アウトサイドセールスとインサイドセールスの違いが分からない...
B2B営業の現場では、「営業組織の分業化」が進んでいます。しかし、「アウトサイドセールスとインサイドセールスの違いは何か」「訪問営業はリモート化でなくなるのか」といった疑問を持つ営業担当者は少なくありません。
この記事では、アウトサイドセールス(フィールドセールス)の定義・役割・インサイドセールスとの違い・必要なスキルを詳しく解説します。
この記事のポイント:
- アウトサイドセールスは顧客先を訪問して直接商談を行う営業手法
- フィールドセールスとも呼ばれ、成約・クロージングが主な役割
- インサイドセールスはリード育成、アウトサイドセールスは売上拡大が目的
- THE MODEL型営業組織では、分業により新規訪問数172%増加の事例も
- 高単価・複雑な商材では対面での関係構築が重要
営業組織の分業化が進む背景
近年、B2B企業では営業組織の分業化が進んでいます。
分業化の背景:
- 営業プロセスの専門化によるパフォーマンス向上
- デジタル化によるリード獲得手法の多様化
- 人材不足への対応(適材適所の配置)
- SaaS企業を中心としたTHE MODELの普及
分業化の効果: ある企業では、営業組織の分業化により新規訪問数が前年比172%に増加した事例があります。また、適材適所の人員配置が可能になり、専門性の向上、生産性の向上、新人育成の効率化といったメリットが得られています。
ただし、分業化には副作用もあり、部門間の連携不足により顧客体験が損なわれる可能性があるため、適切な連携設計が重要です。
アウトサイドセールス(フィールドセールス)とは
(1) 定義と役割
アウトサイドセールスとは、顧客先を訪問して直接営業活動を行う手法です。外勤営業、フィールドセールスとも呼ばれます。
主な役割:
- 顧客との対面商談
- ニーズの顕在化と提案
- クロージング(契約締結)
- 関係構築と長期的な信頼醸成
特徴:
- マーケティング部門が獲得し、インサイドセールスが育成したリードを成約に導く
- 売上に直結する重要なポジション
- 高単価・複雑な商材で特に重要
フィールドセールスは、営業活動全体の成果を底上げする「要」のポジションと言われています。顧客の状況や組織内の力学をていねいに把握しながら提案を磨き込む役割が欠かせません。
(2) THE MODELにおける位置づけ
THE MODELとは、SaaS企業における営業組織の分業モデルです。
THE MODELの構造:
- マーケティング: リード獲得
- インサイドセールス: リード育成・アポイント獲得
- フィールドセールス(アウトサイドセールス): 商談・成約
- カスタマーサクセス: 継続・アップセル
この分業体制により、各部門が専門性を高め、全体としての営業効率が向上します。フィールドセールスは、成約という最終ゴールに最も近いポジションとして、組織の売上を左右する重要な役割を担います。
インサイドセールスとの違い
(1) 目的の違い(リード育成 vs 成約)
インサイドセールス:
- 主な目的: 見込み客の育成(リードナーチャリング)
- 中長期的な視点で活動
- リードの温度感を高め、アウトサイドセールスに引き継ぐ
アウトサイドセールス:
- 主な目的: 売上の拡大(成約)
- 商談から契約締結まで担当
- 成約率・受注金額がKPI
(2) 活動方法の違い(非対面 vs 訪問)
インサイドセールス:
- 活動場所: オフィス(デスクワーク中心)
- 手段: 電話、メール、Web会議
- メリット: 移動時間不要、多くのリードに接触可能
- 注意点: 関係性が希薄になりやすい
アウトサイドセールス:
- 活動場所: 顧客先(訪問中心)
- 手段: 対面商談、プレゼンテーション
- メリット: 深い関係構築、複雑な商談への対応
- 注意点: 移動コスト・時間がかかる
アウトサイドセールスに必要なスキル
(1) 提案力・クロージング力
アウトサイドセールスは、商談を成約に導くための高い提案力・クロージング力が求められます。
提案力のポイント:
- 顧客の課題を深く理解する
- 課題に対するソリューションを明確に提示
- ROI(投資対効果)を具体的に示す
- 競合との差別化ポイントを説明
クロージング力のポイント:
- 意思決定者の懸念を解消
- 導入スケジュールを具体化
- 契約条件の調整と合意形成
ある SaaS企業では、製造業向けとIT企業向けで別々の提案資料を設計したことで、成約率が1.6倍に改善した事例があります。
(2) 関係構築力
2025年においても、デジタル化が進む中でアウトサイドセールスの価値は変わらないとされています。直接顧客と接することで得られる信頼は、オンラインでは得られない部分があります。
関係構築力のポイント:
- 顧客の業界・ビジネスへの深い理解
- 長期的な視点での関係性維持
- 複数の意思決定者との関係構築
- 問題解決パートナーとしての信頼獲得
BtoBの購買意思決定は、価格比較だけでなく、購買プロセス全体のコミュニケーションや長期的な運用面を含めた総合的な判断で行われるため、関係構築力は非常に重要です。
インサイドセールスとの連携のポイント
(1) BANT情報の共有
インサイドセールスとアウトサイドセールスの連携では、BANT情報の共有が重要です。
BANTとは:
- Budget(予算): 導入予算があるか
- Authority(決裁権): 意思決定者は誰か
- Need(ニーズ): 課題・ニーズは明確か
- Timing(導入時期): いつ導入したいか
BANT情報を適切に収集・共有することで、フィールドセールスの訪問効率と成約率を同時に向上させることができます。
(2) ホットリードの定義と引き継ぎ
ホットリードとは、購買意欲が高く、成約の可能性が高い見込み客のことです。
連携のポイント:
- ホットリードの定義を組織で統一
- 引き継ぎ時の情報共有を標準化
- インサイドセールスでオンライン商談まで実施してからパス
ある調査では、インサイドセールスがオンライン商談まで実施してからフィールドセールスにパスする営業スタイルを導入した企業の80%で、フィールドセールスの成約率が向上したという結果があります。
受注確度が十分に高まっていない相手に商談をするケースでは成功率が低くなるため、適切なタイミングでの引き継ぎが重要です。
まとめ:アウトサイドセールスの成功条件
アウトサイドセールス(フィールドセールス)は、営業組織の分業化が進む中で、成約・売上に直結する重要な役割を担います。インサイドセールスとの適切な連携により、成約率向上と効率的な営業活動が実現できます。
成功のためのポイント:
- 提案力・クロージング力を高める
- 顧客との関係構築を重視する
- インサイドセールスとのBANT情報共有を徹底する
- ホットリードの定義を組織で統一する
- 訪問とオンラインを適切に使い分ける
次のアクション:
- 自社の営業組織の分業状況を整理する
- インサイドセールスとの連携プロセスを見直す
- BANT情報の収集・共有ルールを確立する
- 成約率のKPIを設定し、改善を続ける
※この記事は2025年時点の情報です。成約率は業界・商材・ビジネスモデルにより変動するため、自社の状況に合わせた判断が必要です。
よくある質問:
Q: アウトサイドセールスに向いている人は? A: 対面コミュニケーションが得意で、顧客との関係構築を重視する人が向いています。高単価・複雑な商材の提案力が求められるため、顧客の課題を深く理解し、ソリューションを提示できる能力が重要です。
Q: インサイドセールスとの連携で成約率は上がるか? A: 上がる傾向にあります。ある調査では、インサイドセールスがオンライン商談まで実施してからフィールドセールスにパスする営業スタイルを導入した企業の80%で、成約率が向上しています。
Q: BtoB営業の成約率の目安は? A: SaaSサービスで約30%が一般的な目安とされています。ただし、業界・商材・ビジネスモデル・市場でのポジションにより大きく変動し、60%を達成する企業もあります。
Q: リモート化でアウトサイドセールスは不要になるか? A: 不要にはなりません。2025年においても、デジタル化が進む中でアウトサイドセールスの価値は変わらないとされています。特に高単価・複雑な商材では、直接顧客と接することで得られる信頼がオンラインでは代替できない場合があります。訪問とオンラインの使い分けが重要です。
