンにしない
- オンにすると、Google Analytics ConnectorとConnected Campaignsが競合し、意図しないキャンペーンが作成される可能性がある
4. 連携後のデータ活用方法(キャンペーン効果測定・アトリビューション分析)
(1) UTMパラメータ情報をSalesforceと同期してレポート化
Google Analytics Connectorで記録されたUTMパラメータ情報は、Salesforceと同期できます。
レポート活用の例:
- キャンペーンごとのリード獲得数を集計
- 流入元(source)別の成約率を分析
- メディアタイプ(medium)別の広告効果を比較
Salesforceレポート作成のポイント:
- Pardotプロスペクトレコードに記録されたUTMパラメータフィールドを活用
- カスタムレポートタイプを作成し、キャンペーン効果を可視化
(2) マルチチャネルアトリビューション分析の実践
UTMパラメータを活用したマルチチャネルアトリビューション分析が主流になっています。
分析の流れ:
- ファーストタッチ(初回訪問時のUTMパラメータ)を記録
- その後のタッチポイント(メール開封、ウェビナー参加等)を追跡
- 最終的な成約に至るまでの全接点を可視化
- 各チャネルの貢献度を評価
活用例:
- Google広告→メール→ウェビナー→成約という経路を特定
- Google広告の貢献度を正確に評価し、予算配分を最適化
(3) GA4イベント追跡でフォーム送信・エンゲージメントを可視化
GA4との統合により、フォーム送信やページエンゲージメントを詳細に追跡できます。
GA4イベント追跡の活用:
- フォーム送信イベントをトリガーとしたコンバージョン計測
- ページスクロール深度やクリックイベントの分析
- iframeフォーム内のイベント追跡(2023-2024年の新機能)
(4) Einstein Analyticsとの組み合わせで真の広告ROIを把握
Einstein Analyticsと組み合わせることで、Google Analyticsだけでは見えない真の広告ROIを把握できます。
Einstein Analytics活用のメリット:
- PardotのリードスコアリングとGoogle Analyticsの行動データを統合
- 営業部門の商談結果とマーケティング接点を紐づけて分析
- AIによる予測分析で、広告予算の最適配分を提案
5. トラブルシューティングとよくあるデータ差異の理由
(1) PardotとGoogle Analyticsでデータが異なる理由(セッション定義の違い)
PardotとGoogle Analyticsでセッション数やページビュー数が異なることがあります。これは、セッション定義の違いによるものです。
セッション定義の違い:
- Pardot: ページロード時にセッションをカウント
- Google Analytics: JavaScriptコード実行後にセッションをカウント
データ差異の原因:
- JavaScriptがブロックされている場合、GAではカウントされないがPardotではカウントされる
- Cookie設定の違いにより、セッションの継続判定が異なる
(2) ファーストタッチのみ記録され既存プロスペクトには遡及適用されない
Google Analytics Connectorはファーストタッチのみ記録します。
制約:
- 既存プロスペクトには遡及適用されない
- 新規訪問者のみがUTMパラメータ記録の対象
- リピート訪問時のUTMパラメータは更新されない
対処法:
- リピート訪問のコンバージョン計測は、GA4のイベントトラッキングで別途設定
- Pardot Engagement Historyで訪問履歴を追跡
(3) Connected Campaigns自動作成設定の競合問題
Connected Campaignsの自動キャンペーン作成設定をオンにすると、Google Analytics Connectorと競合する可能性があります。
問題:
- 意図しないキャンペーンが自動作成される
- データが重複する
解決策:
- Connected Campaignsの自動キャンペーン作成設定をオフにする
- 手動でキャンペーンを作成し、正確な設定を維持
(4) Cookie規制対応(ファーストパーティ vs サードパーティトラッキング)
Cookie規制が強化され、ファーストパーティトラッキングとサードパーティトラッキングの使い分けが重要になっています。
ファーストパーティトラッキング:
- 自社ドメインを使用したCookie追跡方式
- Cookie規制の影響を受けにくい
- PardotとGA4の統合ではファーストパーティトラッキングを推奨
サードパーティトラッキング:
- 外部ドメインを使用したCookie追跡方式
- Cookie規制により制限される可能性が高い
6. まとめ:連携で実現できることと導入判断のポイント
PardotとGoogle Analyticsの連携により、マーケティング施策の効果測定を強化し、アトリビューション分析による広告ROIの可視化が実現できます。Google Analytics ConnectorはUTMパラメータを自動記録し、ファーストタッチを追跡する便利な機能です。
次のアクション:
- Pardot管理画面から「Admin | Connectors」→「+ Add Connector」→「Google Analytics」でセットアップ
- Google AnalyticsのトラッキングコードをPardotフォーム・ランディングページに埋め込む
- キャンペーンURLに正確なUTMパラメータを含める(campaign、medium、source、content、term)
- GA4のイベントトラッキングでフォーム送信・エンゲージメントを可視化
- PardotとGoogle Analyticsのデータ差異の理由を理解し、正しくデータを解釈する
導入判断のポイント:
- すべてのPardotエディションで利用可能、追加費用なし
- GA4との統合が可能で、最新のトラッキング機能に対応
- UTMパラメータ情報をSalesforceと同期し、レポート活用が可能
- ファーストタッチのみ記録される制約があるため、リピート訪問のコンバージョンはGA4で別途設定が必要
PardotとGoogle Analyticsを連携することで、マーケティングと営業の全体像を可視化し、データ駆動型の意思決定を実現してください。
※機能仕様は更新される可能性があります。最新情報はSalesforce公式ヘルプ(https://help.salesforce.com/)でご確認ください。 (この記事は2024年の情報に基づいています)
