PardotとGoogle広告を連携させたいけれど、設定方法や効果測定が分からない...
B2B企業でマーケティングオートメーション(MA)ツールを活用している担当者の多くが、Google広告との連携に悩んでいると言われています。「どのキーワードが商談につながったのか知りたい」「広告費の費用対効果を正確に把握したい」といった課題は、リード獲得を重視するB2B企業では一般的なものです。
この記事では、Salesforce社が提供するAccount Engagement(旧Pardot)とGoogle広告の連携について、設定手順からROI測定までを実践的に解説します。
この記事のポイント:
- Account EngagementとGoogle広告の連携は3分程度で設定可能
- Google広告コネクタを使うことでキーワード別の商談・売上貢献度を可視化できる
- Google広告専用機能のため、Yahoo!広告やFacebook広告には非対応
- 2025年5月31日に従来のSalesforce連携サポートが終了予定(Data Managerへの移行が必要)
- サードパーティCookie廃止に備え、ファーストパーティトラッキングへの移行を推奨
1. PardotとGoogle広告を連携する目的とメリット
Account Engagement(旧Pardot)とGoogle広告を連携することで、B2Bマーケティングにおける広告効果の可視化が大きく進みます。
(1) キーワード別の商談・売上貢献度の可視化
Google広告コネクタを利用すると、各キーワードが商談や売上にどのように貢献しているかを追跡できるようになります。Salesforce公式ヘルプによると、Plus Edition、Advanced Edition、Premium Editionで利用可能です。
具体的には以下のデータを把握できます:
- どのキーワードからリードが獲得されたか
- そのリードが商談化したかどうか
- 最終的な売上への貢献度
これにより、単なるクリック数やコンバージョン数ではなく、実際のビジネス成果に基づいた広告運用が可能になります。
(2) リード獲得から受注までのカスタマージャーニー追跡
B2B商材は検討期間が長いケースが多く、広告クリックから受注まで数ヶ月かかることも珍しくありません。Account EngagementとGoogle広告を連携することで、長期間にわたるカスタマージャーニー全体を追跡できるようになります。
従来の広告レポートでは「クリック→問い合わせ」までしか追跡できなかったものが、「クリック→リード獲得→ナーチャリング→商談化→受注」という流れで可視化できるため、広告の真の価値を把握しやすくなります。
2. Google広告コネクタの機能と制約
連携を始める前に、Google広告コネクタの機能と制約を理解しておくことが重要です。
(1) Google広告コネクタでできること
Google広告コネクタの主な機能は以下の通りです:
データ連携:
- GCLID(Google Click ID)をリードデータに紐付け
- キーワード情報のインポート
- キャンペーン・広告グループ情報の取得
分析機能:
- キーワード別の商談貢献度レポート
- 広告費対効果(ROAS)の算出
- アトリビューション分析
(2) 利用可能なエディションと前提条件
Google広告コネクタを利用するには、以下の条件を満たす必要があります:
対応エディション:
- Account Engagement Plus Edition
- Account Engagement Advanced Edition
- Account Engagement Premium Edition
前提条件:
- Google広告アカウントの管理者権限
- Account Engagementの管理者権限
- SalesforceとAccount Engagementの連携完了
※エディションや料金の詳細は公式サイトで最新情報をご確認ください。
(3) 他プラットフォーム(Yahoo!・Facebook)への非対応
Google広告コネクタはGoogle広告専用の機能です。Yahoo!広告やFacebook広告、その他のDSP広告などには対応していません。
他プラットフォームの広告効果を測定する場合は、カスタムリダイレクトとUTMパラメータを使った間接的な連携が必要です。この場合、データフローは「広告」→「Pardot」の一方向のみとなり、Google広告コネクタほどシームレスな連携はできない点に注意が必要です。
3. 連携設定の具体的手順
実際の連携設定は、適切な権限があれば3分程度で完了できると言われています。
(1) Account Engagementでの設定(3分で完了)
連携の基本的な流れは以下の通りです:
- Account Engagementにログイン
- 「設定」メニューから「コネクタ」を選択
- 「Google広告」を選択して認証を開始
詳細な手順はSalesforce公式ヘルプで公開されています。
(2) Google広告アカウントの認証
認証時には以下の点を確認してください:
認証前の確認事項:
- Google広告アカウントにログインしていること
- 該当アカウントの管理者権限があること
- ブラウザでポップアップがブロックされていないこと
認証手順:
- 「Google広告に接続」をクリック
- Googleアカウントでログイン(ポップアップ)
- アクセス許可を承認
- 連携完了の確認
(3) 連携確認とテスト方法
設定完了後は、実際にトラッキングが機能しているかテストすることを推奨します:
テスト手順:
- Google広告から自社サイトにアクセス(テスト用)
- フォーム送信でリードを作成
- Account Engagementでリードにキーワード情報が紐付いているか確認
並行トラッキング設定が正しく行われていない場合、GCLIDが正常に付与されないケースがあります。トラッキングが機能しない場合は、Account Engagementの並行トラッキング設定を確認してください。
4. トラッキング設計とデータ活用
連携後のトラッキング設計は、広告効果測定の精度を左右する重要なポイントです。
(1) GCLIDパラメータの仕組みと設定
GCLID(Google Click ID)は、Google広告のクリック情報をSalesforceのリード・商談データと紐付けるためのIDです。
GCLIDの仕組み:
- ユーザーがGoogle広告をクリックすると、URLにGCLIDが自動付与される
- ランディングページでGCLIDを取得し、フォーム送信時にAccount Engagementに送信
- Account EngagementがGCLIDをリードデータに紐付け
設定ポイント:
- 自動タグ設定がGoogle広告アカウントで有効になっていることを確認
- ランディングページのフォームがGCLIDを取得できる設定になっていることを確認
(2) カスタムリダイレクトの活用と注意点
カスタムリダイレクトは、広告効果を測定するためにAccount Engagementが提供するURL転送機能です。Google広告コネクタを使わない場合や、他の広告プラットフォームの効果測定に利用できます。
注意点:
- カスタムリダイレクトを使用すると、広告プラットフォームが認識するためのパラメータがURLから失われる可能性があります
- 運用データの多くが欠落するケースも報告されています
- Google広告の場合は、コネクタを利用した直接連携が推奨されます
(3) ファーストパーティトラッキングへの対応
GoogleがサードパーティCookieの廃止を予定しており(2025年以降実施見込み)、トラッキング環境が変化しています。
対応状況:
- Account Engagementは2021年2月にファーストパーティトラッキングを正式リリース済み
- 自社ドメインのCookieを使用したトラッキングが可能
- Safariではすでにサードパーティトラッキングがブロックされている
推奨対応:
- ファーストパーティトラッキングへの移行設定を完了しておくことを推奨
- 移行方法の詳細はSalesforce公式ヘルプを参照してください
5. ROI測定とレポーティングの実践
連携後は、広告費対効果を正確に把握するためのレポーティング体制を整えることが重要です。
(1) キーワード別の貢献度分析
Google広告コネクタを利用すると、以下のようなレポートが作成可能です:
キーワード別レポート項目:
- キーワード別のリード獲得数
- キーワード別の商談化率
- キーワード別の受注金額
これらのデータを組み合わせることで、どのキーワードがビジネス成果に貢献しているかを把握できます。
(2) 広告費対効果(ROAS)の算出
ROAS(Return on Advertising Spend)は、広告費に対する売上の比率を示す指標です。
ROAS計算式: ROAS = 広告経由の売上 ÷ 広告費 × 100%
例:
- 広告費: 100万円/月
- 広告経由の受注金額: 500万円/月
- ROAS: 500%
B2B商材の場合、商談化から受注まで時間がかかるため、3-6ヶ月程度の期間で評価することが一般的です。
(3) アトリビューション分析で見る広告の真の価値
B2B商材では、複数回の接点を経て受注に至るケースが多いです。アトリビューション分析を行うことで、広告の真の貢献度を把握できます。
分析ポイント:
- ファーストタッチ(最初の接点)としての広告の役割
- ラストタッチ(最後の接点)としての広告の役割
- 検討期間中の広告の再接触効果
Account EngagementとSalesforceのデータを組み合わせることで、カスタマージャーニー全体でのアトリビューション分析が可能になります。
6. まとめ:連携後の運用と今後の注意点
Account Engagement(旧Pardot)とGoogle広告の連携は、B2B企業の広告効果測定を大きく改善する手段です。設定自体は3分程度で完了しますが、継続的な運用と環境変化への対応が重要です。
今後の注意点:
- 2025年5月31日: 従来のSalesforce連携サポートが終了予定。Data Managerへの移行が必要です
- サードパーティCookie廃止: 2025年以降の実施が予定されています。ファーストパーティトラッキングへの移行を推奨します
- 定期的な設定確認: 連携が正常に機能しているか、定期的にテストすることを推奨します
次のアクション:
- 自社のAccount Engagementエディションを確認する(Plus以上が必要)
- Google広告アカウントの管理者権限を確認する
- Salesforce公式ヘルプで最新の設定手順を確認する
- 連携設定後、テストリードで動作確認を行う
Google広告コネクタを活用して、広告の真のビジネス価値を可視化し、効果的なマーケティング投資を実現しましょう。
